頭の痛いトラックの車検費用!車検を安くするには整備費用がポイントとなる?
実は車検費用を安くする方法がいくつか存在するので、車検費用に頭を痛めている方のために紹介します。
トラックの維持に深く関係する車検とは?
国内で運行する全ての車両は、道路運送車両法に定める自動車検査登録制度によって、国土交通省に登録し道路運送車両法に定める検査基準を満たすことが義務付けられています。これにより新規登録時に新規検査に合格し、定期的に継続検査を受け合格することが求められます。この検査は一般的に車検と呼ばれ新車登録車検や継続車検と呼ばれています。
車検は国土交通省の機関である陸運支局で行われますが、民間の整備工場の中には陸運支局からの認可を受けた「指定工場」があり、陸運支局の検査場と同等の検査施設を持ち「民間車検場」として運営されています。
民間整備工場には検査施設を持たず車検に対応できる整備を行う「認定工場」も存在し、認定工場では車検整備を行った後に陸運支局などの検査ラインに車両を持ち込み車検を実施します。
トラックの車検サイクルは?
トラックは積載重量や平均年間総経距離が多い傾向にあることから、車検の有効期間は普通自動車よりも短期間に設定されています。トラックは自家用と事業用に区別されますが、車検有効期間は次に挙げるとおり車両総重量8t未満と8t以上で区分されます。
・8t未満のトラック:新車登録車検2年、継続車検1年
・8t以上のトラック:新車登録車検1年、継続車検1年
2~4tのトラックは新車登録車検が2年となりますが、大型トラックは新車登録車検から有効期間が1年に設定されています。継続車検の有効期間が共に1年であることから、一般的に「トラックは毎年車検」のイメージが強いと言えるでしょう。
トラックの規格別車検費用の相場とは?
少しでも安くあげたいトラックの車検費用ですが、トラック車検の費用はトラックの規格ごとに異なり整備費用を含めたトラック車検費用の相場は次に挙げる金額となります。
・大型トラック:200,000円~
・中型トラック:150,000円~
・小型トラック:65,000円~
上記金額が毎年の車検に必要となる訳ですから、トラックの維持費用の中で整備費用を含めた車検費用が占める割合は決して少ないものではないと言えます。
気になる車検費用の内訳は?
経済的負担が小さくないトラックの車検費用ですが、既述したトラックの規格ごとの金額の内訳がどのようになっているかが気になるところです。一般的にトラックの車検費用は次に挙げる2つの費用で構成されています。
費用その1・法定費用
法定費用は文字通り法的に定められている費用で「自動車重量税・自賠責保険料・検査手数料」などを指します。これらの法定費用は同じトラックでも登録されている区分が自家用と事業用で次に挙げるように費用が異なります。
自動車重量税(エコカー減税適用無し、1年分)
車両総重量 | 登録13年以下 | 登録13年経過 | 登録18年経過 | |||
自家用 | 事業用 | 自家用 | 事業用 | 自家用 | 事業用 | |
1t以下 | 3300 | 2600 | 4100 | 2700 | 4400 | 2800 |
2t以下 | 6600 | 5200 | 8200 | 5400 | 8800 | 5600 |
3t以下 | 12300 | 7800 | 17100 | 8100 | 18900 | 8400 |
4t以下 | 16400 | 10400 | 22800 | 10800 | 25200 | 11200 |
5t以下 | 20500 | 13000 | 28500 | 13500 | 31500 | 14000 |
6t以下 | 24600 | 15600 | 34200 | 16200 | 37800 | 16800 |
7t以下 | 28700 | 18200 | 39900 | 18900 | 44100 | 19600 |
8t以下 | 32800 | 20800 | 45600 | 21600 | 50400 | 22400 |
9t以下 | 36900 | 23400 | 51300 | 24300 | 56700 | 25200 |
10t以下 | 41000 | 26000 | 57000 | 27000 | 63000 | 28000 |
以下、車両総重量が1t増加するごとに自家用は1年6,300円、事業用は1年2,800円が加算されます。
自賠責(離島を除く本土価格)
車両総重量 | 12ヶ月 | 13ヶ月 | 24ヶ月 | 25ヶ月 | ||||
自家用 | 事業用 | 自家用 | 事業用 | 自家用 | 事業用 | 自家用 | 事業用 | |
2t以下 | 24040 | 34650 | 25630 | 37110 | 43090 | 34100 | 44640 | 66500 |
2t超 | 35730 | 49900 | 28270 | 53600 | 66220 | 94300 | 68720 | 97930 |
検査手数料
車検の検査手数料として車検申請書類に収入印紙を貼付する必要があり、印紙代が検査手数料となります。トラックの大きさに関係なく1台の車検手数料として1,100円分の収入印紙を貼付します。
また、新規登録の場合は700円、移転登録は500円、登録変更と抹消登録は350円の手数料が必要となります。
費用その2・車検整備費用
車検に合格できるように行う点検整備・基本整備・車検代行・完成検査・車検更新などの諸費用が含まれるもので、ディーラーや整備工場など車検の依頼先によって価格が異なります。
・点検整備料
・車検代行料
・基本整備料
・完成検査料
・車検更新料
一般的にディーラーに車検を依頼するディーラー車検が最も車検整備費用が高く、民間整備工場、車検代行専門店などは車検整備費用が安い傾向にあります。法定費用を安くすることは不可能ですが、車検整備費用に含まれる諸費用は車検の依頼先を選ぶことで安くすることが可能です。
トラックの車検費用を安く抑える方法とは?
小型の2tトラックや中型の4tトラックは新車登録した初回車検の有効期限は2年ですが継続車検の有効期限は1年となり、毎年車検を受ける必要があります。大型トラックの場合は初回車検から有効期限は1年のため、こちらも毎年車検の必要がありトラックの維持には車検が大きく関わると言えます。
毎年定期的に大きな出費となるトラックの車検を少しでも安く抑えるために効果的だと考えられる、おすすめの車検の節約方法を5つ紹介します。
ポイント1 ユーザー車検で節約!
車検の際の点検整備や消耗部品の交換など専門知識や技術が必要なものを整備工場などに依頼し、陸運支局で行う手続きや検査をユーザー自身が行うのが「ユーザー車検」です。トラックの車検全てを依頼するのと比べると車検代行手数料や完成検査料、車検更新手数料などを節約でき大型トラックで約100,000円、中型トラックで約50,000円、小型トラックで約40,000円ほど車検費用が安くなります。
ポイント2 複数の業者から見積もりを取り比較する!
法定費用を安くすることはできませんが、車検整備費用などの諸費用は依頼先によって異なりますので複数の業者から見積もりを取り、諸経費の安い業者にトラックの車検を依頼するのも効果的です。
ポイント3 刑務所の車検を利用する
車検整備の依頼先の選定がトラックの車検を安くあげるのに効果的であることは既に紹介しましたが、車検整備の依頼先として刑務所を選ぶのも車検費用の節約方法の1つです。刑務所内で行われる職業訓練の1つに自動車整備を取り入れている刑務所が全国に8ヶ所存在するので、住いの近くであれば刑務所での車検を利用するのも効果的だと言えるでしょう。
車検整備を行っている刑務所は次のとおりです。
・川越少年刑務所
・市原刑務所
・府中刑務所
・松本少年刑務所
・神戸刑務所
・名古屋刑務所
・函館少年刑務所
・盛岡少年刑務所
ポイント4 整備項目を減らし値引き交渉を行う
いつも決まった整備工場にトラックの整備を依頼している場合であれば、事情を説明して必要最低限の点検整備のみを行い車検整備費用を安くしてもらう交渉をするのも良いでしょう。車検整備でまとめて点検整備するのではなく、一般整備の中で少しずつ消耗部品の交換などを行ってもらえれば車検整備費用を安くすることも可能です。
ポイント5 減トンを行って法定料金を節約
一般的には知られていませんがトラックの架装を重いものに交換したり、重量のあるフロントバンパーを取り付ける、おもりを付けて前軸への荷重を増やす、タイヤのプライ数を下げるなどを行い、「構造変更手続き」をして最大積載量を減らすのが減トンです。
減トンをすると自動車税と自賠責保険が安くなる可能性があります。所有するトラックの最大積載量が大きすぎる場合など減トンを行うことで法定料金を安くし車検費用を節約することも可能です。
現実的な車検費用の節約方法とは?
既述した5つのトラックの車検費用の節約方法の中で、最も簡単に高い効果を得られるのはユーザー車検だと言えます。陸運支局での手続きなど難しそうで二の足を踏んでしまう方も少なくないと思いますが、実際にユーザー車検を経験すると想像以上に簡単であることに驚かされます。
また減トンによる節約方法はトラックならではの方法ですので、所有するトラックのスペックと積み荷の状況に合わせて検討してみるのも良いのではないでしょうか。