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クレーン車の種類や特徴|必要な資格・免許・代表メーカーを紹介


工事現場でよく見るクレーン車。クレーン車と一括りにしても、さまざまな種類や特徴があります。「クレーン車の種類は?」「どのような特徴がある?」「クレーン車の有名なメーカーってどこ?」という人もいるのではないでしょうか。本記事では、クレーン車の種類や特徴について詳しく解説していきます。またクレーン車の代表的なメーカーや運転するのに必要な資格や免許についても説明するので、ぜひ参考にしてください。

クレーン車の種類と特徴


クレーン車には、利用用途などによってさまざまな種類があります。ここでは、6種類のクレーン車について詳しく紹介します。

トラッククレーン

トラッククレーンはトラックにクレーンを架装させたトラックのことです。トラッククレーンには、車両積載形とレッカー形があります。
車両積載型は、トラックの荷台と運転室の間に小型クレーン装置を搭載したものです。3トン未満の荷物の吊り上げや柱の組み立てなどに使用されています。一般的にクレーン付きトラックやユニックと呼ばれています。
<こちらの記事でもトラッククレーン(ユニック車)について詳しく解説しています。>
ユニークな車とは?必要な資格や免許|取得するメリットまで丸わかり
身近な作業車両ユニック車のおすすめメーカーや人気モデル中古車両購入時のチェックポイントを紹介!
レッカー形は、トラックのシャーシをサブフレームで補強してクレーン装置を架装したものです。交通事故車の移動や事故などによる救難作業、建屋内の機械設備等の据付工事などに使用されています。

<こちらの記事でもトラッククレーン(ユニック車)について詳しく解説しています。>
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車両積載形トラッククレーン

車両積載形トラッククレーンとは、トラックのキャビンと荷台の間、または荷台にクレーンを搭載したトラックです。
車両積載形トラッククレーンは、運送業や建設業で広く使用されており、一人で荷の積み降ろし作業ができます。

クレーン装置は、トラックの走行用エンジンからPTOを介して動力を供給し、3トン未満の吊り上げ荷重を持つ機種が一般的です。多くの場合、ユニック車という名称で親しまれていますが、「ユニック」は古河ユニック株式会社の登録商標であり、その名称は「ユニバーサル」と「クレーン」の合成語に由来します。

車両積載形トラッククレーンには、キャブバック型、ハイアウトリガー型、荷台内架装型の3種類が存在し、それぞれが異なる用途や操作性を持っています。リモコンやラジコンを使用した遠隔操作が可能なタイプもあり、より安全で効率的な作業が可能です。

レッカー形トラッククレーン

レッカー形トラッククレーンは、トラックのシャーシを専用のサブフレームで補強し、クレーン装置を架装した特別なトラックです。主に交通事故や故障により自走できなくなった車両のけん引搬送や救難作業、建屋内の機械設備の据付工事などで活躍します。

レッカー形トラッククレーンには、作業中の安定性を高めるためにアウトリガー(地面で固定させる足)が装備されており、通常のトラッククレーンに比べてジブは短めです。レッカー作業が主目的であるため、事故車をけん引するためのピントルフックやウインチが後部に取り付けられています。

これらの装備により、事故現場や困難な状況下での車両移動がスムーズに行えるため、救急活動や復旧作業において重要な役割を果たしています。

ラフテレーンクレーン

ラフテレーンクレーンはホイールクレーンの一種で、走行とクレーン操作が1つの運転席でおこなえるのが特徴です。
バリエーションも豊富で、吊り上げ能力が2t〜10t、25t、50t、70tなどがあります。
大型タイヤを装備した全輪駆動式により、荒れた土地や軟弱な地盤でも走行可能です。また、前2輪操向、後2輪操向、4輪操向、かに操向の4種類の操向方式が可能なため、小回りが利き、市街地などの狭い場所でも使用できます。

クローラークレーン

クローラークレーンは、いわゆるキャタピラ(クローラー)が付いた形のクレーン車です。キャタピラと呼ばれるクローラーを装着しているため、ホイール式などに比べて接地面積が広く、安定性に優れているのが特徴です。

舗装されていない地面や雪の上でも走行できます。しかし走行速度が遅く、小型でもナンバーが取得できないため、公道を走れません。
そのため、現場にはトラック、トレーラーに載せて運搬する必要があります。

オールテレーンクレーン

オールテレーンクレーンは、高速道路を走れるトラッククレーンと、整備されていない土地で活躍するラフテレーンクレーンの両方のよさを併せ持ったクレーン車です。

独立した運転席を持ち、不整地走行に対応した3軸以上の走行用台車にクレーン旋回体を架装しています。

一度に吊り上げられる重量が多く、小回りに優れているため、狭い場所でも効率のよい作業が可能です。

クレーン車のメーカー


次にクレーン車の有名なメーカーを4社紹介します。

タダノ株式会社

タダノ株式会社は、日本を代表するクレーン車メーカーで、1948年に設立されました。特に油圧式クレーンの分野で高い評価を受けており、建設現場や産業用途において幅広く使用されています。

タダノの製品は、信頼性と耐久性に優れており、国内外で多くの会社に採用されていることが特徴です。また、タダノは技術革新に力を入れており、安全性や操作性を追求した製品開発を続けています。タダノ株式会社は、トラッククレーンやカーゴクレーン、オールテレーンクレーンなど、多彩なラインナップを提供しています。

コベルコ建機株式会社

コベルコ建機株式会社は、1999年に神戸製鋼所と油谷重工が統合して誕生した、日本を代表する建設機械メーカーです。設立当初から、業界をリードする存在として高い技術力を誇ります。

1930年には日本初の国産建機「電気ショベル50K」を開発し、その後も国産初のトラッククレーン(1953年)やホイール式油圧ショベル(1963年)を発売しています。ハイブリッドショベルやギネス世界記録に認定された「SK3500D」など、革新的な製品を次々と生み出し、現在も業界内で高いシェア率です。

古河ユニック株式会社

古河ユニック株式会社は、1946年に設立された日本のクレーンメーカーで、トラックに搭載するクレーンで広く知られています。
1954年に機械式トラッククレーン「MC-5」を開発し、1957年には油圧式ホイールクレーン「KD-50」を発表しました。1961年に国産初の油圧式トラック架装用クレーン「UNIC100」を開発して以来、半世紀以上にわたり新技術を導入し、ユーザーのニーズに応え続けています。

1970年に株式会社ユニックに社名変更し、1987年には古河機械金属の傘下となった後、1989年に現在の「古河ユニック株式会社」になりました。現在は積載型トラッククレーンやキャリア車両の製造・販売を行い、業界のトップブランドとして多くの支持を集めています。

加藤製作所

加藤製作所は1895年に設立され、長い歴史を持つ建機メーカーとして、クレーン車の製造で高い評価を受けています。建設現場で黄色い車体に「KATO」のロゴが入ったクレーン車を見たことがある人も多いかもしれません。

1938年にクレーン車両の生産を開始し、その後も技術革新を重ねてきました。加藤製作所のクレーン車は、耐久性と操作性に優れ、国内トップクラスのシェアを誇ります。現在では、グローバルに展開し、中国、タイ、ヨーロッパなどにも進出しています。

クレーン車の運転に必要な資格・免許


クレーン車の運転には、クレーン車が移動式かどうか、つり上げ荷重がどれくらいかにより必要な資格や免許が異なります。
またクレーンのフックに吊り荷をつけたりする際の「玉掛け作業」にも必要な免許があります。
さらに、車両の大きさに合わせて中型免許や大型免許も必要になりので、覚えておきましょう。
クレーン車の運転に必要な資格や免許は下記のとおりです。

クレーンの運転に必要な資格・免許 つり上げ荷重
クレーン・デリック運転士免許(限定なし)
クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)
5トン以上
クレーン・デリック運転士免許
(床上運転式クレーン限定)
5トン以上の床上運転式
床上操作式クレーン運転技能講習 5トン以上の床上操作式
クレーンの運転の業務特別教育 5トン以上の跨線テルハ
クレーンの運転の業務特別教育 5トン未満

(参照元:一般社団法人日本クレーン協会)

移動式クレーンの運転に必要な免許・資格 つり上げ荷重
移動式クレーン運転士免許 5トン以上
小型移動式クレーン運転技能講習 1トン〜5トン未満
移動式クレーンの運転の業務特別教育 1トン未満

(参照元:一般社団法人日本クレーン協会)

玉掛け業務に必要な資格 つり上げ荷重
玉掛け技能講習 1トン以上のクレーン
1トン以上の移動式クレーン
1トン以上のデリック
玉掛け業務の特別教育 1トン未満のクレーン
1トン未満の移動式クレーン
1トン未満のデリック

(参照元:一般社団法人日本クレーン協会)

クレーン車の操作のポイント

クレーン車の操作をするときは、以下のポイントに注意しながらおこないましょう。

1.安全第一
2.つり上げは真上に移動させてからおこなう
3.レバーは優しく操作する
4.操作は一つ一つ分けて丁寧におこなう
5.フックを目線の高さに合わせる

大前提として、安全を第一に考えた操作をしなければなりません。つり上げを真上に移動させてからおこなうことや、フックを目線の高さに合わせることは、安全のために必須です。

また、レバーを優しく動かしたり、操作を丁寧におこなうことも大切になります。そうすることで、操作の正確性があがり、上達にもつながります。

まとめ

今回はクレーン車の種類や特徴、代表的なメーカーについて解説してきました。これからクレーン車に乗る人へも、必要な資格や免許についても説明しているので、ぜひ参考にしてください。

  • 代表的なクレーン車の種類は「トラッククレーン」「車両積載型トラッククレーン」「レッカー形クレーン」「ラフレテーンクレーン」「クローラークレーン」「オールテレーンクレーン」の6種類ある
  • トラックの代表的なメーカーは「タダノ」「コベルコ建機」「古河ユニック」「加藤製作所」の5つある
  • クレーン車の運転には、クレーン車の種類やつり上げ荷重により必要な資格や免許が異なる
  • 車両の大きさに合わせて、中型免許や大型免許も必要になる

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