中古トラックの現車確認で必ずチェックするべきポイント
中古トラック現車確認時のチェックポイント!「外装編」
購入候補のトラックを現車確認する際は、最初に外装から始めるのが良いでしょう。少し離れた場所からトラック全体を確認し、傾きなどがないかを見るところから外装の確認が始まります。
全体的に問題がなければトラックの近くで次に挙げるチェックポイントの確認を行います。
どこにどのくらいのキズや凹みがあるか?
トラックの外装には剛性の高い素材が用いられていますが、既に業務車両として使用されていた中古トラックにある程度のキズや凹みが付いていることは致し方ありません。外装のチェックポイントはキズや凹みなどの外観的なものではなく、「どういった状況でついた傷なのか?」「使用に関する支障はないのか?」にポイントを置いて販売店に確認します。
中古トラック販売は原則的に現状引き渡しですので、現車確認の際に明確な回答が得られない場合は購入契約前にしっかりと協議することをおすすめします。
車検や点検整備済みステッカーが貼られているか?
フロントガラスに貼り付けられている車検や点検整備済みステッカーも、現車確認の外装チェックポイントの中に含まれます。特に、点検整備済みステッカーは中古トラックがどのようなメンテナンスを受けてきているかの判断材料となります。
業務車両として安全性が重視されるトラックですから、しっかりとメンテナンスされてきたものを選びたいものです。納車前点検を依頼する際にはどのような点検整備が行われるのかを販売店に確認するべきだと言えます。
タイヤの減り具合や編摩耗の有無などのタイヤコンディションは?
トラックパーツの代表的な消耗パーツとしてタイヤが挙げられますが、トラックのタイヤは決して安いパーツではないのでタイヤの溝の減り具合は必ず確認するべきです。タイヤが減り過ぎている場合はタイヤ交換を相談しますが、仮に編摩耗がある場合は必ず編摩耗の原因を確認するべきです。
タイヤの編摩耗はホイールバランスがおかしい場合や、車両への負担が高い仕様などで発生するため機関部分へダメージを負っている可能性も考えられます。タイヤを確認する際はスペアタイヤも忘れずにチェックするようにしましょう。
荷台や荷室のコンディション
荷役車両であるトラックにとって荷台や荷室は非常に重要な部分だと言えます。トラックの荷台の四隅は構造上水が溜まり易いため、実車確認の際には荷台の四隅を中心にフックの根元などに錆が発生していないかを確認しましょう。荷台のアオリや荷室のドアの動きがスムーズであることも外装チェックの際に確認しておきたいものです。
ウィンドウや保安部品のライトやミラー類にヒビや破損がないか?
高速道路を走行する機会が多いトラックは跳ね石でウィンドウやライト、ミラー類にヒビや破損が発生することが少なくありません。フロントウィンドウに欠けやヒビがある場合は車検を通過できない可能性もありますし、走行中の風圧を受けるため小さな欠けやヒビが広がる危険性も考えられるので、外装チェックの際に発見した場合は販売店と協議すべきです。
またライトやミラーなどの保安部品も気になる破損があれば、積極的に指摘するべきだと言えるでしょう。
シャーシに錆や歪みが発生していないか?
ダンプ車のように荷台が持ち上がるトラックであれば外装チェックの際に荷台をダンプさせることで、シャーシの確認が行えますが、トラックの場合は車体の下に潜り込む必要があるためシャーシの確認は簡単ではありません。
しかし多くの積荷を乗せるトラックのシャーシに錆や歪みが発生していると、時間の経過と共に症状が悪化しますのでできれば確認しておきたいものです。シャーシのチェックポイントはクロスメンバー(横向きフレーム)やサイドレール(縦向きフレーム)に錆や歪みが発生していないかです。
中古トラック現車確認時のチェックポイント!「内装編」
外装の現車確認が終われば内装の確認を行います。トラックの機能面のチェックポイントを紹介しますが、1日の多くの時間をトラックの中で過ごすトラックドライバーにとって居住性も重要なチェックポイントですので、シートの座り心地など好みを重視した自分なりのチェックポイントも確認することが大切です。
内装確認の際は実際の乗車時のようにドアを閉め、遮音性などの確認を行うことをおすすめします。
車内の臭いは重要なチェックポイント!
トラックの運転は神経を使うものですから車内環境は快適にしておきたいものです。エンジンが発生する振動や騒音などは改善が難しく致し方ないものですが、嫌な臭いがたちこめているトラックは敬遠したいものです。
灰皿に付着している煙草の灰やシートの汚れなどが原因の臭いの場合は、納車前のクリーニングで解消されるケースも少なくないので、現車確認の内装チェックの際に車内の臭いも確認し、臭いがある場合は販売店と協議しましょう。
エアコンが問題なく稼働するか?
季節を問わず内装確認の際には冷房・暖房の両機能を確認します。
エアコンの効きが悪い場合はガス漏れやラジエーターのトラブルが考えられるので、販売店に修理を依頼するべきでしょう。納車後の居住性に大きく影響するエアコンですから重要なチェックポイントだと言えます。
メーターパネル内の表示灯や警告灯は点灯するか?
トラックのメーターパネル内には30前後の表示灯や警告灯が装備されています。表示灯や警告灯はトラックの搭載機能の稼働状況やトラブルの発生をドライバーに知らせる重要な存在ですので、必ず確認すべきチェックポイントだと言えます。
エンジンキーをアクセサリーの位置まで回すと各種表示灯や警告灯が点灯しますので、販売店の担当者に表示灯や警告灯が表す意味を確認しながら何度もチェックしましょう。
カーナビやETC、各種電装部品の作動確認
カーナビやETCなどが装備されている場合は内装確認の際に作動確認を行います。また電装系自体に問題がない場合でも、摩耗などで起動スイッチの接触不良が発生する場合もあるので各種スイッチ類のON・OFFは見逃せないチェックポイントです。
中古トラック現車確認時のチェックポイント!「付属品編」
トラックの付属品も中古トラックの現車確認の際に行って置くべきチェックポイントだと言えます。例えば数多くの特殊機能が搭載されているトラックは普通車では通常必要ない操作マニュアルがあると非常に便利ですから、内装チェックを行う際に確認しておきたいものです。
車検証・整備記録簿・自動車税納付書・自賠責保険証
車の登録証明である車検証や購入する中古トラックに車検が残っている場合、自動車税納付書・自賠責保険証が付属しているかを確認するのは当然必要です。またトラックの整備履歴が残された整備記録簿はトラックの履歴書のようなものですから、忘れてはならないチェックポイントだと言えるでしょう。
新車登録時からの全ての整備記録が記載されているトラックであれば、安心して購入することができると考えられます。
車載工具類やジャッキは揃っているか?
長距離走行を行う機会が少なくないトラックは、いつ何時どこでトラブルが発生するか予想できません。万一トラブルが発生した場合軽微なものであれば車載工具を使ってリカバリーすることも可能です。
また車両総重量が大きなトラックを持ちあげるためには大型ジャッキが必要となりますので、トラックの付属品に含まれるジャッキは重要工具だと言えます。万一のトラブルやメンテナンスの際に活用する車載工具やジャッキの有無は実車確認の際に行うべきチェックポイントで、足りない工具などは事前に準備しておくべきでしょう。
忘れてはならないスペアタイヤの有無の確認!
トラックの外装確認の際のチェックポイントに含まれるタイヤの確認でスペアタイヤを挙げていますが、トラックのタイヤは特別なものが多く万一のパンクやバーストの際スペアタイヤが絶対必要となります。
現車確認したトラックにスペアタイヤが付属していない場合は、販売店と協議して事前に用意することをおすすめします。
中古トラック現車確認時のチェックポイント!「機関編」
中古トラックの現車確認を行った後は試乗することをおすすめします。エンジンをかけた状態で現車確認を行っても、駆動系のコンディションを知ることはできませんし制動力や回頭性も判断できません。購入を検討しているトラックの現車確認は試乗する時間的余裕を持って臨むべきだと言えるでしょう。
エンジンの始動性や発生音に注意!
トラックの心臓部分であるエンジンが不調なトラックでは、購入後エンジントラブルに悩まされる可能性があります。始動時に軽快に始動し発生音もスムーズなトラックであれば問題ありませんが、始動に3秒以上かかるものや稼働中に異音があるものはエンジンに何かしらの問題を抱えている可能性があるので注意しましょう。
制動力は十分であるか?
減速やコーナリング性能、安全性能に直接影響するのが制動力を発生させるブレーキです。ブレーキが片効きしているトラックはハンドリングにも大きく影響を及ぼし安全性能が大きく低下します。
ブレーキの効きが悪い場合やブレーキング時に異音が発生する場合は、販売店と協議してブレーキパッドの交換なども納車整備で行うべきだと言えるでしょう。ブレーキは非常に重要なチェックポイントだと言えます。
排気音が大きすぎないか?
現車確認したトラックが低年式の場合、経年劣化でマフラーに穴が開いているケースがあります。試乗中に排気音にも気を付けて排気系統に問題がないかを確認しておきましょう。
まとめ
リーズナブルな車両価格や短期での納車などメリットの多い中古トラックですが、各トラックごとのコンディションに個体差があるのも事実です。購入契約を結ぶ前に必ず現車確認を行うことをおすすめします。
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- 現車確認時のチェックポイントは外装6つ、内装4つ、付属品3つ、機関3つ
- チェックポイントを確認しながら現車確認を行えば、お得な価格で納得のいく魅力的な中古トラックを購入することができる
- 操作マニュアルも重要なので確認しよう