メーカー別!トラックのエンジンオイル量一覧
車は定期的にメンテナンスが必要となりますが、なかでもオイル交換を頻繁におこなう人もいるでしょう。
業務で使うトラックとなれば、走行距離が延びることから、乗用車よりもオイル交換の頻度は高くなります。
ディーゼルエンジンを搭載した大型トラックに関しては、乗用車と同じようにオイル交換が必要ですが、オイル量は一般の車とは異なります。
排気量も大きくなるので当然ですが、一口にトラックといっても排気量も積載量もさまざまです。
この記事では、オイル交換が必要な理由から、国内で一般的なメーカー別トラックのオイル量を一覧にしてご紹介します。
エンジンオイルとはエンジンに使われている潤滑油!
エンジンオイルとは、車やバイクのエンジンに使われている潤滑油です。エンジンが動くために必要不可欠なもので、オイルパンから汲み上げられてエンジン内を循環します。
エンジンオイルは、ピストンとシリンダーの間に膜が作られシリンダー内の爆発のパワーが逃げるのを防ぎます。
停止しているときには、エンジンの底にあるオイルパンに溜まっている状態です。エンジンが稼働すると、オイルポンプによって吸い上げられエンジン内部に圧送されます。
トラックで採用されているディーゼルエンジンを含めた4ストロークエンジンでは、エンジンオイルが汚れを吸収したり、熱にさらされることで、性能が少しずつ劣化します。そのため、定期的にエンジンオイルを交換しなければいけません。
エンジンオイルの役割
エンジンオイルは、エンジン内部のパーツを保護したり、性能を引き出したりする役割を持っています。どのような役割があるのか、具体的な機能やエンジンオイルの働きをご紹介します。
潤滑機能
エンジン内部では、ピストンがシリンダーの中を上下しています。またシャフトも回転していますが、これらの部品が滑らかに動くためにエンジンオイルが必要です。粘り気があるので、金属の表面に膜が生じて、スムーズに動く手助けをします。
エンジンの走行距離が伸びて劣化したり、オイルが酸化したりすると、粘度が下がって潤滑機能が低下します。潤滑機能がないと、エンジン内部のパーツの摩耗やエンジンの焼き付きにつながるので、定期的に交換しなければいけません。
洗浄機能
エンジン内では、絶えず爆発が生じている状態です。ガソリンが燃えているので、スラッジが発生します。スラッジとは、オイルの燃えカスであるカーボンやオイルと混ざった燃料の汚れです。エンジンオイルは、内部のスラッジを洗浄する機能があります。
エンジン内部を循環しているときに、スラッジを取り込んでエンジン内部をきれいな状態に保ちます。エンジンオイルを交換するときには、真っ黒になっていることが多いですが、これはエンジンオイルが洗浄しているからです。エンジンが本来持っている性能を引き出すのに必要なエンジンオイルの機能です。
密封機能
シリンダー内で爆発するエネルギーでピストンが上下運動して車が走行します。ピストンとシリンダーの間にある隙間を埋めるのがエンジンオイル。
エンジンオイルの粘度が気密性を高めており、エンジンが効率よく駆動することが可能となります。エンジン内部が摩耗すると、気密性を高めるのが難しくなり、不具合を招きます。パーツが摩耗せずに気密性を維持するためには、エンジンオイルの定期的な交換が必要です。
冷却機能
エンジン内部を循環しているときに、熱を冷却するのもエンジンオイルの機能です。走行しているときに気化しないようになっているので、エンジン内部を循環する際に熱を吸収して、エンジンが高温になりすぎないようにする働きをします。
オイルパンに溜まったときに温度が一度下がり、その後エンジン内部を循環するサイクルです。高性能なエンジンでは、オイルクーラーが取り付けられており、エンジンオイルの冷却機能を高めています。
防錆機能
エンジン内部は高温にさらされるので、温度差が発生すると水滴がつくことがあります。水分が残っていると錆が発生する原因になりますが、エンジンオイルは防錆機能がありパーツを保護します。
エンジンオイルが劣化すると防錆効果が低下するため、エンジンオイルを交換してから距離を走っていない場合でも定期的にオイル交換しましょう。錆が発生すると、修理に多額の費用が必要ですので、定期的なオイル交換が必要です。
〈エンジンオイルについてはこちらの記事もご覧ください〉
エンジンを保護するエンジンオイル!エンジンオイルの特徴や役割・交換時期を解説!
エンジンオイル交換が必要な理由
エンジンオイルを交換せずに走行を続けていると、オイルが劣化して本来の機能を果たせなくなり、エンジンに負担がかかることから故障を引き起こす可能性があります。
たとえば、エンジンオイルを交換しないと、部品の動きが鈍るので燃費が悪くなりますし、エンジンオイルが汚れを吸収できなくなりエンジン内部にスラッジがたまっていきます。
オイルが正常な機能を果たしていると、循環とともに汚れを吸収して、オイルフィルターでろ過されますが、長期間にわたりオイル交換していないとエンジン内部に汚れが蓄積してしまうのです。
これらの要素により、エンジンオイルを交換しないと故障につながります。またオイルは燃焼室で燃料と一緒に燃えてしまうこともあり、気付いたときにはエンジンオイルが少なくなっているケースもあります。
エンジンオイルを定期的に交換するだけでなく、オイル量を確認する習慣を身につけておきましょう。
エンジンオイル量の確認や交換のタイミングはトラックの大きさによる
エンジンオイル量や汚れを確認するタイミングは、「定期的」といえるでしょう。一般的な車の場合には、3,000kmから5,000km、もしくは6か月で交換とされているので、オイル量や汚れの確認をする目安となります。
トラックの場合は排気量が大きくなるので、エンジンオイル交換のタイミングも一般的な乗用車と異なり、小型トラックの2万kmから大型トラックの4万kmが目安です。
また距離を走っていない場合でも12か月に一度は交換するようにしたいものです。
〈オイルエレメントについて〉
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オイル交換の注意点
オイルが劣化しているかどうかは、目視で確認できるものではありません。定期的にオイルゲージを確認するなどして、オイルの汚れを見なければ、どれほどエンジンオイルが汚れているかは分からないものです。
またオイルの劣化のスピードは使用シーンによっても異なります。高速道路で一定の速度を走っているなら、走行距離が伸びてもオイルの劣化は遅くなりますが、短い距離を頻繁に走行する、もしくは運行ルートに上り坂が多く含まれているなどのシビアコンディションでは劣化が早いです。
前述したオイルの確認や交換のタイミングはあくまでも目安になっているので、シビアコンディションでの運行が多いのであれば早めの交換をおすすめします。劣化したオイルを使い続けることは、エンジンにとって負担になりますし、燃費などの環境面を考慮してもおすすめできません。
外から直接目視できないからこそ、早めにオイルの状態を確認しておき、必要であればオイル交換をするとよいでしょう。
排気量によるオイル量の違い
エンジンオイルの役割や交換の必要性を見てきました。では、排気量によってどのくらいのオイル量になるのでしょうか?
一般的な乗用車は、4Lほどのオイル量ですが、トラックになると排気量も大きくなり、それにともなってオイル量も多くなります。
トラックの大きさによるオイル量の目安は以下のとおりです。
オイル量の目安 | |
2tトラック | 8~10L |
4tトラック | 12~15L |
10tトラック | 28~38L |
2tトラックでも乗用車の2倍以上のオイル量になりますし、大型トラックになると約40Lも必要となります。
大型トラックの場合には、大きさに幅があるので、50L以上必要になるトラックもあるので注意が必要です。自分が運転しているトラックのオイル量を把握しておくとよいでしょう。
オイル量の一覧
ここからは国内で販売されている主流のトラックの概要とオイル量をご紹介します。
メーカー別にトラックの種類とオイル交換のときのオイル量をご紹介します。
※インターネット上で公開されている交換オイル量や実際に作業した方が使ったオイル量を参考にしています。実際の作業の際には、オイルゲージをよく確認して、適切な量を使用してください。
いすゞのトラックのオイル量
トラックの国内シェアトップのいすゞは、トラックやバスなどを販売しています。大型ディーゼルエンジンの製造を得意としており、パワーのあるエンジンでも環境に配慮したエンジンになっています。
乗用車を販売していたこともありましたが、2002年に乗用自動車の販売を終了すると、トラックやバスに特化して国内シェアトップに上り詰めました。国内で販売されているトラックのなかでは、価格も抑えられているため国内でのシェアが高くなっています。
いすゞのトラックの各モデルのオイル量 |
|||||
モデル名 | エンジン形式 | オイル交換のみ | オイルとオイルエレメント交換 | ||
エルフ | 4JJ1 | 9.0L | 10.0L | ||
フォワード | 4HK1 | 11.5L | ― | ||
ギガ | カーゴ | 6UZ1(9.8Lエンジン) | 21.0 L | 24.0 L | |
トラクター | 6WG1(15.7Lエンジン) | 26.5 L | ― | ||
トラクター | 6UZ1(9.8Lエンジン) | 21.0 L | 24.0 L |
エルフ
エルフはいすゞが販売している小型から中型のトラックです。いすゞの主力販売車種ともいえます。日本の小型のトラックで大きなシェアを誇っており、代表的モデルです。ディーゼルエンジン車の他に、ディーゼルエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車やCNGエンジンを採用したモデルもあります。
現行モデルは2006年から発売された6代目のモデルで、搭載されているのは3Lコモンレール式燃料噴射・DPF・インタークーラー付ターボエンジンです。クラストップの低燃費を実現しており、多くのクラスのモデルでエコカー減税の対象車です。
フォワード
フォワードはいすゞのラインナップで中型トラックになります。現行モデルは2007年から発売されている5代目で、4t車から国内では14tまで幅広いラインナップが展開されています。
中型トラックには、5.2Lエンジンが搭載され、大型トラックには7.8Lエンジンが搭載。5.2Lエンジンは、コンパクトでありながら高効率なエンジンとなっており、環境性能と積載性、さらに燃費のバランスが優れています。
ギガ
ギガはいすゞが製造している大型トラックです。現行モデルは単車系は2015年から、海外コンテナなどを引くトラクター系は2016年から販売されています。
エンジンは単車系とトラクターで異なっており、単車系では9.8Lの6UZ1エンジン、もしくは7.8Lの6NX1エンジンを搭載しています。またトラクターは、15.7Lの6WG1エンジン、もしくは9.8Lの6UZ1エンジンです。
電子制御による過給や冷却、燃料噴射によって低燃費を実現しているエンジンです。
日野のトラックのオイル量
トヨタの連結子会社でもある日野自動車は、国内外を問わずして人気があるトラックメーカーです。元はいすゞ自動車と同じ母体から生まれた会社で、独立して日野自動車となり、トヨタのグループ会社になりました。
日野のトラックは、馬力がありながら故障も少ないという特徴があります。維持費やランニングコストを抑えたい方にぴったりのメーカーです。またディーラーの数が多く、オイル交換を含めた定期的なメンテナンスの拠点が多いことも魅力。
小型トラックから大型トラックまで幅広いラインナップがあります。
日野のトラックの各モデルのオイル量 | |||
モデル名 | エンジン形式 | オイル交換のみ | オイルとオイルエレメント交換 |
デュトロ | N04C | 6.5L | 7.6L |
レンジャー | E13C | 13.0L | ― |
プロフィア | E13C | 28.0 L | 34.0 L |
A09C | 27.0 L | 28.7 L |
デュトロ
デュトロは日野自動車の1.5~3tまでの小型~中型トラックのシリーズです。1999年に登場しており、パラレルハイブリッド仕様が設定されていて、小口配送業者などに導入されています。
現行モデルは2011年から発売されている2代目です。高圧コモンレール式燃料噴射システムやDPRが刷新されて、排出ガスがクリーン化されたディーゼルエンジンを搭載しています。
ハイブリッドシステムも搭載していますが、エンジン形式は同じN04C型となっており、以下のオイル量が必要です。
レンジャー
レンジャーは日野自動車の中型トラックのラインナップです。8tクラスからのモデルとなり、搭載されるのは5.1L直列4気筒16バルブ直噴ディーゼルのA05C型エンジンです。
ダウンサイジングされたエンジンですが、2段過給ターボもしくは単段過給ターボエンジンによって、力強く走行できます。
プロフィア
プロフィアは日野自動車の大型トラックです。現行モデルは3代目のモデルで、2017年にフルモデルチェンジしています。搭載されているエンジンは、ダウンサイジングしながらも2段過給ターボを採用して、高出力・高トルクを実現したものです。
12段ギアを搭載したPro Shiftによってきめ細かい変速を実現させ、低燃費を実現させたのも特徴です。走行シーンに合わせたギアを選択できるので、経験が浅くても燃費のよい走りになります。
三菱ふそうのトラックのオイル量
三菱自動車工業株式会社から分社化して独立したのが三菱ふそう。ダイムラー社の連結子会社となっています。安定した走行性と長距離でも快適に走行できる駆動力が魅力です。
パワーがあるエンジンでも、小排気量のパワーユニットを選択できるなど、積載量と使用シーンに合わせて選択しやすいのも魅力です。
ディーゼルエンジンは、どうしても振動が大きくなりがちで音も大きいのですが、三菱ふそうのトラックは振動が小さく騒音も小さいことが特徴。座席シートの座り心地のよさから、長距離運転に適したトラックとして知られています。
三菱ふそうのトラックの各モデルのオイル量 | |||
モデル名 | エンジン形式 | オイル量の目安 | オイルとオイルエレメント交換 |
キャンター | 4P10 | 6.2L | ― |
ファイター | ― | 13.0L~ | ― |
スーパーグレード | ― | 24.0 L~ | ― |
ファイター
三菱ふそうが生産している中型トラックです。現行モデルは1992年から発売されている2代目になります。マイナーチェンジされていますが、同じモデルが長期間にわたって販売されています。
現行モデルに搭載されているエンジンは3.9Lの4V20型、もしくは7.5Lの6M60型です。使用するシーンに合わせてエンジンの選択肢が広がっています。ISS(アイドリングストップ&スタートシステム)を搭載しているので、燃費の向上に役立っています。
スーパーグレード
スーパーグレードは三菱自動車工業が発売している大型トラックです。現行モデルは2017年から発売されている2代目モデルで、実に21年ぶりにフルモデルチェンジされました。
搭載されているエンジンは、7.7Lの6S10型エンジンと、10.7Lの6R20型エンジンの2種類です。6S20型エンジンは、アシンメトリックターボを採用したことで、高過給と低燃費性のバランスが優れているだけでなく、軽量化も実現したエンジンです。
また6R10エンジンはコンパクトな設計と軽量化により車両重量を軽減しました。さらに排出ガスシステムが最適化されたことで低燃費になりました。低回転からトルクがある走りで、運転しやすくなっています。
UDトラックスのトラックのオイル量
UDトラックスは日本の大型車専門の自動車メーカーで、いすゞの子会社になります。旧社名の日産ディーゼル工業株式会社から社名変更されました。
日産グループからボルボグループになり、その後いすゞグループになりました。日本のみならず、世界各国で輸送ソリューションを提供しており、内装にもこだわっていることから、人気を集めています。エンジンのパワーが優れていること、またクラッチが強いなども魅力となっています。
UDトラックスのトラックの各モデルのオイル量 | |||
モデル名 | エンジン形式 | オイル量の目安 | オイルとオイルエレメント交換 |
ガゼット | ― | 6.2L | ― |
コンドル | 4HK1 | 11.5L | ― |
クオン | ― | 38.0 L~ | ― |
カゼット
三菱ふそうのキャンターのOEM車種です。UDトラックスと三菱ふそうトラック・バスは菰田トラックのOEM供給の合意をしたことから、2014年から販売されています。
3L直噴コモンレールインタークーラーディーゼルターボエンジンを搭載し、4種類のエンジンが導入されており、大きさに合わせて選択できます。
パラレル式ディーゼルハイブリッドシステムも導入されており、ハイブリッド用モーター内蔵デュアルクラッチ式トランスミッションにより、燃費を向上させておりクラストップの低燃費になりました。
コンドル
コンドルはUDトラックスが販売している中型トラックです。2017年から発売されている5代目からはいすゞ自動車のフォワードのOEM提供を受けていますが、4代目までは自社生産していたトラックです。
OEM提供受けているトラックなので、パワーユニットは同じですが、ヘキサゴングリルを採用しているのでフロントのエクステリアが異なります。搭載されるエンジンは、燃料噴射を電子制御しており、低回転域からターボ効果を発揮するVGSターボによって加速性の向上や低燃費に効果を発揮しています。
軽量でコンパクトなエンジンで、環境性能と積載性、燃費のバランスを取っており、8tから14.5tクラスのビジネスシーンの細かなニーズに応えてくれるトラックです。
クオン
UDトラックスのラインナップのなかで大型クラスのトラックです。ビッグサムの後継車として登場したトラックで、日本発のラウンドコックピットを採用したり、大型トラックで世界初となるSRSニーエアバッグ&ニープロテクタを採用するなど、安全性能を向上させました。
現行モデルは2017年から発売されている2代目です。国産大型トラックで初めてとなる、総輪ディスクブレーキを標準装備しています。
クオンの特徴は安全性が高められているという点です。ドライバーアラートサポート(ふらつき注意換気装置)などの先進技術が搭載されているので、ドライバーの安全運転をサポートしてくれます。
トヨタのトラックのオイル量
日本を代表する自動車メーカーのトヨタ。トラックは小型モデルを中心にラインナップがあり、安定した走りが魅力となっています。
大型トラックは受注販売したり、子会社である日野自動車株式会社での販売という住み分けがおこなわれています。1tから2tクラスのダイナが販売されており、小型トラックのニーズに応えているのが特徴です。
トヨタのトラックのオイル量 | |||
モデル名 | エンジン形式 | オイル交換のみ | オイルとオイルエレメント交換 |
ダイナ | N04C-UN | 5.2L | 6.5L |
ダイナ
イナはトヨタの小型トラックとして誕生しており、1956年から販売されているロングセラーモデルです。1tクラス積みのモデルは、ガソリンエンジンを設定しています。
2t以上のトラックはディーゼルエンジンを搭載しています。現行モデルは2011年から発売されている8代目で、2t積系はデュトロのOEM車種です。ハイブリッド車は専用エンジンとモーター兼発電機の間にクラッチがあるので、モーターのみで発進も可能です。
トヨタの安全装備も搭載しており、ミリ波レーダーと単眼カメラ方式によるプリクラッシュセーフティで衝突の回避や衝突時の被害軽減をおこないます。
エンジンオイルを交換しないとどうなる?
エンジンオイルを交換すべき理由やトラックの種類別のオイル量をご紹介してきましたが、オイルを交換しないとどのような故障を引き起こすでしょうか?
結論からいうと、エンジンの焼き付きや不調につながります。
エンジンオイルはエンジン内部に溜まった汚れや金属のカスを吸収するので、定期的にオイル交換することでエンジン内部が正常な状態に保たれるます。
しかし、エンジンオイルを交換しないと、汚れや金属片が原因で部品に摩耗を生じさせ、結果としてエンジンの不調を引き起こすのです。
エンジンオイルは汚れるだけでなく、劣化することで潤滑機能が低下します。汚れを吸収できなくなるだけでなく、ピストンがスムーズに上下運動する潤滑機能もなくなると、エンジンの焼き付きのリスクも生じてきます。
エンジンオイル以外のメンテナンスが必要なオイル
エンジンオイル以外にもトラックに使われているオイルがあります。エンジンオイルと同様に定期的に交換する必要があるオイルをご紹介しましょう。
ブレーキオイル
ブレーキオイルは、ブレーキペダルを踏んでトラックを制御するときに、ブレーキに力を伝えるためのオイルです。トラックのスピードを抑えるために非常に重要なオイルです。
オイルが劣化してしまうと、ブレーキペダルを踏んだ力がブレーキに伝わらなくなり、ブレーキが利きません。安全に運転するためには、ブレーキオイルが過度に劣化する前の定期的な交換が必要です。
トラックは走行距離を走ることから、1年ごとに交換するとよいでしょう。
ミッションオイル
ミッションオイルとはギアチェンジをスムーズにするためのオイルで、ギアオイルとも呼ばれます。ミッションオイルが劣化すると変速ショックが大きくなりますし、ギア同士の摩耗の原因ともなるので、定期的に交換が必要です。
トラックの場合、交換の目安は2年ごと、もしくは2万kmごとです。ギアの変速が悪くなっていると感じたら、ミッションオイルの交換をおすすめします。
パワステオイル
ハンドルをスムーズに回転させるパワーステアリングに使われるオイルです。ハンドル操作を軽いものにするために、パワステオイルの役割は欠かせません。
パワステオイルが劣化して、パワーステアリングに不具合が生じるとハンドル操作のたびに重くなって運転が辛くなります。瞬時にハンドルを動かす必要がある場合に対応できない危険性を考えると、やはり定期的な交換が必要なオイルです。
パワステオイルも2年ごと、もしくは2万kmでの交換をおすすめします。
まとめ
トラックのエンジンオイルについて、なぜオイル交換が必要なのか、またメーカー別のトラックのオイル量をご紹介してきました。一般的な乗用車と比較すると、トラックは排気量が大きいことから、エンジンオイル量も多いですし、交換目安の距離も長くなります。
しかし、トラックのエンジンオイルも距離だけでなく酸化して劣化するので、目安となる距離に達していなくても交換は必要です。
エンジンオイルを交換しないと、エンジンの不調の原因となるだけでなく、エンジンが焼き付いてしまうことも考えられます。トラックのエンジンは大きいので、一度故障してしまうと多額の修理費用が必要です。
エンジンの調子を悪くしないためにも、定期的にエンジンオイルの交換をしておきましょう。
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- トラックのエンジンオイルも交換が必要
- 排気量によってエンジンオイルの量は異なる
- 大型トラックなら約30Lも必要となる
- オイルの無交換は故障の原因
- 定期的なオイルの確認が必要