重大事故原因に成りかねないトラックの荷崩れ!荷崩れの発生原因と効果的な対策とは?
荷台の荷物を安全かつ確実に目的地に届ける使命を背負いハンドルを握るトラックドライバーにとって荷崩れは絶対に避けたいトラブルの1つであると共にプロドライバーにとって恥ずべきトラブルである荷崩れの発生原因と効果的な対策を紹介します。
積載した荷物が崩れるトラックの荷崩れとは
荷崩れはその名のとおりトラックの積み荷が崩れるトラブルで、トラックの荷台が露出した平ボディ以外にもアルミバン・ウイングボディ・冷凍冷蔵車など貨物自動車すべてのボディタイプで発生する可能性があるトラブルです。
平ボディで荷崩れが発生すると積み荷の落下や飛散に繋がりやすく危険ですが、アルミバンやウイングボディなどの荷室を密閉したボディタイプで発生しても積み荷の破損リスクがあるため安全・確実に積み荷を目的地へ運送することができなくなります。
トラックの荷崩れが原因で発生する交通事故も存在する
既に紹介したとおりトラックの積み荷が崩れる荷崩れは積み荷を安全・確実に目的地へ輸送することができなくなるのが大きな問題である上に、平ボディでの荷崩れが生じ落下や飛散した積み荷が他車にぶつかり事故発生原因となるリスクも存在します。
また荷室を密閉したアルミバンやウイングボディでも荷室内で荷崩れが生じることでバランスを崩し、ハンドル操作を誤ったり操縦不能に陥り事故発生に繋がるケースも珍しくありません。
トラックの荷崩れは状態的不良で発生している
トラックの主な事故発生原因の1つに行うべきメンテナンスや交換すべき消耗部品の交換を怠ったりする整備不良が挙げられますが、荷崩れが原因で事故が発生した場合は荷崩れを起こしたトラックの状態的不良が事故原因として処理されます。
整理整頓しながら荷崩れが生じないように積み込むべき積み荷に荷崩れが生じる状態は状態的不良であると位置付けられますので、状態的不良に陥らないよう積み荷の積載には最新の注意を払う必要があると言えるでしょう。
トラックの荷崩れを発生させる状態的不良の具体例とは?
トラックの荷崩れの発生原因が状態的不良であると言ってもどのような状況が状態的不良であるのかがイメージし難いのではないでしょうか?代表的な状況的不良は”うず高く積み上げた積み荷を固定しない”や”軽い積み荷を下に重い積み荷を上に載せる”などが挙げられますが、プロドライバーであればこのような状態的不良状態での積み込みは常識的に行わないのではないかと考えられます。
また過積載や積み荷の重心が偏る偏荷重も状態的不良として挙げられますが、プロドライバーは過積載や偏荷重にも注意しながら積み込みを行っていると言えるでしょう。積み込みの専門家でもあるプロドライバーが積み込みを行った場合でも生じる状態的不良を具体的に紹介します。
走行中トラックの荷台部分は連続地震で揺れているような状態となる
運転と共に積み込みの専門家でもあるプロドライバーが積み込みを行ってもトラックの荷崩れが発生するのは、走行中のトラックの荷台が想像以上に揺れていることが原因だと言えます。
走行中のトラックの荷台は前後・左右・上下の全方向に揺れが生じ、地震の震度にも例えられます。走行状態別の荷台の前後・左右・上下の揺れは次に挙げる震度に相当すると言われています。
・震度2:前後左右(丁寧な発車やブレーキ操作時)、上下(路面状況の良い道)
・震度4:前後左右(強めのブレーキ時)、上下(路面の段差乗り越え時)
・震度5:前後左右(侵入速度50kmでの100Rカーブ)、上下(路面の段差乗り越え時)
・震度6:前後左右(侵入速度60kmでの100Rカーブ)、上下(路面の段差乗り越え時)
・震度7:前後左右(乱暴な発車や急ブレーキ時)
前後左右の揺れは速度と比例して大きくなる慣性エネルギーや遠心力の影響を受けますし、路面の段差で生じる上下の揺れは侵入速度で震度4~6程度の上下の揺れを発生させるので荷崩れリスクと車速は比例関係にあると言えます。
積み荷の固定を行っても荷崩れの発生リスクは存在する
効果的な荷崩れ防止策として積み荷の固定が挙げられますが、一般的な積み荷の固定は横方向の揺れに対しては高い効果が期待できるものの縦方向の揺れに対しては効果が薄い傾向にあると言えます。
また縦方向の揺れの影響で積み荷の形が崩れ荷崩れが発生するケースも珍しくないため、積み込みの際に重い積み荷は極力重ねないや積み荷の積み重ねの順番に注意を払う必要があることは言うまでもありません。
荷崩れの効果的防止策は適切な積み込み、確実な固定と運転方法の3つ
積み荷の固定を行っても荷崩れの発生リスクが払しょくできないのなら「どうすれば良いのか?」と感じるかも知れません。しかし積み荷の荷崩れを防止するためにはやはり適切な積み込み・積み荷の確実な固定・荷崩れを誘発しない運転方法の3つを遵守するしか打つ手がないのも事実です。
意外と難しい!適切なトラックへの荷物の積み込み方法とは?
荷物の積み込みは一見簡単に見えますが実際は非常に奥の深いものであり、荷台や荷室に無作為に積み荷を積み込むのでは荷崩れを防止することができません。荷下ろし効率を考慮しながら積み込みを行う必要がありますが、かと言って軽くて強度の低い物の上に重い荷物を載せると下の荷物が変形し荷崩れが生じやすくなりますし、変形した荷物を引き渡す訳にもいかないことは簡単に想像できます。
また積み方にも交互積みやレンガ積みなどの積み方が存在するので、積み荷の材質や形状、大きさ重量を確認し荷物同士を密着させた状態で最も荷崩れが発生しにくい積み方で積み込む必要があります。
確実な固定と運転方法とは?
積み荷の材質や形状、大きさや重量によって固定方法は異なりますし積み荷を搭載するトラックのボディタイプでも固定方法は異なりますが、積み荷の固定は縦方向・横方向の全方向に対して積み荷が動かなくなるようしっかり固定を行います。
また、急加速・急減速・急ハンドル・急ブレーキや高速走行は荷崩れを誘発するため、速度を抑えた丁寧な運転を心がけることでトラックの荷崩れ発生リスクが大きく低下すると言えます。
積載する荷物によって最適なトラックのボディタイプや積載方法も異なる
消費スタイルの変貌と共に物流業界で取り扱われる荷物は多様化が進み、トラックドライバーは以前より遥かに多種多様の材質や形状、大きさや重量の積み荷を取り扱わざるを得なくなっていると言えます。
積み荷の材質や形状、大きさや重量で運送に適した車両区分やボディサイズ、積載方法が存在し、1台ですべての積み荷に対応することは非現実的だと捉えるべきでしょう。
荷崩れ防止アイテムの積極的な使用も荷崩れ防止には効果的
平ボディやアルミバン・ウイングボディなど積み荷を積載するトラックのボディタイプや積み荷によって固定方法や固定に使用するアイテムが異なります。平ボディの場合はロープやラッシングベルト、ガッチャなどが積み荷の固定や荷崩れ防止に用いられ、荷台が露出しているため積み荷の積載後はシートカバーで積み荷を覆うことで落下や飛散防止を行うことができます。
アルミバンやウイングボディなど荷室を搭載するトラックはラッシングベルトを用いるケースが一般的ですが、滑り止めシートやコンパネ、マットなどの緩衝材を使用することで効果的に積み荷の固定が可能となります。
また積み荷の上部にL型アングル材をかけて固定することで積み荷を変形させることなく縦方向の揺れを効果的に抑えることも可能で、平ボディにも荷室搭載車両にも用いることが可能です。
トラックへの過積載が荷崩れの原因となるケースも存在する
トラックの荷崩れ発生原因として過積載によるものが挙げられますが、過積載は安全な走行が不可能となる非常に危険な行為であるため絶対に避けるべきだと言えます。また積載量の範囲内でも積み荷を高く積み上げる積載方法は荷崩れ発生リスクを向上させるので控えるべき積載方法だと言えるでしょう。
トラックの積載量はどう決まる?最大積載量と車両総重量の違いも解説!
積載する荷物の形状や積載量にマッチしないトラックは乗り換えがおすすめ
トラックの荷崩れ防止には丁寧で計画的な積み込みを行い確実に積み荷を固定した上で速度を抑えた慎重な運転が効果的ですが、荷台が露出した平ボディより、荷室を搭載するアルミバンやウイングボディの方がより安全な運送を実現しやすいのも確かです。
取り扱う積み荷が荷室に積載可能なものばかりである場合は荷室搭載車両を導入するべきですし、最大積載量内でも常に荷室内に積み荷をうず高く積み込む必要がある場合は1クラス大きなトラックに乗り換えることで荷崩れ発生リスクも低下させられると考えられられます。
多彩なボディタイプや車両区分のトラックを取り扱う中古トラック販売店
導入時には最適な車両区分・ボディタイプであったトラックでも、次第に現場ニーズとかけ離れてしまい使い勝手が悪くなるケースは珍しくありません。積み荷の形状や積載量にマッチしないトラックの乗り換えを行いたいと考えても乗り換えに要するコストや納車のタイミングン問題で乗り換えに二の足を踏んでいる方もいるのではないでしょうか?
さまざまな車両区分・ボディタイプの中古トラックを取り扱う中古トラック販売店では予算に合わせた車両を短期間で導入することが可能で、トラック乗り換えの障壁となる問題を簡単にクリアすることが可能です。
最適な中古トラックへの乗り換えが荷崩れ事故発生防止に効果的!
積み荷の形状や積載量に現在のトラックがマッチしなくなったと感じながら無理な積み込みを行っていると荷崩れの発生リスクが高くなりますので、中古トラック販売店で積み荷の形状や積載量にマッチした中古トラックを購入し安全で確実な積み荷の運送を実現してはいかがでしょうか?
まとめ
トラックの荷崩れは荷主から預かった大切な積み荷を破損させる可能性があり、積み荷の落下や飛散によってトラックがバランスを崩すなど事故発生原因にもなりかねない危険なトラブルですので絶対に避けたいものです。
トラック運転時に次に挙げる点を注意することで、トラックの荷崩れ発生リスクを引き下げることが期待できます。
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- 低重心でバランスの良い積み荷の積載を行う
- 荷崩れ防止アイテムを活用し積み荷の確実な固定を行う
- 速度を控えハンドル操作を慎重に行い丁寧な走行を行う