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トラック荷台のロープの結び方とは?結び方のコツや発生事故例などもご紹介!

トラック荷台のロープの結び方のコツは?
トラックとは貨物を運ぶ車として誕生しました。現在ではさまざまな使用方法が発見され、なかには軽トラックをキャンピングカーとして改造している方もいるほどです。しかし事業用のトラックでは、貨物の運送に使用していることが多く、貨物を荷台から落とさないためにロープなどを使用し、固縛する必要があるといえるでしょう。常に振動しているトラックでは、しっかりとした固縛を行わないと貨物が倒れ荷台から滑り落ちる危険もあります。軽い荷物であればいいですが、重く大きな荷物が走行中に転がり落ちると大事故につながりかねません。そこで今回はトラックにかけるロープの結び方をはじめ、積み込みや取り卸す際に発生する事故についてもご紹介してきます。

筆者・太田さん

太田 りく著者のTwitterはこちら

整備士として現場で働いている現役整備士ライターです。
所有資格は整備士3級。

現役で働いているという強みを活かし、読みやすく読者の疑問を解決できるような記事になるよう心がけています。

トラック荷台に積んだ貨物へのロープ掛けは安全を確保するために必須!

トラック荷台に積んだ貨物へのロープ掛けは安全確保のために必須!

トラックの荷台に積み込んだ貨物には固縛が必要です。
例えばトラックを使用して引っ越しを行うとしましょう。
その際、中型の平ボディタイプのトラックを使用するのであれば、あおりが低く背の高い家具は走行によって起こった振動で倒れてしまうかもしれません。
また大きく軽い荷物であっても、走行風で飛んでいく可能性は高く、そうならないためにロープがけが必要になってきます。

またトラックでの貨物の運送は引っ越しだけではありません。
ネットショッピングで購入した商品を自宅まで届けるのにもトラックが必要ですし、スーパーや家電量販店へ商品を納品する際にもトラックなどの運送車両が必要となってきます。
このようにトラックで運ぶ荷物にはさまざまな種類があり、大きさや重さ形状なども違ってくるためロープをかけ荷台から落ちない工夫が必要なのです。

貨物が転落し事故が起こると違反になってしまう

もし荷台に積んだ貨物が落下し、その貨物によって事故が起こるとトラックを運転していた方の責任になってしまいます。
違反内容は「転落積載物等防止措置義務違反」に該当し、違反点数の追加と反則金が課せられます。

事故が起こった場合と書きましたが、厳密には貨物を落とした時点で違反となります。
反則金は車のタイプによって違うものの、大型車で7000円、違反点数はトラックのタイプにかかわらず1点です。
しかしもし転落した貨物によって事故が発生し、人がけがを負ってしまえばさらに追加で点数や罰則が科せられるため注意しましょう。

このようにたった一つの貨物を転落させただけでも事故は起こります。
そして他の車が巻き込まれ、死亡事故にでも発展すればとても重い処分になることでしょう。
そのためトラックの荷台に積んでいる貨物はしっかりとした固縛が大切なのです。

トラックの荷台の貨物が破損する原因はさまざま

トラックの荷台に積んでいる貨物が破損する原因はさまざまです。
道路に落ちて破損することはもちろんのこと、荷台に積まれたままでも破損し商品として販売できない状態になることも考えられます。
ではどのような破損原因があるのかをご紹介していきます。

転倒

まず真っ先に思い浮かぶ破損方法が転倒ではないでしょうか。
荷台に積んだ貨物が転倒することでトラックから落ちてしまうと、他の車にも迷惑がかかります。
特に背の高い貨物であったり、あおりが低いトラックを使用時に発生することが多く、急カーブや坂道などで起こりやすい破損方法だといえます。
この場合ロープによる固縛をしっかりと行うことと、あおりの低いトラックの場合は板で壁を作ったりスタンションと呼ばれる落下防止処置を行う必要があるでしょう。

型くずれ

型くずれとはすき間の多い段ボールを何段も積み込んだ際や、カゴなどをむき出しのまま積み込んだ際に起こる破損です。
表面に強度がない貨物の場合、下に積んだもしくは中間に積んだ貨物の強度が弱く、形がくずれ荷くずれの原因となってしまいます。
荷くずれを起こしてしまうと、いくら周りをロープで頑丈に固縛していても意味がありません。

また貨物自体の価値もなくなってしまうため、外箱の強度が高い貨物を下に弱い貨物を上に、すべての貨物強度が低いのであれば、多く積みすぎないなどの工夫が必要だといえるでしょう。

横すべり

横すべりとは何段も同じ組付けを行い、貨物同士の摩擦が弱くなってしまった場合起こる破損事例です。
特に正方形で軽い貨物は何か所かをロープなどで固定していても、急カーブなどによって発生する遠心力で貨物がずれ結果的に荷くずれを発生させてしまいます。
そのため同じ大きさの貨物を高く積む場合、側面のあおりを高くしたりロープがけを工夫するなどの対策が必要です。

トラックの荷台から荷物を転落させないためには3つの注意が必要!

トラック荷台から荷物を転落させないための注意点3つ
トラックの荷台に積み込んだ貨物を転落させないためにロープがけは必要ですが、ロープでの固縛だけでなく、その他の点でも貨物を転倒させないための注意が必要だといえるでしょう。

荷物の積み方

まずは荷物の積み方での工夫です。
トラックに限らず車が走行すると必ず振動が生まれます。
そのため貨物の周りにはできるだけ空間を開けないことが大切です。
また高く積み込むのであれば、下の貨物が上の貨物の重量に耐えられるのかという点も考慮しなければなりません。

軽く強度が低い貨物を下に、重い荷物を上に積むと当然型くずれが起こります。
積み方によって貨物が転落するのは型くずれだけではなく、横すべりによっても転落する危険性があるのです。
そのため同じ形であれば段ごとに組付け配列を変えるなどの工夫も必要でしょう。

固定方法

次に固定方法です。
固定方法は1か所だけでなく数か所固定し、車の動きを推測し固縛箇所を見極める必要があります。
同じ方向だけで固定すれば、固定していない方向の力が加わった際、貨物がずれたり転倒してしまうでしょう。
そのため貨物の形状をしかっりと見極め、どのように転落する可能性があるのかを考え固縛することが大切なのです。

運転方法

最後は運転方法です。
急ブレーキやカーブでの加速などは、貨物を転落させてしまう危険な運転方法です。
トラックはただでさえ走行中振動しています。
それに加えいろんな角度から大きな力が加われば、いくら転倒しないように注意して積み込んでも転落させてしまう可能性が高くなります。

そのため貨物を積んで運転する際は、

・急ブレーキや急加速をしない
・カーブを曲がるときはできるだけゆっくりと曲がる
・坂道などでスピードを出しすぎない

などの注意が必要だといえるでしょう。

トラックの荷台から荷物を落とさないための結び方をご紹介!

トラック荷台から荷物を落とさないための結び方は?
ではトラックに積み込んだ貨物をロープで固定する際の結び方をご紹介していきます。

輸送結び

滑車の原理を使用した結び方を輸送結びといいます。

輸送結びとは、多くの運送関係の方が使用されているロープワークのひとつです。
文字通り貨物を輸送する際にとても便利な結び方の一つであり、1本のロープでしっかりと貨物を固定できるというメリットがあります。

しかし張りが強すぎるため、ロープを引っ張りすぎて箱などを変形させてしまわないような注意が必要であるといえるでしょう。
もし柔らかい段ボールを固縛する際は、箱の角に角当てなどを取り付け、型崩れを防ぐ必要があります。

南京結び

南京錠結びは輸送結びと似ている部分もありますが少し違います。

南京結びも輸送結びのようにしっかりとした固縛を行うことができますが、固定の強度は輸送結びの方が勝ります。
しかし輸送結びの場合、固縛力が強すぎて貨物を痛めてしまう可能性もあるため、強度の弱い貨物を固縛する場合、南京結びを使用するなどの工夫が必要だといえるでしょう。
つまり重く大きな貨物で運転により動くと危険な場合、輸送結びでがっちりと固定し、強い固縛力によって型くずれしそうな貨物は、南京結びで力を調節しながら行うなどのような使い分けが大切なのです。

トラックで貨物を運ぶ場合は、必ずロープなどのような固縛技術が必要になってきます。
固縛がしっかりとできていなければ、2台から落ちてしまい、損失につながるだけでなく、落ちた貨物が後続車にぶつかり事故を引き起こしてしまうかもしれません。
しっかりと固縛できればどんな結び方でもいいですが、今回ご紹介した2種類の結び方は比較的簡単に誰でも行うことができる固縛方法だといえるでしょう。

トラックに使用されるフックにはさまざまな種類がある

ロープを固定する際、貨物だけで固定しても意味がないので、トラックに取り付けてあるフックを使用すると思います。
トラックに使用されているフックの種類は多く、

・埋込フック
・U字フック
・ロープフック
・グランドフック

など形状もさまざまです。
ロープをかけるだけでよいものもありますし、輪の中に通して使用するタイプもあります。

それぞれのフックの使用に適した方法でロープがけを行えば、さらに安定した固縛が可能となるでしょう。

トラックの荷台に積んだ貨物を固定するときに発生する災害とは?

トラック荷台に積んだ貨物固定で発生する災害とは?

トラックに積み込んだ貨物の落下によって発生する事故を防ぐことも重要ですが、荷台に積み込む際にも注意しなければ人身事故に発展します。
そして最悪の場合、死亡事故が起こったり後遺症が残るなど、今後働くことができない体になってしまうこともあるためくれぐれも注意しましょう。

貨物の積み卸し作業で発生する災害

貨物を積み卸しで発生する可能性のある事故は

・後ずさりでの事故
・あおりを固定せずに発生した事故
・足を滑らせ発生する事故
・荷台で積み卸しを行っていない人を巻き込んでの事故
・保護ヘルメットを着けずに作業し発生した事故

など考えられる事故は数多く存在します。

そしてトラックの荷台では絶対に後ずさりしないように注意しましょう。
後ずさりしてしまうと後ろが確認できません。
後ろから大きな貨物を積み込む可能性もありますし、あおりが倒れていれば荷台の端が分からず滑り落ちてしまうことも考えられます。
複数の人と一緒に作業をしているのであれば、お互いが声掛けを行い安全でスムーズな作業を行うことが大切です。

貨物の荷締め作業で発生する災害

次に荷締めつまりロープ掛けなどで発生するであろう事故のご紹介です。

・滑って転落してしまった事故
・荷締め器具の不備による事故
・あおりを固定せずに発生した事故
・荷締め時にトラックが動いたために発生した事故
・保護ヘルメットを着用せずに発生した事故

積み卸し作業での事故と同じものも多いですが、荷締め作業でも気を抜くと人身事故が発生します。
高く貨物を積み上げた場合、高い位置での固縛が必要となります。
積み方が雑であれば、貨物が倒れてくることもあるでしょう。
またあおりをしっかりと固定していないために貨物が崩れてしまい、人が巻き込まれるという可能性もあります。

人身事故が発生するとケガをした本人だけでなく、安全対策を行っていない会社にも責任が降りかかります。
そして事故を起こしてしまったことで、納品が遅れたり貨物自体を破損させてしまうと信用問題にも発展するのです。
このように事故は思わぬ場面で発生します。
自分は大丈夫だからと思わず、必ず対策を行い安全な積み卸しを行いましょう。

まとめ

トラック荷台ロープの結び方についてまとめ
トラックを使用し貨物を輸送する場合、荷台の荷物が動かないようしっかりとした固縛技術が必要となってきます。
荷台の荷物をしっかりと固縛せずに走行し、貨物を道路に落としてしまうと事故につながる恐れがあり大変危険です。
また、実際に事故が発生してしまうと、法律違反となり罰則を受ける可能性は十分にあります。

そのため荷台の貨物をしっかりと固縛することが大切です。
種類の多い固縛方法ですがそのなかでも「南京結び」と「輸送結び」は比較的簡単で、しっかりと固縛できる結び方だといえるのではないでしょうか。

  • トラックの荷台に貨物を乗せ運送する場合ロープなどで固縛する必要がある
  • 貨物の固縛ができていないと走行により貨物が破損してしまう
  • 運ぶ貨物を破損させないためには「荷物の積み方」「運転方法」「固定方法」の3つが重要になってくる
  • 「輸送結び」や「南京結び」はしっかりと貨物を固縛することができる固縛方法
  • 貨物の積み卸しでもケガをしないための注意が必要

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