トラックの強靭なフレームにトラブル発生!修理費用目安と乗り換えの分岐点とは?
哺乳類の動物にとって背骨が体を支える非常に重要な器官であり、背骨にダメージを追うと生涯大きなハンディキャップを背負いながら生きることになることは広く知られています。
ボディを支えるフレームはトラックの背骨と言っても過言ではないほど重要なパーツで、フレームトラブルが発生するとトラックの乗り換えを余儀なくされるケースも珍しくありませんので、トラックのフレーム修理費用目安や乗り換えとの分岐点を紹介します。
トラックの背骨部分!全荷重を支えるトラックのフレームとは?
トラックの重要パーツと言えばエンジンやトランスミッション、タイヤなどが挙げられますが、これらのパーツをすべてシャーシとも呼ばれるフレームに組み込むことでトラックは構成されています。トラックの車両縦方向に長く伸び車体を支えるフレームは、トラックに搭載されるパーツのなかでも最も大きく重要なパーツだと言えるでしょう。
フレームは人の体の中心でさまざまな器官を内封し人体を構成する背骨のような位置付けのパーツで、トラックの車両にかかる重量はフレームによって支えられますし万一フレームが曲がったり折れたりするとトラックを安全に真っすぐ走行させられなくなります。
フレームはトラックメーカーによって製造される重要パーツ
トラックの開発や製造を行うのがトラックメーカーですが、実はトラックはトラックメーカーの工場で完成するものではなくトラックに搭載する架装の製造・取付けを行う架装メーカーの工場で架装を施すことでトラックは完成します。
トラックメーカーはエンジン・トランスミッション・タイヤ・キャビンをフレームに取り付けた裸シャーシや裸フレームと呼ばれる状態でトラックを出荷し、架装メーカーで架装を施したものがユーザーに手渡されます。
トラックメーカーの自社工場で製造・取付けされるのは車両の基本性能に影響する重要パーツばかりであると捉えることができ、すべての重要パーツが取り付けられトラックを支えるフレームは最重要パーツだと言えるでしょう。
シンプルでありながら高い剛性を備えるトラックのフレーム
一般的にトラックに搭載されるのはラダーフレームと呼ばれるタイプのフレームで、車両縦方向に鋼板で作られた2本のサイドレールを並べサイドレールの間をクロスメンバーで結んだ梯子状の構造をしています。
小型トラック用は4m程度ですが大型トラック用は12mにも及び、重量は100~1,000kgと車両区分で異なります。サイドレールはフレームが荷重によって曲ががろうとする力(曲げモーメント)に高い強度と剛性を備えており、クロスメンバーによって強度と剛性が向上します。
高い負荷に耐えながらトラックを支えるフレームに発生するトラブルとは?
既述のとおりトラックのフレームは曲げモーメントに高い強度と剛性を持つ頑丈なパーツとして製造されていますが、鋼板を原材料に加工された工業製品ですので永久に強度を維持することはできません。
鋼板は一見頑丈に見えますが、金属のなかでは特に硬度の高いものではない金属に位置付けられます。このため大きな荷重や衝撃を受けると変形することがあり、フレームトラブルの原因となります。
「硬度の高い金属でフレームを作れば良いのでは?」と感じるかもしれませんが、トラックのフレームには荷重をしなやかに受けて支える応力が求められるため応力に劣る硬度の高い金属より鋼板の材質がフレームに適していると考えられています。
発生したフレームトラブルを放置すると症状は着実に悪化する
フレームトラブルの厄介な点は放置しておくと、時間の経過や走行距離に従って悪化する点だと言えるでしょう。フレームにはトラックの全荷重がかかるため不具合が生じた部分に荷重が集中し、荷重が集中することでさらに症状が悪化すると言う悪循環に陥ります。
フレームトラブルは症状が進行するほど大規模な修理が必要となり、修理費用が嵩みますので、走行中に大きな衝撃を受けた場合や直進するのにハンドルを少し切らなければならないなどの症状が表れた場合はフレーム検査を行なうことをおすすめします。
フレームトラブルが原因で車検通過ができないケースも存在する
トラックを支える重要パーツのフレームは車検の際にフレームのコンディションも確認され、フレームに不具合が発見されると車検を通過することができなくなります。車検通過ができなければ公道走行が不可能になりますので、運送業務に用いられるトラックのフレームに生じる不具合は致命的ダメージに繋がりかねないと言えるでしょう。
フレームトラブルでトラックに発生する症状とは?
既述のとおりトラックの全荷重が集中するフレームは相当の強度と剛性が備えられていますが、事故・過積載・大量の荷物を積載した状態や高速走行時に大きな段差を踏むなどの外的要因で不具合が生じるケースが存在します。
稀に進行方向に向かって車体が斜めの状態で走行する「犬走り」の車両を目にすることがありますが、犬走りはホイールアライメントがズレているかフレームに不具合が生じると発生する現象の1つです。またキャビンのドアや荷台のアオリが開閉し難くなったり、ウイングボディのウイングを閉めても荷室との間に隙間ができるなどの症状がみられるケースも存在します。
強靭なトラックのフレームの主なトラブル発生原因は?
車両重量が大きく積み荷を積載して走行することが多いトラックを支えるフレームは非常に頑丈ですが、事故・過積載・大量の荷物を積載した状態や高速走行時に、大きな段差を踏むなどの外的要因でフレームの応力を超える力が加わると変形します。
フレームトラブルを避けるためにはフレームに高い負荷がかかる大量の積み荷の積載を避け、急ハンドルや路面の段差を高速で乗り越えるなど乱暴な運転を控えることが効果的だと言えます。
経年劣化が原因で生じるフレームトラブルも存在する
トラックのフレームトラブルの発生原因として事故・過積載・大量の荷物を積載した状態や高速走行時に大きな段差を踏むなどの外的要因を紹介しましたが、車歴が長いトラックは長年蓄積した負担でフレームが金属疲労を起こすケースや腐食で強度が損なわれるケースも存在します。
トラックを長期間効果的に活用するためには、フレームの錆止め塗装のタッチアップなどの細かなメンテナンスを行うことで効果が期待できると言われています。
重要パーツだけにフレームトラブルの修理は難易度が高い?
トラックのフレームに不具合が発生した場合や不具合を放置したことでトラブルに発展した場合はフレームを修理する必要がありますが、残念ながらトラックのフレーム修理のハードルは決して低いものではないのが現実です。
トラックのフレームを本格的に修理するためには、荷台部分の架装を取り外し、トラックメーカーの工場出荷時のような裸シャーシ・裸フレームの状態にする必要があると捉えるべきでしょう。また軽微な修理の場合も、溶接が浅かったり荷重の集中を分散できなければフレームの不具合が再発する可能性も存在します。
フレーム修理を行ったトラックには修復歴が付く
トラックのフレームトラブルが深刻なトラブルである理由として、安全に真っすぐ走行させられなくなることや車検に通過できなくなることは既に紹介しました。フレームの不具合は修理を行う必要がありますが、フレーム修理を行った場合でもトラックには「修復歴」という大きな傷が残ります。
修復歴はトラックの骨格部分の修理や交換を行ったことを示すもので、重要パーツのフレーム修理はサイドレール・クロスメンバー共に修理歴の対象となります。修理歴が付くと車両の資産価値が大きく下落するためフレームトラブルのダメージは大きいと言われます。
トラックのフレーム修理費用は高額
フレームの不具合が軽度の場合は修理費用も小さいものの症状が進行すると修理費用が高額になることは既にふれましたが、トラックのフレーム修理費用は数千円で済むものから数十万円に及ぶものまで存在します。車種やモデルによっては100万円以上の修理費用が必要となる場合も存在するため、フレーム修理より乗り換えたほうが効率的であることも珍しくありません。
フレームトラブルが発生したトラックは乗り換えを検討するべきなのか?
トラックのフレームに不具合やトラブルが発生すると修理費用が高額となるうえに、修復歴が付くことでトラックの資産価値が大きく低下する可能性も生じます。またフレーム修理には高い技術が求められるため、修理部分で不具合が再発する可能性も潜んでいるのが非常に厄介だと言えます。
トラック乗り換えには乗り換え費用や納車期間の障壁が存在する
使用中のトラックのフレームに不具合やトラブルが発生した場合は思い切ってトラックの乗り換えを行うことで、フレームトラブルから開放されますがトラックの車両価格も高額であり長い納期が乗り換えの障壁となるもの事実です。
フレームトラブルが発生した使用中のトラックを下取りに出しても、フレームトラブルが確認された時点で下取り査定額が大きく下がるため、新車乗り換えコストをほぼ全額負担することにもなりかねません。
フレームトラブルの解決には中古トラック販売店の利用がおすすめ!
フレームトラブルが生じたトラックから新たな車両への乗り換えを行うことは厄介なフレームトラブルから解放される最善の方法ですが、新車への乗り換えが難しいと感じる方におすすめなのが中古トラック販売店を利用した中古トラックへの乗り換えです。
中古トラック販売店では多彩な中古トラックを取り扱っており、予算に合わせた中古トラック選びを行うことが可能です。フレームトラブルから上手に開放される方法として、中古トラック販売店の取り扱う中古トラックを利用するのは非常に効果的だと言えるでしょう!
まとめ
人間にとって背骨が非常に重要な器官であるように、車体を支えるフレームはトラックにとって最重要パーツに位置付けられます。それだけにフレームトラブルは修理が難しく修理を行っても修復歴という大きな傷がトラックに残る深刻なトラブルだと言えるでしょう。
フレームトラブルの回避方法のヒントや効果的な対処法として次に挙げる3つを忘れずに安全なトラック運行を行って下さい。
-
- フレーム不具合は事故・過積載・高速で段差を踏むなどで生じる
- 老朽トラックは金属疲労や腐食などでもフレーム不具合が生じる
- フレームトラブル対処法は中古トラックへの乗り換えが効果的