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トラック搭載エンジンにも波及するダウンサイジング!具体例を挙げ特徴などを大紹介!

トラック搭載エンジンにも波及するダウンサイジング!具体例を挙げ特徴などを大紹介!
世界的に環境問題に対する取り組みが重要視されるなか、燃料消費量が大量となる大排気量エンジンではなく小排気量エンジンの出力を効果的に引き上げ低燃費・高出力の両立が求められています。
大排気量エンジンの代わりに効率化を行った小排気量エンジンを搭載する動きがヨーロッパで始まり、世界中に普及し始めています。トラックにも波及し始めたダウンサイジングと呼ばれるエンジン排気量の見直しの特徴などを紹介し、トラックのエンジンダウンサイジング化について考えます。

発想の転換で注目を集めるダウンサイジングエンジンとは?

発想の転換で注目を集めるダウンサイジングエンジンとは?
より大きな加速力や牽引力を得るためにエンジンの大型化が効果的であることは単純明快でイメージしやすいため、小型エンジンで大型エンジンに劣らぬ出力を発生させると言われても「理想的だけど実現は難しいのでは?」と感じてしまうものです。

出力の小さな小排気量エンジンの効率化は古くから行われ、高出力な小型エンジンは存在しましたが出力重視・燃費性能軽視の傾向が強く、大きな駆動力が求められるトラックには必然的に大型エンジンが採用される時代が続きました。

しかしエンジン技術の革新と製造技術の向上で、高出力・低燃費の小型エンジン開発が進み、大型エンジンに劣らぬ出力を小排気量エンジンの燃費性能を崩すことなく実現することが可能となっています。

出力を保ちながらエンジンの小型化を行うのがダウンサイジング

環境問題に対応するためには排出ガス量の多い大型エンジンはどうしても不利になるため小型エンジンへの注目が高まりましたが、既存の小型エンジンでは大型エンジンの代用を満たすためには出力が不足するため小排気量で高出力なエンジン開発の必要性が高まります。

小型エンジンに過給機を取付けて出力を上昇させる手法は以前から存在しましたが、既述のとおり旧式のシステムでは過給機で出力を上昇させる際に燃費性能が大きく低下する問題を抱えていました。

過給圧や燃料噴霧方法などの研究が行われ幾度もの改良が施された結果、排気量2,000ccのエンジンを1,400ccに置き換えられる技術が開発され実用化されたことでエンジンのダウンサイジングに潮流が動き始めたと言えるでしょう。

ダウンサイジングエンジンは環境問題に配慮したクリーンエンジン

従来型のシステムは小型エンジンに過給機を搭載し、出力を上昇させる目的が「同排気量でいかに高出力を発生させられるか?」というエンジン出力競争のなかで開発されたため、燃費性能を度外視した開発が行われたと言えるでしょう。

しかし燃費性能を向上させるために推し進められたダウンサイジングは、燃費向上のためにエンジンを小型化し高出力を得るために過給機を搭載する方法を選択したと言えます。ダウンサイジングエンジンは従来と発想を逆転させて開発された環境に配慮したクリーンエンジンであると言われる理由は、この発想の逆転で開発されたことに起因すると言えるでしょう。

エンジンタイプによってダウンサイジングコンセプトが異なる

エンジンタイプによってダウンサイジングコンセプトが異なる
ダウンサイジングエンジンは2000年代初頭にドイツで発表されたものが契機となり、世界中に普及したと言われていますが、使用燃料がガソリンと軽油のエンジンではダウンサイジングのコンセプトが異なります。

ダウンサイジングの目的がエンジンの環境性能向上であることは一致しているのに、ダウンサイジングコンセプトが異なるのはガソリンエンジンとディーゼルエンジンでは異なる燃焼システムを採用しているからだと言えます。

ガソリンエンジンのダウンサイジングコンセプト

一般的にガソリンエンジンのダウンサイジングは吸気方式を自然吸気から過給機搭載に変更することで行なわれます。しかしダウンサイジングコンセプトは搭載車両との組み合わせで評価され、ダウンサイジングエンジンを搭載した場合でも既存のエンジンと排気量差が少ない場合は高出力モデルに分類される傾向にあります。

ディーセルエンジンのダウンサイジングコンセプト

燃焼システムが過給機との相性が良いディーゼルエンジンのダウンサイジングは、従来より過給圧を上昇させシリンダサイズの小型化や気筒数減少で行われるのが一般的で、ツインターボや可変ノズルターボなどの搭載で積極的な高性能化が図られています

高性能エンジンの開発がトラックのエンジンダウンサイジングを実現した

高性能エンジンの開発がトラックのエンジンダウンサイジングを実現した
従来から小型エンジンに過給機を搭載し出力を上昇させることが行なわれていたものの燃費性能が置き去りにされていたことは既に紹介しました。燃費性能に劣る小排気量エンジンと過給機の組み合わせを利用しながらダウンサイジングが実現されたのは、高性能エンジンの開発が進んだことが大きく影響していると言えるでしょう。

高性能エンジンの開発は燃焼室内の設計や燃焼メカニズムの解明が進歩したこと以外にも製造技術が向上し、従来よりも高圧に耐えうる丈夫で精密なエンジンの製造が可能となり、過給圧の向上に成功したことで実現しています。

トラックのエンジンのダウンサイジングを実現する機能とは

既にふれたとおりダウンサイジングのポイントはいかにして小型エンジンの高出力化を図るかに尽きると言えますが、エンジン効率向上のカギは高圧縮化と過給圧向上だと言っても過言ではないでしょう。

エンジンのダウンサイジングに大きく貢献している機能として過給機が挙げられますが、過給装置はターボチャージャーとスーパーチャージャーの2つに大別することができますので紹介します。

ターボチャージャー

排気ガスの運動エネルギーを動力としてタービンを回転させ、燃焼室へより多くの空気を送り込むコンプレッサーの役割を果たすのがターボチャージャーです。ガソリンエンジン・ディーゼルエンジン双方に採用される一般的な過給機として知名度の高い過給装置だと言えます。

スーパーチャージャー

排ガスを利用するターボに対してエンジンのクランクシャフトから動力を供給しながら稼働する過給機がスーパーチャージャーですが、現在スーパーチャージャーを搭載するトラックは流通しておらずガソリンエンジン搭載の一部の乗用車に採用されています。

トラックのエンジンダウンサイジングは積載量の増加を目的に行われる

トラックのエンジンダウンサイジングは積載量の増加を目的に行われる
国内を走行するトラックは車両総重量ごとに最大積載量が制限されていますが、貨物自動車であるトラックを有効活用するためには少しでも多くの荷物を積載したいと思うものです。

多くのトラックが搭載するディーゼルエンジンは燃焼システムの関係でガソリンエンジンよりも頑丈に造られており、同じ排気量のガソリンエンジンと比較するとサイズ・重量共に大きくなります。

ダウンサイジングによってエンジンの小型・軽量化を図ることはトラックの最大積載量を増加させる効果もあるため、トラックのエンジンダウンサイジングは環境問題と共に運送効率向上のために行なわれていると言えるでしょう。

国内トラックメーカーもエンジンのダウンサイジングに取り組んでいる

ヨーロッパに端を発したエンジンのダウンサイジングの潮流は、日本国内の乗用車業界に波及した後にトラック業界にまで強い影響を及ぼしており、現在国内のトラックメーカー4社はトラックへのダウンサイジングエンジン搭載を推し進めています。

日野自動車

日野自動車は中型トラックシリーズ「レンジャー」に5,000ccのA05C、大型トラックシリーズ「プロフィア」は9,000ccのA09Cと2つのダウンサイジングエンジン搭載モデルを発売しています。

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いすゞ自動車

いすゞ自動車は大型トラックシリーズ「ギガ」にツインターボ7,800ccのダウンサイジングエンジン6NX1-TCSを搭載しています。

三菱ふそう

三菱ふそうは中型トラックシリーズ「ファイター」に4,000ccの4V20、大型トラックシリーズ「スーパーグレート」には7,700ccの6S10と2つのダウンサイジングエンジンを搭載しています。

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UDトラックス

UDトラックスは大型トラックシリーズ「クオン」に7,700ccのダウンサイジングエンジンGH8TAを搭載しています。

中古トラック市場にもダウンサイジングの影響が表れている

中古トラック市場にもダウンサイジングの影響が表れている
環境に配慮したメカニズムとしてハイブリッド車の普及が先行した国内では、ダウンサイジングエンジンの開発・普及が遅れた印象を持つ方もいらっしゃいますが、近年着実にダウンサイジングエンジンは普及しつつあります。

国内のトラックメーカーがトラックにダウンサイジングエンジンを搭載し始めたのは2015年前後ですので、既に現在中古トラック市場にはダウンサイジングエンジン搭載の中古トラックの流入が始まっています。

中古トラック販売店では運行効率の高いダウンサイジングエンジン搭載トラックを効果的に購入できる

国内では新しいメカニズムに分類されるダウンサイジングエンジンを搭載するトラックは新車購入で導入されるケースが多い傾向にありますが、新車でダウンサイジングエンジン搭載トラックを購入するとコストや納車期間がかかるのも事実です。

しかしタマ数は多いとは言えないものの中古トラック販売店では中古市場に流入するダウンサイジングエンジン搭載トラックを取り扱っていますので、新車購入よりもはるかに効率的にダウンサイジングエンジン搭載トラックを購入することが可能です。

積載量を稼げるダウンサイジングエンジン搭載の中古トラック購入がおすすめ

物流業界に対しても、環境問題への対策が強く求められる現在、クリーンな内燃システムだと言えるダウンサイジングエンジン搭載トラックの導入は企業イメージを向上させる効果も大きく期待できると言えます。

またエンジン重量が大きく軽減されることからトラックの最大積載量を増加することも可能なダウンサイジングエンジンは、運送業に従事する方にとって非常に魅力的なエンジンではないでしょうか?

新車導入よりもコストや納車期間のハードルが遥かに低い中古トラック販売店で中古のダウンサイジングエンジン搭載トラック購入を行い、企業イメージと運行効率の向上を同時に行なってみてはいかがでしょうか?

まとめ

ダウンサイジングエンジンに対して「非力なエンジンなのでは?」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、小排気量で大きなエンジン同様の出力を実現したのがダウンサイジングエンジンですので出力不足で困ることはないと考えられます。

トラック搭載エンジンの常識を覆した発想で開発されたダウンサイジングエンジンの特徴は次のとおりです。

  • 高圧縮圧と過給圧向上で出力上昇を実現したエンジン
  • ディーセル車と好愛称のターボもダウンサイジングに貢献する
  • ダウンサイジングエンジン搭載トラックは中古の購入が効果的

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