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国内外で活躍するデコトラの価格や購入先、車検情報まで徹底解説!

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どこにいても人目を引くデコトラ。豪華絢爛なデコトラは、荷物を運搬するトラックでありながら芸術作品といっても過言ではありません。全国から自慢のデコトラが集結して、盛大なイベントや展示会もありましたが、最近ではデコトラの台数減少やコロナ禍などが原因でデコトラを見る機会も少なくなりました。しかし、根強いファンは多く、デコトラを購入したいと考えている人も少なくありません。この記事では、デコトラの購入先や車検、現在のデコトラ事情をご紹介していきます。

そもそもデコトラって何!?

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デコトラとは、「デコレーショントラック」の略語です。デコレーションは「飾り」という意味で装飾されたトラックの和製英語として使われるようになりました。デコトラは、キャブやボデーのペイント塗装だけでなく、マーカーランプ・アンドンといった電飾装備、ステンレス製やクロムメッキを施された装飾部品などを用いて外装を飾ったトラックすべてを指します。また別名では「アートトラック」とも呼ばれていますが、世界的に見てもデコトラと紹介している地域が多いです。

デコトラという名前はプラモデルから付けられた

デコトラという名前は、1976年(昭和51年)プラモデルの玩具メーカーである青島文化教材社(略称:アオシマ)が、トラックのプラモデルを商品化する際に作った造語「デコトラ爆走野郎」の「デコトラ」の部分を名詞化したものが由来といわれています。現在でも模型やおもちゃなどの分野では、アオシマがデコトラの商標を保持しています。アオシマは、ワンボックスカーにトラックと同様の装飾を施した「デコバン」というプラモデルも同時に販売しました。

デコトラは車体の錆止めからの進化系

デコトラの歴史は、オート三輪の時代に遡ります。水産業で使われていたオート三輪は、塩分や融雪剤の影響で車体が錆び、寿命が短いのが難点でした。そこで、錆から車体を守るために傷んだ荷箱の補修を試みたのです。飛行機に使用されるステンレス鋼板を使い、リベット留めすることでボディを強化させることに成功しました。この補強がデコトラの始まりとなったのです。

この際、使用されたステンレス板「ウロコステンレス」は、独特の光沢や質感からデコトラの装飾に基本的な材料として用いられるようになりました。現在は、ステッカーを貼るだけで簡単にデコトラにもできますが、元来は装飾ではなく加工を施したボディがデコトラと呼ばれるものでした。

デコトラの装備

デコトラは時代とともに、個性的なものからチームやグループによって方向性を合わせたものまで作られるようになりました。

デコトラの外装

デコトラに使われるパーツの代表的なものがフロントバンパーです。フロントバンパーは、車の顔を決める重要なパーツであり、デコトラには下記のような種類があります。

・舟形
・キャデラック型
・ラッセル型
・ラッセル戻し
・オバQ型
・前出しバンパー
・ダブルバンパー

この他にも、フロントデッキ、サイドミラー、バイザー、リアバンパーなどの外装の装飾が施されています。

デコトラの絵

デコトラといえば、豪華絢爛な外装に加えて荷台に描かれる絵ではないでしょうか。デコトラには動物、植物、人物などの他にも、歌舞伎や神仏といった幻想的な絵が描かれています。それに加えて、さまざまな書体で書かれた名前や社名、愛称などどこから見ても目を引きます。

デコトラの内装

デコトラの内装といえば、シフトノブにつけられた水中花です。他にも豪華さを演出した金華山織りと呼ばれるゴージャスなデザインは、シートや天井などに施されています。また、オーディオやカーテン、シャンデリアなど細部にわたり車内とは思えない内装が特徴です。

デコトラは、外装から絵や内装まで、もはや仕事に使うトラックという垣根を超えてアートとして成立している車といえます。

デコトラブームから誕生した映画「トラック野郎」と雑誌「カミオン」

1970年に入ると、各地でデコトラを所有した人たちでグループが結成され、メディアから注目を集めました。そのあと、デコトラは映画「トラック野郎」で高齢者から子供まで幅広く認知されていったのです。当初の予想を大きく覆す大ヒット作となりシリーズ化され、毎年お盆とお正月に放映されるまでとなりました。トラック野郎シリーズの主人公に憧れて、運輸業で仕事をする人も増加したのです。

1980年代に入るとトラック野郎シリーズは終了しましたが、その人気は衰えず、デコトラファンは増加していきます。ブームに乗って1984年4月、日本初のデコトラ専門誌「カミオン」が創刊されたのです。以前は、トラックドライバーやトラック用品業者などしか専門的な情報や知識はありませんでしたが、カミオンの創刊により幅広くデコトラの情報や知識が伝わるようになりました。

国外で活躍中!?デコトラの現在

トラック
一昔前には、公道でもデコトラを見ることがありました。豪華絢爛なトラックは周囲の目を引きましたが、最近ではほとんど見かけなくなったのには理由があります。

デコトラの全盛期から低迷した理由

1970年代からブームにもなったデコトラですが、1990年代に入ると、高額な投資がされた派手なボディは威圧感や反社会的というイメージがつき始め、取引先から距離を置かれるようになったのです。また、高額な費用のかかるデコトラを禁止する企業も増えました。2000年代に入ると、さらにデコトラに逆境が吹き始めます。ディーゼル車の規制により、デコトラの本体となるトラックが次々と乗り換えられ、デコトラに乗る人も減少していきました。

海外で注目されることとなったデコトラの現在

時代の流れとともに、日本でデコトラを見かける機会は少なくなりましたが、インターネットの普及により世界へデコトラが発信されていきました。海外では、仕事道具の1つでしかないトラックは、残念ながら丁寧に扱われているとは言えません。

トラックに対する価値観の違いもありますが、デコトラは、日本人の車に対する愛情を感じるものとして海外から注目されています。昨年開催された東京パラリンピック開会式で、浮世絵の描かれたデコトラから、ギタリストの布袋寅泰さんがギターを演奏しながら登場したのは、世界中から称賛の声が挙がりました。

デコトラは派手すぎる装飾が、反社会的とまでいわれるようになりました。しかし現在では、世界から見たデコトラはアートとして、日本の文化として受け入れられているのです。

デコトラの車検事情

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デコトラで公道を走行するためには、車検に合格することが必須条件です。見た目だけで判断すると、車検に合格するのか不安ですが、公道を走行しているデコトラは、車検に合格している証といえます。
デコトラを所有する際は、車検基準やどのような装飾が違反となるのかなどを確認することが重要です。

車検に合格しないデコトラ

車検とは、車が保安基準に適合しているか定期的に検査、確認する制度のことです。正式名称は、自動車検査登録制度といいます。継続検査とも呼ばれ、法律に基づいた検査や規定に合格することが必須です。

それでは、どのようなデコトラが車検に合格しないのか挙げていきます。

規定外の外装パーツをつけているデコトラ

デコトラの外装パーツに大きなバンパーやウイングなどがついている場合、全高、全幅、全長を確認をしなければなりません。車検時、車検証に記載されたボディサイズと車のサイズが合致していることが必須条件です。しかし、ボディサイズが変わった車は、登録時に運輸支局で「構造変更」の申請をすれば、改造車として認められます。見た目だけで判断せず、車検時には必ず車検証と照合しておきましょう。

マフラー音の大きなデコトラ

デコトラの多くはマフラー音が通常のトラックより大きいです。なかには、騒音を撒きながら走行している車もあります。本来、マフラーは排気装置であり、音を出す装置ではありません。ときに騒音となるマフラー音は、社会問題となりマフラー音に対する規制がかけられました.
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(2020.12.25現在) 第118条には、騒音に関する基準や規定が定められてます。デコトラも普通車と同様、「定常走行騒音の測定方法」に定める方法により測定した定常走行騒音をdBで表した値が85dBを超える騒音を発しないことが車検に合格する基準です。この基準値を超えたデコトラは車検に受かりません。

華美な電飾のデコトラ

華美な電飾を施したデコトラは、周囲の車に対して視界を遮る可能性があります。この場合、車検には合格しないので華美な電飾は控えましょう。

デコトラを扱う業者であれば車検を受けられる

デコトラの車検は、一般的な整備工場や車検専門店などに依頼しても断られることも少なくありません。

一方、安易に車検を受け入れる業者も注意が必要です。車検は、資格を持った整備士が車に不具合がないかを確認します。次に検査員が保安基準に適合しているかを調べ、作成された保安基準適合証を運輸支局に提出し、新しい車検証が作成されます。デコトラを扱う業者のなかには、本来であれば合格しない車体でもすべて合格していると見せかけて陸運局に保安基準適合証を提出する、いわゆるペーパー車検をおこなう悪徳業者もいます。

デコトラは、車検基準を満たした車に戻さなければならないこともあり、作業は費用と時間がかかります。しかし、デコトラをメインで取り扱う業者であれば、適正な車検を受けることが可能です。

中古のデコトラを購入したい人はどこから買える?

デコトラに憧れて、トラックドライバーという仕事を選んだ人は少なくありません。しかし、自分のデコトラを持つことは容易ではないのです。その理由として、車両の価格と維持費が挙げられます。

デコトラのベースになるトラックの相場価格

デコトラのベースに使われるトラックといえば、トラック野郎のモデルにもなった三菱ふそうキャンターではないでしょうか。現行車で8代目となるキャンターは、ディーゼルハイブリッドシステムが搭載されています。しかし、新車価格は450万円〜510万円以上するグレードもあり簡単に購入できるものではありません。

他にも日野レンジャーやいすゞエルフなどもデコトラのベース車として人気がありますが、これらの車両を購入するには500万円以上は必要です。それに加えて、デコトラにかかる費用を考えると新車からのデコトラは相当ハードルが高い買い物であることがわかります。

中古のデコトラを購入しよう!

新車からデコトラを仕上げるには時間だけでなく膨大なお金がかかります。自分好みのデコトラに仕上げる楽しみもありますが、時間や予算などを考慮すれば中古のデコトラを購入するのがデコトラを所有する1番の近道です。

それでは、中古のデコトラを購入する方法をご紹介していきます。

デコトラ専門店からの購入

最近では少なくなりましたが、デコトラの製作やメンテナンスをするデコトラ専門店があります。デコトラ専門店では、中古のデコトラも取り扱っている業者も多いです。また、トラックを扱う整備工場のなかにはデコトラに詳しいところもあるので問い合わせてみるとよいでしょう。

インターネットオークションやサイトからの購入

デコトラは特殊な車両なので、乗用車を扱う中古車販売店では販売されていません。ラインナップが多いのは、やはりインターネットオークションです。インターネットで検索すると、デコトラのオークションやサイトが数多くあります。自分に合ったデコトラを探して購入が可能です。

まとめ

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この記事では、デコトラはどこで購入できるのか、デコトラの現状や車検事情などについて解説してきました。
内容をまとめると下記のとおりです。

  • デコトラという名前は、玩具メーカーが作ったプラモデルから付けられた
  • 水産業で使われていたオート三輪の劣化を防ぐための対策としてボディを強化したことが始まり
  • 1970年代には、豪華絢爛なデコトラが映画やメディアでもブームになるほど人気を得た
  • 環境保護や景観保護など時代の流れとともに、公道で見かけることはほとんどなくなった一方で、インターネットの普及により、海外ではアートとして受け入れられるようになったる
  • 海外ではあくまで働く車として扱われるトラックを装飾するというのは、日本の文化ともいえる
  • デコトラを購入を検討している人は、デコトラ専門店やインターネットを活用したりするのがおすすめ

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