大型ダンプ(10トンダンプ)を徹底解説|サイズ・各メーカーの特徴・価格・レンタル
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大型ダンプ(10トンダンプ)は、建設現場で使用されることが多く、地下からクレーンでつり上げた土砂を、建設現場外へ運ぶために使われます。人の手を使わずとも、大量の土砂を一気に降ろせるダンプは、建設現場ではなくてはならない存在です。本記事では、大型ダンプ(10トンダンプ)のサイズや人気車種、価格などを詳しく解説しています。
そもそもダンプとは?
ダンプとは、荷台を傾けられるトラックのことです。トラックの荷台部分に、自動で荷台を傾ける装置が取り付けられています。
ダンプという名前は、英語の「dump(投げ落とす)」に由来します。荷台を傾け、積載物を降ろす姿が投げ落としているように見えることから、この名前で呼ばれるようになったようです。
ダンプは和製英語で、海外では「dump truck(ダンプトラック)」という名前が付いています。
ダンプは、建設現場で使用されることが多い車両で、土砂や木材、石材などを運ぶイメージが強いかもしれません。しかし、ダンプのなかには土砂を運んではいけない「土砂禁ダンプ」もあります。
土砂禁ダンプは、積載量に制限があり、リサイクル回収のペットボトルなどを運ぶなどの用途で活躍しています。
<土砂禁ダンプについてこちらの記事で詳しく解説しています>
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ダンプの大きさ(大型・中型・小型)
ダンプは、サイズ別に大型・中型・小型に分かれています。
それぞれの具体的な特徴を解説します。
大型ダンプは10トンダンプのこと
大型ダンプとは、最大積載量が10トンのダンプのことです。ただし、法律による明確な決まりはなく、最大積載量7〜11トン以上のものを、まとめて大型ダンプと呼ぶのが一般的です。
実際に公道を走っている大型ダンプのサイズ目安は、以下のとおりです。
■10トンダンプのサイズ目安
最大積載量 | 長さ | 幅 | 高さ |
約7.8〜8.8トン | 約763〜770cm | 約249cm | 約342〜349cm |
<大型トラックについてこちらの記事で詳しく解説しています>
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中型ダンプは4トンダンプのこと
中型ダンプとは、最大積載量が4トンのダンプのことです。大型ダンプと同様に、法律による明確な決まりはなく、最大積載量4〜5トン程度のものを、まとめて中型ダンプと呼びます。
実際に公道を走っている中型ダンプのサイズ目安は、以下のとおりです。
■ 4トンダンプのサイズ目安
最大積載量 | 長さ | 幅 | 高さ |
約3.7〜3.8トン | 約763〜800cm | 約190〜249cm | 約320〜349cm |
<中型トラックついてこちらの記事で詳しく解説しています>
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小型ダンプは2トンダンプのこと
小型ダンプとは、最大積載量が2トンのダンプのことです。小型ダンプも、法律による明確な定義はありません。最大積載量2〜3トン程度のダンプの通称です。
実際に公道を走っている小型ダンプのサイズ目安は、以下のとおりです。
■2トンダンプのサイズ目安
最大積載量 | 長さ | 幅 | 高さ |
約2トン | 約460cm | 約170cm | 約190cm |
<小型トラックについてこちらの記事で詳しく解説しています>
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10トンダンプはレンタルできる?価格は?
10トンダンプはレンタルが可能です。レンタル料は、1日あたり約35,000円で、1ヵ月だと約25万円と、決して安価ではありません。
また、10トンダンプを貸し出してくれる業者は限られています。
レンタカーショップやリース会社では、小型・中型サイズのダンプしか取り扱っていなかったり、ダンプ自体の取り扱いがない場合が多々あります。
重機のレンタルを専門としている業者であれば、比較的取り扱っている可能性が高いです。
10トンダンプをレンタルするには、ランニングコストがかかるうえ、借りるハードルも低くありません。
長期的に利用する予定がある場合は、中古車両の購入を検討してもよいでしょう。
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10トンダンプは中古車がおすすめ
業務に必要な10トンダンプを用意するなら、中古車両の購入がおすすめです。新車の10トンダンプの購入費用は、1,500万円以上となるケースが多いのに対し、中古車であれば300万円程度で購入できることもあります。
また、先ほど解説したように、10トンダンプをレンタルしようと思うと、月々25万円程度の費用がかかります。
1年間だと、約300万円の費用が必要になる計算です。
予算に余裕がある場合は、新車の購入がおすすめですが、なかなか難しい場合も多いと思います。
そのような場合で、1年間以上10トンダンプを利用するなら、中古車の購入を検討してみてください。中古車なら、お得に10トンダンプを手に入れることができます。
トラック流通センターは、日本全国の車両をご紹介できるネットワークがあるため、情報が未公開のトラックをご紹介することも可能です。
品質の良いトラックだけを扱っており、業界最長となる1年間の保証もご用意しております。信頼できる販売業者かクレーン車、クレーン付きトラックを購入したい場合は、ぜひ一度お問い合わせください。
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10トンダンプの人気メーカー
10トンダンプは、トラックメーカーから販売されています。国内で人気の車種を扱っているのは「いすゞ」、「日野」、「三菱ふそう」の大手3社です。
次の項目で、それぞれのメーカーと、具体的な車種について解説します。購入時の目安にしてみてください。
いすゞ
いすゞからは、大型トラックの人気車種「ギガ」シリーズのダンプが販売されています。
いすゞのトラックは、エンジン性能の高さが魅力です。良質な大型ディーゼルエンジンを採用しており、上り坂でも気持ちよく走行できます。
■ギガシリーズの中古10トンダンプ参考スペック
年式 | H24 | 走行距離 | 70.9万km |
積載 | 8.9トン | 型式 | LKG-CXZ77AT |
内寸(mm) | 5,090×2,200×880 | 架装 | 新明和 |
排気量 | 9,830cc | 馬力 | 400ps |
シフト | MT8 | 燃料 | 軽油 |
低床/高床 | – | 駆動方式 | 6×4 |
車検 | R4.2 | リサイクル券 | 13,930円 |
※あくまで一例です。
<いすゞギガ10トンダンプの販売価格やラインナップはこちらから>
日野自動車
日野自動車からは、大型トラックの「プロフィア」シリーズのダンプが販売されています。トヨタの連結子会社である日野自動車。
ハイパワーかつ低振動で耐久性のある車両が特徴です。
■プロフィアの中古10トンダンプの参考スペック<
年式 | H23 | 走行距離 | 71.1万km |
積載 | 8.7トン | 型式 | LKG-FS1EKAA |
内寸(mm) | 5,300×2,200×480 | 架装 | 新明和 |
排気量 | 12,910cc | 馬力 | 380ps |
シフト | MT7 | 燃料 | 軽油 |
低床/高床 | – | 駆動方式 | 6×4 |
車検 | 車検切れ | リサイクル券 | 13,930円 |
※あくまで一例です。
<日野プロフィア10トンダンプの販売価格やラインナップはこちらから>
三菱ふそう
三菱ふそうからは「スーパーグレード」シリーズの10トンダンプが販売されています。
ノイズが少なく、長距離運転のストレスが軽減される車。シート周りの心地よさに配慮された設計が特徴です。
■スーパーグレードの中古10トンダンプの参考スペック
年式 | H19 | 走行距離 | 105万km |
積載 | 9.1トン | 型式 | PJ-FV50JX |
内寸(mm) | 5,300×2,200×500 | 架装 | 極東 |
排気量 | 12,880cc | 馬力 | 380ps |
シフト | MT7 | 燃料 | 軽油 |
低床/高床 | – | 駆動方式 | 6×4 |
車検 | 車検切れ | リサイクル券 | – |
※あくまで一例です。
<三菱スーパーグレード10トンダンプの価格やラインナップはこちらから>
土砂の運搬には申請が必要(ダンプ規制法)
10トンダンプで土砂を運ぶには、国土交通大臣へ届け出なければなりません。
「土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法(通称:ダンプ規制法)」により定められているからです。
ちなみに、申請は各地域管轄の運輸局にておこないます。
申請が必要な自動車は「土砂等を運搬する大型自動車(最大積載量が5,000kgまたは車両総重量が8,000kgを超えるもの)」
(引用元:近畿運輸局京都運輸支局「大型ダンプ車両の届出について」)です。
詳しい申請方法は、地方運輸局のサイトで調べるか、問い合わせしてみましょう。
自重計の取付と点検
ダンプ規制法の内容を簡単に説明します。ダンプ規制法第6条では、土砂などを運ぶ大型自動車に自重計の取り付けが義務付けられています。
取り付ける自重計は、経済産業省令・国土交通省令で定める技術基準に適合する積載重量のものでなければなりません。
自重計の点検についても決まりがあります。
取り付けた自重計は、技術基準に適合すると認められた日から1年ごとに点検しなければなりません。
表示番号等の表示(ゼッケン)
土砂運搬の申請をすると「ゼッケン」が交付されます。ゼッケンとは、ダンプの荷台の後方と側面に表示する記号のことです。
地名と用途、数字の組み合わせで交付されます。
ゼッケンは、車両が土砂禁ダンプではないことを示しており、ゼッケンなしの車両で土砂などを運ぶことは違法です。
(参考元:国土交通省・公益社団法人全日本トラック協会「土砂等を運搬する大型自動車を使用される皆様へ!」)
10トンダンプには大型免許が必要
10トンダンプを運転するには、大型免許が必要です。ダンプは荷台が傾く特殊な構造を持っていますが、特殊免許を所持していなくても運転・操作ができます。
下の表が、大型・中型・小型ダンプの運転に必要な免許一覧です。
■ダンプの運転に必要な免許
サイズ | 車両重量 | 最大積載量 | 必要な免許 |
小型ダンプ | 5トン未満 | 3トン未満 | 普通免許 |
中型ダンプ | 8トン未満 | 5トン未満 | 中型(8トン)限定免許 |
中型ダンプ | 5〜11トン | 3〜6.5トン | 中型免許 |
大型ダンプ | 11トン以上 | 6.5トン以上 | 大型免許 |
(参考元:国土交通省「自動車の種類」)
大型免許は、普通免許(MT)、準中型免許、中型免許のいずれかを取得してから3年以上経過しなければ取得できません。
免許の取得方法には、自動車教習所に通う方法のほか、合宿免許に参加する方法や一発試験を受ける方法があります。
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10トンダンプ運転手の仕事
10トンダンプを運転するダンプ運転手の仕事内容を紹介します。基本的には、建物やダムの建設現場で発生した土砂や廃棄物を運搬するのが仕事です。
出勤後、車両点検・アルコールチェック・体温チェックをし、ダンプに乗って荷物を積む現場に行きます。通常、ひとつの現場には複数のダンプが手配されており、順番に荷物が積まれていきます。
積載の順番待ちをし、ショベルカーなどで荷台に土砂などを積載してもらったら、荷物を降ろす現場に向かいます。2つめの現場で荷降ろし後、営業所に戻って洗車や車両点検をするのが、1日のおおよその流れです。
その他、書類の記入などの関連業務が発生することもあります。
10トンダンプ運転手の求人情報
実際に10トンダンプの運転手として働く場合、どのような求人があるのか見てみましょう。日本のダンプドライバーの平均年収は、約3,750,500円です。月給にすると、約31万円程度になります。
これは、ダンプ以外の大型トラック運転手の給料と同等です。
ちなみに、ダンプドライバーの求人のなかで、最も給料が高い地域は兵庫県赤穂市で、平均4,320,000円と、日本平均より60万円ほど高くなっています。
業種は、建築・土木・建設業や、配送業、引越し業などがメインです。
応募条件として、大型免許を必須としている求人が多く、ダンプの運転経験のある人が歓迎されやすくなっています。
ダンプに土砂などを積み込む際、ショベルカーを利用する場合が多いことから、重機の作業経験も歓迎条件として挙げられることが多いです。
(参考元:indeed)
ダンプの交通事故事例
ダンプは、通常の乗用車に比べて車体が大きく、荷台の形状が特殊な車両です。そのため、通常の乗用車やトラックでは発生しにくいケースの事故が起きてしまうことがあります。
ここからは、実際に起きた事故事例を紹介します。
ダンプの荷台が電線に引っかかったケース
ダンプが電線に引っかかり、電柱2本が倒れる事故が発生したことがあります。
荷台に溜まった水を排水しようと、荷台を傾け、元の状態に戻したあとに発進しようとしたところ、電線に絡まりました。
荷物の落下事故
荷台に積載したコンクリートが道路に落下した事故で、運転手が書類送検されたケースがあります。
荷物の落下防止措置を怠ったことにより、40メートルの範囲にコンクリートがばらまかれました。
まとめ
10トンダンプについて解説しました。要点をまとめると、以下のようになります。
また中古の10トンダンプは、こちらから検索してみてください。
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- ダンプとは、荷台を傾けて荷物を降ろすことができるトラックのこと
- ダンプには、大型・中型・小型のサイズがあり、それぞれ最大積載量などによって区別されている
- 新車では購入価格が1,500万円を超えるほど高額な場合があるので、コスト面を考えると中古車購入がおすすめ
- ダンプ規制法では、ゼッケンの表示や自重計の装着などが義務付けられている
- 運転には大型免許が必要であり、ダンプドライバーの求人では、月給30万円程度が目安