酷暑を乗り切った後の季節はトラック故障発生率が高い!理由や対処法とは?
輸送業務に従事するドライバーは一年中季節を問わず非常に多くの荷物を取扱い国内の物流を力強く支えています。
製造技術が向上した現代のトラックは以然とは比べ物にならないほど耐久性が高くなっているものの、年間走行距離が大きな輸送業務で使用するトラックにはトラブルが付きものであるのも事実です。トラック故障が発生しやすい季節も存在しますのでトラック故障リスクが高くなる季節について紹介します。
トラック故障の発生率が高くなる季節は実際に存在する!
各種センサーや温度管理機能などの先端テクノロジーを惜しげもなく投入された現代のトラックは、最新技術が詰め込まれた工業製品であると言っても過言ではない存在で、定期的なメンテナンスを怠らない限りトラブルが生じる可能性は低いと言えます。
しかし輸送業務で使用されるトラックは日常的に非常に多くの積み荷を積載し、高負荷の状態で運行するため想定外のトラブルが発生するリスクが潜んでいるのも事実で、特に負荷が高くなる夏場を乗り切った秋口はトラック故障の発生率が高くなると言われます。
夏場の運行はドライバーと共にトラックへの負担が高い
近年は世界的に酷暑が続く傾向にあり夏場の暑さ対策は最重要課題として広く啓蒙されていますが、どのような対策を講じたとしても夏場はトラックドライバーの体力を消耗させる過酷な季節であることに変わりがありません。
トラックは正常稼働するために多くの温度調整機能が搭載されていますが、トラックのエンジンやトランスミッションは稼働時に大量の熱を発生させるため温度調整機能の主な働きは冷却機能だと言えます。トラックドライバーを疲弊させる夏の暑さはトラックに対する負荷も大きく、夏に疲弊するのはトラックも同様だと言えます。
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酷暑を乗り切った秋口はトラック故障発生率が高くなる季節
既述のとおりトラックのエンジンやトランスミッションは稼働時に大量の熱を発生させるため、搭載する冷却装置で温度調整を行いながら稼働する必要があります。しかし夏場の暑さはトラックに搭載する冷却装置の冷却効率を低下させるため、外気温が高い日中などは冷却装置が常にフル稼働する状態に陥ります。
どのような装置も常時フル稼働を続ければ摩耗や劣化が進みますし、冷却装置の冷却能力を超えるほど温度が上がればエンジンやトランスミッションがオーバーヒート気味で稼働する状況に陥りトラックへの負荷が高まり劣化が進みます。夏場に劣化が進んだ結果秋口にエンジンやトランスミッションの不具合などのトラック故障が発生すると考えられます。
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夏場の暑さの影響でトラックに蓄積する負担とは?
夏場の暑さの影響でダメージを追うトラック搭載パーツとしてエンジンやトランスミッションなど稼働時に発熱量の多いものを紹介しましたが、トラック故障の症状が表れるのはこれらの部分だけではありません。
暑さの影響で、トラックに電力供給を行うバッテリーの消耗や強烈な日差しの影響で車両を支えるタイヤなども夏場に疲弊し、秋口にこれらのパーツの不具合が生じることで発生するトラック故障も存在します。
電力消費量が増加する夏場にバッテリーが疲弊する
夏場の暑さ対策としてトラックのエアコンは非常に効果の高い装置ですが、鋼板製のトラックのキャビンは太陽光で高熱になるわりに、残念ながらキャビンに施される断熱は非常に脆弱です。またガラス面が多いことから炎天下の中でキャビン内の温度を下げるためにエアコンをフル稼働して走行するケースは珍しくありません。
エアコンは電力消費量が非常に大きなことからフル稼働を続けることはバッテリーに高負荷をかけ続けることを意味しており、夏場の暑さ対策でエアコンをフル稼働させることがバッテリーを疲弊させるといえます。
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夏の強烈な紫外線はタイヤの劣化を推し進める
トラックの全重量を支えるタイヤはご存じのとおりゴムを原材料に使用して製造されており、ゴムは太陽光線に含まれる紫外線や走行時の路面との摩擦で生じる熱によって劣化します。
経年劣化した輪ゴムはしなやかさと強度を失いボロボロになってしまいますが、タイヤのゴムには耐久性を高める可塑(かそう)剤を添加することで急激な劣化を回避しています。しかし夏の強烈な紫外線や高い大気温は、他の季節より確実にタイヤの劣化速度を加速させると言えます。
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酷暑の後の秋は次に訪れる冬に備えてメンテナンスを行いたい季節
日本は世界のなかでも珍しく四季がはっきりとしている国だと言われ、四季折々の異なる気候を楽しむことができますが、1年のなかに暑さの厳しい夏と寒さの厳しい冬という全く異なる過酷な2つの季節が存在すると解釈することもできます。
夏と冬はトラックにとっても過酷な環境となる季節ですので、夏の酷暑を乗り切ったトラックは来るべき極寒の冬に備えて秋口に十分なメンテナンスを行いたいものです。酷暑と極寒という真逆の環境に備えるメンテナンス方法を紹介します。
負担の高い夏場を乗り切ったトラックのメンテナンスポイントとは?
夏の季節を乗り切った車両に秋口に表れるのがエンジンやトランスミッションの不具合やバッテリーの疲弊、タイヤの劣化が原因で生じるトラック故障ですが、夏とは逆の季節である冬に発生するトラック故障もこれらの箇所で生じる傾向にあります。
夏と冬の気温は大きく異なるため、季節に合わせた硬度のエンジンオイルやミッションオイルに交換する必要がありますし、寒さはバッテリー能力を低下させるので夏に疲弊が進みすぎたバッテリーは交換が必要なケースもあります。降雪が予想される場合はサマータイヤからスタッドレスタイヤへの履き替えを冬の季節が到来する前に行いたいものです。
秋口のメンテナンスで来るべき冬場のトラック故障は回避できる?
夏と冬は温度や環境が極端に異なることから、トラックのセッティングを季節に合わせたものにすることでトラック故障の発生リスクを抑えることが期待できます。対極の環境である夏と冬の季節の変わり目である秋と春は来るべき季節に備えたメンテナンスを行う絶好の季節だと言えます。
人が年齢と共に夏に弱くなるように老朽化車両はトラック故障発生率が上がる?
人は年齢を重ねると共に季節の変わり目に体調を崩しやすくなりますし、夏の暑さや冬の寒さなどの季節の環境の変化が体に堪えるようになります。工業製品であるトラックは、加齢で疲れが取れにくくなるなどの体力低下が発生しないように感じますが、使用歴が長く経年劣化で老朽化が進んだトラックは季節の変わり目にトラック故障が発生しやすくなると捉えるべきでしょう。
経年劣化が進行すると暑さの影響で不具合が発生しやすくなる
高齢者が夏の暑さに弱くなるように使用歴が長く経年劣化が進行したトラックも夏の暑さが原因のトラック故障が発生しやすくなります。これはエンジンやトランスミッションに組み込まれる金属製パーツが使用と共に摩耗することが原因で生じるもので、トラックメーカーが製造時に設定した金属パーツ間のクリアランス(隙間)が広がることでパーツ同士がしっかり噛み合い難くなることで生じます。
またトラックに搭載する冷却装置の精度も低下するため、経年劣化が進んだトラックは冷却効率が低下することも老朽化したトラックが夏の季節に弱くなる原因として挙げられます。
製造直後の車両は暑さの影響によるトラック故障リスクは低い
老朽化が進んだトラックは季節変化の影響を受けやすく、特に夏の暑さに弱い理由がエンジンやトランスミッションに組み込まれる金属パーツの摩耗や冷却装置の経年劣化で冷却効率が低下することは既にふれたとおりです。
反対に製造直後の経年劣化が生じていないトラックは夏の暑さの影響を受けにくいのかと言うと、老朽化したトラックより遥かに暑さに強く季節変化の影響を受け難いと言えます。
夏バテするほど老朽化が進んだトラックは乗り換えるべき?
気温が高くなる夏は経年劣化が進行し老朽化したトラックにとって非常に過酷な季節である状況から、使用歴の長いトラックは夏バテすると表現することができるでしょう。
トラックは工業製品であるため経年劣化が進んだパーツを交換すれば、コンディションを取り戻すことは可能ですが、経年劣化はトラックの各部で進行するので、全てのパーツを交換することは現実的ではないため乗り換えを行うのがおすすめです。
中古トラック販売店の利用で季節に影響されない理想的運行計画の実現が可能!
季節の影響を受ける老朽化したトラックを乗り換えで対処するのは簡単ですが、新車への乗り換えには少なくないコストが必要となるため「現実的ではないのでは?」と感じる方も少なくないのではないでしょうか?
しかしトラックはトラックメーカーのディーラーだけで販売されるものではないことが、理想的なトラック乗り換えを実現させるポイントだと言えます。トラックには中古トラックが存在し、良質な中古トラックを取り扱うのが中古トラック販売店で、その中古トラック販売店を利用することでトラック乗り換え時に生じるさまざまなコストを効果的に抑えることが可能となります。
夏の暑さで発生率が上がるトラック故障対策は中古トラックの活用が効果的!
中古トラック市場に流入するトラックの品質は年々向上しており、中古トラック販売店では高品質な中古トラックを数多く取り扱っています。老朽化が進みトラックに夏バテの兆しが見られ始めた場合は、中古トラック販売店を利用して使用歴の短い夏バテをしないトラックへの乗り換えを検討してみることを強くおすすめします。
まとめ
人が年齢を重ねるごとに体力低下するようにトラックも使用歴と共に経年劣化し、経年劣化によって各機関が正常に機能しなくなります。気候が温暖な春やすがすがしい秋はトラックにとっても稼働時の負担が少ない季節ですが、過酷な季節と言える夏や冬は負担が増加するため秋口はトラック故障が発生しやすく、メンテナンスを行うべき季節だと言えるでしょう。
季節の変わり目に行うべきトラックのメンテナンスは次の3つのポイントを押さえて実施することをおすすめします。
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- 温度差の激しい夏と冬はそれぞれの季節向きのオイルに交換する
- 猛暑や極寒の季節はバッテリーが疲弊する!必要に応じて交換を
- メンテナンスでカバーできなければ中古トラックへの乗り換えを