トラックのエンジンオイルが漏れている!漏れの症状や原因、修理の方法や費用とは?
エンジンオイル漏れとは?エンジンオイル漏れには2つのタイプがある?
エンジンオイルはトラックの心臓部と言っても過言ではない、エンジン部品の潤滑や冷却を行いエンジンを保護する非常に重要な働きを行っています。オイル漏れと聞くとトラックの下にポタポタとオイルが漏れているのを想像しがちですが、トラックのエンジンオイル漏れには次の2つのタイプが存在します。
・外部漏れ
・内部漏れ
どちらのタイプにしてもエンジンオイルの漏れを修理せずにトラックの使用を続けると、エンジンの焼き付きを起こす原因となりかねません。また外部漏れで路上にオイルを漏らしながら走行することは道路交通法違反となり処分の対象となりますし、車検に合格できません。
エンジンオイル漏れが発生する原因とは?
2つのタイプが存在するエンジンオイル漏れですが、「エンジンオイル漏れとはどのように発生するのか?」が気になるところです。非常に多くのパーツを組み合わせて形成されるエンジンは、数多くのシールパッキンによってパーツ同士の継ぎ目が塞がれています。
しかし時間の経過と共にシールパッキンが柔軟性を失いパーツ同士の継ぎ目に隙間が発生することが、エンジンオイル漏れの原因となります。また高温で気化しているブローバイガスが冷えて液化し、エンジンオイル漏れの原因となるケースも存在します。
道路交通法違反となる外部漏れとは?
典型的なエンジンオイル漏れの症状が「外部漏れ」と呼ばれるもので、駐停車時などにトラックの下にエンジンオイルが漏れ落ちるタイプのエンジンオイル漏れです。
既述したように道路交通法違反で処罰の対象となることや、車検に合格することができないので外部漏れを発見した場合は早急に対処する必要があります。
外部漏れが発生する原因は?
多くの場合エンジンオイルの外部漏れは、ヘッドガスケットの劣化が原因となって発生します。ヘッドガスケットが劣化するとエンジンのヘッド部分を潤滑するオイルが燃焼室に入り込む「オイル下がり」が発生し、エンジンオイルの外部漏れを引きおこします。
ヘッドガスケットはエンジンのシリンダーブロックとシリンダーヘッドの隙間を埋めるためのガスケットです。エンジンに用いられるガスケットの中でも最も強度が求められる非常に重要なガスケットだと言えるでしょう。
金属を重ねて作られる「積層金属ガスケット」、銅製シートを切り出して作られる「銅製ガスケット」、アスベストやグラファイト、雲母などの複合素材で作られる「コンポジットガスケット」などが存在しますが、現在は積層金属ガスケットが一般的に用いられています。
高熱・高圧の過酷な状態に晒されるため経年劣化によって劣化したガスケットが破損することでオイル下がりが発生し、エンジンオイルの外部漏れが引き起こされます。
外部漏れに潜むリスクとは?
エンジンオイルの外部漏れが発生しているトラックを運転することは道路交通法違反で処分の対象となることや、外部漏れがある状態では車検に合格できないというリスクについては既に紹介しました。
これ以外にもオイル下がりを起こしているエンジンはエンジンオイルの減りが速く、オイル不足でエンジン部品の潤滑や冷却ができずエンジンに深刻なダメージを与えるリスクや、漏れたオイルに引火して車両火災の原因となるリスクが潜んでいます。
気付き難く深刻な内部漏れとは?
エンジン内部でオイル漏れが発生し目視で発見できないので知らないうちにエンジンが危険な状態になってしまうのがエンジンオイルの内部漏れです。
エンジンオイルが燃焼室に入り燃焼するので、排気ガスが青白い煙や白煙を上げる状態となります。
内部漏れが発生する原因は?
エンジンオイルの内部漏れはピストンリングやシリンダーの摩耗や劣化などでエンジンオイルが燃焼室に入り込む「オイル上がり」や既述したオイル下がりが原因となり発生します。
エンジン内で内部漏れが発生し、内部漏れによって外部漏れが引き起こされると言えるでしょう。
内部漏れに潜むリスクとは?
内部漏れを起こしているエンジンはエンジンオイルの減りが速く、エンジンの焼き付きを発生させるリスクが潜んでいます。また本来大量に燃焼しないはずのエンジンオイルが燃焼することで排気ガスの排出量が増え、大気汚染の原因となるリスクも潜んでいます。
エンジンオイル漏れ発生時の応急処置とは?
エンジンオイル漏れが発生し始めた初期であれば、エンジンオイルの補充を行い次に挙げる方法で応急処置を施すことが可能です。
エンジンオイル漏れ止め剤で漏れを止める
市販されているエンジンオイル漏れ止め剤をエンジンオイルに添加することで、シールパッキンの柔軟性を回復させオイルの漏れを止めることができます。数千円から2万円程度で購入できるので、オイル交換時に添加しておくとオイル漏れの予防策にもなり得ます。即効性が無く効果を得るまでに、一定の時間や走行距離が必要となるのが弱点とも言えます。
使用するエンジンオイルを変える
現在使用しているエンジンオイルよりも粘度の高いエンジンオイルに交換することで、エンジンオイルの漏れが止まることがります。しかし原因解決にはならないので、非常手段で応急処置であると言えます。オイルの粘土を上げ過ぎると、燃費の悪化やエンジンへの負担が高くなることもあるので注意が必要です。
エンジンオイル漏れの修理方法や費用は?
既述した漏れ止め剤やエンジンオイルの交換はあくまで応急処置であり、エンジンオイルの漏れの原因を解決するものではありません。エンジンオイル漏れに潜むリスクの高さを考えれば、早急に本格的な修理を行うべきだと言えるでしょう。
エンジンオイルの漏れは劣化したシールパッキンが原因となるケースが多く、シールパッキンの交換でオイル漏れが止まることからドレンボルトのワッシャー交換など軽度のものであれば数千円で修理できます。
シリンダーブロックやシリンダーヘッド部のシール交換でも数万円で修理できますが、修理しずらい部分の漏れで組みバラシの作業が大掛かりとなる場合や、シリンダーブロックやシリンダーヘッドの歪みオイル漏れが発生している場合20~100万円もの修理代が必要となることもあります。
まとめ
大規模な修理を要する事態に陥る前に、早めに対処することで不要な出費を抑えることができますので、不調を感じたときは早急に対処するようにしたいものです。