トラック荷台の錆には要注意!錆の放置で生じる危険性や錆の発生原因・予防策とは?
事実さまざまなボディタイプのなかで露出した平ボディの荷台は最も錆の発生率が高い傾向にあり、荷台に発生する錆の対策は平ボディのトラックの宿命であるとも言えます。荷台に発生した錆を放置することで生じる危険性や錆の発生原因と予防策などを紹介します。
トラックの荷台に発生する錆とは?
鉄製パーツの塊であるトラックには錆の発生リスクが付きものだと言えますが、特に錆の発生が目立つ部分として荷台が挙げられます。錆びた荷台は見た目も悪く放置することでさまざまな危険性が生じますが、荷台の錆対策を検討するためには錆の発生原因や発生メカニズムを掴んでおくことが重要だと考えられるので、まずは「錆とは何か?」を紹介します。
鉄の酸化が原因!錆発生のメカニズムは?
トラックの荷台は鉄を圧延して作られる鋼板製のものや荷台の床に木材を使用するものなどが存在しますが、荷台の基礎構造は強度が確保できる鉄で構成されています。トラックの荷台には防錆加工が施され塗装されていますが、塗装面が傷付くと地金である鉄が露出し錆が発生します。
錆は鉄の腐食で生じる現象で鉄の腐食は全面腐食・粒界腐食・孔食・隙間腐食・応力腐食割れ・電位差腐食・摩耗腐食・酸化腐食の8つに分類されます。トラック荷台に発生する錆は空気や水に触れた鉄がイオン化して生じるもので、全面腐食の結果生成された腐食生成物だと言われています。
鉄のイオン化は空気中の水分や雨に鉄が触れ、鉄に含まれる自由電子が水に溶け出すことで発生し、自由電子を失った鉄がイオン化し酸化鉄に変化することで錆が発生します。
トラックの荷台なぜ錆びやすいのか
トラックの荷台部分は積み荷と直接接触する機会が多いことや、荷物の積み下ろし作業中にフォークリフトのツメやマストと接触する機会が多いことなど、塗装面にダメージが生じやすい環境であることが錆びやすい原因の1つだと言えます。
また荷台が露出している平ボディの場合は荷台が風雨の影響を直接受ける構造のため、塗装面がダメージを受け地金の鉄が露出した部分が濡れる機会が多いのもトラックの荷台が錆びやすい原因として挙げられます。
錆の放置でトラックの荷台に生じる危険性とは?
鉄で作られたトラックの荷台に発生した錆を放置しておくと腐食が進行し錆は広がります。錆の発生は鉄の腐食を意味し、腐食は表面的なものだけでなく鉄の構造を侵食しながら進行するため、車両の耐力を発生させる構造部にまで進行すると強度不足に陥る危険性も発生することが予想できます。
荷物の安全な積載には荷台の強度が必須!
貨物自動車として製造されるトラックは荷台に大量の荷物を積載できるのが特徴ですが、荷台に発生した錆を放置し荷台の構造部まで錆が進行した結果、荷台の耐力が損なわれると積み荷を安全に積載することが難しくなります。
荷物を積載した状態で安全に運送するためには荷台の強度の確保は絶対条件であり、錆の発生によって荷台の強度が低下することは貨物自動車であるトラックにとって致命的なダメージになると言っても過言ではないでしょう。
錆の発生は荷台強度を低下させる
錆の発生したトラックの荷台は、荷台を形成する鉄が腐食し侵食されている状態であると言えますので、錆が発生する前の状態よりは確実に強度が低下していると考えられます。トラックの積載能力を担保するのは荷台部分の強度であるため、錆が発生したトラックはメーカーが保証する荷台強度が損なわれている状態だと言えます。
トラックの資産価値にも大きく影響する荷台の錆
トラックの荷台に発生した錆を放置することでメーカーの保証する荷台強度が損なわれる危険性が生じますが、荷台が錆びたトラックでは、トラックの持つ資産価値の下落を招くリスクも発生しています。
錆びたトラックは買取査定額が下落する
車両価格が決して安価ではないトラックは、税務処理上の資産価値を示す法定耐用限度を超過し税制上資産価値が消失したものであっても、実際には売却時に大きな市場価値が期待できる動産であると言えます。
しかし荷台に発生した錆を放置し腐食が進行すると、売約時の買取査定にマイナスの影響を及ぼし買取査定額が下落します。買取査定額が下落するということは保有資産額が減少することですので、トラックの荷台に発生する錆は荷台強度と共に保有資産をも侵食すると考えるべきでしょう。
トラックの荷台の錆の予防法
トラックの荷台の錆は荷台強度と保有資産を侵食する非常に厄介な存在ですが、錆の発生予防は特に難しいものではなく、保管方法や日常メンテナンスに注意を払うことで、トラック荷台の錆の発生リスクを大きく低下させることが可能です。
保管場所がトラックの錆発生に大きく影響する
トラック使用時は荷台に積載した荷物を保護するためにトラックシートで荷台を覆って運行するのが一般的だと言えますが、保管場所でのトラック保管時にはトラックシートは折り畳まれて荷台は露出しているのではないでしょうか?
荷台が露出している平ボディのトラックの保管場所に屋根がない場合、保管中のトラックは荷台を風雨に晒すことになり荷台の錆の発生を促す環境となります。荷台の錆を予防したいと考えるのであれば、可能な限り屋根の下などトラックの荷台が風雨に晒されない場所に保管することをおすすめします。
定期的なメンテナンスでトラック荷台の錆は予防できる
現在はカー用品店やオンラインストアなどでさまざまなボディリペアツールが販売されており、トラック荷台の錆を予防できる便利なツールを簡単に購入できますので、これらのツールを使用してメンテナンスを行うことも荷台の錆発生予防策として効果的です。
防錆塗装
防錆加工を施してくれる専門業者も存在しますが、市販の防錆塗装を購入しセルフリペアでダメージが発生しているトラックの荷台塗装面を補修するだけで錆の発生リスクが大きく低下します。
耐紫外線効果や耐塩害効果などさまざまな効果を謳うリペア塗料が販売されていますので、これを購入してトラックの荷台塗装の補修を行います。塗料の含有成分に亜鉛が含まれている塗料は特に高い防錆効果が期待できます。
防錆マット
トラックの荷台に敷くことで荷台の塗装面へのダメージを軽減し、錆の発生を予防できる防錆マットも市販されていますので購入してトラックの荷台に敷きつめることで荷台の錆発生を予防します。マットを敷き詰める前に荷台を綺麗に掃除して、できれば防錆塗装を行うとより高い効果が期待できると考えられます。
トラック荷台の錆が進行する前に行う計画的な乗り換えが効果的
発生すると荷台強度を低下させトラックの主要機能である積載能力を損失させると共に、動産としてのトラックの資産価値の下落リスクまで生じるのがトラックの荷台の錆だと言えます。
しかしトラックは商用車両でもあるため現実的には丁寧な取り扱いを行なおうにも限度があると言えますので、メンテナンスで荷台の錆発生予防を行いながら定期的にトラックの乗り換えを行うことでトラックの資産価値を高く保ち続けることが可能となります。
乗り換え計画に中古トラックを組み入れると高い経済効果が期待できる
トラックの資産価値を高く保ちながら計画的な乗り換えを行うと言っても、新車への乗り換えを定期的に行うためには大きな資本力が必要となるため現実的ではないと言えるでしょう。
そこで効果的な乗り換えを実現する方法としておすすめなのが、中古トラック販売店で取り扱われる中古トラックを利用する計画的なトラック乗り換えです。中古トラック販売店ではさまざまなボディタイプのトラックを取り扱っており、荷台の錆が気になる平ボディも数多く取り扱っています。
既に搭載クレーンなどの機能を搭載した状態の中古トラックも多数存在するので、予算に合わせて必要な装備を搭載した車両を選べるのが中古トラック販売店の魅力です。
トラックの荷台が錆びる前に中古トラック販売店を利用した乗り換えがおすすめ
必要な装備をオーダーメイドに近い形で搭載しながら製造される新車のトラックは車両価格が非常に高額であり、注文から納車まで時間がかかる傾向にありますので気軽に乗り換えることは難しいと考えられます。
中古トラック販売店で取り扱われる中古トラックは既に完成した状態の車両ですので、納車までに必要な時間が短く、既述のとおり予算にあわせた車両を選ぶことも可能です。中古トラックであれば、荷台の錆によって荷台強度やトラックの資産価値が失われる前に計画的な乗り換えを行う理想的なトラックの乗り換えを実現できます。
まとめ
トラックの荷台に発生する錆はトラックの外観を損ね資産価値を下落させるだけでなく、メーカーの保証する荷台強度を損なわせ重大事故の発生源になりかねない危険性も潜んでいます。
次の3つの方法を講じるのがトラック荷台の錆の発生予防策として効果的だと言えますので、是非実施して下さい。
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- 荷台が露出した平ボディは風雨の影響を受けない場所で保管する
- 荷台の塗装面が傷付いた場合は防錆塗装で補修を行う
- 防錆マットなどを使用して荷台の塗装面の保護を行う