トラック搭載エアサスの使用限度は?寿命を延ばすメンテナンスや交換費用の目安額を大紹介!
衝撃吸収性能が高いエアサスと呼ばれる圧縮エアを用いたサスペンションシステムを搭載するトラックが増加傾向にありますが、エアサスは高額な装置であるため「どの程度使用すると寿命に達するのか?」や「エアサス交換費用はどのくらいかかるのか?」が気になります。
高性能であるため高額なサスペンションシステム「エアサス」の平均寿命や寿命を延ばすメンテナンス方法・使用限度に達したエアサスの交換費用の目安額を紹介します。
トラックのサスペンションはリーフサスとエアサスに大別される
トラックに搭載されるサスペンションは、金属製の板バネで衝撃吸収を行うリーフサスと圧縮エアを充填したベローズと呼ばれるゴム製パーツで衝撃吸収を行うエアサスの2つに大別できます。
シンプルな構造のリーフサスは製造コストが安価なため多くのトラックに搭載される代表的なトラックのサスペンションシステムですが、機能もシンプルでエアサスと比較すると衝撃吸収性能に劣ると言えます。
エアサスは高い衝撃吸収性能を持ち多彩な機能を備えているものの、リーフサスと比較するとシステムが複雑となり製造コストや修理費用が高額となる傾向にあります。
トラックのエアサスには多彩な機能が搭載されている
トラックに搭載するサスペンションに強く求められるのは走行中の路面からの突き上げなどの衝撃を緩和する衝撃吸収性能で、以前はリーフサスでも十分対応できていたと言えます。
エアサスは精密機器など衝撃に弱い積み荷の搬送に用いられるトラックに搭載される比較的特殊なサスペンションシステムであったと言えますが、エアサスの持つ高い機能性が評価されエアサス搭載車両が増加しています。
トラックの搭載エアサスは衝撃吸収機能と車両の昇降機能も併せ持つ
エアサスの普及を後押しする高い機能性として評価されるのが車高調整機能で、エアサス搭載車両は充填する圧縮エア量の調整で車高を変化させられます。車高を下げ天井が低い場所でウィングを開くことやプラットフォームの高さに車高を上げること、車両前部を下げ積み込み作業効率を上げるなど車高調整で得られるメリットは少なくありません。
高い衝撃吸収性能と車高調整機能を併せ持つエアサスのメリットを得るために現在多くのトラックのサスペンションシステムにエアサスが選ばれていると言えるでしょう。
トラックには車両重量を支え走行中の路面からの突き上げなどの衝撃を緩和させるための機能であるサスペンションが搭載されており、多くの車両には金属製のバネを用いたリーフサスペンションが搭載されています。
リーフサス?エアサス?トラックに採用されるサスペンションの違いとは?
トラックのエアサスが寿命に達すると生じるトラブルとは
圧縮エアを充填しトラックを支えるベローズはエアサスの主要パーツだと言えますが、ゴム製品であることから耐久性に不安を感じる方もいるのではないでしょうか?メーカーは耐久テストを行いながらベローズ開発を行っており、膨張・収縮に対しては半永久に近い高い耐久性を実現していると言われています。
しかしエアサスはコンプレッサーや圧縮エアタンク、圧縮エア供給ラインや制御装置・スイッチなど多くのパーツで構成されるため構成パーツに故障が発生してエアサスが機能しなくなるトラブルも発生します。
エア漏れが発生するとエアサスの効果が得られない
エアサス主要パーツのベローズは半永久に近い耐久性と言われていますが、傷が付くと破裂する可能性がありますしエアサス構成パーツの不具合でエアサスが機能しなくなるトラブルは存在します。
圧縮エアを充填させたベローズが変形することで衝撃吸収を行うエアサスは、圧縮エア供給ラインなどでエア漏れが生じると十分な圧縮エアがベローズに充填されずエアサスが機能しなくなります。
経年劣化によって強度を失ったエアサスは傷が付きやすい
エアサスシステムの要となるのが圧縮エアを充填し変形することで衝撃吸収を行うベローズで、既述のとおりベローズは高い耐久性を持つように製造されています。しかし圧縮エア充填で膨張、衝撃吸収のために変形し、圧縮エアを排出すると収縮するベローズにかかる負荷は小さなものではないことは安易に推測できますし、多くの荷物を積載した状態で長期間使用すると少なからず経年劣化が生じると考えられます。
新品のベローズの強度と長期間使用したベローズの強度が全く同じであることは考え難いため、長期間使用したベローズは新しいものより傷が付きやすい状態であると捉えるべきでしょう。
エアサスの故障修理費用の目安額は?
エアサスは多くのメリットを持つ高性能なサスペンションシステムではあるものの、リーフサスよりも複雑な構造となるため搭載費用や修理費用が高額となるのも事実です。トラックに搭載するエアサスが故障した場合の修理費用は気になりますが、故障がエアサスのどの部分で生じているかによって修理費用は大きく異なります。
エアサスの心臓部ベローズ交換コストの経済的負担は大きい
エアサスの心臓部分と言っても過言ではない主要パーツのベローズは、高い耐久性を持つ特殊パーツであるため高額です。またエアサスの修理には技術が必要となるため、べロース交換の依頼先によって修理費用は異なりますが1ヶ所100,000円程度の費用がベローズ交換費用目安だと言えるでしょう。
エア供給システムの修理も決して安くない傾向にある
エアサスを構成するパーツのなかで比較的トラブル発生率が高いのが圧縮エアを作るコンプレッサーだと言えます。コンプレッサーの主なトラブルとして挙げられるのはエアドライヤーが関係するもので、エアドライヤー交換を行う場合は40,000~50,000円が目安額だと言えるでしょう。
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エアサスの寿命を伸ばす効果的な方法は日頃のメンテナンス
エアサスは高性能な衝撃吸収システムであると共に、故障が発生した場合の修理費用が高額な高級パーツであると言えますのでエアサスの故障はできるだけ回避したいものですし、寿命を延ばし長期間使用したいものです。
エアサスの故障を回避し寿命を延ばす効果が期待できるのが的確なメンテナンスの実施ですので、故障回避や寿命を延ばす効果が期待できるメンテナンス方法を紹介します。
エアサスのベローズのコンディション確認は大切
エアサスの主要パーツで高額パーツであるのが圧縮エアを充填するゴム製パーツのベローズですが、ベローズのコンディションを維持するためのメンテナンスは残念ながら存在しません。
但しベローズにかかる負荷を軽減するため過積載を行わないことや大きな変形が生じるような無理な運転を行わないことでベローズの寿命を延ばすことが期待できます。また定期的にベローズに傷が付いていないかなどのコンディション確認を行なうことでベローズの破裂などのトラブルは回避できるので、べローズのコンディション確認を定期的に行うことをおすすめします。
エア供給システムも消耗品交換が重要
エアサスの構成パーツでトラブル発生率が高いのがコンプレッサーであることは既に紹介しましたが、コンプレッサーの付属品には消耗パーツが存在するのでこれらの消耗パーツの定期的な交換を行うことでエアサス故障の発生率を下げることが期待できます。
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トラックのエアサスが寿命に達した場合は乗り換えが効果的
エアサスが故障するとトラックの衝撃吸収性能が失われ安全な走行が不可能となりますので、エアサス故障が発生した場合は早急な対応を迫られます。トラックが故障すると無条件に修理を行なおうと考える方が多いと言えますが、既に長期間使用しているトラックの場合は乗り換えの検討が効果的であるケースが少なくありません。
理想的なトラック乗り換えの実現をサポートする中古トラック販売店
エアサスの故障が発生した場合に確認するべきことは、トラックがまだ新しい車両なのか、既に長期間使用し経年劣化が生じているものなのかだと言えます。新しいトラックの場合エアサスの修理を行って効果が得られますが、経年劣化が生じているトラックであればエアサス以外のパーツも寿命を迎え交換が必要となるタイミングに差し掛かっていると捉えるべきでしょう。
トラック乗り換え時にはコストや乗り換え期間などの問題が発生しますが、中古トラック販売店の取り扱う中古トラックの購入を視野に入れると、希望するコストや乗り換え期間でのトラック乗り換えを実現することが可能です。
寿命に達したエアサスの修理にコストをかけるよりも車両全体の使用限度を効果的に先延ばしすることができる中古のエアサス搭載トラック購入をおすすめします。
エアサスが寿命に達しても中古トラックへの乗り換えで効率的にリカバリーできる
高額な費用を投じてエアサス修理を行っても他の部分が寿命に達してトラックが使えなくなったのでは、エアサスの修理費用が無駄になってしまいます。長期間使用して老朽化が進んでいるトラックのエアサスにトラブルが生じた場合は修理を行うよりも予算に合わせた中古トラックへの乗り換えを行う方が費用対効果は高いと言えるでしょう。
使用中のトラックのエアサストラブルが発生した場合は、急いで修理に向かう前に中古トラック販売店で取り扱われている中古エアサス搭載トラックの販売価格を確認してみてはいかがでしょうか?
まとめ
リーフサスよりも高い衝撃吸収性能と車高調整機能を併せ持つエアサスは非常に魅力的な高性能サスペンションシステムですが、トラブルが発生すると修理費用がかさむのが難点だと言えます。
新しいトラックであればともかく既に長期使用しているトラックの場合は、エアサスのトラブルはトラック自体の寿命が近いことを示す目安だと捉えるべきでしょう。エアサスのトラブルを回避し寿命を延ばすために次に挙げる点に注意してエアサス搭載トラックを安全に運行させてください。
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- 過積載や無理な運転でベローズに負担をかけない
- 定期的にベローズのコンディション確認を行う
- 圧縮エアを発生させるコンプレッサーは定期的にパーツ交換する