大きな故障や事故に繋がる前に知っておこう!エアブレーキ故障の原因や点検方法をご紹介
一般的な油圧ブレーキよりも構造が複雑になるエアブレーキに対して、「踏んでもブレーキが利かない?」や「構造が複雑で故障しやすいのでは?」などの印象を持つ方は少なからず存在するようです。エアブレーキに対する不安感から中古トラックに対してもネガティブなイメージがあるようですが、プロが車両確認をする中古トラック販売店の取り扱い車両ではエアブレーキトラブルの心配は無用だと言えます。新車同然のものから格安の低年式車両まで幅広く取り扱われ、車両価格や納車期間まで臨機応変に対応できる中古トラック販売店を安心して利用するために、エアブレーキの構造や故障の原因、点検方法・使用時のコツなどを紹介します。
中型以上のトラックに標準装備されるエアブレーキとは?
小型クラスのトラックは一般的な油圧ブレーキが採用されますが、車両総重量が大きくなる中型クラス以上のトラックには強い制動力を持つエアブレーキが搭載されます。エアブレーキは油圧ブレーキとメカニズムや使用方法が異なります。
エアブレーキのメカニズムは?
プシュッという音と共に大きなトラックが停車するのを目にしたことがあると思いますが、プシュッという音を発しているのがエアブレーキです。油圧ブレーキがブレーキペダルに加えた力を油圧に置き換え制動力を発生させるのに対して、エアブレーキはブレーキペダルに加わった力を高圧エアでブレーキに伝達し制動力を発生させます。
ブレーキペダルを踏み込むたびに使用した高圧エアがプシュッという音と共に排出されますが、新たな圧縮エアがコンプレッサーでエアタンクに充填されるため連続使用してもエアブレーキの制動力が持続します。
トラックにエアブレーキが搭載される理由とは?
ブレーキペダルに加わった力を油圧に置き換える油圧ブレーキでは、ペダルに加わった圧力を増幅することができないため、1の力でブレーキペダルを踏めば1の制動力しか得られません。
エアタンクに貯めた高圧エアを使用するエアブレーキはブレーキペダルに加わった力を高圧エアに置き換えブレーキに伝達するため、ペダルに加えられた1の力を1.5や2に増幅しより強力な制動力を発生することができるため、車両総重量の大きな中型以上のトラックに採用されています。
エアブレーキの故障原因や点検方法とは?
トラックを安全に減速・停車させるため強力な制動力を発生させるエアブレーキですが、シンプルな構造の油圧ブレーキと異なり圧縮エアを発生させるコンプレッサーやエアタンク、排気バルブなどが関係するため、これらのパーツの不具合で故障が発生するケースもあります。
エアブレーキの故障原因となるパーツは?
強力な制動力を発生させるエアブレーキですが、油圧ブレーキよりも構造が複雑なためトラブルの原因となる箇所も存在します。エアブレーキの故障の原因となりやすいパーツは次に挙げる2つです。
ブレーキチャンバー
エアブレーキ構成パーツの1つブレーキチャンバーは高圧エアの圧力をブレーキの制動力に変換する重要なパーツです。メカアクチュエータにカテゴライズされるパーツですが、エアブレーキには比較的シンプルな構造のウェッジブレーキチャンバーが使用されています。
エアの圧力で押し出されたブレーキチャンバーのピストンが制動力を発生させ、高圧エアが排気されるとピストンが戻りブレーキが解除されます。重要パーツであるためメーカでは2~3年での交換を推奨しています。
リレーバルブ
ブレーキチャンバーの入り口で高圧エアの出入りをコントロールするのがリレーバルブです。ブレーキペダルを踏み込み制動力を発生させる際にはブレーキチャンバー側に高圧エアを注入し、ペダルを離せば高圧エアを排気バルブに排出します。
ブレーキペダルに連動したセンサーから電気信号を得て作動しますが、バルブ部分に侵入した埃や冬場の水分凍結でバルブに不具合が生じブレーキ制御が妨げられるケースもあり、定期的に認定工場で点検・清掃を行うことが推奨されています。
エアブレーキのコンディションを知る方法は2つ
ブレーキチャンバーやリレーバルブのコンディションを日常点検で確認することは難しいと言えますが、エアブレーキのコンディションを簡単に探る方法がありますので紹介します。
ブレーキペダルのフィーリング
ブレーキペダルを踏み込んだ際のフィーリングの確認は、エアブレーキのコンディションを探るために非常に効果的です。ブレーキペダルを踏み込んだ際の遊びの幅やペダルの戻ってくる感覚など、エアブレーキのコンディションを掴む手掛かりがブレーキペダルのフィーリングから得られます。
またエアブレーキ作動時の排気音の長さがいつもと違って聞こえる時なども、エアブレーキに不具合が生じる前兆であるケースが少なくないので、違和感を感じた場合は専門家に確認してもらうことをおすすめします。
エアプレッシャーゲージを確認
エアブレーキ搭載車のメーターパネル内にはエアタンクのプレッシャーゲージが搭載されているものが多いですので、エアタンクのプレッシャーゲージを確認することで高圧エアの充填具合を確認できます。
エアブレーキ使用時にはプレッシャーゲージのメモリが下がりますが、直後に高圧エアが充填されケージは元に戻ります。ゲージの戻りが遅い場合はエア配管接続部やバルブ部分からのエア漏れ、コンプレッサーの不具合などが予想されますので、高圧エアの充填速度に違和感を感じた際も専門家に確認してもらう必要があると言えます。
エアブレーキの注意点や使い方のコツは?
一般的な制動システムとは異なるエアブレーキは使用の際に注意するポイントやエアブレーキを上手に使用するコツが存在します。使用時の注意点やコツを掴んでおけば中古トラックでも問題なくエアブレーキの強力な制動力を利用することができます。
エアブレーキ3つの注意点
トラックに搭載されるエアブレーキの使用上の注意点は次に挙げる3点です。使用上の注意点に留意して使用することでエアブレーキの能力を十分に活かし、安全な運行を実現することができます。
強力な制動力に注意
エアブレーキは強力な制動力を持ちますが、一般的な油圧ブレーキと同じ感覚で使用すると制動力が強すぎて急ブレーキがかかる危険性も伴います。特に、積み荷を積載していない空車の状態ではエアブレーキの制動力で急ブレーキとなる可能性が高くなるので注意が必要です。
エア切れに注意
エアタンク内に貯めた高圧エアを利用して作動するエアブレーキはタンク内の高圧エアが切れると制動力を発生できません。エア切れで制動不能となると事故に直結するリスクが上がりますので、エアタンク内の高圧エアが切れないように注意が必要>です。
バタ踏み禁止
エアタンク内の高圧エア切れは「バタ踏み」と呼ばれるブレーキペダルを細かく踏み込む、ブレーキ操作によって発生するケースが多い傾向にあります。細かく踏み込むブレーキ操作はエアブレーキ搭載車両には不向きですので注意して下さい。
エアブレーキの上手な使い方
一般的な油圧ブレーキと異なる制動システムのエアブレーキを上手に使用するためには、ちょっとしたコツがあります。エアブレーキ使用のコツを3つ紹介しますので、確認してエアブレーキ使用時に実践してみて下さい。
足首の柔軟性を致した踏み込み
油圧ブレーキの場合は足全体でブレーキペダルを踏む込む使用法で制動力を得ますが、制動力が大きなエアブレーキでは急ブレーキに繋がりかねません。足首のクッションを利用して軽く踏み込み始めるのがエアブレーキを上手に使用するコツの1つです。
細かい踏み込みを繰り返さない
ブレーキペダルを細かく複数回踏み込む踏み方をバタ部みを呼ぶことは既に紹介しましたが、油圧ブレーキの感覚でバタ踏みをしないこともエアブレーキを上手に使用するコツの1つです。
エアブレーキのメカニズムを掴んでおく
油圧ブレーキとエアブレーキの使用上最大の違いは、ブレーキペダルにかけられた力を油圧で伝達するのが圧縮エアで伝達するのかだと言えます。
油圧を制動力の伝達に使用する油圧ブレーキは伝達油が外部に漏れることがないため、どのような踏み方でも一定の制動力を得られますが、エアタンクの高圧エアで制動力の伝達を行うエアブレーキは高圧エアがなくなれば制動力を得られなくなります。
ブレーキペダルからの制動力伝達システムを理解しておくことが上手なエアブレーキ使用の第一歩となりますので、既述の制動力伝達方法を覚えておいて下さいね。
コンディションをプロが確認した中古トラック販売店の取扱い車両なら安心!
導入コストや納車期間など多くのメリットを持つ中古トラックですが、最重要機能である制動機能のエアブレーキの故障が怖くて利用を見送っていた方が少なからず存在します。
しかし、中古トラックを専門に取り扱う中古トラック販売店では車両コンディションを専門家が確認し、中古車両販売を行っていますので安心して利用することができます。また購入後○ヶ月や購入後○○kmまでの保証を付ける中古トラック販売店も数多く存在するので、エアブレーキの故障を気にすることなく中古トラックを購入することができます。
導入コスト・納車期間に加えて高品質な車両を取り扱う中古トラック販売店を利用して、良質な中古トラックを上手に手に入れてみてはいかがでしょうか?
まとめ
強力な制動力を発生させるエアブレーキは車両重量の多いトラックの安全名運行に欠かすことができない制動システムですが、一般的な油圧ブレーキと比べると構造が複雑で故障の原因となるパーツの存在や使用方法の注意点・コツなどが存在します。
しかしエアブレーキ不具合の前兆は日常的なブレーキ操作の中で掴むことができるので、神経質になる必要もありません。中古トラック販売店で確認できた不具合はホームページや状態表に記載していますので、しっかり確認して中古トラックを選ぶのがポイントです。
エアブレーキ搭載車の使用ポイントは次に挙げる3点だと言えます。
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- ブレーキチャンバーとリレーバルブが故障の原因となりやすい
- ブレーキペダルやプレッシャーゲージから故障の前兆が掴める
- エアブレーキのエア切れには要注意!バタ踏みは厳禁