とことんブログ とことんブログ

ドライバー情報

【辞典】トラックドライバーの運転用語まとめ

【辞典】トラックドライバーの運転用語まとめ(出典:Pixabay)
トラック業界では毎日たくさんの業界用語が使用されており「どういう意味?」と考えてしまう用語も多いでしょう。
そこでこの記事では、トラックドライバーが日常的に使用するトラック用語を詳しく解説していきます。
これからトラック業界で働こうと考えている方、働きはじめたばかりの方はぜひ参考にしてみてください。

ドライバーが一般的に使用している用語を単語、読み方、意味、使用例を紹介。

トラック用語:【あ】行

トラックドライバーが一般的に使用するトラック用語の【あ】行をご紹介します。

アオリ(あおり)


(出典:全日本トラック協会

トラックの荷台(屋根も箱もない)に左右側面と背面を覆うように取り付けられている板のことを『アオリ』といいます。

ちなみに、左右側面に付いている板が『側アオリ』背面に付いている板が『後アオリ』です。

どちらも普段は垂直に立てられていますが、荷物を積み下ろす際は外側に倒すことができます。

あがり

仕事を終えることを『あがり』といいます。

トラックドライバーは、出発地から目的地まで荷物を持って往復する作業を繰り返すことが多い仕事です。

あがりとは、これらすべての仕事が終わったあとの状態のことをいいます。

あがりはトラックドライバー以外の業界でも使用されることが多いため、一度は聞いたこと、使ったことがあるかもしれませんね。

ウィング車(うぃんぐしゃ)

『ウィング車』とは、アルミの箱で覆われている荷台のパネル側面が跳ねあがり、左右どちらからでも荷物を積み下せるトラックのことです。

左右どちらも荷室天井部分まで開くため、フォークリフトを使用して効率良く荷物を積むことができます。

左右のパネルが『「鳥の翼』」のように動くことからウィング車と呼ばれていますよ。

追っかけ(おっかけ)

『追っかけ』とは鮮魚や青果などのといった『生鮮食品』を運送する仕事のことです。

生鮮食品は鮮度を守ることが絶対条件のため、トラックドライバーは安全に配慮しつつ時間を意識して運送をおこな行わなければなりません。

また、仕事をおこなう時間は早朝や深夜でもあるため、スケジュール管理が大変な仕事となるでしょう。

親伝(おやでん)

『親伝』とは荷物に貼り付ける送り状のことです。送り状には配達先と送り主の情報を記載します。

送り状は荷物を配達先へお届けする際に必要になり、受取人の捺印やサインといった受領印をもらうことで配達した証明となります。

送り状には用紙が複写式になっているものもあり、配達票などの受領印をもらう専用の用紙がついていることもあります。ただし、送り状は運送会社によってさまざまな種類があるためついているとは限りません。

トラック用語:【か】行

トラック用語:【か】行(出典:Pixabay)

トラックドライバーが一般的に使用するトラック用語の【か】行をご紹介します。

帰り便(かえりびん)

『帰り便』とは目的地から出発地点(営業所)に戻ることです。

以前は荷台がカラになっていることが多かったですが、現在は帰り便にも荷物を積む仕事が増えています。それにより、ガソリン代や高速料金が無駄になることが少なくなりました。

カプラー

トレーラーと荷台を連結する装置を『カプラー』といいます。

トレーラー側に付いている装置をカプラー、荷台側に付いている装置をキングピンと呼んでおり、この2つを連結させることでトレーラーのけん引が可能です。

完納(かんのう)

予定している荷物をすべて納品した際に使用される完全納品(完全納入)の略語『完納』といいます。

完納は、複数回にわたって納品した場合に使用する用語です。一度に納品した場合には使用しないので注意しましょう。

口割れ(くちわれ)

荷物を届けなければならない個数と、実際にお届けした個数が一致しないことを『口割れ』といいます。

例えば、本来5つの荷物を届けるはずが、実際には荷物が4つだった場合は『1個口割れ』となります。

複数個の荷物を同じ場所(受取人)に送るケースでは、親伝と呼ばれる送り状を荷物1つに貼り、残りの荷物にはシールなどを貼って送ることが一般的。

しかし、これがアダとなり口割れを起こすこともあります。このような場合は、親伝をコピーし、すべての荷物に貼ることで口割れを防げますよ。

グリーン高速(ぐりーんこうそく)

運送業界では『東名高速道路』や『名神高速道路』のことをグリーン高速と呼んでいます。

この2つは、ほかのの高速道路に比べて中央分離帯に草木の植え込みが多かったことからグリーン高速と呼ばれるようになったといわれています。

月光仮面(げっこうかめん)

『月光仮面』とは白バイのことです。トラック無線で使用される用語で、年配のドライバーが使用することが多いようです。

トラック用語:【さ】行

トラック用語:【さ】行(出典:Pixabay)

トラックドライバーが一般的に使用するトラック用語の【さ】行をご紹介します。

直積み(じかづみ)

パレットやコンテナを使用せず、直接荷物を積み上げることを『「直積み』」といいます。

直積みはパレットやコンテナを使用しないため、荷物の重量関係なく人力で積まなければならない積み方です。肉体労働になるため、ドライバーはあまり好まない積み方です。

スライド

『スライド』とは、ドライバー同士がトラックですれ違ったときにおこなコミュニケーションのひとつです。

すれ違った際は、相手ドライバーに向けてなにかしらのアクションをおこないましょう。

すべり

『すべり』とは下り車線のことです。トラック運転手が無線で自身の状況を伝えるためによく使用される言葉です。

日本の道路は東京の日本橋が始まりとされており、日本橋から遠ざかる方向の車線はすべて『すべり』を走行することになります。

トラック用語:【た】行

トラックドライバーが一般的に使用するトラック用語の【た】行をご紹介します。

台切り(だいきり)

『台切り』とはトレーラーと荷台を切り離し、トレーラーのヘッド部分だけにすることです。

よく利用されるケースとして、船で運ばれてきた海上コンテナを陸上で運ぶ際に台切り作業がおこなわれます。

ちなみに、切り離されたヘッド部分のみのトレーラーはコンテナを取り付けなくても走行可能です。

たち便(たちびん)

『たち便』とは、出発地(営業所や倉庫など)から出発し、目的地まで運送することです。
逆に、目的地から出発地に戻ることを帰り便と呼んでいます。

縦持ち(たてもち)

『縦持ち』とは上下に荷物を運ぶことを指します。

例えば、マンションやビルで1階から3階へ、または5階から2階へというように上下に移動しながら荷物を運んだり降ろしたりする際に使用されるトラック用語です。

積みどまり(つみどまり)

出発地から目的地まで荷物を運んだものの、受取人不在によりトラックに荷台に荷物を積んだままの状態のことを『積みどまり』と呼びます。

積みどまりは、土日祝日など受取人の会社が休みで不在の場合に起きやすいケースです。

ツーデフ

『ツーデフ』とは、エンジンの動力をタイヤに伝える軸が2つあり、その両方が駆動する車両のことです。

ツーデフの場合、後輪に2軸があることから走行性能が高く、舗装されていない道路を走るのに向いています。ツーデフが使用されている車両の例としては、ダンプやミキサー車などです。

テレコ

『テレコ』とは、配達先Aの荷物が配達先Bに間違って届いてしまうことです。

オーソドックスな間違いは、ドライバー同士が荷物を取り違える場合でしょう。

また、複数個ある荷物のうちひとつの荷物にほかの親伝情報のシール貼ってしまうケースもあります。

同時に送り先の違う複数個の荷物を依頼されたときは、ひとつずつ丁寧に宛先と荷物の個数を確認して作業するようにしましょう。

トラックステーション(トラステ)

『トラックステーション』とはトラックドライバーが休憩や仮眠、食事や入浴ができる施設のことです。

運行管理センターと一体となっており、道路状況などもここで情報収集ができます。

全日本トラック協会によると、2021年(令和3年)4月30日時点で全国に26か所のトラックステーションが運営されています。
(参考:全日本トラック業界

天地無用(てんちむよう)

上下逆さまにしてはいけない荷物のことを『天地無用』といいます。

宅配便などでも使用されているため、トラックドライバーでなくても一般的に幅広く知れ渡っている用語でしょう。

トラック用語:【な】行

トラックドライバーが一般的に使用するトラック用語の【な】行をご紹介します。

ニトヤ扱い(にとやあつかい)

壊れやすいものや梱包に不備がある荷物を配達する場合、運送中の破損は保証できないことを『ニトヤ扱い』といいます。

荷主(荷物を出すほう)がニトヤ扱いを承諾しない場合は、しっかりと梱包してもらうか、場合によっては荷受けしないことも必要です。

乗り越し(のりこし)

『乗り越し』とは本来配達すべき営業所とは別の営業所に荷物が届くこと。

乗り越しが起こる原因は、ドライバーによる伝票の行先コードの打ち間違いによるものです。

近場の営業所同士であれば、数分から数十分で荷物の受け渡しができますが、他県などに間違って届いてしまったら配達に数日の遅れが生じてしまいます。

トラック用語:【は】行

トラックドライバーが一般的に使用するトラック用語の【は】行をご紹介します。

バラ積み(ばらづみ)

『バラ積み』とは荷物をひとつずつドライバーの手作業で荷台に積む作業のことを指します。

柔軟に積み込むことができるため多くの荷物を積めますが、ドライバーの負担はとても大きくなるキツイ作業となります。

判取り(はんとり)

『判取り』とは受取人から受領印やサインなどをもらうことをいいます。受領印をもらった伝票は、社内で保管されるのが一般的。

また、配達先を間違える誤配などが起きたときは、この伝票で受領印を確認する際に使用されることもあります。

引きずり(ひきずり)

トラック用語の『引きずり』とは、トラックの前輪のみの駆動で動いている車軸のこと。

前輪のみの駆動のため、後輪はトラックの前輪に引きずられて動いているだけのため引きずりという名前で呼ばれています。

平ボディ(ひらぼでぃ)

引越しや工事現場などで使用されることが多い『平ボディ』のトラック。

トラックの荷台はオープンになっており、さまざまな用途で柔軟に対応ができます。

しかし、荷台がオープンになっているため天候次第によっては荷物へ影響が出るのはデメリットです。その際は、荷物の上にカバーを覆うことである程度は回避することはできますが、完全にしのげるわけではないので注意しましょう。

ヒルスタートアシスト

『ヒルスタートアシスト』とは坂道発進補助装置のことを指します。

坂道でトラックを発進させる際に、ブレーキからアクセルに踏みかえる数秒間だけ制動力をキープし、トラックが後退するのを防止する装置です。

ハンドリフト

『ハンドリフト』とは、営業所や倉庫など、荷物の移動に使用する手動タイプの道具のことです。

フォークリフトの手動版のようなイメージで、小回りがきき、特別な資格なども必要ありません。誰でも使用することができる便利な道具です。

トラック用語:【ま】行

トラックドライバーが一般的に使用するトラック用語の【ま】行をご紹介します。

持ち出し(もちだし)

主に宅配業者で使用される用語です。荷物状況を確認した際に『持ち出し中』と表示されるのは、ドライバーがお客さまの元へ配達中という意味でもあります。

持ち出しは、営業所を出発する前に荷物を専用機械でスキャンしてデータを本部に送信し、配達が完了したら伝票をスキャンして配達完了のデータを送ります。

マイナス(マイナスセット)

トラック用語の『マイナス』とは、トラックから積んでいた荷物を降ろすことです。これとは逆に荷物を積み込む作業をプラスといいます。

『千葉でプラスして東京でマイナス』などの場合は、千葉で荷物を積み込み東京で荷物を降ろすことを意味しますよ。

トラック用語:【や】行

トラックドライバーが一般的に使用するトラック用語の【や】行をご紹介します。

宵積み(よいづみ)

宵積みとは出発前日に翌日配達する荷物をトラックに積み込んでおくことをいいます。

次の日の出発が早い場合に宵積みをおこなっておくことで、翌日の朝、時間に余裕を持った配達が可能です。

横持ち(よこもち)

トラック用語の『横持ち』とは、トラックに積んである荷物を別のトラックや小型トラックに積みかえて配達することをいいます。

トラック用語:【ら】行

トラックドライバーが一般的に使用するトラック用語の【ら】行をご紹介します。

ラッシングベルト(ラッシング)

『ラッシングベルト』とは、トラックの荷台に積んだ荷物を固定しておくための器具です。

配達中に荷物が動かないように固定できるので、破損や荷崩れなどを防ぐ役割があります。

ランデブー

『ランデブー』は、トラックドライバーが無線で使用する言語です。トラックが前後連なって走行する際に使用されます。

トラック用語:【わ】行

トラックドライバーが一般的に使用するトラック用語の【わ】行をご紹介します。

ワシントンチャーリー

『ワシントンチャーリー』とは、トラックドライバーが無線で使用するトイレ(WC)という意味です。

まとめ

トラックドライバーの運転用語について解説しました。今回この記事でお伝えした用語は、トラックドライバーが現場でよく使用するものを厳選しています。業界未経験の人からすれば、馴染みのない用語ばかりだったかもしれませんが、ぜひこの記事を参考にしていただければ幸いです。

関連する記事

  1. 中古トラック販売のトラック流通センター
  2. とことんブログ
  3. トラックドライバー情報
  4. 【辞典】トラックドライバーの運転用語まとめ