車検整備付きとは?他の中古車との違い|メリット・デメリットを徹底解説
トラックや車を購入する際に、中古車を検討する人も多いのではないでしょうか?
しかし「車検整備付きとは何だろう」「車検整備付きと車検整備別、車検なしって何が違うんだろう」「車検整備付きを選んだ方がお得?」など車検について疑問点がでてくるかと思います。そこで本記事では、中古車を購入する際の車検について、徹底的に解説していきます。
車検整備付きを選ぶメリットやデメリットについても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
車検整備付きとは?
「車検整備付き」とは、中古車の本体価格に車検に必要な整備費用が含まれている状態を指します。そのため、購入後に追加の整備費用が発生しません。販売店が車検に必要な整備をおこない、納車時には車検が2年間有効な状態で納車されます。車検整備付きの中古車は、法定整備費用(自動車重量税、自賠責保険、検査手数料など)が含まれており、購入後すぐに乗車でき、安心して購入できます。しかし価格は一般的に車検付きの車より高くなる傾向があります。
車検整備付きと車検付きの違い
中古車を購入する際、車検整備付き以外にも「車検付き」や「車検整備別」、「予備車検付き」など、車検に関する記載はいくつかあります。
ここでは車検整備付きとの違いについて、それぞれ解説していきます。
「車検付き」中古車との違い
「車検付きの中古車」とは、「’25/11」や「2025(R05)年11月」といった具体的な日付が書かれているものや「車検あり」と記載されているものを指します。
具体的な日付が書かれている場合、その日付まで車検が有効であり、「車検あり」と書かれている場合は、具体的な期限は記載されていないものの、車検がまだ有効な中古車を意味します。
「車検整備付き」の中古車との違いは、「追加費用がかからない」「納車までの期間が短い」という点です。
購入価格も車検整備付きの車よりも価格が安い傾向にあります。
まだ車検が残っているため、購入後に名義変更を済ませればすぐに運転できます。
ただし、車検の満了日が近い場合は、すぐに次の車検の手続きや費用が必要になるので、どれくらい車検が残っているかしっかりと判断してから購入しましょう。
「車検整備別」中古車との違い
「車検整備別」は、納車までに車検に必要な整備はおこなわれますが、その整備費用が本体価格とは別途でかかる中古車です。車検の整備を探す手間は省けますが、費用の計算が少し複雑になることがあります。また、法定の費用(自賠責保険料、自動車重量税、車検の代行手数料や印紙代など)も本体価格に含まれておらず、別途支払う必要があります。
「予備車検付き」中古車との違い
「予備車検(予備検査)」は、購入者が決まっていない車に対しておこない、ナンバープレートが発行されない状態です。この検査を通過すると、自動車予備検査証が発行され、購入後3ヵ月以内に名義変更や税金の手続きをすれば、そのまま公道を走行できます。
通常の車検がない中古車では、購入後すぐに完全な車検を受ける必要がありますが、予備車検付きの場合はこの手間を省けるのがメリットです。
ただし、予備検査では法定点検が行われないので、別途費用はかかりますが、確実な安全を期するのであれば、購入後に「定期点検」や「整備」を受けると良いでしょう。
「車検整備なし」「車検なし」中古車との違い
「車検整備なし」「車検なし」中古車とは、車検の有効期限が切れている中古車のことです。そのため、納車後すぐには公道を走行できません。
「車検整備なし」「車検なし」中古車は、販売価格に車検費用が含まれていないため、購入費用が車検付きの車よりも安くなるメリットがあります。
車検を受ける際、ディーラーや整備工場に依頼するのではなく、自分で運輸支局に持ち込んでおこなう「ユーザー車検」という方法があり、費用も節約できます。しかし、手間がかかる上に車に関する知識が必要です。
車に詳しくない人は、ディーラーや整備工場に車検を依頼しましょう。ただし、業者によっては高額な車検費用がかかることもありますので、注意が必要です。
「新車未登録」中古車との違い
「新車未登録」中古車とは、運輸支局や自動車検査登録事務所での登録手続きがおこなわれていない車です。これは工場で製造されてからディーラーや販売店に入荷されたもので、まだナンバープレートが付けられずに保管されている状態になります。
未登録車は公道を走行していないため、その点では新車と同じです。しかし、購入者が誤解することなく、車の状態が分かるようにするため「未登録車」と呼ばれています。
通常、新車は最新のモデルで年式も新しいですが、未登録車は古いモデルで年式も古いことが一般的です。
「新車未登録」中古車は、購入時点で車検が付いているため、車検整備などは必要ありません。しかし、車検の有効期間は新車登録日から購入日までの期間によって決まります。例えば、3月に登録された未使用車を6月に購入すると、車検の有効期限は新車登録から残りの2年9ヵ月になります。
また、ほとんど新車と同じ状態のため、車検整備付き中古車と比較すると、購入費用も高くなります。
車検整備付きの中古車を選ぶメリット
車検整備付きの中古車を選ぶメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・車検整備に関する追加料金がない ・公道を走れるようになるまでの費用が明確 ・次の車検までの期間が2年残っている ・購入後、車検業者に依頼する手間が省ける ・しっかり整備された状態で車が納品される |
・車検がついていない中古車に比べて価格が高くなりやすい ・車検整備が完了するまで納車が遅れる |
それぞれのメリットについて解説していきます。
車検整備に関する追加料金がない
車検整備付き中古車を選ぶ一番のメリットは追加料金が不要なことです。車検整備なしや車検なしの中古車の場合、自身で車検業者を探して、車検を受ける必要があります。そのため、車の購入費用とは別途で車検費用がかかるので、車検費用も検討しなければなりません。
しかし車検整備付きの中古車であれば、追加で費用がかかることないため、安心して購入ができます。
公道を走れるようになるまでの費用が明確
車検整備付き中古車の場合、上記で説明した通り車検整備に関する追加料金はありません。そのため公道で走れるようになるまでの費用が明確です。
車検なし中古車などを購入した場合、車検整備費用は車検業者によってはまちまちです。
実際に車を見てからでないと、車検整備費用はいくらになるかわからないため、不安になることもあるでしょう。
次の車検までの期間が2年残っている
車検整備付きの中古車の場合、納車時には次の車検までの期間は2年残っています。車検付きの中古車の場合、次の車検まで2年を切っているのはもちろんですが、中にはすぐに車検を受けなければいけないものもあります。
次の車検まで期間が長いということはコストパフォーマンスが高いとも言えるので、車にかかる総額費用を抑えたいという人にもおすすめです。
購入後の車検業者を探す手間が省ける
車検整備付き中古車を購入した場合、納車後に自分で車検業者を探す手間が省けます。
以前から付き合いがある車検業者がいる場合は良いですが、そうでなければ一から探して費用を比較して業者を決めるのは時間と労力がかかります。
その手間を省けるというのは、時間の節約にもつながります。
しっかりと整備された状態で車が納品される
車検整備付きの中古車は、納車時にしっかりと整備された状態です。車検付き中古車の場合、必要最低限の整備はされることも多いですが、しっかりとした整備はしない業種もあります。そのため安心して中古車に乗りたい人にはおすすめの購入方法です。
車検整備付きの中古車を選ぶデメリット
それぞれのデメリットについても解説していきます。
車検がついていない中古車に比べて価格が高くなりやすい
車検整備付き中古車は、車検付き自動車などを比較すると購入価格が高いことが多いです。それは車検費用などが価格に含まれるためです。車検業者を自分で探して依頼する手間代と考えれば納得できるかもしれません。どちらが自分に合っているかを、しっかりと考えてから選びましょう。
車検整備が完了するまで納車が遅れる
車検整備付き中古車は、購入後に車検整備がおこなわれるため、納車までに時間がかかります。もし購入後になるべく早く納車したい場合は、車検付き中古車を選ぶと良いでしょう。
車検以外の中古車選びのポイント
車検について詳しく解説してきましたが、中古車選びのポイントは車検以外にも多くあります。
特に重要な点を紹介していきます。
自分の目で中古車を確認する
中古車を買う際、自分の目で確認できることも多くあります。例えば、ボディに傷がないか、内装が汚れていないかなどです。さらに、実際にエンジンをかけて異音がないか、エアコンやドア、トランクが正常に動作するかなどを確かめることも重要です。最近の車は電子機器が多いので、カーナビやETC、パワーウィンドウなども故障していないか、しっかりとチェックしておきましょう。
点検整備記録簿を確認する
中古車を選ぶ際、「点検整備記録簿」が重要な情報源になります。気になる車を見つけたら、販売店のスタッフに点検整備記録簿を見せてもらいましょう。点検整備記録簿は、車の過去の整備や修理履歴が詳細に記録されており、消耗品の交換などが適切におこなわれているかを確認できます。もし整備記録簿がない場合は、その車の実際の状態が分からないため、購入を避けることが賢明です。
諸費用を確認する
中古車を買う際には、本体価格だけでなく「諸費用」と呼ばれる追加費用がかかります。諸費用には、名義変更手続きや登録手数料、納車準備費用などが含まれます。本体価格が安くても、諸費用が高額になっている場合があるので、注意が必要です。
諸費用を抑えるには、名義変更を自分で行い登録手数料を省くことなどが可能です。また、納車準備費用を減らすために、自分で店舗に取りに行くことも検討しましょう。
諸費用については、見積書や契約書をよく確認し、節約の余地があるかどうかを見極めることが大切です。
修復歴車や水没車を購入しない
中古車の中には非常に安い価格で販売されているものがあります。その中には「重大瑕疵」と言われる、「修復歴がある車」や「水没したことがある車」、「塩害を受けた車」などが含まれている可能性があります。これらの車は、外見上問題がないように見えますが、内部に深刻な問題が潜んでいる可能性が大きいです。購入後に予期せぬトラブルが起こる可能性もありますので、注意が必要になります。
しかし修復歴や水没の有無を見抜くのは一般の人にとっては難しいです。価格が著しく低い場合は、販売店のスタッフに直接確認することが重要になります。信頼できる販売店を見つけ正しく教えてもらいましょう。
よくある質問
車検整備付き中古車に関連する、よくある質問をまとめました。
車検整備付き中古車はお得ですか?
車検整備付き中古車がお得かどうかは、購入者の希望によります。上記でお伝えした通り、「時間を待てる方」「長く車検の心配をしたくない方」「手間をかけたくない方」にはお得です。
費用を抑えたい場合にはどんな選択肢がありますか?
費用を抑えたい方には以下の選択肢があります。
車検なしの中古車:車検が切れている車は購入価格が安いことが多いです。自分で車検を手配する必要がありますが、その分費用を抑えられます。
車検整備なしの中古車:車検整備が含まれていない車も価格が低めです。信頼できる整備工場で自分で車検や整備を手配することで、全体の費用をコントロールできます。
法定整備と車検の違いはなんですか?
車検と法定整備は、それぞれ役割が異なります。
車検は、法律で定められた期間ごとの公的な検査であり、車が安全基準を満たしているかを厳密にチェックします。車検の期限が切れた車が公道を走ると法律違反となり、罰則が科されます。
法定整備は、車をより良い状態に保つための定期的な点検と修理です。法定整備は所有者の責務であり、1年ごとまたは2年ごとに実施されます。法定整備を怠ると直接的な罰則はありませんが、整備不良による故障が原因でトラブルに見舞われる可能性もあります。車検と法定整備の両者を定期的に実施することで、車を安全かつ快適に保てます。車検は安全性の保証を、法定整備は故障の予防と長寿命化を目的としています。
車検を受けるならどこが一番安いですか?
車検は下記の場所で受けられます。
・ディーラー
・整備工場
・車検専門店
・ガソリンスタンド
価格だけでみるのであれば、安い順に「ガソリンスタンド」「車検専門店」「整備工場」「ディーラー」となります。
車検を受ける中古車の大きさや状態などにもよりますが、中型の乗用車を車検に出す際の相場感は以下になります。
・ディーラー:約90,000円~
・整備工場:約85,000円〜
・車検専門店:約70,000円〜
・ガソリンスタンド:約65,000円〜
お店によって、かかる費用は変わってくるので価格を抑えたい場合は数社から見積りをとって依頼するようにしましょう。
車検にかかる費用の内訳はなんですか?
車検にかかる費用は「法定費用」「車検基本費用」「部品交換費用」の3つに大別されます。
法定費用 | 車検証の更新手数料や自動車重量税、自動車税など、法律で定められた公的な費用です。これらの支払いは、車検証の更新や車両の登録手続きで必要になります。 |
車検基本費用 | 車両の検査や点検、技術者の作業費用など、車検を実施するために必要な基本的な費用です。点検項目によって異なるため、車の状態や修理内容によって費用が変動します。 |
部品交換費用 | 車検時に必要とされる部品の交換費用です。例えば、ブレーキパッド、ワイパーブレード、バッテリーなどの消耗品や劣化した部品を交換する場合があります。これらの費用は部品の種類や車両の年式、使用状況によって異なります。 |
公道を走るまでに一番手間が少ない買い方はなんですか?
車検ありの中古車 | 車検が済んでいるので、納車後すぐに乗れます。購入後の特別な作業は必要ありません。 |
車検整備付きの中古車 | 中古車業者が車検を済ませて納車します。車検手続きの手間は不要ですが、法定費用の支払いが必要です。 |
車検整備無・車検なしの中古車 | 購入直後は車検切れで乗車できず、車検を自分で受けなければなりません。この場合、以下の手続きが必要です。 ・車検場所を自分で探す ・必要な書類(車検証、納税証明書、自賠責保険証明書)を準備する ・車を車検場所まで移動するまた、上記の手続きをスムーズに進めるために、購入時に必要な書類の準備や車の移動方法を考慮する必要があり、一番手間がかかります。 |
車の購入費を払ってからどれくらいで納車されますか?
納車までの期間は、「車検整備付き」や「車検付き」、「車検なし」など車の状態によって変わります。
車検が残っている場合は5日以内に納車されることもありますが、車検が切れている場合は新たに車検を通すため、納車まで2〜3週間かかることが多いです。
車検整備付きの場合でも、点検や整備だけで通常1週間から10日かかります。
また販売店によっても納車までの期間はまちまちなので、正確な納車日は購入前に必ず確認するようにしましょう。
まとめ
今回は車検整備付き中古車について、詳しく解説しました。車検整備付きの中古車を選ぶことによって、手間をかけずに整備された車が2年間の車検期間がある状態で購入できます。
メリットとデメリットを比較検討し、自身にとって一番最適な状態の中古車を探してみましょう。
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- 「車検整備付き」とは、中古車の本体価格に車検に必要な整備費用が含まれている状態
- 車検整備付き中古車のメリットは「車検整備に関する追加料金がない」「次の車検までの期間が2年残っている」「購入後に車検業者に依頼する手間が省ける」などがある
- 車検整備付き中古車のデメリットは「車検がついていない中古車に比べて価格が高くなりやすい」「車検整備が完了するまで納車が遅れる」がある
- 車検整備付の中古車の購入に向いている人は「時間を待てる方」「長く車検の心配をしたくない方」「手間をかけたくない方」