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パッカー車(塵芥車)|サイズ・仕組み・種類・価格・メーカーを解説

パッカー車パッカー車は、ごみを回収する機能が備わった車で、一般的な家庭ごみだけではなく、工場から出る産業廃棄物や造園業などから出るごみの収集にも活躍しています。
本記事は、パッカー車の概要、仕組み、サイズ、主要メーカー、必要な免許、中古車情報を紹介します。価格などの中古車情報についても紹介しているので、購入を検討している方はぜひ参考にしてください。

パッカー車とは?


パッカー車とは、一般的にごみ収集車と呼ばれる車両のことです。
業界によって呼び名が異なり、塵芥車・塵芥収集車(じんかいしゃ・じんかいしゅうしゅうしゃ)とも呼ばれます。パッカー車の製造メーカーは、塵芥収集車と表記していますが、車検証の正式名称は、塵芥車です。
パッカー車の名前の由来は、英語で「詰め込む」を意味する「Pack」だと言われています。しかし、英語圏ではごみ収集車をパッカー車と呼んでいないことから、パッカー車は和製英語だと推測されています。
パッカー車の荷台には、廃棄物の回収機能が搭載されているため、貨物自動車ではなく特種用途自動車です。これにより車両のナンバーは、8ナンバーとなります。

パッカー車の仕組み

パッカー車は、ゴミを積み込む機能と排出する機能で構造されます。荷台後ろの投入口からゴミを入れると、自動で圧縮し内部の荷箱にゴミを溜められる仕組みです。ゴミの排出時は、荷箱内にゴミが残らないようまとめて外に排除できます。
生ゴミなどの水気があるゴミを運ぶ際は、道路に水が垂れないように汚水タンクが搭載されたタイプもあります。

パッカー車の種類


パッカー車は圧縮方法と排出方法によって、いくつかの種類に分類されます。
圧縮方法は、収集したごみを荷箱へ収納する仕組みのことです。一方、排出方法は、荷箱に収納されたごみを各地域の処理場に排出する仕組みになります。
ここで、圧縮方法と排出方法の特徴を詳しく解説します。

パッカー車の積み込み形式

ごみを圧縮して収集することにより、大量のごみを効率的に輸送することが可能です。
圧縮方法には、プレス式(圧縮板式)、巻き込み式(回転板式)、ロータリー式(荷箱回転式)の3つの方法があります。

①プレス式(圧縮板式)


プレスプレートとプッシュプレートの2種類のプレートによって、ごみを圧縮する方法です。投入口に入れたゴミをプレートによってごみを細かく粉砕してから圧縮し、荷箱に積み込むため、より多くのごみを回収できます。また、圧縮力が強いので、家庭ごみだけではなく、家具や家電などの粗大ごみまで幅広く圧縮できます。
圧縮力が強い分、汚水が飛び散りやすいため、汚水タンクが搭載された車両が多いです。

②巻き込み式(回転板式)


回転板を用いてごみを荷箱にかき込み、押し込み板で奥に圧縮する方法です。巻き込み式は、プレス式に比べると圧縮力は弱くなります。そのため、粗大ごみには不向きです。家庭ごみや木くずや繊維くずの収集に適しています。

③ロータリー式(荷箱回転式)


大きな円柱型のドラムが回転しながら、ごみを荷箱へ押し込んでいく方法です。ドラムが常に回転しているため、ごみを投入し続けられることや汚水が飛び散らなく、掃除をしやすいのがメリットです。しかし、プレス式や巻き込み式と比べると圧縮力は劣るので、詰めるごみの容量は少なくなります。汚水を含むごみや家庭ごみの収集に適しています。

パッカー車の排出方法

ごみは収集したあと、各地域の処理場に排出されます。
排出方法には、押し出し式とダンプ式の2つの方法があります。

①押し出し式


荷箱前部に収納されている排出板を用いて、ごみを外へ排出する方法です。排出板が強制的にゴミを押し出してくれるため、排出力が高く、荷箱にごみを残すことなく排出できます。プレス式のパッカー車は、押し出し式が採用されているケースが多いです。

②ダンプ式


荷箱前部を持ち上げ、収集したごみを排出する方法です。押し出し式のように排出板でごみを押し出すわけではないため、細かいごみが残ることがあります。軽量ごみの収集が多い回転板式との相性がいいです。

パッカー車のサイズ・積載量・容量


パッカー車は、小型・中型・大型とさまざまなサイズの車両があります。利用用途などによって、適したサイズのパッカー車を選択しましょう。
ここでは、小型・中型・大型車のサイズと最大積載量を詳しく紹介します。

小型パッカー車

小型パッカー車
(画像引用元:三菱ふそう キャンター)
小型パッカー車の例として、三菱ふそうの「キャンター」をあげます。
サイズや最大積載量は、下記のとおりです。

全長(cm) 全幅(cm) 全高(cm) 車体総重量(トン) 最大積載量(トン)
522 184 232 6.3 2

中型パッカー車

中型パッカー車(引用元:三菱ふそう ファイター)
中型パッカー車の例として、三菱ふそうの「ファイター」をみてみます。
サイズや最大積載量は下記のとおりです。

全長(cm) 全幅(cm) 全高(cm) 車体総重量(トン) 最大積載量(トン)
680 217 273 7.9 1.9

大型パッカー車

大型パッカー車(引用元:三菱ふそう スーパーグレート)
大型パッカー車の例として、三菱ふそうの「スーパーグレート」をみてみます。
サイズや最大積載量は下記のとおりです。

全長(cm) 全幅(cm) 全高(cm) 車体総重量(トン) 最大積載量(トン)
930 249 286 22 7.4

人気の高いパッカー車は小型・中型車

パッカー車は、家庭用一般廃棄物回収に用いられることが多いため、狭い道路でも作業しやすい小型・中型車の人気が高いです。
小型・中型車の最大積載量は2トン前後で、一般的なごみ袋1,000袋分に相当します。

パッカー車の運転に必要な資格や免許


パッカー車の運転に特別な資格や免許はありません。しかし、小型・中型・大型サイズのパッカー車があるので、運転する車両区分に合わせた免許が必要です。運転免許の種類は運転するごみ収集車の重量によって決められています。
普通免許を2017年3月11日までに取得している場合、車種が2トン車、総重量5トン未満、積載量3トン未満の車両を運転できるため、小型・中型車であればほとんどのごみ収集車の運転が可能です。
2017年3月12日以降に免許を取得している場合は、普通免許では2トン車の運転ができないため、3トン車まで運転できる準中型免許を取得する必要があります。
また、車体総重量が5トン以上11トン未満なら中型免許、11トン以上は大型免許が必要です。

パッカー車の架装メーカー


パッカー車は、トラックと同じでシャーシと架装の製造メーカーがそれぞれ異なります。
本章では、パッカー車の主要な架装メーカーを紹介します。

極東開発工業株式会社


(引用元:極東開発工業株式会社)

極東開発工業株式会は、さまざまな特装車の架装を製造しているメーカーです。
パッカー車は、プレス式の「プレスパック」と巻き込み式の「パックマン」を製造・販売しています。
車両の位置や収集物の種類などの車両情報をデジタル管理できるK-DaSS®という機能が搭載されているのが特徴です。

新明和工業株式会社


(引用元:新明和工業株式会社)

新明和工業株式会社では、プレス式の「G-PX」と巻き込み式の「R-PX」を製造・販売しています。スタイリッシュでデザイン性が高い車両のため、都市部の街に溶け込みやすいのが特徴です。
さらに、投入口付近の様子を運転席から確認できるカメラとモニターや、マイクで運転手と作業者が連携できる機能も搭載しています。安全性と作業効率が考慮された車両です。

また、2012年に富士重工業株式会社とパッカー車事業を統合したことで、現在はパッカー車の60%以上のシェアを占めています。

株式会社モリタエコノス


(引用元:株式会社モリタエコノス)

株式会社モリタエコノスは、プレス式の「PA7」「PB7」や、巻き込み式の「KA7」「KB7」などを製造・販売しています。
ほかにも、缶と瓶を分別しながら回収できる「クリーンマスター」や、ウイルス除去液を噴射する装置を搭載した「ミラクルキヨラV」といった、モリタエコノスならではの車両も特徴です。

ウイルス除去液は、花王株式会社がミラクルキヨラV用に開発し、99%の菌とウイルスを洗浄できるとされています。

富士車輌株式会社


(引用元:富士車輌株式会社)

富士車輌株式会社では、林業や剪定作業の現場で活用できるパッカー車を製造・販売しています。特に大きな木材を自動で取り込み、チップ状に粉砕し圧縮できる「チッピングロータリーAPLASTAR」は、富士車輌株式会社ならではのパッカー車です。
従来のパッカー車では難しかった、竹の粉砕と圧縮も可能で、特許を取得しています。

パッカー車の価格|中古での購入がおすすめ!


パッカー車は一般的なトラックと比べると、値段が高い傾向です。メーカーなどによって違いはありますが、新車であれば、小型車で400〜600万円、中型車で500〜800万円、大型車で800〜1000万円ほどになります。
そのため、パッカー車は中古で購入するのがおすすめです。中古で購入するメリットを2つ詳しく解説します。

①費用が抑えられる
前述しましたが、中古なので新車に比べると、費用を抑えることができます。年式や摩耗具合などによって価格は変わりますが、小型で150〜500万円、中型で200〜600万円、大型で800万円前後が目安です。

 

②すぐに納車できる
中古であれば、すぐに納車できるのもメリットです。新車であれば、在庫がある場合で2〜3週間ほど、在庫がない場合だと早くて1か月〜半年、長いときは1年ほど納車まで時間がかかります。そのため、すぐ納車したい方は中古車を検討するのがおすすめです。

パッカー車を使用するときに気を付けるべき事故

パッカー車は、高い圧縮機能が備わることから、取り扱いを誤ると大きな事故につながる恐れがあります。業務で使用する際の注意点を解説します。

投入口の巻き込まれ事故


ごみの積み込み時に、作業者が巻き込まれてしまう事故があります。パッカー車は、人間が巻き込まれた場合も、自動で圧縮作業を続けてしまいます。
そのため、作業者が十分に注意を払いながら、ごみを投入しなくてはなりません。
圧縮する力は非常に強いため、巻き込まれると死亡するリスクが高いです。圧縮版が稼働しているとき、投入口に手を入れたりするのは絶対にやめましょう。
点検や清掃の際は、必ずエンジンを停止して圧縮装置が動いていないことを確認してください。

車両火災

ライター、リチウムイオン電池、スプレー缶などを取り込んでしまうと、荷箱のなかで火災が発生する恐れがあります。
実際に、中身の残ったスプレー缶が爆発してゴミに火が燃え移り大きな火災につながった事故もあります。
ゴミの回収時に異音がする場合は回収を避けたり、ごみの分別方法について改めて周知したりすることが大切です。

パッカー車購入は「トラック流通センター」へおまかせ


低価格・高品質なパッカー車をお探しの場合は、トラック流通センターにお任せください。
トラック流通センターは、どの業者にも負けない圧倒的な車両データを保有しています。自社で業者取引専門サイトを運営しているため、常時最新の在庫情報を取得しています。
ほかにも、品質の良い在庫を確保しているからこそ、保証期間は業界最多の1年間です。
リース・ローンを諦めていた方や、急な要請で資金調達が間に合わない方に向けて、与信のとおりやすいリースとローンもご用意しています。
車両の確保から購入資金の調達、その後の保証まで、一気通貫して対応いたしますので、この機会にご相談ください。

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パッカー車に関するよくある質問

パッカー車はレンタルできますか?

パッカー車はレンタルできます。費用相場は、以下のとおりです。

【1日】約3〜4万円
【1ヶ月】約75万円

料金やレンタルできる車両は業者により異なります。比較したうえで、依頼する業者を検討してください。

パッカー車のホッパーとは何ですか?


「ホッパー」とは車体後部のゴミを排出する際に持ち上がる部分のことです。
運転席にあるスイッチで、ホッパーの開閉を操作します。「テールゲート」と呼ばれる場合もあります。

まとめ

今回は、パッカー車の概要、種類、サイズ、必要な免許などについて紹介しました。
要点をまとめると下記のとおりです。

  • パッカー車は、ごみ収集車・塵芥車・塵芥収集車とも呼ばれる。
  • パッカー車にはいくつかの種類があり、3つの圧縮方法と2つの排出方法がある。
  • 小型・中型・大型サイズがあり、人気なサイズは小型・中型。
  • パッカー車の運転に特別な資格や免許は必要ない。
  • 価格や納車までの期間を考えると、中古での購入がおすすめ。

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