エンジンオーバーホールの必要性とは?交換のタイミングや方法をご紹介!
最近、乗っているトラックのエンジンの調子が悪いな……と感じたことはありませんか?
エンジンの調子を復活させる方法の一つとしてエンジンオーバーホールを検討されている方もいるかもしれません。
オーバーホールのタイミングは一般的に車のエンジンが使用限度に達したときとされていますが、判断が難しいところです。
この記事ではエンジンオーバーホールがどのような状態のエンジンに効果があるのか、見分け方やその方法、費用などを詳しく解説します。必要かどうかの判断の目安にしてみてください。
エンジンオーバーホールが必要なタイミングは主に3つ
エンジンオーバーホールは簡単に言うと、エンジンを分解し、エンジン内部の点検・清掃をおこない、必要に応じて組み込まれているパーツの交換をする作業です。
では、エンジンがどのような状態の場合にオーバーホールが必要なのでしょうか?
以下の3つの症状のうち一つでも心当たりがあれば、オーバーホールをおこなうタイミングと考えてよいでしょう。
①オイルの減りが早くなった
1万km走行した場合、オイルが1L減少するのは正常範囲ですが、1千kmしか走行していないのに1Lも減るようでしたら要注意です。
定期的にオイル交換をおこなっていればあまり起きない現象ですが、オイル交換を怠ってしまうと潤滑不足により摩耗を起こしてしまいます。結果、エンジンオイルが燃焼室に入り込んでしまい、気化して車外に排出されてしまうためオイルの減りが早くなってしまうのです。
②マフラーから白い煙が出る
アクセルをふかした際に、白い煙が出る場合も要注意です。
水蒸気のようにすぐに消えることはなく、異臭をともなうのが特徴です。
その理由として「オイル上がり」や「オイル下がり」が考えられます。
「オイル上がり」とは、摩耗によりシリンダーとピストンの間に隙間ができ、そこに上がってきてしまったオイルがガソリンと一緒に燃えてしまう現象のことです。一方「オイル下がり」は、バルブステムシールの劣化や損傷によってシリンダーヘッドを循環しているエンジンオイルが下にさがり、燃焼室に入り込んでしまう現象のことを言います。
③異音がする
走行中に「キンキン」「カンカン」などの音がする場合も注意が必要です。
この異音は「ノッキング」と呼ばれ、金属音とともに振動をともなうパターンが多く、エンジン内の異常燃焼により発生します。
燃焼室の汚れやエンジンの温度不足、積荷の重量によるエンジンへの負荷などが異常燃焼の引き金となり、ノッキングの発生につながります。
オーバーホールすれば新車同様に蘇る!
簡単に言うと、オーバーホールをおこなうことでエンジンを新車のころのような元気な状態に近づけることができます。
エンジンを部品単位まで分解後、洗浄、清掃をおこない、劣化や損傷した部品を新品のものに交換します。そして、測定調整をしながら組み立てることで調子を取り戻してあげるのです。
では、自分でオーバーホールをおこなうことは可能なのでしょうか?
オーバーホールには専門知識が必要で、膨大な時間もかかってしまうので自分でおこなうことはおすすめしません。
一般的には豊富な知識を持つプロの整備士に依頼します。会社や店舗によりますが、正規のディーラーに依頼できる場合もあります。
しかし、近年オーバーホールをおこなえる整備士の数が減少傾向にあるため、費用が高いのが現状です。また、車のサイズやエンジンの状態にもよりますが、交換する必要のある部品も高額なものが多く、小型トラックでも50万円以上のコストがかかってしまうこともあります。
コストを安く抑えようと、安い業者へ依頼したり、自分でやってしまうと状態が悪化してしまう可能性があるので、経験豊富な整備士にお願いするのがよいでしょう。
エンジンオーバーホールのメリット、デメリットは?
では、続いてエンジンオーバーホールのメリットやデメリットを考えてみましょう。
メリット
①新車の頃に近い状態のエンジンを取り戻せる
パーツや部品を新しいものに交換するので、エンジンの調子が復活します。新車とまったく同じとまではいきませんが、不具合がなくなることで気持ちよく運転に専念できます。
②エンジンの寿命を延ばせる
トラックの心臓とも呼ばれるエンジンの寿命が延びるということは、より長く今のトラックに乗れるということになります。愛着が湧いている車両ですと、少しでも長く乗れたらうれしいですよね。
③破損や故障に気づける
エンジンの状態を細かく確認することで部品の破損や故障に気付くことができ、大きなトラブルを回避できる場合もあります。
デメリット
①高額な費用がかかる
なんといっても高額な費用がかかってしまうのは避けられないのが大きなデメリットといえます。交換するパーツ数によっては200万円以上かかってしまうこともあります。
②時間と手間がかかる
エンジンのパーツ単位まで分解をおこなうので、完了までに最低でも数日はかかってしまいます。また、部品の欠品などにより完了までに1ヵ月以上かかる場合もあります。さらに、オーバーホールがおこなえるベテラン整備士を探す手間と時間がかかることも考えられます。
③逆効果になることもある
エンジンは金属同士の摩擦のバランスで成り立っているので、交換の時期を誤ってしまうとバランスが崩れてしまい性能がダウンしてしまう可能性もあります。
そのため本当に今オーバーホールをおこなうべきなのか、タイミングを見極めるのも重要になってきます。
載せ替えや買い替えのほうがいい場合もある?
ここまでエンジンオーバーホールについて説明してきましたが、オーバーホールをおこなう以外にも方法があるので、紹介していきます。
エンジンを載せ替える
載せ替えはオーバーホールと違って、パーツ単位ではなくエンジンごと交換する方法になります。
交換が必要になりそうなパーツの数が多い場合は、載せ替えでエンジンごと変えてしまったほうが手間が少なくすむかもしれません。
しかし、載せ替えも高度な技術が必要かつ高額になることに変わりはありません。
むしろ、トラックの搭載パーツのなかでも高額なパーツのエンジンの載せ替えとなると、中古エンジンでも100万円前後、新しいエンジンの場合は数百万円が必要となるケースもあります。
買い替える
もう一つの選択肢として、トラックの買い替えが挙げられます。新たなトラックに乗り換えることで、経年劣化をはじめとする問題が一気に解決するので、トラックの状態によっては買い替えてしまったほうがよい場合もあります。予算や時間に余裕があれば新車を探すのも手ですが、中古トラック販売店であれば予算に合わせて短期間でトラック買い替えの実現が可能です。
まとめ
ここまでエンジントラブルの解決策としてオーバーホールをはじめ、載せ替えや買い替えについても触れてきました。
あなたの車の状態にエンジンオーバーホールはマッチしそうでしたか?
まずは、オーバーホール以外の方法も視野に入れつつ、もう一度エンジンの状態をよく確認することが大切です。
そのうえでタイミングやご予算と相談しながら、どの方法が適しているのか考えてみるとよいでしょう。