トヨタ ダイナの価格やラインナップ|サイズ・免許・デュトロとの違い・人気の理由
自動車の国内シェアトップのトヨタが販売しているダイナは、新車販売台数も、中古トラック市場への流入台数も多いトラックです。
1トンクラスと2トンクラスでラインナップしているダイナは、トヨタが60年以上も販売しているロングセラーモデルで、モデルチェンジを経て高い支持を集めています。
特に2017年に道路交通法改正後、免許区分が細分化され、小型トラックの需要が高まってきました。
小型トラックは中・近距離での配送や街中の狭い道での運送に適しているからです。この記事では、多種多様なニーズに応えるダイナの特徴やサイズ、さらに日野のデュトロとの違いまで詳しくご紹介します。
トヨタダイナとは?
(引用元:トヨタ)
トヨタのダイナは、日野のデュトロ(2トンクラス)のOEM供給を受けて販売されている小型トラックで、2トンと1トンクラスで展開されています。1トンクラスはトヨタのみで販売されている大きさです。
搭載されているエンジンは以下のとおりです。
車体サイズ | エンジン | 排気量 |
1トンクラス | ディーゼルエンジン | 2.7L |
ガソリンエンジン | 2.0L | |
2トンクラス | ディーゼルエンジン | 4.0L |
ディーゼルハイブリッド | 4.0L |
小型トラックは、街中での取り回しがしやすく、国内の物流を支え続けているトラックです。
シングルキャブの標準デッキであれば、最小回転半径は4.4mと小回りが利き、狭い街中でも走行しやすいです。
ダイナはダンプのラインナップもある
既述したように、ダイナには1トンクラスと2トンクラスのラインナップがあります。さらにダイナはダンプも販売しています。ダンプは、以下の3種類のグレードです。
・10尺デッキ フルジャストロー(2WD)
・10尺デッキ 高床3転
・10尺デッキ フルジャストロー(4WD)
ダイナは中古車市場の台数も多い
ダイナはトヨタと日野で共同開発され、完成度の高いトラックです。世界での知名度の高いトヨタと、ダカール・ラリーに参戦して耐久性を高め続けている日野がタッグを組んでいます。
信頼性が高いトヨタとエンジンの性能を研究している日野が開発していることから、多くの信頼を集めています。新車登録台数だけでなく、小型トラックの販売台数も多いため、中古車市場でも流通量も多いです。
トヨタダイナの歴史
(引用元:トヨタ)
トヨタのダイナは小型トラックとして登場した商用車で、そのルーツは1956年にまで遡ります。1969年以降にダイハツと共同開発していた時期もありますが、1999年以降は日野自動車と共同開発しており、2トン以上の車種は日野自動車で製造しています。
ダイナは、1トンクラスでガソリンエンジン搭載車を選択できるのも特徴。普通免許で運転できる積載量なので、運転できる人の幅も広いです。
ダイナのモデルチェンジ遍歴
ダイナは、トヨペット・トラックRK23型のシャシを利用したセミキャブオーバー型のルートトラックRK52型がルーツとなります。現行モデルは8代目となっており、モデルチェンジを経て、魅力を高めてきました。
初代:1959年~1693年
ボンネット型とセミキャブオー
バー型のトラックの区物がわかりづらいことから、セミキャブオーバー型は「ダイナ」として販売されます。キャブオーバー型のトラックは、キャブを前傾させてメンテナンスをおこないますが、初代ダイナは国産車で初めてチルトキャブを採用したトラックです。
2代目:1963年~1968年
いすゞのエルフが爆発的なヒットとなったため、モデルチェンジをした2代目でも販売台数は2位になりました。4灯式ヘッドライトを採用したり、架装性の高い専用フレームになったことはモデルチェンジの変更点。1964年にディーゼルエンジンを搭載したJK170型モデルを追加してから、販売台数はトップに戻ります。
3代目:1969年~1977年
U10系と呼ばれるダイハツと提携して、ロングセラーになったモデルが登場。国内では昭和52年で販売が終了していますが、国外向けには2000年代まで販売されていました。2代目から6代目までは、岐阜車体工業が生産していました。ダイナのテーマカラーであるターコイズが設定されたモデルです。
4代目:1977年~1984年
ダイハツのデルタだけでなく、日野レンジャー2として日野自動車にもOEM提供されているモデルです。フルキャブオーバー型に変更されており、荷台が広がって輸送効率が向上しました。低床モデルである「ジャストロー」が設定されました。
5代目:1984年~1995年
トヨエースとの共通化がおこなわれました。ディーゼルエンジンは4L直噴の1W型になり、6気筒エンジンは廃止。ガソリンエンジンがY型系に変更された同時期に、LPG車が再設定されました。見た目の違いは、1987年にヘッドランプが角型4灯に変更されたことです。
6代目:2トン1995年~2000年/1トン1995年~2001年
3トン積のワイドキャブ車は、日野レンジャーのOEM車でした。メガクルーザーのシャシーを流用した「スーパーダイナ」を救助工作車Ⅳ型として導入します。また超低床キャブのイージーライディングを設定するなど、風変りなモデルも登場。1トン積み車に4WD車が設定されたのも変更点です。
7代目:2トン1999年~2011年/1トン2001年~
日野のデュトロと共同開発車になったのが大きな変更点。カーゴ、ダンプ、ルートバンの3タイプのボディ形状があり、特にルートバンのボディは3代ぶりに変更されました。発売された当初はディーゼルエンジンのみの設定でしたが、その後ガソリンとLPG仕様車が設定されます。
2010年にエンジンイモビライザーが標準装備されたり、2016年にはABSが標準装備されるなど、セキュリティーや安全装備が充実するようになりました。2021年7月に、1トン積みシリーズにプリクラッシュセーフティが標準装備されて、安全装備が全車に搭載されます。
8代目:2トン2011年~
2011年に2トンシリーズがフルモデルチェンジされます。デュトロのOEM車両となっており、ディーゼル、LPG、ガソリンハイブリッドの3種類のパワーユニットが搭載されていました。
ハイブリッド車は、アクセルとブレーキの2ペダル操作ができる専用5速AMTを採用。AMT車とAT車にアイドリングストップシステムが搭載され、燃費向上に寄与しています。ハイブリッドシステムはモーターのみで発進できるシステムです。
ダイナトラックのサイズ・寸法
トヨタのダイナトラックは、1トンシリーズの他に、2トンシリーズが展開されています。キャブサイズもシングルキャブの他にダブルキャブ、2トンシリーズならワイドキャブが選択可能です。
【主な車型のサイズ早見表】
■1トンシリーズ
寸法 | シングルキャブ | ダブルキャブ |
全長 | 4,690mm | 4,690mm |
全幅 | 1,695mm | 1,695mm |
全高 | 1,965mm | 1,980mm |
荷台内長 | 3,100mm | 2,100mm |
荷台内側 | 1,610mm | 1,610mm |
荷台内高 | 380mm | 380mm |
■2トンシリーズ
寸法 | シングルキャブ
|
シングルキャブ
|
ダブルキャブ
|
ダブルキャブ
|
全長 | 4,685mm | 6,185mm | 4,690mm | 6,190mm |
全幅 | 1,695mm | 1,995mm | 1,695mm | 1,995mm |
全高 | 1,980mm | 2,260mm | 1,985mm | 2,245mm |
荷台内長 | 3,115mm | 4,355mm | 2,100m | 3,370mm |
荷台内側 | 1,615mm | 1,895mm | 1,615mm | 1,895mm |
荷台内高 | 380mm | 380mm | 380mm | 380mm |
最大積載量 | 2.0トン | 2.0トン | 2.0トン | 2.0トン |
荷室内長は、デッキの長さによって異なっています。デッキの長さは以下のとおりです。
種類 | デッキ長 |
標準デッキ | 3,115mm |
セミロングデッキ | 3,445mm~3,570mm |
ロングデッキ | 4,355mm |
超ロングデッキ | 5,000mm |
超超ロングデッキ | 5,500mm |
上記のキャブやデッキタイプが複数用意されているので、目的に合わせた1台を見つけられます。
ダイナを運転できる免許
ダイナは、1トンシリーズと2トンシリーズが展開されていますが、実は最大積載量が細かく分けられており、運転できる免許も異なります。
【1トンシリーズ】
エンジン | 駆動方式 | 最大積載量 | 免許区分 | |
シングルキャブ | ディーゼル | 2WD | 1.5~1.75トン | 準中型免許 |
4WD | ||||
ガソリン | 2WD | 1.25トン | 普通免許 | |
ダブルキャブ | ディーゼル | 2WD | 1.25~1.45トン | 準中型免許 |
4WD | ||||
ガソリン | 2WD | 1.0トン | 普通免許 |
※5トン限定準中型免許でも運転可能です。
【2トンシリーズ】
車両 | 免許区分 |
車両総重量の上限を5トン未満にした2トン車 | 5トン限定準中型免許 |
車両総重量の上限を7.5トン未満に設定した3~4トン車 | 準中型免許 |
(参考元:トヨタ「ダイナカーゴ200/300/400カタログ」)
2トンシリーズは、キャブのタイプやデッキの長さによって車両総重量が異なっており、運転できる免許が異なります。
2017年3月に新免許制度に変更されており、従来の車両区分が3区分から4区分に改正されています。車両総重量や最大積載量による免許区分の違いは以下のとおりです。
免許区分 | 最大積載量 | 車両総重量 | 乗員定員 |
大型免許 | 6.5トン以上 | 11トン以上 | 30人以上 |
中型免許 | 4.5トン以上~6.5トン未満 | 7.5トン以上~11トン未満 | 11人~29人 |
準中型免許 | 2.0トン以上~4.5トン未満 | 3.5トン以上~7.5トン未満 | 10人以下 |
普通免許 | 2.0トン未満 | 3.5トン未満 | 10人以下 |
※普通免許を取得したのが、2007年6月から2017年3月までであれば車両総重量5.0トン未満まで、2007年の改正前であれば車両総重量8.0トン未満まで運転可能です。
特に2トンシリーズは、最大積載量が細かく設定できるため、運転者の免許区分にも注意が必要です。
トヨタダイナのここが良い
(引用元:トヨタ)
小型トラックで、狭い道の運転に適したダイナですが、たくさんの魅力があるトラックです。
・ガソリンエンジンを選択できる
・ラインナップが豊富
・快適な内装
・充実した安全装備
ダイナには上記のような特徴があります。
ガソリンエンジンを選択できる
ダイナは1トンシリーズにガソリンエンジンを搭載したモデルが設定されています。ガソリンエンジン搭載モデルは、最大積載量が1トンで、普通免許でも運転できるのが特徴です。
ディーゼルエンジンはすべての車型で車両総重量が3.5トンを超過しているので、免許区分の変更後は準中型免許(中型5トン限定含む)が必要となりました。新普通免許ではガソリンエンジンのみ運転が可能です。
ガソリンエンジン(256万6,000円)は普通免許で運転できるだけでなく、ディーゼルエンジン(350万円~)と比較して車両価格が抑えられるのも魅力。購入コストを抑えながら、幅広いドライバーに運送してもらえます。
ラインナップが豊富
ダイナは、車型のラインナップが豊富なことも特徴です。標準デッキやロングデッキ、セミロング、超ロング、超々ロングデッキの5種類の長さのデッキから選択できます。
ボディの全幅もワイドキャブが設定されており、乗車定員が3人のシングルキャブだけでなく、7人のダブルキャブも選択可能です。
動力はガソリンとディーゼルの他に、環境に優しいディーゼルハイブリッドも選択できます。車型やパワーユニット、さらに荷台の長さまでさまざまな選択肢から、用途に合ったものを選択できるでしょう。
特装車シリーズではアルミ板からリフト付トラック、クレーン付トラックなど、用途に合った装備が追加可能です。
快適な内装
業務で使用するトラックでも、ドライバーが快適に過ごせる内装になっています。たとえば、「G パッケージ」は実用性と質感を向上させた内装です。装備されるのは、カーペット張りのフロア、手元スイッチ付の室内LED灯、シートバックサスペンション付運転席シートなどです。
また運転席から届きやすいところに各種の収納があります。運転席の周りでは助手席オープントレイやセンターオープントレイ、カップホルダー付センターシートバックトレイ(標準キャブのダブルキャブ車に標準装備)など、収納スペースが確保されています。
安全装備も充実
トラックでも安全装備が充実しているため、運送時の事故を予防してくれます。全車に標準装備される「プリクラッシュセーフティ」は、昼夜の歩行者、昼間の自転車運転者をミリ波レーダーと単眼カメラで検出します。
また「レーンディパーチャーアラート」と呼ばれる車線逸脱をドライバーに伝える機能を装備。ウインカー操作をおこなわずに車線を逸脱したときに、警告ランプと警報で注意を喚起してくれます。
さらに、アクセルを踏み間違えた場合の衝突回避になる「前後誤発進抑制機能」も装備されています。不注意による事故を予防してくれる安全技術が搭載されているので、毎日の業務の安全をサポートします。
デュトロとの違いは?
似たサイズのトラックとして、日野のデュトロを検討することもあるでしょう。2車種はOEM供給されるなど、似ている部分もありますが、サイズ展開などで異なる部分もあります。
スペックの違い
スペックでは、特に最大積載量のラインナップの違いがあります。日野のデュトロは、トヨタと共同開発されていますが、自社生産となっていました。そこで、1.5トンサイズではダイナのみに設定されていたのですが、2021年7月にデュトロにも1.5トンクラスが設定されています。
しかしデュトロに設定されているのは、1.5トン積みなので運転できるのは準中型免許です。ダイナのガソリンエンジンが搭載されているモデルのみ、普通免許でも運転できます。
走行性能の違い
走行性能は、2トンクラスは日野がトヨタにOEM供給、1.5トンクラスは両車に設定されているので大きな違いがありません。しかし1トンシリーズでは、普通免許でも運転できるガソリンエンジンがダイナに設定されています。ガソリンエンジンは排気量が2リットルなので、排気量は抑えらえています。
2トンクラスは、ディーゼルエンジン、もしくはハイブリッドディーゼルエンジンが選択可能です。ハイブリッド搭載されているモデルは、駆動力をモーターによってアシストしてくれるので、力強く加速できます。減速時には運動エネルギーを電気エネルギーに変換して、効率よく走行可能です。
乗り心地や安全性能の違い
ダイナは、人間工学に基づいた設計で座り心地のよいシートになっています。長距離の運送業務でも疲れにくいです。
デュトロからOEM供給されているので、同じ安全装備が搭載されています。OEM供給されている2トンクラスだけでなく、トヨタのみで展開されている1トンクラスでも、安全装備は標準装備されています。
プリクラッシュセーフティはもちろんのこと、レーンディパーチャーアラート、前後誤発進抑制機能など不注意による事故を防止してくれるので安心。
注意点として、1トンシリーズには「バックカメラ&バックモニター付デジタルインナーミラー」は装備されません。積み荷がある状態でも見やすくなるバックカメラ映像でインナーミラーに映し出すシステムは装備できないので後方確認しにくくなります。
ダイナトラックの価格
ダイナトラックの価格を一覧にまとめました。
【代表的なダイナトラックの価格表】
積載量 | キャブタイプ | 価格 |
1トンシリーズ | シングルキャブ | 3,800,000円 |
ダブルキャブ | 3,777,000円 | |
2トンシリーズ | シングルキャブ標準キャブ | 5,459,000円 |
シングルキャブワイドキャブ | 5,931,000円 | |
ダブルキャブ標準キャブ | 5,034,000円 | |
ダブルキャブワイドキャブ | 5,417,000円 |
※デッキ長や標準キャブやワイドキャブによって、さらに選択肢があります。
これらの他に、車両価格を抑えられるガソリンエンジン搭載モデル(2,556,000円~)や、荷台内長が長い超々ロングデッキ(~6,224,000円)などが選択可能です。選択する車型によって価格は異なりますが、業務の用途に合わせて自在に選択できるのは魅力です。
まとめ
トヨタのダイナは、国内でも販売台数が多く、豊富なラインナップがあるなど、購入しやすい小型トラックです。ダイナの歴史から特徴、さらにデュトロとの違いもご紹介してきました。
豊富なラインナップがありますが、2トンシリーズはデュトロからOEM供給されており、1トンシリーズのみトヨタで展開されています。安全装備も標準搭載されているので、安全な運送業務をサポートしてくれるでしょう。
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- クリーンディーゼルエンジンで低燃費
- ディーゼルハイブリッドも選択できる
- 普通免許でも運転できる1トン車もある
- 充実した安全装備を搭載している