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トラックから白煙が出る主な原因と対処法や簡単に行える予防策とは?

トラックから白煙が出る主な原因と対処法や簡単に行える予防策とは?
加速や登坂の際にモウモウと黒煙を排出しながら走行するトラックを目にしなくなって久しくなりますが、現在でも白煙を排出するトラックを見かけることがあるのではないでしょうか?見るからに有害な印象を受ける黒煙と比べると白煙は害が少ないイメージがあるかもしれませんが、実は白煙も有害であり発生原因によってはトラックの使用限度を示す目安でもあると言えますので、白煙が出る主な原因と対処法や簡単に行える予防策などを紹介します。

多くのトラックに採用されるディーゼルエンジンは煙が出やすいシステム

多くのトラックに採用されるディーゼルエンジンは煙が出やすいシステム
低回転から強力なトルクを発生させるディーゼルエンジンは多くのトラックに採用されるエンジンですが、黒煙を発生させる特徴から古くは環境汚染の根源として大きな非難を浴びました。

しかし厳格化される排ガス基準に適応するためにさまざまな改良が行われ、排ガス浄化装置を搭載したクリーンディーゼルとして環境に優しいエコ・ディーゼルと呼ばれるものさえ存在します。

燃焼システムの改良や排ガス浄化装置によって現在のディーセルトラックの排ガスはクリーンなものとなっていますが、燃料が軽油であることや自然発火を利用した燃焼システムであることなどからディーゼルが煙を発生しやすいエンジンであることに変わりはないと言えます。

白煙の出るトラックは整備不要で取り締まり対象となる

トラックの整備を行わず白煙がでる状態で運行していたために、2002年には米子自動車道の谷川トンネル内と神戸淡路鳴門自動車道下り線で相次いで白煙が原因となる大きな交通事故が発生しています。

トラックの白煙は後続車両の視界を失わせる非常に危険な存在であることから整備不良の道路交通法違反が適用されますし、万一白煙が原因で後方で事故が発生した場合は白煙を排出するトラックのドライバーが業務上過失致傷や致死容疑に問われることが珍しくありません。

トラックから排出される白煙は2種類に分類できる

トラックから排出される白煙は2種類に分類できる
トラック後方を走行する車両の視界を失わせる危険な存在の白煙ですが、トラックから排出される白煙は発生原因によってエンジンの不具合で生じるものと正常な燃焼を示すものの2つに分類することができます。

オイルの焼ける匂いの白煙には要注意!故障発生を知らせる前兆!

エンジンの不具合で発生する白煙はエンジン内にオイルが混入することで発生するもので有害物質を含み、大気汚染の原因となるものですので発生した場合は早急に対処を行う必要があります。

一方エンジン内で正常な燃焼が行われている状態でも白煙が発生することがありますが、こちらはエンジンのコンディションが良好であることを意味するので対処を行う必要はありません。対処が必要な白煙と必要ない白煙の特徴は次のとおりです。

故障発生の前兆となる排気の特徴

排出を確認した場合早急な対処が必要となる白煙の特徴として次の3つが挙げられます。

  • オイルが焼ける臭いがする
  • 排出された白煙がすぐに消えない
  • エンジンが十分暖機されても排出が続く

上記3つの特徴がある白煙が排出される場合は、トラックのエンジンに不具合が発生していると捉え対処を行う必要があります。放置することでエンジンブローを引き起こす原因になりかねませんし、整備不良で処罰の対象となります。

水蒸気で白く見える排気の特徴

トラックから排出されていてもエンジンのコンディションが良好であることを示すもので対処の必要がない白煙の特徴として次の3つが挙げられます。

  • 排ガスから強い臭いを感じられない
  • 排出されてもすぐに白煙が消える
  • エンジンが十分に暖機されると排出が止まる

上記3つの特徴がある白煙は排気ガスに含まれる水蒸気が白煙に見えるものであると考えられるため対処の必要がないと判断できますが、燃料に水が混入している場合は対処を行う必要があります。

なぜ起こる?トラックから排出される白煙の発生原因は?

なぜ起こる?トラックから排出される白煙の発生原因は?
整備不良として道路交通法違反が適用される可能性があり、エンジンブローのリスクを秘めたトラックの白煙はエンジンの不具合によって発生します。白煙を発生させる具体的なエンジンの不具合を紹介します。

4つに分類できるトラックの白煙の主な発生原因

トラックの白煙排出に繋がる原因となるエンジンの不具合として、次に挙げる4つが挙げられます。

バルブステムシールの劣化で生じるオイル下がり

バルブステムシールの劣化や損傷によってエンジンのシリンダーヘッドから燃焼室内に、エンジンオイルが下がり燃焼することで白煙が発生します。白煙の発生量がアイドリング時に多く、走行中に減少する場合はオイル下がりによる白煙だと考えられます。

オイル下がりより深刻な可能性も?オイル上がり

エンジン内部のシリンダー・ピストン・ピストンリングなどが摩耗してクランクケースからオイルが上がり燃焼することで白煙が発生します。アイドリング時や低速走行時の白煙発生量は多くありませんが、エンジンの回転数を上げると白煙が発生する場合はオイル上がりによる白煙だと考えられます。

定期的に水抜きをしないと発生!燃料への水の混入

燃料タンク内で結露した水や燃料内の水分が燃焼されることで白煙が発生します。水蒸気ですので有害物質ではありませんが、既述のとおりエンジンが暖まっても臭いのしない白煙が発生する場合は燃料への水の混入による白煙だと考えられます。

燃料供給装置の不具合

ディーゼルエンジンはピストンで高圧に圧縮された燃焼室に燃料を噴霧し自然発火で燃料点火を行いますが、燃料噴霧のタイミングが遅れピストンが上死点から下死点に向かうタイミングで燃料が噴霧されると白煙が発生することがあります。

トラックから白煙が出た場合の処置方法は?

トラックから白煙が出た場合の処置方法は?
トラックから白煙が排出される場合、臭いがしないのに排出が止まらない場合は燃料タンクの水抜きを行いますが、オイル下がりやオイル上がり、燃料供給装置が原因で臭いがする白煙の場合は本格的な対処を講じる必要があります。

応急処置には添加剤で効果が見られるケースもある

エンジンの不具合で白煙が発生しているケースでも軽度の不具合の場合は、添加剤を投入することで白煙の排出を止められることがあります。しかし添加剤を使用した白煙対策はあくまでも応急的なものであるため、すぐに本格的な対処を講じることができない場合のみ有効だと考えるべきでしょう。

添加剤で効果が得られなかった場合の対処法は?

白煙排出の応急処置である添加剤の投入で白煙排出を止められなかった場合は、エンジンの不具合が進行している状況だと言えます。白煙発生原因がオイル下がりやオイル上がりの場合は次に挙げる対処法で白煙対策を行います。

オイル下がりの修理方法

オイル下がりが原因で白煙が排出されている場合は、エンジンのシリンダーヘッドを取り外してバルブステムシールの交換を行うことで対処することができます。

オイル上がりの修理方法

オイル上がりが原因で白煙が排出されている場合は、オイル交換サイクルを縮めて頻繁にオイル交換を行うことで効果を得られる場合がありますが、最終的にはオーバーホールを行ってエンジンをリフレッシュさせる必要があります。

白煙が出るトラックは乗り換えを検討すべき?

白煙が出るトラックは乗り換えを検討すべき?
白煙の原因が水蒸気である場合はエンジン内で正常に燃焼していることを意味しているので全く問題はありませんが、エンジンオイルが燃焼して発生する白煙の場合はエンジンに何かしらの不具合が生じていると考えるべきです。

特にエンジンのシリンダーやピストンの摩耗で発生するオイル上がりやオイル下がりが原因でトラックから白煙が出ている場合はエンジンの使用限度が迫ってきていると考えるべきでしょう。

経済的負担が小さくないエンジンの修理

シリンダーやピストンなどのエンジン内部の金属パーツが摩耗した場合はエンジンのオーバーホールが必要となります。しかしエンジンパーツは価格が高価な傾向にあり、オーバーホール時にはエンジンを分解する必要があることなどから、エンジンのオーバーホール費用の経済的負担は小さくありません。

経年劣化でトラブルが多発する前のトラック乗り換えが効果的

仮に高額な費用を負担してトラックのエンジンをオーバーホールした場合も、エンジン同様にトランスミッションなどのパーツの経年劣化が進んでいますので、エンジン以外の場所で新たな不具合が発生すると考えられます。

五月雨式に故障が発生する状態では、安心してトラックを運行することが困難となりますので、白煙がでるようになったトラックは乗り換えを検討する時期がきたと考えるべきだと言えるでしょう。

しかしトラックの乗り換えには少なからぬ費用や納車期間による乗り換えタイミングの調整などの問題が立ちはだかります。そこで費用や納車期間の問題を最も効率的に解決できる方法として有効なのが中古トラックへの乗り換えです。

中古トラックを取り扱う中古トラック販売店では、新古車と呼ばれる車両から低年式のリーズナブルな車両、特別な架装を搭載した車両などさまざまなトラックを幅広く取り扱っています。

経済的負担や乗り換えタイミングの時間的な問題を一気に解決するトラックの乗り換え方法として中古トラック販売店を利用した中古トラックへの乗り換えは非常に効果的だと言えるでしょう。

まとめ

黒煙を排出するトラック同様に白煙を排出するトラックも整備不良として行政処分の対象となります。またオイル下がりやオイル上がりが原因で白煙が発生している場合は、エンジンに不具合が生じていることを意味しますので早急な対処が必要となります。
エンジンの不具合で発生する排ガスの特徴は次のとおりですので、該当する白煙がトラックから出ている場合は早急に対処することをおすすめします。

  • 暖機完了後に排出されすぐに消えずオイルの燃える臭いがする白煙
  • オイル下がりの白煙はアイドリング時に発生し走行時に減少する
  • オイル上がりの白煙はエンジン回転数が上昇すると発生する

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