パッカー車のおすすめメーカーと人気モデル中古車両購入時のチェックポイントをご紹介!
ゴミ収集業務で活躍する特殊車両がパッカー車です。特殊車両のパッカー車は車両価格や納期の問題を考えると中古トラック販売店が取り扱う中古車両の購入がおすすめですが、特殊車両だけに中古車両購入時の車両確認は重要なポイントとなります。中古パッカー車チェックの参考になるように、パッカー車の特徴や中古車両のチェックポイント、中古トラック市場で人気の高いパッカー車のベース車両メーカーやモデルなどを紹介します。
廃棄物収集業務に用いられるパッカー車とは?
車両後部に収集するゴミを投入すると機械的にゴミを圧縮し荷室へ収納する作業車両は車検証の形状記載では塵芥車(じんかいしゃ)と表記されますが、一般的にはゴミ収集車やパッカー車と呼ばれています。
国内で生活をおくるほとんどの方はパッカー車のお世話になっているはずですが、多くの方はパッカー車に対する知識を持っていないのではないでしょうか?まずはパッカー車の名前の秘密を紐解いて紹介します。
パッカーとは?パッカー車の名前は英語由来?
パッカー車という呼び名の由来には英単語語源説や商標語源説など諸説が存在しますが、「詰め込む」を意味する英語のPackが語源となっているのではないかという説が有力だと言われています。
ただし英語圏でゴミ回収車がパッカー車と呼ばれている事例が見当たらないのも事実で、ゴミ収集車がいつからどのような理由でパッカー車と呼ばれ始めたのかは残念ながら不明です。
パッカー車は通称?正式名称とは?
パッカー車にはゴミ回収車や塵芥車、塵芥収集車などの呼び方も存在しておりどの呼び名が正式名称であるかの判断が難しいところです。メーカー表記は塵芥収集車、社会的総称はゴミ収集車やパッカー車ですが、車検証の表記が塵芥車であることからパッカー車の正式名称は塵芥車であると考えるべきでしょう。
圧縮しながら廃棄物収集を行うパッカー車のメカニズムは?
車両後部に投入した廃棄物を機械的に圧縮し効率よく回収作業を行えるのがパッカー車の特徴ですが、一見同じように見えるパッカー車は廃棄物の圧縮方式によって3種類に分類されます。
パッカー車の廃棄物圧縮方式は3種類
既にふれたように車両後部の投入口に投入された廃棄物は機械的に圧縮された後に、荷室へ収納されるため効率的に収集作業を行うことができます。この圧縮方法にはプレス式・巻き込み方式・荷箱回転方式と呼ばれる3つの方式があり、パッカー車は圧縮方式で分類されます。
プレス式
プレス式は圧縮板方式とも呼ばれ投入された廃棄物を、投入口の底部と前壁の2ヶ所で圧縮板が2段階に圧縮するタイプのパッカー車です。力強い圧縮版の動きで家庭ゴミや家具・冷蔵庫などの粗大ゴミも粉砕・圧縮します。
巻き込み方式
巻き込み方式は回転板式とも呼ばれる方式で、プレス式の圧縮板の代わりに回転版と呼ばれる板が投入される廃棄物を圧縮します。プレス式よりも圧縮力が弱く、廃棄物を荷室へ掻き込むイメージのパッカー車で、家庭ゴミなどの一般廃棄物の収集に適しています。
荷箱回転方式
荷箱回転方式はロータリー式とも呼ばれる方法で、洗濯用乾燥機のドラムのような円柱ドラムが回転しながら廃棄物を荷室へ移送します。圧縮工程がないため積載量が小さく作業効率が良くないと言われるパッカー車で、家庭ゴミなどの収集に用いられています。
収集した廃棄物の排出方式は2種類
投入した廃棄物の圧縮方式でパッカー車は3種類に分類されますが、収集した廃棄物を荷室から排出する排出方式も2種類あります。
押し出し方式
車両後部を大きく開口し荷室に搭載された排出板のピストン運動で、車両前方から開口部に向かって廃棄物を機械的に押し出す排出力が高い排出方式です。
ダンプ方式
車両後部を大きく開口した状態でダンプカーのように荷室前部を持ち上げ、廃棄物を流し降ろします。機械的排出方法ではないため排出力が弱い排出方式です。
中古パッカー車購入時のチェックポイントとは?
特殊な架装を搭載するパッカー車は車両価格が高価となる上に、オーダーメイドに近い方法で製造されるため納車までに時間を要します。比較的リーズナブルに急な乗り換えなどに対応できるのが中古トラック販売店で取り扱われる中古パッカー車の購入だと言えるので、中古パッカー車購入時のチェックポイントを紹介します。
ベース車両のチェックポイント
作業車両のパッカー車ですがベース車両に用いられているのは通常のトラックですので、一般的な中古トラック購入時に行うチェックポイントを確認する必要があります。
最大積載量に影響するベース車両の車両区分は重要
廃棄物収集業務の作業効率を向上させるためには少しでも多くの廃棄物を積載したいものですが、ベース車両の車両区分でパッカー車の最大積載量が異なるので使用用途にあった車両区分のパッカー車を購入すべきです。
廃棄物収集機能のチェックポイント
パッカー車の主要機能は廃棄物の圧縮と荷室への積載ですので、既に紹介した3種類の圧縮方式でどの方式の圧縮を行うかの確認は重要ポイントだと言えます。また特殊車両であるパッカー車の機能確認も慎重に行うべきだと言えます。
押し込み板の摩耗は要チェック
圧縮板方式や巻き込み方式では圧縮板や回転板と呼ばれる押し込み版が投入した廃棄物の圧縮を行いますが、押し込み板は先端が摩耗するため摩耗したものでは細かな廃棄物を取りこぼしてしまいます。押し込み板の摩耗が進み具合は要チェックです。
回転板の単動・連動切り替えスイッチ
圧縮板や回転板の起動は単起動と連続起動で切り替えることができます。巻き込み事故防止のため家庭ゴミ収集業務での使用は禁止されていますが、産業廃棄物収集や造園業でパッカー車を使用する場合は便利な機能ですので、スイッチの有無は確認しておきましょう。
汚水排出口の有無
不燃ゴミや粗大ゴミ回収の場合は問題ありませんが、家庭ゴミ回収に用いるパッカー車は荷台に汚水が溜まりやすく不衛生なため汚水排出口の有無は重要なチェックポイントです。荷室内部を洗浄した際も汚水排出口があればメンテナンスが簡単だと言えます。
中古トラック市場で人気の高いパッカー車のベース車両メーカーやモデルは?
中古トラック市場には多くのパッカー車が流入していますが、中でも人気の高いベース車両のメーカーやモデルが存在するので紹介します。
日野自動車
小型クラスから大型クラスまで幅広いトラックの製造販売を行う、商用車両専門メーカーが日野自動車です。パッカー車のベース車両にも日野のトラックシリーズは数多く採用されています。
デュトロ
1999年に発表された小型トラックシリーズのデュトロは後発モデルながら小型クラスの人気モデルへ上り詰め、パッカー車のベース車両にも数多く採用されています。
レンジャー
1964年に発表された中型トラックシリーズのレンジャーは50年以上製造販売されるロングセラーモデルで、パッカー車のベース車両としての採用例も数多い人気モデルです。
いすゞ自動車
古くから「ディーゼルのいすゞ」として親しまれたいすゞ自動車は2002年に国内の乗用車市場から撤退し、商用自動車専門メーカーへ生まれ変わりました。多くのいすゞのトラックシリーズがパッカー車のベース車両として活躍しています。
エルフ
1959年に発表された小型トラックシリーズのエルフは1975年に2トンクラスのトップシェアに輝いて以降、小型キャブオーバータイプの代表的存在として位置付けられ多くのパッカー車のベース車両に採用されています。
フォワード
1970年に発表された中型トラックシリーズのフォワードは歴代モデルに初採用となる新技術を投入し続け中型クラスの技術革新を牽引するモデルとして高い評価を受け、多くのパッカー車のベース車両にも採用される人気モデルです。
三菱ふそう
三菱自動車工業から2003年にトラックやバス部門が独立し、商用車両専門メーカーとして生まれ変わったのが三菱ふそうトラック・バス株式会社です。三菱製トラックは多くのパッカー車のベース車両にも供給されています。
キャンター
1963年に発表された小型トラックシリーズのキャンターは経済性に優れた低燃費エンジンを搭載することから高く評価され、多くのパッカー車のベース車両に選ばれる人気モデルだと言えます。
ファイター
1959年発売のTシリーズをルーツとする中型トラックシリーズとして1984年に発表されたファイターは、競争の激しい中型クラスの中でも大きな存在感を示す人気モデルとしてパッカー車のベースモデルにも多数採用されています。
まとめ
新車価格が高額で納車まで時間がかかるパッカー車は中古トラック販売店で中古パッカー車を購入するのがおすすめですが、中古車両購入の際には次に挙げる3つのポイントに注意して下さい。
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- 3種類の圧縮方式の中で最も圧縮力が高いのは圧縮板方式
- 廃棄物の排出力は機械的に排出する押し出し方式の方が高い
- 廃棄物の最大積載量に影響するパッカー車の車両区分は要チェック