一発合格!大型免許取得の条件と費用 – 教習所での試験種類を解説
大型免許の取得は、トラック業界や運輸業界でキャリアを築くうえで重要なステップです。大型車両を運転するためには高度な技術と知識が必要であり、その取得には教習所での試験が欠かせません。しかし、大型免許の取得条件、費用などさまざまな面で教習所だけでなく、一発合格での取得を志望する方も少なくありません。
この記事では、大型免許取得に必要な条件や費用に加えて、教習所での試験種類や一発合格との違いを詳しく解説します。
大型免許とは
大型免許とは、特定の大型車両を運転するために必要な免許です。大型車両には、トラックやバスなどの商用車、大型自動車が含まれます。これらの車両は一般車両よりも大きく、重いため、運転に高度な技術と知識が求められます。
大型自動車の定義
大型自動車の免許には、「大型自動車第一種免許」と「大型自動車第二種免許」があります。
大型自動車とは、以下に該当する自動車です。
・車両総重量が11トン以上
・最大積載量6.5トン以上
・乗車定員30人以上
これらの条件を満たした大型自動車はバス、トラック、ダンプカー、タンクローリー、ミキサー車などが該当します。
大型自動車第一種免許を取得すると、日本の公道で大型車両が運転可能です。ただし、大型バスなど旅客を乗せる場合は、大型自動車第二種免許が必要になります。
大型免許の特徴
大型自動車を運転するためには大型免許が必要です。大型免許で以下の車両を運転ができます。
自動車免許のカテゴリ | 条件 |
大型自動車 | 車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上、乗車人員30人以上のいずれかを超える自動車 |
中型自動車 | 車両総重量7.5トン以上11トン未満、最大積載量4.5トン以上6.5トン未満、乗車人員11人以上29人以下の自動車 |
準中型自動車 | 車両総重量7.5トン未満、最大積載量4.5トン未満、乗車定員 10人以下 |
普通自動車 | 車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満、乗車人員10人以下の自動車 |
小型特殊自動車 | 全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.8m以下で最高速度が15キロ毎時以下の自動車 |
原動機付自転車 |
大型免許の取得条件
大型車両を運転するにはいくつか必要な条件があります。大型免許は、重い荷物や多くの乗客を運ぶトラックやバスなど大型車両を運転するための免許であり、普通自動車免許と異なるカテゴリに分類されます。
それでは、大型免許を取得するために必要な条件と、他の免許との関係を詳しく掘り下げてみましょう。
取得に必要な条件
大型免許を取得するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
それでは、一般的な取得条件を挙げていきます。
制限された免許取得年齢
大型免許の取得には、一般的に普通免許(普通車の免許)を取得してから一定の年数や年齢を経過する必要があります。
・年齢19歳以上
・普通免許などを受けていた期間が1年以上
・受験資格特例講習の修了
受験資格特例教習とは、年齢要件に関する特例を受けるための教習と経験年数要件に関する特例を受けるための教習です。受験資格特例教習を修了することにより、年齢や経験年数を引き下げることができます。
年齢要件に関する特例を受けるための教習は、旅客自動車など運転に必要な適性(自己制御能力)に関して、座学や実車を含む7時間以上の教習をおこないます。
経験年数要件に関する特例を受けるための教習は、旅客自動車など運転に必要な技能(危険予測・回避能力)に関して、座学や実車を含む29時間以上の教習を受けます。
受験資格特例教習を修了したあと、自動車教習所に通ったり、一発試験を受けることによって大型免許取得が可能です。
免許取得の試験
大型免許を取得するためには、運転技術や法規の試験に合格が必須です。試験内容は、一般的な免許試験よりも難易度が高くなっています。
健康診断の必要性
大型車両の運転は、身体的な負担が大きいため、免許取得時や更新時に健康診断が求められる場合があります。また、以下の条件に満たないと合格基準となりません。
・両眼で0.8以上、かつ、一眼がそれぞれ0.5以上
・三棹(さんかん)法の奥行知覚検査器により2.5メートルの距離で3回検査し、その平均誤差が2センチメートル以下
・赤色、青色および黄色の識別ができる
制限や条件
取得した大型免許には、一部制限や条件が付くことがあります。例えば、一定期間による更新の必要性や、特定の車種に限られる場合があります。
大型車両を運転する際には、普通車の運転以上に交通ルールを守り、安全運転を心がけることが重要です。
(引用元:警視庁)
他の免許との関係
一般的に、以下のような関係があります。
普通自動車免許との関係:大型免許を取得するためには、まず普通自動車免許を取得することが必要な場合があります。普通自動車免許は、一般の乗用車や軽自動車などを運転するための免許であり、大型車両を運転するには追加の免許が必要です。
小型免許との関係:一部の地域では、大型免許を取得する前に、小型免許を取得することが必要な場合があります。小型免許は、中型車両を運転するための免許であり、大型免許はさらに上位のカテゴリに位置づけられます。
特殊免許との関係:一部の大型車両、例えば危険物輸送車両や乗客を運ぶための大型バスなど、特殊な条件を持つ車両を運転するためには、特殊な免許が必要な場合があります。これらの特殊免許は、大型免許とは別に取得する必要があります。
以上のように、大型免許は他の免許とは異なる要件やカテゴリを持っています。適切な免許を取得することで、大型車両を安全かつ適切に運転が可能です。
大型免許の取得方法
(引用元:茨城県自動車学校)
大型免許を取得するには、一定の手続きと訓練を経る必要があります。大型車両の運転には高度な技術と知識が求められるため、取得方法は慎重に選ぶことが重要です。
ここでは、大型免許の種類や選び方、取得方法を詳しく解説します。
大型免許の種類と分類
大型免許は、さまざまな種類が存在し、それぞれ異なる車両の運転を許可しています。運転したい車両や目的によって、適切な大型免許を選ぶことが重要です。以下では、代表的な大型免許の種類とその分類について解説します。
1. 大型自動車免許
大型自動車免許は、トラックやバスなどの大型車両を運転するための免許です。この免許には、AT限定とMT限定の2つのタイプがあります。
・AT限定:オートマチック車両のみ運転が許可される免許で、マニュアル車は運転できません。AT車に特化した資格取得を希望する方に適しています。
・MT限定:マニュアル車の運転も許可される免許で、AT車とMT車の両方を運転できます。免許の取得にはさらなる技術と知識が必要ですが、運転の幅が広がります。
大型特殊免許
大型特殊免許は、特殊な車両や重機を運転するための免許です。例えば、クレーン車やダンプカー、フォークリフトなどが含まれます。特殊な車両を運転する職業や作業に従事したい場合は、この免許の取得が必要となります。
けん引免許(大型限定)
けん引免許は、トレーラーやけん引車を運転するための免許で、大型車両とけん引車の連結が許可されます。長い車両の運転に挑戦したい方や、運送業界でトレーラーの運転をしたい方に適しています。
適切な大型免許の選び方
大型免許を取得する際には、自分の目的や運転したい車両に合った適切な免許を選ぶことが大切です。以下では、適切な大型免許を選ぶためのポイントを解説します。
運転したい車両を明確にする
まず初めに、具体的に運転したい車両を明確にしましょう。トラックやバス、特殊車両など、目指す職種や興味のある車両を把握することで、適した免許を見つけることができます。
免許の種類と要件を比較する
大型免許は複数の種類がありますので、各免許の要件をよく比較しましょう。AT限定とMT限定、特殊免許などそれぞれに異なる取得条件がありますので、自分のスキルと合致するものを見極めることが重要です。
職業やキャリアプランを考慮する
大型免許の取得は、将来の職業やキャリアプランにも影響します。長距離トラックの運転手や特殊車両の運転士など、運転手の職業に就く予定ならば、職場で求められる免許を取得することを考慮しましょう。
4. 教習所の評判とサポート体制を確認する
大型免許の取得には教習所のサポートが欠かせません。教習所の評判やカリキュラム、設備などを調査し、しっかりとした指導を受けることが重要です。
適切な大型免許を選ぶことで、免許取得のスムーズな進行や将来のキャリアでも有利になります。自分の目標を明確にし、充実した準備をおこなって大型免許を取得しましょう。
特殊な免許の取得方法
けん引免許は、大型車両とけん引車(トレーラーやキャンピングカーなど)を連結して運転するための免許です。取得方法は、普通自動車免許を取得する必要があります。普通免許を持っていない場合は、教習所で普通免許を取得してください。けん引免許(大型限定)の場合、普通免許を取得したあと、けん引車と大型車両を連結して運転するために、けん引免許(大型限定)を取得します。この免許を取得するためには、教習所で指導を受け、試験に合格する必要があります。
大型特殊免許は、特殊な車両や重機を運転するための免許です。大型特殊免許を取得するには、大型車両(トラックやバスなど)の運転経験が必要です。普通免許や大型自動車免許(AT限定やMT限定)などを持っていることが前提となります。次に、教習所での指導を受けます。教習所では特殊車両の運転技術や安全運転に関する知識を学んだあと、試験に合格することで大型特殊免許を取得できます。
けん引免許や大型特殊免許を大型免許と合わせて取得することで、多くの作業現場で働くことができたり、収入アップも見込めます。
【教習所】と【一発試験】での流れ・試験・費用を比較
大型免許の取得方法は、2種類あります。合宿免許や自動車教習所に通う方法と、自動車教習所に通わずに運転免許試験場で試験を受ける方法です。自動車教習所に通うのが一般的な方法で普通免許を取得したときと基本的な流れは同じです。
項目 | 教習所 | 一発試験 |
入所条件 | 21歳以上で普通自動車などの運転経験が3年以上
視力は片眼で0.5以上、かつ両眼で0.8以上(必要な視力がない場合はメガネ・コンタクトの矯正視力が必要です。) |
教習所とおおむね同じですが、路上練習は、「大型車で過去3ヵ月以内に5日間以上」かつ「有資格者同乗」が必須 |
教習内容 | 大型車の運転技術を学ぶ
第1段階の技能教習を終え修了検定を合格すれば第2段階へ進み卒業検定を受ける |
適性検査 |
技能試験 | なし | あり 「場内試験」と「路上試験」 |
筆記試験 | なし | あり |
費用 | 187,100円~305,900円 | 受講料22,000円と手数料8,650円
(受験料4,100円、試験車使用料2,500円、免許証交付料2,050円) 合計30,650円 |
(引用元:くま高原ドライビングスクール)
(引用元:警視庁)
取得には補助金や助成金を利用できる
大型免許を取得する際、補助金や助成金を利用できることがあります。受給資格に該当すれば、費用の一部を国が負担してくれるので、免許取得費用の負担を軽減できます。自分が受け取れるかどうか、事前に条件を確認しておきましょう。
・人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、雇用する労働者のキャリア形成を効果的に促進するため、職務に関連した専門的な知識および技能を習得させるための職業訓練などを計画に沿って実施したり、教育訓練休暇制度を適用した事業主などに対して助成する制度です。
(引用元:厚生労働省)
・教育訓練給付制度
教育訓練給付制度とは、働く人の能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的とする給付制度です。厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了すると、受講費用の一部が支給されます。
専門実践教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓練の3種類があり、大型免許取得は特定一般教育訓練に該当します。労働者の速やかな再就職および早期のキャリア形成に資する教育訓練が対象であり、受講費用の40%(上限20万円)が訓練修了後に支給されます。
(引用元:厚生労働省)
Q&A
Q.免許を取得する時間はどれくらいですか?
A.教習所に通う場合、20〜40日程度かかります。 合宿免許で取得する場合は約2週間が一般的です。 学科教習1時限、技能教習を30時限受けることになります。
Q.一発合格はなぜ安いのですか?
一発合格は、教習所や合宿の合格率が90%超えに対し30%〜50%と低いです。費用は安いですが、場内試験と路上試験の一発合格は難関です。
まとめ
大型免許は自動車免許全体のなかで難易度が高いとされています。しかし、教習所や合宿を利用して効率よく取得が可能です。また。複雑なものではないので、練習を繰り返すことで一発合格も見えてきます。免許取得に向けて計画を立て、安全でスムーズな運転を目指しましょう。
-
- 一般的に大型免許を取得するには、21歳以上が必要
- 大型免許を取得するためには、まず普通自動車免許を取得する必要がある
- 大型免許の取得には、教習所や合宿、一発合格よって費用が異なる
- 大型免許の取得には補助金や助成金が利用可能