海上コンテナの種類やサイズとは?海上コンテナを運搬できるトラックについても紹介します!
海上コンテナは、インターモーダルコンテナとも呼ばれる輸送コンテナです。船舶や鉄道、トラックなどで貨物を運ぶために使用されます。海上コンテナは国際的に標準化されており、貿易や物流の発展に大きく貢献してきました。
そこで今回は、海上コンテナの種類やサイズなどをご紹介します。
海上コンテナの種類
海上コンテナには、いくつかの種類があります。使用目的や構造によって、以下のように分類されています。
ドライコンテナ
20ftコンテナ(引用元:株式会社コンテック)
40ftコンテナ(引用元:株式会社コンテック)
40ftハイキューブコンテナ
(引用元:株式会社コンテック)
ドライコンテナはもっとも普及しているコンテナです。形状は、箱型トラックの荷台部分のような細長い箱型。生活物資から工業製品・産業物資まで、幅広い一般貨物の輸送に利用されています。
日本で流通しているドライコンテナは、道路事情や各種規制により長さ20ft、40ftタイプがほとんどです。まれに10ftや12ftタイプもあります。40ftドライコンテナには、ハイキューブコンテナと呼ばれる高さの高いコンテナがあり、海上輸送コンテナの主流となっています。
ドライコンテナは特別な機能や装備があるわけではないものの、安価に入手でき、改造や加工がおこなえるのでさまざまな用途に利用されます。
(参考元:Wikipedia)
リーファーコンテナ
40ftハイキューブコンテナ
(引用元:株式会社コンテック)
リーファーコンテナは、冷蔵、冷凍など温度管理ができるコンテナです。特殊コンテナでありながら、ドライコンテナの次に多く利用されています。生鮮食品、冷凍食品、生花、定温輸送が必要な化学製品、医薬品、電子部品、フィルム、美術品などを輸送しています。
また、エチレンガスの除去や湿度コントロールができるリーファーコンテナもあります。
(参考元:Wikipedia)
タンクコンテナ
タンクコンテナ(引用元:日本石油輸送株式会社)
タンクコンテナは、液体や気体を輸送するためのタンクを備えたコンテナです。鋼製のフレーム内にタンクが備え付けられている構造になっています。原酒や食料品、液体化学薬品などを輸送しています。
タンクコンテナは、積荷の性質や用途により「危険物用」と「非危険物用」の2種類に大きく区別され、危険物を輸送する場合は、原則として充填率80%以上、95%以内に収める規定(IMDG= International Maritime Dangerous Goods Code)があります。
(参考元:Wikipedia)
オープントップコンテナ
オープントップコンテナ
(引用元:株式会社オーシャンシステム)
オープントップコンテナは、天井部分が取り外しできコンテナ上部からの荷役が可能なコンテナです。屋根がないので、通常のコンテナには積めないような高さのあるものの輸送などに適しています。
また、積み込みがしやすいので重量物の輸送にも適しています。なお幌や防水シートで覆うことができるため、雨風から貨物を守ることが可能です。
(参考元:Wikipedia)
フラットラックコンテナ
フラットコンテナは、屋根部分、両側面、扉面を持たないコンテナです。左右および上部から荷役が可能な構造となっています。ドライコンテナに積載できない大型機械、円筒形工場用設備、木材、石材、鋼材、工作物、インゴット、大型タイヤ、各種車両、小型ボート、各種ケーブルドラムやロール状の鉄板などを積載できます。
また、複数のコンテナをつなぎ合わせて輸送に使うこともできます。そのため、通常のコンテナには載せきれない大型貨物も輸送できるコンテナです。
(参考元:Wikipedia)
【種類別】海上コンテナのサイズ
海上コンテナは、上記で紹介したコンテナの種類によってサイズが異なります。ここでは、海上コンテナのサイズを種類別に紹介します。
ドライコンテナ
ドライコンテナのサイズは、下記のとおりです。
コンテナサイズ | 20ft | 40f | 40ftハイキューブ | |
外法寸法(mm) | 長さ | 6,058 | 12,192 | 12,192 |
幅 | 2,438 | 2,438 | 2,438 | |
高さ | 2,591 | 2,591 | 2,896 | |
内法寸法(mm) | 長さ | 5,898 | 12,032 | 12,032 |
幅 | 2,350 | 2,350 | 2,350 | |
高さ | 2,390 | 2,390 | 2,695 | |
内容量(㎥) | 33.1 | 67.6 | 76.2 | |
最大積荷重量(kg) | 28,280 | 26,740 | 26,580 |
※上記表の値は参考値で、メーカーや製造モデルなどによって若干異なります。
リーファーコンテナ
リーファーコンテナのサイズは、下記のとおりです。
コンテナサイズ | 20ft | 40ft | 40ftハイキューブ | |
外法寸法(mm) | 長さ | 6,058 | 12,192 | 12,192 |
幅 | 2,438 | 2,438 | 2,438 | |
高さ | 2,591 | 2,591 | 2,896 | |
内法寸法(mm) | 長さ | 5,550 | 11,584 | 11,584 |
幅 | 2,292 | 2,292 | 2,292 | |
高さ | 2,275 | 2,241 | 2,546 | |
内容量(㎥) | 28.3 | 58.4 | 66.6 | |
最大積荷重量(kg) | 27,480 | 25,880 | 25,610 |
※上記表の値は参考値で、メーカーや製造モデルなどによって若干異なります。
タンクコンテナ
タンクコンテナのサイズは、下記のとおりです。
タンク容量 | 11KL | 21KL | 26KL | |
外法寸法(mm) | 長さ | 6,058 | 6,058 | 6,058 |
幅 | 2,438 | 2,438 | 2,438 | |
高さ | 1,980 | 2,438 | 2,591 | |
コンテナ自重(kg) | 2,755 | 3,450 | 3,850 |
※上記表の値は参考値で、メーカーや製造モデルなどによって若干異なります。
オープントップコンテナ
オープントップコンテナのサイズは、下記のとおりです。
コンテナサイズ | 20ft | 40ft | |
外法寸法(mm) | 長さ | 6,058 | 12,192 |
幅 | 2,438 | 2,438 | |
高さ | 2,591 | 2,591 | |
内法寸法(mm) | 長さ | 5,898 | 12,032 |
幅 | 2,352 | 2,352 | |
高さ | 2,348 | 2,348 | |
コンテナ重量(kg) | 2,350 | 3,800 | |
最大積荷重量(kg) | 28,130 | 26,680 |
※上記表の値は参考値で、メーカーや製造モデルなどによって若干異なります。
フラットラックコンテナ
フラットラックコンテナのサイズは、下記のとおりです。
コンテナサイズ | 20ft | 40ft | |
外法寸法(mm) | 長さ | 6,058 | 12,192 |
幅 | 2,438 | 2,438 | |
高さ | 2,591 | 2,591 | |
内法寸法(mm) | 長さ | 5,940 | 12,040 |
幅 | 2,150 | 2,380 | |
高さ | 2,230 | 1,960 | |
コンテナ重量(kg) | 3,100 | 6,200 | |
最大積荷重量(kg) | 20,900 | 43,800 |
※上記表の値は参考値で、メーカーや製造モデルなどによって若干異なります。
海上コンテナを運搬できるトラック
海上コンテナを運搬するためには、20ftコンテナは4トントラックロングボディ車やトレーラー、コンテナ専用車、40ftコンテナはトレーラーが必要です。
ここでは、海上コンテナを運搬できるトラックについて詳しく解説します。
4トン車
20ftコンテナを輸送するだけの目的であれば、4トントラックロングボディ車で運ぶことができます。トラックを横付けできる場所があれば、クレーン付きトラックで運搬可能です。
しかし、20ftコンテナの自重は2.2トンほどあるので、横付けできない場合はクレーンを使用することができません。その場合は、ラフタークレーンなどを利用する必要があります。
セミトレーラー
セミトレーラーとは、牽引車両であるトラクターの後部にトレーラーの前部が連結している車両のことです。
セミトレーラーに20ftコンテナを積載する場合、連結した状態の全長は約11.5メートルで、低床式のシャーシを使用した場合では約12.5メートルとなります。コンテナ輸送の際には、連結した状態で入庫できるかの確認が必要です。ちなみに20ftコンテナを輸送する際、積載重量が20.32トンまでは2軸、24トンまでは3軸のシャーシを利用します。
セミトレーラーに40ftコンテナを積載する場合、シャーシを連結すると全長は約16.4メートルになりますが、国土交通省によると、高速道路の通行は長さ16.5メートル以内となっているため走行に問題はありません。20ftコンテナと同様に、積載重量によって軸数が異なり、24トンまでは2軸、30.48トンまでは3軸のシャーシを利用します。
まとめ
今回は、海上コンテナの種類やサイズ、海上コンテナを運搬するトラックについて解説しました。内容をまとめると下記のとおりです。
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- 海上コンテナは、一般的にドライコンテナを利用することが多い
- 冷蔵、冷凍など温度管理が必要であればリーファーコンテナ、液体や気体を輸送する場合はタンクコンテナを利用する
- 海上コンテナの輸送には基本的にトレーラーが必要