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ダンプカーは何種類?必要な免許や過積載|取得条件と費用を解説!

作業車両の代名詞!ダンプカーの運転に必要な免許について徹底解説!ダンプカーの運転に必要となる免許については意外と知られていないようです。ダンプカーには多くの種類が存在するため、車両区分も異なり当然運転に必要な免許も異なります。中古ダンプに対する需要は年々高まりつつあり、ダンプ購入の際には購入予定のダンプを保有する免許で運転できるのかを確認するべきです。
ダンプカーの種類や車両区分、車両区分にごとに異なる運転に必要となる免許や免許の取得条件・取得費用などを紐解きながら紹介します。

ひと口にダンプカーと言っても様々なタイプや車両区分が存在する

ダンプカーと言えば荷台が持ち上がり車両後方へ積み荷を流し落とす車をイメージする人が多いのではないでしょうか?英語でモノを一気に下ろすことをDump(ダンプ)と言い、荷台を持ち上げ積み荷をドサッと一気に下ろせる車両をダンプカーと呼んでいます。

代表的なダンプカーは5つのタイプに分類される

代表的なダンプカーは5つのタイプに分類される
一般的には土砂を積み込んで車両後方にダンプする車両を、ダンプカーだと認識している人が多いようですが、実は、ダンプカーには10種類以上のタイプが存在します。しかし、特別なタイプのダンプカーは目にする機会が少なく、日常生活の中で見ることができる代表的なタイプのダンプカーは次に挙げる5つだと言えます。

リアダンプ

リアダンプ
一般的なダンプカーのイメージはリアダンプのイメージだと言えるでしょう。荷台前部が持ち上がり荷台が傾斜するのと共に、車両後部に向けて積み荷が滑り落ち、一気に下ろせるのが特徴です。

サイドダンプ

リアダンプが車両後方に積み荷をダンプするのに対してサイドダンプは、左右に積み荷を降ろせるタイプのダンプカーです。左右に荷台を持ち上げるため天井の低い場所でも荷降ろしができます。

三転ダンプ

三転ダンプ
荷台後方に荷降ろしするリアダンプと荷台側面に荷降ろしするサイドダンプの両方の機能を搭載したのが三転ダンプで、車両の左右と後方に荷降ろしがおこなえます。利便性は高いダンプカーですが、構造が複雑なため故障しやすく車両価格も高額となります。

重ダンプ

タイヤの直径が人の身長の何倍もある超巨大ダンプカーです。国内の公道を走ることができない巨大なダンプカーで、鉱山などで使用されている映像をメディアを通じてみることができます。

ローダーダンプ

ローダーダンプ
荷台を持ち上げるダンプ機能と荷台を車両後方にスライドさせる機能を搭載したのがローダーダンプです。ローダーダンプは荷台後部を接地させられるので、自走式作業車両の積み下ろしも可能ですし、アーム式ローダーダンプは荷台を切り離して車両後方に下ろすことができます。

積載禁止物が決められているダンプカーも存在する!

積載禁止物が決められているダンプカーも存在する!
国内ではダンプカーに対して、土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法、通称「ダンプ規制法」が適用されます。このため公道を走行する大型ダンプカーは荷台にダンプ規制法で定める表示番号の表示が義務付けられています。

通称ゼッケンと呼ばれる表示番号は「管轄する運輸支局」・「事業の種類」・「車両固有番号」で構成されており、事業の種類は次のように分類されています。

・販:砂利販売業
・砂:砂利採取業
・石:採石業
・砕:砕石業
・運、営:運送業
・建:建設業
・他:廃棄物処理業

ダンプカーの荷台に「東京・販・1234」などと表示されているのがダンプ規制法によって定められる表示番号(ゼッケン)で表示がない大型ダンプは公道を走れないと考えても良いでしょう。

通称土砂禁ダンプと呼ばれる深ダンプ

事業の内容によってゼッケン登録が義務付けられるなど大型ダンプカーには厳しい規制がかけられていますが、土砂を積めない構造のダンプカーも存在します。通称深ダンプや深アオリダンプと呼ばれるもので、嵩張るものの重量のない空きペットボトルや発泡スチロールを効率よく運ぶために通常より高さのあるアオリが荷台をグルリと囲んでいます。

土砂などを積み込むと過積載となるため土砂の運搬が禁止されており、土砂禁ダンプと呼ばれています。

過積載に注意!ダンプカーの最大積載量と荷台寸法は要確認すべき!

一般的なダンプカーは小型・中型・大型の3つに大別される

一般的なダンプカーは小型・中型・大型の3つに大別される
多彩なバリエーションが存在するダンプカーですが、国内の公道を走行するダンプカーは道路交通法によって小型・中型・大型の3つの車両区分に分類されています。道路交通法によって分類される3つの車両区分は次のとおりです。

車両区分 全 長 全 幅 全 高 最大積載量 車両総重量
小型ダンプ 4.7m以内 1.7m以内 2.0m以内 3.0t以内 5.0t以内
中型ダンプ 12.0m以内 2.5m以内 3.8m以内 6.5t以内 11.0t以内
大型ダンプ 12.0m以内 2.5m以内 3.8m以内 6.5t以上 11.0t以上

このためひと口にダンプカーの運転と言っても求められる運転免許の車両区分が異なります。

法改正で細分化された免許区分

2007年に引き続き2017年にも道路交通法改正がおこなわれ、改正道交法によって国内の自動車運転免許区分は次に挙げる6つに細分化されました。

・普通免許
・準中型免許(5トン限定)
・準中型免許

・中型免許(8トン限定)
・中型免許
・大型免許

上記免許区分の中で5トン限定は2017年以前、8トン限定は2007年以前に普通免許を取得しているドライバーの救済措置として設置されたもので、新たに取得できない区分です。

各免許区分で運転できるダンプカーは次に挙げるように最大積載量と車両総重量で制限されています。

免許区分 最大積載量 車両総重量
普通免許 2.0トン未満 3.5トン未満
準中型免許(5トン限定) 3.0トン未満 5.0トン未満
準中型免許 4.5トン未満 7.5トン未満
中型免許(8トン限定) 5.0トン未満 8.0トン未満
中型免許 6.5トン未満 11.0トン未満
大型免許 6.5トン以上 11.0トン以上

ダンプの車両区分ごとに必要となる免許条件が異なる!

既に紹介したように道路交通法では貨物自動車として扱われるダンプカーは3つの車両区分に分類され、最大積載量と車両総重量が次のように定められています。

車両区分 最大積載量 車両総重量
小型ダンプ 3.0トン未満 5.0トン未満
中型ダンプ 6.5トン未満 11.0トン未満
大型ダンプ 6.5トン以上 11.0トン以上

これに基づいてダンプカーの運転に求められる免許区分は異なってきます。

小型ダンプカーの積載量や運転に必要な免許は?

小型ダンプカーの車両区分は最大積載量3.0トン未満・車両総重量5.0トン未満ですので、法的には最大積載量2.0トン未満・車両総重量3.5トン未満のダンプカーなら普通免許でも運転可能ですが、現実的ではないため準中型免許以上の免許区分が必要と考えられます。

中型ダンプカーの積載量や運転に必要な免許は?

中型ダンプカーの車両区分は最大積載量6.5トン未満・車両総重量11.0トン未満ですので、最大積載量4.5トン未満・車両総重量7.5トン未満のダンプカーを運転できる準中型免許でも運転可能ですが、中型免許の取得が望ましいと言えます。

中型ダンプカーには最大積載量4.0トン・車両総重量8.0トン以上のダンプが存在し6トン車・8トン車と呼ばれる場合もありますが、通常「増トン車」と呼ばれています。中型ダンプといっても、増トン車の運転には大型免許が必要となるので注意が必要です。

大型ダンプカーの積載量や運転に必要な免許は?

最大積載量6.5トン以上・車両総重量11.0トン以上のダンプカーは、大型ダンプカーに分類されますが、通称10トンダンプと呼ばれるように、最大積載量10トン前後の車両が中心となるため運転には大型免許が必要となります。

また、既に紹介したとおり中型ダンプに区分されるダンプであっても増トン車に関しては、大型ダンプ同様大型免許が必要ですので、注意して下さい。

作業車両の代名詞!ダンプカーの運転に必要な免許について徹底解説!

ダンプカーの運転に必要な免許取得条件や取得費用は?

ダンプカーの運転に必要な免許取得条件や取得費用
全ての自動車運転免許は免許センターで直接受験する通称「一発試験」で取得可能ですが、難易度が非常に高く不確定要素が多いため一般的ではないと言えます。通常、指定自動車教習所で教習を受け技能卒業検定に合格した後に必要に応じて筆記試験を通過すれば取得できます。

準中型免許は2017年の道交法改正で誕生した免許区分で取得条件は18歳以上で、自動車の運転に支障をきたさない身体能力があれば取得可能です。取得費用や取得までの期間の目安は次のとおりです。

・合宿免許:閑散期30万円から、繁忙期36万円から(最短18日間で取得可能)
・通学免許:35万円から(約20日間)
・一発試験:5万円前後から

中型免許は2007年の道交法改正で誕生した免許区分で、取得条件として運転経歴2年以上が求められます。中型8トン限定免許保有者の取得費用や取得までの期間の目安は次のとおりです。

・合宿免許:14万円前後から(最短8日間から)
・通学免許:17万円前後から(約10日間から)
・一発試験:4万円前後から

大型免許の取得条件には運転経歴3年以上が求められます。中型8トン限定免許保有者の取得費用や取得までの期間の目安は次のとおりです。

・合宿免許:19万円前後から(約10日間から)
・通学免許:25万円前後から(約15日間から)
・一発試験:4万円前後から

ダンプカーが活躍する現場の最前線とは?

ダンプカーに対するニーズは非常に広く、土木建築現場や採石場、運送業、廃棄物処理業などダンプが活躍する現場も多種多様です。土木建築や採石場などでは大型ダンプカーが中心となりますが、運送業や廃棄物処理業では中型・小型のダンプカーも活躍しています。

過積載は絶対に禁止!道路交通法違反は厳格化の傾向にある!

運送業界の過当競争激化と共に過積載による事故の発生率が高まる傾向にあります。貨物自動車であるダンプの過積載で発生する事故は、死亡事故に繋がる可能性が高く貨物自動車に対する取り締まりは、普通自動車よりも厳格化されています。

過積載のドライバーに対しては反則点数や反則金が科せられますが、悪質な過積載に対しては反則点数6点・10万円以下の罰金か6ヶ月以内の懲役が適用されるケースもあります。また即時告発も強化され適用されれば罰金額が100万円以下に跳ね上がります。

ドライバー以外にも所属する運送会社や荷主も懲罰の対象となるなど過積載に対する罰則強化が推し進められているので、過積載は絶対に避けて下さい。

まとめ

作業車両として非常にポピュラーな存在のダンプカーは、実は10種類を超えるほど多種多様なラインナップが存在しますが、国内で一般的に公道を走行するダンプカーはおおよそ5種類だと考えられます。

この5種類のダンプカーの中には過積載防止のために土砂の積載を禁止する土砂禁ダンプと呼ばれるものも存在し、車両区分は小型・中型・大型の3つに分類されます。道路交通法ではダンプカーは貨物自動車に分類され、運転には3つの車両区分を運転できる免許区分の保有が求められます。
ダンプカーを運転する際に必要となる免許区分のポイントは次のとおりです。

  • 小型ダンプの運転には準中型免許が現実的
  • 中型ダンプの運転には中型免許の保有が望ましい
  • 大型ダンプの運転には大型免許が必要

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