とことんブログ とことんブログ

密閉構造で高い輸送品質を実現!パネルバントラックの構造やパネルの素材とは?

密閉構造で高い輸送品質を実現!パネルバントラックの構造やパネルの素材とは?
トラックの典型的なボディタイプとして多くの方が思い浮かべるのは、荷台部分が露出している平ボディと呼ばれるボディタイプではないでしょうか。平ボディのトラックは形にとらわれずさまざまな形の積み荷を積載できますが、積み荷が風雨の影響を受けやすいのが弱点です。
輸送業務に対して高い輸送品質が強く求められる現在、荷台部分にパネル製荷室を搭載するボディタイプに対するニーズが高まりを見せているので、荷台部分にパネル製荷室を搭載するトラックであるパネルバンの構造やパネルに使用される素材などを紹介します。

トラックの車両後部に密閉構造の荷室を搭載するパネルバンとは?

トラックの車両後部に密閉構造の荷室を搭載するパネルバンとは?
数多く存在するトラックのボディタイプの中で、荷台部分にパネル製荷室を搭載するトラックはパネルバンと呼ばれるボディタイプに分類されます。密閉構造の荷室を搭載することで積み荷を風雨に晒すことなく輸送することができることや、積み荷を庫内に積載することで荷崩れし難くなり、落下・飛散リスクが抑えられるのが特徴です。

またパネル製荷室は開口部を施錠することで高い防犯性能を発揮することから、送り状に住所氏名などの個人情報が記載され、高級品の取扱いも行う宅配業務や大量の商品を取り扱う配送業務に求められる輸送品質の向上を実現するボディタイプだと言えるでしょう。

パネルバンの開口部は?パネルバンの一般的な構造とは?

パネルバンと呼ばれるボディタイプは、荷台部分にパネル製コンテナを積載したトラックを想像するとイメージしやすいでしょう。一般的な荷室はパネルで囲った外装とコンパネ材の内装で構成され、荷室後部に大きな開口部が設置され側面にドア式の開口部が設置されるタイプも珍しくありません。

荷室後部の開口部は観音開きやシャッター式が採用されますが、収納したプラットフォームを利用した上下開きの開口部を持つパワーゲート搭載車も存在します。

パネルバンをベースとする派生車両も存在する

密閉構造のパネルバンは,
庫内環境のコントロールが行いやすいため、パネルバンをベースに断熱構造を施した保冷車や保冷車に冷却装置を搭載した冷凍冷蔵車など、さらに高い輸送品質を実現する派生車種も存在します。

パネルバンから派生した保冷車や冷凍冷蔵車の庫内は断熱処理後にパネルやステンレス板を張り付けるなどの加工が行われ、一般的なパネルバンとは異なる構造となりますが基本構造はパネル製荷室のパネルバンが流用されています。

トラックにパネル製荷室を搭載するメリットとデメリットとは?

トラックにパネル製荷室を搭載するメリットとデメリットとは?
トラックの荷台にパネル製荷室を搭載するパネルバンは積み荷を綺麗に安全に輸送できる反面、パネル製荷室の存在で積載可能な積み荷の形状に制約が生じることや荷役作業が開口部に限定されるのも現実です。

パネルバンに分類される荷台部分にパネル製荷室を搭載するトラックのメリットやデメリットを紹介します。

トラックの荷台にパネル製荷室を架装するメリット

既述のとおりパネルバンのトラックは、積み荷を風雨に晒すことなく輸送できることや開口部を施錠すれば高い防犯性能で積み荷を安全に管理できることなどで輸送品質の向上を実現できます。

また平ボディのように荷台部分にトラックシートをかける必要がないため、荷物の積み下ろしが簡単であることは大きなメリットだと言えるでしょう。輸送業務に対して高い輸送品質が強く求められる現在の時代にマッチしたボディタイプの1つにパネルバンは該当すると言えるのではないでしょうか。

トラックの荷室にパネル製荷室を架装するデメリット

パネルバンは輸送品質の向上が大きく期待できトラックシートをかける必要がないため荷物の積み下ろしが簡単に行えるものの、パネル製の荷室に搭載される開口部が限定的で荷台が露出する平ボディのように積み荷の形状を問わずに積載することはできません。

また車両重量にパネル製荷室の重量が加わるため、シンプルな構造の平ボディと比較すると同じモデルのトラックでも最大積載量が減少するのもパネルバンのデメリットだと言えるでしょう。

パネルバンのパネルには積み荷を保護する強度と共に軽量であることが求められる

パネルバンのパネルには積み荷を保護する強度と共に軽量であることが求められる
走行中のトラックが受ける風の抵抗は決して小さくないため、パネルバンに搭載される荷室には積み荷を安全に保護できるだけの強度が必要となります。しかしパネルバンのデメリットとして既述した最大積載量の減少を抑えるために、トラックの荷室を構成する素材は強度と共に軽量であることが求められます。

堅牢さと軽量であることという相反する条件を満たすために、パネルバンの荷室構造や用いられる素材の研究、改良が長年推し進められてきたことから、現在国内で運行するパネルバンの構造やパネル素材は完成の域に達していると言えるでしょう。

パネルバンの荷室を密閉するパネルの材質は?

パネルバンの荷室は外壁と内壁で構成されており外壁には化粧板パネルやアルミ板パネルが使用され、内壁にはコンパネなどの木材素材が使用されています。外壁素材の中でも堅牢さと軽量であることが求められるパネルバンの外壁素材には、アルミ板が使用されるのが一般的です。

アルミは軽量で防腐食性の高い金属ですが、薄板の状態では強度が確保し難いため波上にコルゲート加工されたアルミ板がアルミバンに使用されるケースが多く、コルゲート加工が施されたアルミ製荷室を搭載するパネルバンが一般的だと言えます。

一般的なパネル素材がアルミであることからパネルバンはアルミバンとも呼ばれる

既述のとおりパネル製荷室に求められる堅牢さと軽量であることという相反する条件を満たすのがアルミ板であることから、パネルバンの多くがアルミ製荷室を搭載するアルミバンと呼ばれるタイプのものです。

アルミは防汚性も高いことからトラックの荷室を綺麗に保つために、アルミ板は最適のパネル素材であると言えるでしょう。多くのパネルバンの外壁にはアルミ板パネルが使用されることから現在はパネルバンではなくアルミバンと呼ばれることも珍しくありません。

走行中に荷室部分に生じる風の抵抗は導風板で軽減できる

走行中に荷室部分に生じる風の抵抗は導風板で軽減できる
トラックの走行中に発生する空気抵抗は決して小さくないため、荷室を構成するパネル素材には堅牢さが求められることは既に紹介しましたが、荷室を搭載するパネルバンに生じる空気抵抗はトラックの燃費性能悪化にも繋がります。

環境問題が注目され,
環境性能向上に直結する高い燃費性能はトラックにも強く求められますし、燃費の悪いトラックを運行させるランニングコストは馬鹿にできないものであることからもパネルバンに生じる空気抵抗は深刻な問題だと言えるでしょう。

しかしパネルバンやアルミバンなど荷室搭載構造のトラックに生じる空気抵抗の問題はキャビン上部に荷室の風防ともいえる導風板を設置することで飛躍的に改善されるのも事実です。

パネル製荷室や導風板の製造・取付けは架装メーカーで行われる

荷室を搭載するボディタイプにはパネルバン以外にも荷室側面を大きく開放できるウイングボディが存在しますが、パネルバンやウイングボディのトラックのキャビン上部に荷室上部近くまで伸びる樹脂製容器が接地されるのを目にした経験があるのではないでしょうか。

キャビン上部に設置される樹脂製容器が導風板と呼ばれる装置で、パネル製荷室の製造・販売を行う架装メーカーを中心に製造されています。パネルバンの荷室部分はトラックメーカーではなく架装メーカーが製造・取付けを行うため、ベース車両や荷室の仕様で異なるキャビン上部と荷室上部の高さに対応した専用導風板は架装メーカーで製造されます。

汎用品の導風板も存在しますがトラックの受ける空気抵抗に耐える高い耐久性や空気抵抗を効率的に下げるためには、架装メーカーが製造する導風板の取付けが理想的だと言えるでしょう。

架装を施すパネルバンは平ボディより多くの製造コストや製造期間が必要

トラックはトラックメーカーで製造されるイメージを強く持つ方が少なくないようですが、トラックメーカーが製造するのはエンジン・トランスミッション・キャビンとこれらを搭載するシャーシ部分で荷台や荷室は架装メーカーによって製造・取付けが行われます。

現在はトラックメーカーの標準仕様として平ボディやドライバン・アルミバンとも呼ばれるパネルバン、ウイングボディやダンプミキサー車まで用意されているケースもありますが、荷台部分の製造取付けはあくまで架装メーカーが行います。

シンプルな構造の平ボディと比べるとアルミバン・ドライバンなどのパネルバンは、残念ながら製造に時間がかかり製造コストが車両価格に反映され車両価格が高額になる傾向にあると言えます。

トラックのボディタイプを決定する架装とは?架装の種類を大紹介!輸送品質向上のために必要なパネルバン導入コストを抑えることは可能?

各種サービスに対してより高い品質のサービス提供を求めるのが現在の消費者ニーズであることから、今後輸送業務にはさらに高い輸送品質が強く求められるようになることは想像に難くないと言えるでしょう。

現状のパネルバンは既に完成の域に達していると言っても過言ではないため、当面はパネルバン導入で顧客ニーズに応えることは可能だと考えられますが、パネルバンの導入は輸送業務に求められる必須条件になりつつあるとも言えるでしょう。

パネルバン導入によって顧客ニーズに応えるために求められる条件を満たすことはできます。しかし決して安くない導入コストに頭を痛める方も少なくないと予想されますが、中古トラック販売店を活用することでパネルバン導入コストを大きく抑えることができます。

中古トラック市場には多くのパネルバンが流入している!

既に国内を運行するトラックの多くがパネル製荷室を搭載するパネルバンですので、中古トラック市場には安定して多くの中古パネルバンが流入しています。中古トラックの市場価格には需要と供給が大きく影響するため、供給量が多い中古トラックは比較的リーズナブルな価格で購入できるチャンスが多いことを意味します。

新車購入のハードルが高めのパネルバンですが大手企業から定期的に中古トラック市場に放出される中古パネルバンの数が少なくないことから、中古トラック販売店を利用することでパネルバン導入コストを効果的に抑えることが可能となります。

中古トラック販売店活用がパネルバン導入の効率化に効果的!

輸送業界に対して求められる高い輸送品質の実現という顧客ニーズは、今や看過することができないほど強くなっていると言えるでしょう。顧客満足度を高めることが輸送業務に従事するトラックドライバーに対しても求められ、パネルバン導入は「待ったなし!の絶対条件」と捉えるべきでしょう。

逆説的に考えればパネルバン導入を実現し顧客満足度を向上させることで、ビジネスチャンスを掴むことができるということですから中古トラック販売店を効果的に活用してパネルバンとビジネスチャンスを手に入れてみてはいかがでしょうか。

まとめ

高い輸送品質を実現するパネルバンは輸送業に欠かせないマストアイテムになりつつあると言えます。パネルバン導入の際に注目すべきポイントは次に挙げる3つですので、3つのポイントを参考に効果的なパネルバン導入を行ってくださいね。

  • パネルバンには保冷車・冷凍冷蔵車などの派生車種が存在する
  • パネルバンのパネルに適した素材はコルゲート加工のアルミ板
  • パネルバン導入は中古トラック販売店の利用がおすすめ

関連する記事

  1. 中古トラック販売のトラック流通センター
  2. とことんブログ
  3. 中古トラックの基礎知識
  4. トラックの種類やしくみ
  5. 密閉構造で高い輸送品質を実現!パネルバントラックの構造やパネルの素材とは?