効率的なトラック導入手段とは?中古トラック購入とリース・レンタルを徹底比較!
車両価格や納車までの時間などの面で大きなメリットが期待できる中古トラック導入を、さらに効率的に導入するために購入・リース・レンタルでの中古トラック導入を分析し、それぞれの特徴やメリット・デメリットなどを紹介します。
経済活動の多様化でトラックの導入方法にも選択肢が発生している
トラック導入を検討する際に最初に思い浮かべるのが「新車トラックを導入するか中古トラックを導入するか?」ではないでしょうか?トラックは車両価格が高額なうえに利用者の求める装備を架装するケースが多く受注生産に近い生産体制で製造されるため、一般的に注文から納車までの期間が長期化する傾向にあります。
以前から効率的なトラック導入手段として中古トラック販売店を利用した中古トラックの購入によるトラック導入が行われていましたが、経済活動の多様化と共に中古トラックの導入手段にも購入・リース・レンタルなどの方法が用いられるようになり注目されています。
引越しや短期プロジェクトなどで使用する際には中古トラックをレンタルして導入するのが有効だと考えられますが、常用的にトラックを使用する運送業務などに導入する場合レンタルは現実的ではないと言えますので、本章では購入とリースを比較して紹介します。
トラック導入には購入・リースの2タイプが存在する
トラック導入手段として現在主に用いられているのが購入とリースです。リースに対してレンタルのようなシステムをイメージする方もいるかもしれませんが、レンタルとリースは似て非なるシステムだと言えます。
購入によるトラック導入とは
中古トラックを用いたトラック導入のなかで最もオーソドックスな導入手段として広く普及しているのが、中古トラック販売店で中古トラックを購入し導入する方法です。購入車両に対しては中古トラックであっても税務処理を行う上で減価償却期間が設定可能ですし、車両購入費用が完済した時点で車両の名義が利用者に変更されます。
リースによるトラック導入とは
所有する車両を不特定多数の利用者に短期契約で貸与するサービスのレンタルに対して、数年単位の貸与契約を結び利用者の希望する車両をリース会社が代理購入し貸し出すサービスがリースで、中古トラックの場合はリース会社が中古トラックを代理購入します。
購入によるトラック導入の2つの選択肢
既にふれたとおり最もオーソドックスなトラック導入手段であるのが、購入によるトラック導入で新車を購入するか中古車を購入するかの2つの選択肢から導入手段を選ぶことができます。
新車購入でのトラック導入
自分の希望する車種やグレード、仕様や架装をトラックメーカーのディーラーなどに注文し、トラックメーカーの製造工場から注文したトラックの製造・納入を受けるのが新車購入によるトラック導入です。
車両価格が高額となり注文どおりの車両が納車されるまで一定期間待つ必要がありますが、思い通りのトラックを購入することが可能です。国税庁では税務処理上の減価償却期間である法定耐用年数として次に挙げる期間を定めています。
自家用トラック
個人や自社製品の運送など運送料が生じない積み荷の運送業務に用いられる、通称「白ナンバー」と呼ばれる自家用トラックの法定耐用年数は次のとおりです。
・ダンプカー:新車登録後4年間(48ヶ月)
・その他のトラック:新車登録後5年間(60ヶ月)
事業登録するトラック
運送料を受け取るために顧客の荷物の運送を行う運送業務に用いられ通称「緑ナンバー」と呼ばれる事業用トラックの法定耐用年数は次のとおりです。
・積載量2トン以下の小型トラック:新車登録後3年間(36ヶ月)
・ダンプカー:新車登録後4年間(48ヶ月)
・ダンプカー以外の貨物自動車:新車登録後5年間(60ヶ月)
・被牽引車(トレーラー):新車登録後4年間(48ヶ月)
・その他のトラック:新車登録後4年間(48ヶ月)
中古トラック購入でのトラック導入
効率的なトラック導入手段として知られるのが、中古トラック販売店で取り扱われる中古トラックを購入する方法です。既に完成している中古車両を購入するため納車期間を大きく短縮することが可能ですし、新車同然の未使用車やリーズナブルな低年式車のなかから予算にあわせた車両を選ぶことができます。
中古トラックも購入コストを減価償却することが可能で、国税庁では税務処理上の減価償却期間である法定耐用年数として次に挙げる期間を定めています。
・新車登録後の法定耐用年数を超過した車両:法定耐用年数×20%で算出される年数
・新車登録後の法定耐用年数内の車両:法定耐用年数-経過年数×80%で算出される年数
リースによるトラック導入は2つのプランが存在する
利用者の希望する中古トラックをリース会社が代理購入、又は中古トラック販売店がリース会社の機能を果たし契約期間中車両を借り受けるのがリースによるトラック導入です。契約期間中は自由に使用できますが、車両所有者はトラックを貸し出すリース会社となります。
購入資金が必要ないリースでは一般的にリース期間終了時の車両の残価設定を行うことで月々のリース料金を引き下げる手法が取られますが、走行距離の上限設定や事故を起こさないことが条件に加えられるケースが多いと言えます。
またリースにはファイナンスリースとメンテナンスリースと呼ばれる2つのプランが存在し、プランによってランニングコストやトータルコストが異なるのでリースでトラック導入を行う場合はプランの検討が必要となります。
リース料金を抑えられるファイナンスリース
車両購入費用や自動車税、初回の重量税・自賠責保険料をリース会社が負担し、車両維持に必要となる車検や整備費用は利用者が負担するのがファイナンスリースです。車両維持費用を利用者が負担することで、月々のリース料金を抑えることができます。
ランニングコストを抑えられるメンテナンスリース
自動車購入費用や自動車税・重量税・自賠責保険料・車検費用・基本的な整備費用など車両の維持費をリース会社が負担するのがメンテナンスリースです。任意保険・燃料代などを負担するだけで車両を利用できるため、ランニングコストを抑えながら中古トラックを導入することができます。
導入方法によるメリットとデメリットを比較
導入手段は中古トラック導入時のイニシャルコストや導入後のランニングコストに大きく影響するため、慎重に検討すべき問題だと言えるでしょう。検討材料として必要となる各導入方法のメリットとデメリットを紹介します。
購入によるトラック導入のメリット
中古トラックを購入して導入するメリットは所有権が利用者にあるという点だと言えます。所有車両であれば使用用途に合わせた装備の搭載が可能ですし、不要になれば売却して運転資金に転換することも可能です。
購入によるトラック導入のデメリット
中古トラックを購入して導入するデメリットは導入コストや導入後のランニングコストを100%負担する必要がある点だと言えます。車両価格が高額なトラックは中古車両であっても導入時にまとまった出費が求められます。
リースによるトラック導入のメリット
リース期間終了後の残価設定を行い車両購入費用から残価を差し引いてリース料金を算定するため、コストを抑えてトラック導入が行えるのがリースのメリットです。ランニングコストを抑えた車両運行が期待できます。
リースによるトラック導入のデメリット
購入で有ればローンの支払いが完了した時点で車両所有権が譲渡されますが、リースの場合はリース期間完了時の残価設定によって次の4つの選択を迫られます。
・残価設定が行われていない場合:所有権をリース会社から利用者へ譲渡
・残価設定されている場合1:残価の清算を行い所有権をリース会社から利用者へ譲渡
・残価設定されている場合2:残価を元にリース期間の延長を行う
・残価設定されている場合3:リース会社に車両返却を行う
契約完了時に再度トラック導入計画を検討する必要があることはリースによる中古トラック導入のデメリットだと言えます。またリース料金を抑えるために設定する残価に悪影響を及ぼす修理や過走行があった場合、リース契約終了時に差額を請求されるケースも存在します。
トラック導入は中古トラック販売店を利用した購入がおすすめ
車両価格が高額であるトラックは車両自体が大きな資産の1つであると言えるでしょう。自己資産を増やすためにはトラックの所有権は利用者自身が持つ必要がありますので、リースよりも購入によって中古トラックの導入を行った方が長期的にはプラスに働くと考えられます。
導入コストを予算に合わせて調整できるのが中古トラックの魅力
トラック導入時コストの経済的負担は決して小さなものではありませんが、中古トラック販売店で取り扱われる中古トラックは新車同然のものから低年式のものまで幅広いため、予算に合わせた車両を選ぶことが可能です。
運行することで収入を得て生計を立て長時間を車内で過ごすドライバーの方にとって、トラックはビジネスセンターのような存在ですので、先行投資として予算より少し高めの車両を選ぶのも良いのではないでしょうか?
購入手続き完了直後に乗り出せる中古トラック
中古トラックを選択するメリットの1つに納車までの時間が短いという点も挙げられます。リース契約の場合はリース会社や中古トラック販売店が行う審査に通過する必要がありますので、審査のない購入であれば納車期間を短縮できることが期待できます。
必要に応じてトラック導入を検討しているのですから、スムーズなトラック導入を行いたいものですね。
まとめ
経済活動が多様化しトラック導入手段も購入・リース・レンタルの選択肢から最も適した方法を選べるようになりました。トラック導入時の検討材料として次の3つのポイントを見極めどの方法でトラック導入を行うかを決定して下さい。
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- トラックの所有権は購入で得られるがリースでは得られない
- リース車両は残価損失防止のため使用に制限が存在する
- 購入よりリースの方が導入コストを抑えることができる