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燃費が悪いときの燃費向上方法とは?トラックのサイズ別平均燃費一覧


物流のなかで一番活躍している車両がトラックです。
現在の物流業界に欠かせないトラックですが、家庭で使用される自動車よりも移動距離が長いため、燃費を気にする方もいるでしょう。
トラックの燃費は、どうしても乗用車より悪くなります。
その理由は、多くの荷物を運ぶため車両重量が重くなるからです。
また、トラックではディーゼルエンジンを採用しているものが多く、乗用車のようなハイブリット車はあまり普及していません。しかし、長距離を走行するトラックだからこそ、できれば低燃費で走りたいものです。
そこで今回は、トラックの燃費を向上する方法やサイズ別での平均燃費について解説していきます。

筆者・太田さん

太田 りく著者のTwitterはこちら

整備士として現場で働いている現役整備士ライターです。
所有資格は整備士3級。

現役で働いているという強みを活かし、読みやすく読者の疑問を解決できるような記事になるよう心がけています。

トラックの燃費はどれくらい?平均燃費、走行距離との関係


トラックは家庭用の自動車に比べると燃費の悪い車です。
燃費の悪い理由としては、ボディの大きさや積載量の違いが主な原因となります。

軽トラックを除くトラックは、乗用車より大きいものがほとんどです。
また、荷物を運ぶ車なので、当然、積載量も違います。
数トン単位で荷物を運ぶため、車両全体が重くなり燃費が悪いのです。

トラックと乗用車の燃費差は、乗用車が平均20Km/Lに対して、トラックは4~12Km/L
この数値は国土交通省が発表している平均燃費であり、トラックは乗用車と比べかなり低い値であることがわかります。
平均幅が大きいのは、トラックのサイズによっても燃費が違うからです。
大きいトラックは車両重量も重くなることから、小型トラックよりも燃費は下がります。

このようにトラックの燃費は車両の大きさ、運ぶ荷物量の観点から乗用車よりも大幅に低い数値なのです。

トラックのカタログに書かれている平均燃費は信じてもいいの?

トラックのカタログ燃費と実際の平均燃費には差があります
カタログ燃費とは、各メーカーが発行しているカタログに記載されている平均燃費であり、新車の発売前に走行テストを重ねて打ち出された数値です。
しかし実際にはカタログ燃費より悪いなんてことも珍しくありません。
その理由はカタログ燃費を算出する際、上り坂やデコボコ道、信号機の有無などの悪条件を想定していないからです。

カタログに打ち出す数理は、走行テストによって算出されます。
走行テストはシャシーダイナモメーターと呼ばれる専用の機器でおこなわれます。
機器の上を走らせ、『走行する距離÷給油量』の計算式を使い燃費を打ち出すのです。

走行テストでは当然、新車を用いて燃費計算を行います。
トラックの劣化による燃費悪化は想定されていませんし、道路で起こりうる信号待ち、上り坂、デコボコ道などもありません。
加えて、運転方法の違いや空気圧などトラックの状態も燃費悪化につながる大きな要因です。
そのため同じ日に作られた車両型式が全く同じトラックでも、運転手や使用方法によって大幅に燃費差が出てくることもあります。
このように燃費の算出条件が異なることから、カタログと実際の平均燃費に誤差が発生すると覚えておきましょう。

トラックは走行距離が増えるにつれ燃費や性能が悪化する

トラックは走行距離の増加に比例し燃費や性能が悪化します
これはトラックに限らずすべての車に当てはまることです。

走行距離によって燃費が悪化する理由は
・トラックが古くなる
・運転が荒い
・トラックの状態が悪い
・空気圧が低い
・積載量が多い
・路面状態が悪い
など多くの原因があります。

急加速や急発進などのような荒い運転を続けていれば、燃費の改善は望めません。
そしてこのような燃費の悪い運転は、トラックに大きな負荷を与えます。
大きな負荷が常に加わっているトラックは、各装置の劣化が加速し、さらに燃費が悪くなってしまいます。
また空気圧も燃費悪化の原因の一つです。
空気圧が低すぎると燃費が悪くなります。
空気圧が低いということは、タイヤが車両に押され潰れるので、道路との接地面積が増えます。
接地面積が増えれば、その分、路面との摩擦抵抗が大きくなり、空気圧が適正な場合に比べて、より前に進む力が必要となります。

路面状態や積載量の多さも同様です。
路面状態が悪いと前に進む力を多く必要としますし、『積載量が多い=トラックの重量増加』となるのでたくさんのパワーがいります。
このように燃費悪化につながる要因は想像以上に多いのです。
そしてトラックのメンテナンスを怠ったり、荒い運転など装置の劣化を大幅に加速する乗り方をしていると、どんどん燃費も性能も悪くなります。

そのため走行距離に比例しトラックの性能が衰え、同時に燃費も低下していきます。
プロのトラックドライバーとしての自覚を持ち、できるだけトラックに負荷の少ない運転を心がけるようにしましょう。

トラックのサイズ別平均燃費一覧


トラックの種類はさまざまです。
大きさや積載量はもちろんのこと、作られるメーカーによって名称も変わります。
大きさでいえば軽自動車である軽トラックから、10トンの積載量を持つ大型トラックまであります。
そこでシェア率の多いトラックをいくつかピックアップし、平均燃費を調べてみました。

トラックサイズ 車種 平均燃費
軽トラ 【日産】クリッパー 19.8Km/L
【スバル】サンバー 15.3Km/L
【ホンダ】アクティ  17.8Km/L
小型トラック(2t) 【いすゞ】エルフ  11.8Km/L
【ふそう】キャンター  11.6Km/L
【UD】カゼット 11.2Km/L
中型トラック(4t) 【いすゞ】フォワード  8.1Km/L
【ふそう】ファイター 7.3Km/L
【UD】コンドル 8.1Km/L
大型トラック(10t) 【いすゞ】ギガ  4.45Km/L
【ふそう】スーパーグレート 3.85Km/L
【UD】クオン 4.4Km/L

軽トラック

軽トラックの平均燃費は約17㎞/Lです
会社で使用することも多いのですが、個人使用も多く、農業をされている方もよく利用されています。

トラックのなかで一番小型なので、狭い道でも楽に移動できる点が特徴の一つです。
個人利用であれば十分な積載量を持つトラックなので、たくさんの荷物を運ぶ機会が多い方におすすめです。
軽トラックはこちらの記事で詳しく紹介しています。
軽トラのメリットやデメリットとは?購入に失敗しないおすすめモデルもご紹介!

小型トラック(2tトラック)

小型トラックに分類される2トントラックの平均燃費は約11㎞/Lです
軽トラックには劣るものの、トラックのなかでは比較的燃費のよい走りが期待できます。

小型トラックは近距離の配送業務に使用されることが多いトラックです。
小回りもきくので、住宅街などの狭い道でも走行できます。
ヤマトなどのような配送業者はもちろんのこと、店舗への商品配送や購入した商品をお客さんのもとへ届けるなど、ちょっとした場面で大活躍しています。
2トントラックはこちらの記事で詳しく紹介しています。
2トントラックの中古を選ぶ際覚えておきたい注意点とは?車両区分や維持費などもご紹介!

中型トラック(4tトラック)

中型トラックに分類される4トントラックの平均燃費は約7.5㎞/Lです
中型トラックは使い勝手のよい大きさであることから、近距離から長距離の配送に使用されます。

トラックのなかでは最も台数が多く、使用頻度の高いサイズとなっています。
拠点間の貨物の移動や配送業に加え、引越しにも使用されています。
4トントラックはこちらの記事で詳しく紹介しています。
4トントラックとはそもそも何者?中型トラックの特徴や実際に使われている業種まとめ!

大型トラック(10tトラック)

大型トラックに分類される10トントラックの平均燃費は約4㎞/Lです
トラックのなかでは最も大きいことから、どうしても燃費の悪さが目立ちます。

長距離での配送業務で使用されるトラックも大型トラックの特徴です。
日帰りでは帰ってこれない長距離搬送も多く、過酷な労働環境から常にドライバーが不足しているのが現状です。
最も多くの荷物を一度に運べるため、日本の物流産業において必要不可欠な車両となっています。

トラックの燃費が悪い場合はどうすればいい?燃費アップの秘訣とは


考えられるトラックの燃費アップ方法はたくさんあります。
運転方法の改善はもちろんのこと、給油方法を変えてみたりトラックのメンテナンス方法によっても燃費の改善が期待できます

また路面状態も燃費に大きく影響しており、燃費よく走りたいのであれば、勾配の急な坂よりも平坦な道を選ぶべきでしょう。
しかし、路面状態は自分自身ではどうすることもできません。
そのため路面以外で燃費アップにつながる方法を知る必要があります。

次の章では燃費アップにつながる具体的な対策を5つご紹介しますので、もし改善の余地があるなら今後、意識してみましょう。
しかし、現在使用しているトラックの燃費が悪いかどうかを知らなければ、改善する意味がありません。

まずは自分の使用しているトラックの実燃費を計算することから始めてみてはどうでしょうか。

使用しているトラックの燃費を計算する方法

トラックの実燃費を計算する方法は、「走行距離÷使用燃料」です。
トラックによっては燃費計が取り付けられているものもありますが、今までの合計値で割り出しているので、新しい実燃費と少しずれている場合があります。
そのためまずは現在の実燃費を算出してみることをおすすめします。

燃費の計算方法は以下のとおりです。

① 一度燃料を満タン給油します。
② トリップメーターをゼロに戻しておきます。
③ 次の給油まで走行をしていきます。なるべく長い距離を走行するように心がけましょう。
④ 再び満タンまで給油します。満タンまで入った給油量を覚えておきましょう。
⑤ ここで実燃費を出していきます。計算式は、走行距離÷給油量となるため「トリップメーターの走行距離÷給油量」で計算できます。

実燃費を計算し、上記でご紹介したトラックの大きさによる平均燃費より大幅に低い値の場合、改善する余地はあるでしょう。
では具体的にトラックの燃費を向上する方法をご紹介していきます。

トラックの燃費を向上する具体的な方法5選!

トラックは普通車と比べて、走る距離が長くサイズも大きいので、なるべく面倒な給油は避けたいですよね。
そこで燃費の向上につながる方法をご紹介していきたいと思います。

適切なタイミングでのシフトアップ

適切なタイミングでシフトアップを行えば燃費を向上することができます
低いギアから高いギアに上げることをシフトアップといいますが、シフトアップのタイミングの悪さで、動力のロスが生じ燃費が悪くなります。

具体的には、速度が上がりきっていないのにシフトアップしたり、回転数が上がっているのに低いシフトで運転しているなどです。
また、できるだけ高いギアでの走行を心がけるだけでも燃費アップが期待できます。
MT車に必要な運転スキルですが、速度に合わせたシフトチェンジが大切です。

燃料を給油するとき満タンにしない

燃料を給油するとき満タンにせず、半分程度に抑えることで燃費を向上することができます。

頻繁に給油するのは手間なので、ついつい満タン給油をしてしまうと思います。
しかしトラックの燃料タンクは100~400Lとかなり大きいため、満タンにするとそれほど余分な重さを抱えてしまうのです。

そのため満タンにするのではなく、燃料を半分程度に抑えることをおすすめします。
半分にすることで、車両重量が軽くなり燃費アップが期待できます。
ただしこの方法を採用する場合、注意が必要です。
燃料を入れる頻度が上がることでルートを変更しなければならない場合や、高速道路を使った長距離ドライブなどでガス欠になりそうであればおすすめできません
自分の配送ルートや手間などを考慮し、燃費アップにつながりそうであれば採用してみましょう。

トラックメンテナンスをしっかりと行う

トラックのメンテナンスを怠ると燃費の悪さにもつながっていきます

例えばエンジンオイルをこまめに変えていない場合、エンジンオイルの汚れにより、エンジンの調子が悪くなり落ちてしまいます。
その理由はエンジン自体の劣化速度が速まってしまうのはもちろん、汚れなどによりエンジンがスムーズに動かなくなるからです。
またトランスミッションなどもエンジンオイルと同じように、適切な時期でオイルを交換しておかなければなりません。

他にもクーラントの補充や交換、タイヤの摩耗などメンテナンスを怠ることによる燃費悪化や故障のリスクは多岐にわたります
そのため定期的に整備工場へ持っていき、トラックの状態を確認しておきましょう。

タイヤの空気圧を適切に保つ

タイヤの空気圧が低すぎる場合も燃費を悪くしてしまいます。
通常トラックの空気圧は、小型トラックで5~6Kg、中型トラックで7~8Kg、大型なら8.5~10Kgです。
もし荷物をたくさん積む場合、さらに多めの空気圧にしておく必要があるでしょう。

タイヤの空気圧が低すぎると、タイヤの設置面積が必要以上に増えるので摩擦抵抗により燃費が悪くなります。
加えて空気圧を適切に管理していなければ、タイヤの劣化も加速し、結果、タイヤの交換サイクルは短くなります。
そのため常に適切な空気圧にしておく必要があるのです。

タイヤのメンテナンスを怠ると、事故につながる可能性が高くなり危険です。
こまめに空気圧を調整し、スムーズな走行を心がけましょう。

急発進や急加速を行わない

急発進や急加速も燃費悪化の原因の一つです。
トラックに関わらず車が動くうえで一番燃料が必要なタイミングは、停車時からの発信と、急激に加速した場合です。

アクセルを最大に踏み込むと、通常運転の3倍の燃料を消費するため、急加速せずスムーズに発進することで燃費向上につながります。
また、『スピードを上げる=たくさんの燃料を使う』ため、必要以上にスピードを出しすぎるのもよくありません。
スムーズな発進や加速を行い、安全運転で走行しましょう。

燃費のよいハイブリッドトラックも登場!


近年では普通乗用車のハイブリッド車が多く販売されていますが、トラックでもハイブリッド車はどんどん出てきています。
トラックにおいてはいすゞのエルフや日野のプロフィアなどから、高機能なハイブリッドトラックが登場しています

ハイブリッドトラックはまだまだ台数は多くありません。
また大型車での販売もないため、ハイブリッドトラックの普及率は低い現状です。
しかし、乗用車での普及が拡大している現在では、将来的にトラックでもハイブリッドの時代がくると予想されます。

まとめ


トラックの燃費は、大きさによって幅があります。
加えて運転方法や路面状態、トラックの状態が悪ければ当然、燃費も悪くなります。

ドライバーにとってトラックの燃費は気になる項目の一つでしょう。
できれば燃費のよいトラックに乗りたいと思っているドライバーも多いはず。
今使用しているトラックの燃費が悪ければ、この記事でお伝えした燃費を向上する方法を積極的に活用しましょう。
燃費のよい走行はトラックだけでなく、安全に走行するうえでも大切な項目ばかりです。
運転方法やメンテナンスを見直し、安全でスムーズ な運転を心がけましょう。

  • トラックは乗用車に比べ燃費は悪い
  • トラック全体の平均燃費は4~12Km/L
  • 燃費の計算方法は「走行距離÷使用燃料」
  • 燃費を改善するためには運転方法だけでなくトラックのメンテナンス方法も見直す必要がある

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