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トラックに生じるオーバークールの主な症状|発生原因・修理費用の目安と予防策とは?

トラックに生じるオーバークールの主な症状や発生原因・修理費用の目安と予防策とは?大量の熱を発生しながら力強く稼働するトラックのエンジンオーバーヒートと対極の症状であるオーバークールも、トラックのエンジントラブルの1つです。
「エンジン温が低いのは悪いことではないのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、トラックが重度のオーバークールに陥ると「冷え過ぎでエンジンが焼き付く」という謎の症状が発生します。不可解なオーバークールの主な症状や発生原因・修理費用の目安と予防策を紹介します。

エンジントラブルリスクを高めるオーバークールとは?

エンジントラブルリスクを高めるオーバークールとは?
既にふれたとおりトラックの代表的なエンジントラブルと言われるのはエンジンが異常加熱状態に陥るオーバーヒートですが、オーバークールはオーバーヒートとは逆にエンジンが異常冷却状態に陥るエンジントラブルです。

エンジン温が高すぎるとトラブルになるのはイメージしやすいものの、エンジン温が低いことで生じるトラブルはイメージが湧き難いものですが、稼働時のエンジンには適正温度がありエンジン温が適正温度より高くても低くてもトラブルの原因となります。

トラックのエンジン温度調整の機能メカニズム

通常トラックのエンジンは温度管理を行わず稼働させるとオーバーヒートしてしまうため、冷却装置でエンジン温管理を行う必要があり冷却システムには空冷・水冷・油令の3つのタイプが存在します。

トラックの冷却装置として採用されるのは冷却能力が高く温度コントロールを行いやすい水冷の冷却システムで、ラジエーターとエンジンのウォータージャケットの間をクーラントと呼ばれる冷却液が循環しエンジンの冷却を行います。

ウォータージャケットで熱交換を行い高温になった冷却液がラジエーターで放熱・冷却され再びウォータージャケットに戻ることでトラックのエンジン温を管理するのが水冷式冷却装置で、冷却水の循環はウォーターポンプによって行われます。

オーバークールに陥ったエンジンは適切な使用環境ではない

稼働するトラックのエンジンには適正温度がありエンジン温が適正温度より高くても低くてもトラブルの原因となることは既にふれましたが、エンジン稼働時の適正温度を大きく下回る異常冷却状態になるのがオーバークールです。

稼働中のエンジンは基本的に冷却が必要ですが、冷え過ぎの状態でエンジンが稼働するオーバークール発生時には次項で紹介するような症状が発生します。

オーバークールが発生したトラックの主な症状は?

オーバークールが発生したトラックの主な症状は?
エンジンが異常冷却状態となるオーバークールに陥ったトラックでは次に挙げるような症状が現れます。

・エンジン温が上がらずエンストしやすくなる
・エンジン温が上がらずヒーターが効かない
・エンジンがスムーズに稼働せず燃費が悪化する
・エンジンがスムーズに稼働しないことが黒煙発生の原因となる
・エンジンがスムーズに稼働しないことでエンジンオイルの劣化が進む
・エンジンオイルの劣化によりエンジンの劣化が進む
・エンジン温が上がらないことでエンジン焼き付きが発生する

トラックのエンジンは冷えすぎでも焼き付きが発生する

前項で挙げたオーバークールの症状はどれもトラックに悪影響を及ぼすものだと言えますが、なかでも最も深刻な症状がエンジンの焼き付きだと言えるでしょう。エンジン温が低すぎて焼き付きが発生することに対しては不可解に感じるかもしれませんが、エンジンは金属製のため冷えると収縮しクリアランス設定がバランスを失います。

また潤滑機能を持つエンジンオイルが冷えて硬くなると浸透し難くなるので、エンジンがオーバークールに陥いるとクリアランスバランスを失い潤滑油が浸透しない状態で稼働させることになります。悪条件のなかで稼働させ続けることでエンジンの焼き付きが発生すると考えられています。

エンジン焼き付きが発生するとトラックは自走不能に陥る

焼き付いたエンジンは稼働が停止し再稼働できなくなりますので、エンジン焼き付きの発生は自走不能を意味します。オーバークールの症状は察知し難いものが多いため、トラックがオーバークールに陥っていることに気付かず運行を続けると思わぬ場所で深刻なトラブルに巻き込まれる可能性が生じます。

オーバークールの主な発生原因と予防策は?

オーバークールの主な発生原因と予防策は?
冷却装置が必要となるほど発熱しながら稼働するエンジンですが、トラックのエンジンが冷え過ぎの状態で稼働するオーバークールの状態が発生するのは非常に不可解です。オーバークールは厳冬期など外気温が極端に低い場合に発生することもありますが、実は、冷却装置が正常に機能している状態ではなく、冷却機能に不具合が生じることでオーバークールが発生するケースが少なくありません。

外部環境以外でオーバークールの主な発生原因となるサーモスタットのトラブル

外気温の極端な低下などトラックの外部環境の影響でオーバークールが発生する場合もありますが、この場合は改善や予防策を講じることができないと言えます。しかしトラックのオーバークールは冷却装置のなかに組み込まれたサーモスタットのトラブルで発生するケースが多い傾向にあるのも事実です。

サーモスタットは温度変化で膨張・収縮などの変形を行う温調スイッチで、トラックには温度変化で膨張・収縮し開閉するバルブ式構造の温調弁ともいえるサーモスタットが装着されています。サーモスタットが開いた状態で故障すると必要以上にエンジンが冷却され、オーバークールが発生します。

サーモスタット交換が効果的なオーバークールの予防策

極端に外気温が低いなどの外的要因以外ではサーモスタットの故障でオーバークールが発生するケースが多いため、定期的にサーモスタットの交換を行うことでオーバークールを予防することが期待できます。

オーバークールの発生原因はトラックの経年劣化に起因する

オーバークールの発生原因はトラックの経年劣化に起因する
外的要因以外でオーバークールの主な発生原因となるのがサーモスタットの故障で、サーモスタット交換を行うことがオーバークール予防策に繋がることは既にふれました。しかし、サーモスタットは構造がシンプルで基本的には故障の少ない丈夫なパーツであり、サーモスタット故障が発生するのはトラック全体の経年劣化が進んでいる目安であるとも考えられます。

本来サーモスタットは比較的安価で高い耐久性を持つパーツ

サーモスタットはエンジン稼働中は高温状態に晒され膨張・収縮を繰り返すため使用と共に経年劣化が進み故障の原因となりますが、構造がシンプルなため約10年・10万kmの走行距離が耐用年数だと言われています。

サーモスタットの交換は工賃込みで15,000~20,000円程度で行えるものですので、経年劣化が進行する前に交換することでオーバークールを予防できますが、トラック自体の経年劣化が進んでいる場合はサーモスタット以外のパーツが使用限度に達することが予想されます。

オーバークール発生車両はサーモスタット交換後もトラブル頻発の可能性が!

オーバークールは発生するとエンジン焼き付きに繋がりかねない深刻なトラブルですので、故障したサーモスタットは早急に交換するべきだと言えますが、サーモスタット故障が発生するほど経年劣化が進んだトラックは他のパーツも使用限度に達することが予想されます。少なくない交換コストや交換作業時間を投じながら五月雨式に使用限度に達するパーツを交換していくのは、費用的にも時間的にも大きなロスになると言えるでしょう。

中古トラックへの乗り換えがオーバークールの効果的な回避策

中古トラックへの乗り換えがオーバークールの効果的な回避策
経年劣化の進んだトラックには、余計な維持費用の発生や、効率的な運行スケジュールを組むのが困難になるというデメリットが潜んでいますので、トラックにオーバークールが発生した場合はトラックの乗り換えを検討することをおすすめします。

トラック乗り換えの諸問題解決の糸口は中古トラック販売店にある

トラックの乗り換えを計画する際に新車の場合は車両購入コストや納車期間などがネックになると言えますが、中古トラック販売店で扱われる中古トラックへの乗り換えであれば乗り換え時の費用や時間の問題を解決できます。

中古トラック市場に流通する中古トラックは新車同然の未使用車からリーズナブルな低年式車まで幅広く、中古トラック販売店では予算に合わせたトラックを選ぶことができます。また中古トラック販売店の取り扱い車両は全て完成車量ですので、新車を注文するよりも圧倒的に短い納車期間でトラック乗り換えを実現することも可能です。

深刻なエンジントラブルに繋がる前に中古トラックへの乗り換えで効率的な運行を!

エンジン温が上昇しないのは一見エンジンにとって望ましいコンディションのように感じますが、異常冷却であるオーバークールに陥ると冷えすぎでエンジンが焼きつくケースもあり決して良好な状態ではないと言えます。

エンジン焼き付きは自走不能リスクに直結しますので、エンジン温が上がらない場合はサーモスタットの交換と共に、トラック乗り換えの検討をおすすめします。トラック乗り換えの際には中古トラックへの乗り換えを視野に入れることで費用対効果の高い乗り換え実現が可能となりますよ。

まとめ

トラックの代表的なエンジントラブルであるオーバーヒートの対極に位置するオーバークールも、やはり深刻なエンジントラブルの1つだと言えます。オーバークールは気付くのが困難なエンジントラブルだと言えますが、次の症状が現れた場合はオーバークールの発生を疑いましょう。

  • エンジン温が上がらずヒーターが利かなくなる
  • エンストしやすく燃費が悪化する
  • トラックの排ガスに黒煙が発生する

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