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キャブオーバーとは? バンやダンプとの違いや特徴・デメリット・人気車種をまとめて解説!

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トラックに関する用語に「キャブオーバー」という一般的には聞き慣れない言葉があります。
普段、バンなどのトラック以外の車を運転されている方には、馴染みがないかもしれません。近い将来、トラックの購入を検討されているのであれば知っておいて損はない「キャブオーバー」の意味、バンやダンプとの違いや特徴、デメリット、人気車種をまとめて解説します。

キャブオーバーとは

キャブオーバーとは、車体のエンジン部分の真上に運転席(キャビン)がある構造の車のことを指します。日本国内のトラックやバスの多くは、キャブオーバーの構造を導入しています。エンジンの真上に運転席がくる構造にすることで、トラックの荷台部分を広くとることができます。

ちなみに、キャブオーバー型とは違い、運転席よりエンジン部分が前方に位置している車体はボンネット型と呼ばれます。一般的な乗用車の多くはボンネット型が用いられています。また、旧式のトラックや北米やカナダのトラックはボンネット型が多いです。

キャブオーバーとバンの違い

キャブオーバー型に混同されやすい車にバンがあります。キャブオーバーとバンの違いはなんでしょうか?

バンとは運転席と荷室が構造的に分離されておらず、かつ2列目をリクライニングできない商用車のことを指します。一方、キャブオーバー型のトラックは、運転席と荷室が構造的に分離しており、運転席から直接荷室に移動できない車です。

用途の違いで見ると、キャブオーバー型の車はいわゆるトラックが主になるので、商業利用として貨物目的に利用されることが大半です。一方で、バンは商用車ではありますが、小規模な団体や個人が大型の荷物を運ぶ際に多く用いられます※。

※ あくまで一般例であり例外もございます

キャブオーバーとダンプの違い

キャブオーバーとダンプは、それぞれ分類の切り口が異なります。キャブオーバーは先述したとおり、車体のエンジン部分の真上に運転席がある構造の車のことです。

一方、ダンプはダンプカー・ダンプトラックとも呼ばれ、荷台を傾けて積荷を一度に下ろすことのできるトラックのことを指します。イメージとしては、積荷の土砂などをドサっと車体の後ろに下ろすことのできるトラックだと考えてください。

軽自車のキャブオーバー型は軽トラ

都道府県別統計とランキングで見る県民性(とどラン)のサイトに掲載されている情報によると、全国の軽バン・軽トラの保有台数は約850万台といわれており、人口100人あたり6.71台保有している計算になります。日本国内では地方を中心に軽トラの保有が多いです。軽トラはキャブオーバー型の車体になります※。

ちなみに軽トラとは、道路運送車両法における軽自動車に分類されます。車体のサイズは長さ3.4m以下、車幅1.48m以下、高さ2.0m以下、エンジンの総排気量660cc以下に設計されていることが条件です。
(参考元:都道府県別統計とランキングで見る県民性「都道府県別軽バン・軽トラ保有台数」

キャブオーバーの特徴

キャブオーバーの特徴
キャブオーバー型のトラックにはどのような特徴があるのでしょうか。一般的な乗用車とは違い、運転席の位置が異なるため乗用車にはない特徴がありそうですね。

ここでは、特徴を3点に分けてお伝えします。

エンジン部分の上に運転席がある

一般的な乗用車の場合、エンジンは車体前方のボンネット内にあります。しかし、キャブオーバー型のトラックの場合、エンジンルームは運転席のシートの下か荷台の下にあります。この違いは、キャブオーバーの特徴の最も顕著な点です。

エンジンルームが運転席のシート下にある場合、おおむね以下のような流れで開けることができます。

1. 運転席のシートを一番後ろまでスライドさせる
2. 座面と背もたれ部分にあるレバーを引いて、背もたれを前に倒す
3. シートの前側下部にあるキャッチを解除し、座面を持ち上げる
4. 座面と背もたれを固定用ベルトで固定する
5. すると、運転席と助手席の両方のシート下部が開き、エンジンルームが開かれる

トラックの車種によっては、肘掛けの後ろあたりにあるネジを外してシートを前にズラすと、肘掛けから先のほうまでのコンソールが外れる仕様の場合もあります。なお、エンジンルームを開く際は、エンジンが止まっており、熱が十分に冷めていることを確認すしてください。

積載効率が高まること

キャブオーバー型のトラックは一般の乗用車と違い、運転席より後ろのスペースが広くなるため、積載効率が高まるという特徴があります。よって、積荷の輸送を目的としたトラックに適している構造となるのです。

積載物のはみ出し超過分は全長の1割以下であれば許可申請なく運転できます。

前方の視界が良くなること

キャブオーバー型のトラックは、運転席の前方にボンネットがないため前方の視界がよくなるという特徴があります。また、運転席の真下にエンジンルームがあるため、運転席の位置は必然的に高くなり前方を見下ろす形で運転できます。

運転するトラックのサイズにもよりますが、おおむねトラックの運転には乗用車以上の技術を要します。そのため、前方の視界が良好だからといって一概に運転しやすいというわけでは決してありません。とは言っても、道路全体を見通せる点はポジティブな魅力といってよいでしょう。

キャブオーバーのデメリット

キャブオーバーのデメリット
キャブオーバー型のトラックの特徴をお伝えしてきましたが、もちろんよい部分だけではありません。一般の乗用車と比べた際のデメリットには、どのような点があるのでしょうか。

ここでは、キャブオーバー型のトラックのデメリットを4点お伝えします。

空気抵抗が大きくなること

一般の乗用車にはボンネットがあり、車全体が流線形のかたちをしています。流線形の車体フォルムは、流体工学的にみても空気抵抗を小さく抑えられることがわかっています。

しかし、キャブオーバー型のトラックはエンジンルームと運転席が階層的に上下の構造となっており、前方からみると車体が箱のように真四角なため、運転時の空気抵抗が大きくなってしまうのです。

衝撃安全性に欠けること

キャブオーバー型のトラックは、車体の前方にボンネットがないため、前方からの衝突に弱い傾向があります。一般の乗用車の場合は、前方から衝撃が加わると先にボンネット内のエンジンルームが壊れ、運転席にかかる衝撃を吸収してくれます。

構造的には衝撃を受けやすいキャブオーバー型のトラックですが、現在では各種メーカーがドライバーの安全性に考慮したトラック設計に注力しています。そのため、構造上の弱点はカバーされている場合がほとんどです。

エンジンの整備に手間がかかる

一般の乗用車と比べ、エンジンルームの位置が特徴的なキャブオーバー型のトラックは、エンジンやトランスミッションの整備に手間がかかることが難点です。
乗用車は車体前方のボンネットを降車して開けるだけでよいのに対し、キャブオーバー型は運転席を動かさなければなりません。

また、運転席の真下にエンジンがあることから、運転時にエンジンの振動が座席に伝わりやすく、トラックのメーカーや車種によっては快適性が削がれるケースもあります。

ハンドルを切るタイミングに注意

キャブオーバー型のトラックで注意しなければならないのが、右左折時のハンドルを切るタイミングです。一般の乗用車と比べ、前輪が運転席の真下あたりに位置しているので、乗用車よりも少しタイミングを遅くハンドルを切らなければなりません。

もし、乗用車と同じタイミングでハンドルを切ってしまうと、後輪が内側を回ってしまい障害物に当たってしまったり、最悪の場合、人を巻き込んでしまう恐れがあります。この内輪差の違いは、免許を取得しているトラックドライバーであれば十分に理解しているかとは思いますが、それでも右左折する際は速度を落とし、十分に注意しながら走行するようにしましょう。

キャブオーバー型のトラックの人気車種

最後に、キャブオーバー型のトラックの人気車種をメーカー別にご紹介します。

トヨタ自動車:「ダイナ カーゴ」

トヨタ自動車:「ダイナ カーゴ
「ダイナ カーゴ」は、トヨタ自動車が製造・販売しているトラックです。「物流ビジネスを支える、トラックの最先端へ。」をキャッチコピーに掲げ、1.0トンシリーズと2.0トンシリーズの2タイプを揃えています。

「ダイナ カーゴ」の特徴は、車種バリエーションの豊富さ。そして、事故リスクを低減させるために改善が重ねられた安全性能です。

具体的には、プリクラッシュセーフティ機能や車線逸脱をいち早くドライバーに伝えるレーンディパーチャーアラート機能、前進誤発進抑制機能などが搭載されています。
( 参考元:トヨタ自動車「ダイナ カーゴ」)

いすゞ自動車:「エルフ」

いすゞ自動車:「エルフ」
「エルフ」はいすゞ自動車が製造・販売しているトラックです。平ボディには、標準キャブ・ハイキャブ・ワイドキャブの大きく3種類を取り揃えています。「エルフ」は同社がおこなった調査で2〜3トン小型トラックの国内販売台数の20年連続No.1を記録。国内で広く親しまれているトラックメーカーです。

「エルフ」は業界トップクラスの燃費性能を誇っています。主要コンポーネントを一新し、フルリニューアルした新開発のエンジンによって、ディーゼル車重量車モード燃費値 11.8km/ℓを記録しています。

もちろん、安全性も高い基準をクリアしており、車両前方の死角エリアの物体を検知する交差点警報機能や、衝突の危険性が迫ると警報と緊急ブレーキで事故を回避するプリクラッシュブレーキ機能などを搭載しています。
(参考元:いすゞ自動車「選ばれ続けるその理由とは。」

日野自動車:「日野デュトロ」

日野自動車:「日野デュトロ」「日野デュトロ(HINO DUTRO)」は、日野自動車が製造・販売しているトラックです。キャブの種類としてシングルキャブ・ダブルキャブの2種類、その他にもキャブ幅や床面地上高・積み荷の種類ごとに対応する豊富なバリエーションが取り揃えられています。

ドライバーが運転に集中できる乗り手ファーストなトラックを目指して、見やすさとわかりやすさを追求したコンビネーションメーター。ステアリングから手を離さずにマルチインフォメーション操作が可能なステアリングスイッチなどが搭載されています。

安全性能に関しても、他メーカーと同じくプリクラッシュブレーキ機能や前進誤発進抑制機能・低速衝突被害軽減機能などを搭載しています。
(参考元:日野自動車 HINO DUTRO)

まとめ

今回の記事ではキャブオーバーの意味や特徴・デメリットなどを解説してきました。バンやダンプの用語の違いがわかりづらくなりがちですが、正しい意味を理解したいですね。

また、国内のトラックの多くはキャブオーバー型のトラックです。そのため、「キャブオーバー型のトラックを購入しよう」と思って検索しなくても、国内メーカーのトラックを購入すれば自ずとキャブオーバー型トラックを選ぶことができるでしょう。下記、要点を一覧にまとめました。

  • キャブオーバーとは、車体のエンジン部分の真上に運転席(キャビン)がある構造の車のことを指す
  • キャブオーバー型トラックの特徴は「エンジン部分の上に運転席がある」「積載効率が高まること」「前方の視界が良くなること」
  • キャブオーバー型トラックのデメリットは「空気抵抗が大きくなること」「衝撃安全性に欠けること」「エンジンの整備に手間がかかること」「ハンドルを切るタイミングに注意が必要であること

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