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摩耗タイヤは危険!トラックのタイヤ交換時期の見極め方と摩耗タイヤが危険な理由とは?

摩耗タイヤは危険!トラックのタイヤ交換時期の見極め方と摩耗タイヤが危険な理由とは?トラックに装着される大きなタイヤは車両や積載物の全荷重を支えながら、駆動力・制動力・操舵性能などのトラックの基本性能に大きな影響を与える重要パーツだと言えますが、走行と共に摩耗が進む代表的な消耗部品の1つでもあります。
摩耗が進むと駆動・制動・操舵性などの基本性能が大きく低下し、安全な運行に支障をきたすトラックのタイヤ交換時期の見極め方や摩耗タイヤが危険な理由などを紹介します。

トラックに装着するタイヤの特徴とは?

トラックに装着するタイヤの特徴とは?
トラックのタイヤは乗用車のタイヤよりも大型で存在感のあるパーツのため、多くの方が簡単にイメージすることができると思いますが、ひと口にトラックのタイヤと言っても実にさまざまなものが存在することは意外と知られていないようです。

タイヤはまずチューブタイヤとチューブレスタイヤの2つに大別され、さらにバイアスタイヤとラジアルタイヤに分類されます。現在はチューブレスのタイヤが一般的になっていますが、タイヤ強度を司るカーカスを斜めに配置するバイアスと放射状に配置するラジアルは特性が異なるため、小型・中型クラスのトラックにはラジアルタイヤ、大型クラスのトラックにはバイアスタイヤが装着される傾向にあります。

トラックに装着するタイヤは種類やトレッドパターンでも分類される

トラックのタイヤの接地面に刻まれる溝の模様はトレッドパターンと呼ばれ、スリップ防止と操舵性を確保すると共にトラックの駆動力や制動力を路面に伝え、タイヤにまとわりつく路面の水を排水するなどで走行性能を確保します。

またトレッドパターンによって走行時のパターンノイズの発生や居住性が異なるため、トラックのタイヤ選択時にはトレッドパターンを十分検討する必要があると言えるでしょう。タイヤのトレッドパターンは次に挙げる4つに大別されます。

・リブ型:転がり抵抗や発生ノイズ量が小さく操縦性・走行安定性に富むパターン
・ラグ型:駆動・制動機能が高く悪路でも高い走破性を発生させるパターン
・リブラグ型:リブ・ラグ型の併用で両者の特徴を併せ持つ汎用性の高いパターン
・ブロック型:駆動・制動力に優れ悪路走行でも高い走破性を発生させるパターン

小型クラスのトラックにはリブ型が装着される傾向にあり、中型・大型クラスのトラックにはラグ型・リブラグ型の装着例が多く見られ、ブロック型はスタッドレスタイヤやスノータイヤに採用されるパターンだと言えるでしょう。

トラックにタイヤ交換が必要な理由とは?

トラックにタイヤ交換が必要な理由とは?
トラックは過密なスケジュールで運行されることやタイヤの本数が多いことから交換コストの経済的負担が小さなものではなく、タイヤ交換時期を迎えてもつい「もう少し走ってから」とタイヤ交換時期を先延ばしにされてしまう傾向にあるようです。

しかし既にふれたとおりタイヤはトラックの走行基本性能に大きく影響する重要パーツですので、タイヤ交換時期はしっかりと守ることをおすすめします。タイヤ交換時期を迎えたタイヤにはどのような症状が生じるかを紹介します。

摩耗や経年劣化で機能低下が生じるトラックのタイヤ

走行距離と共にトラックのタイヤが摩耗することは広く知られていますが、タイヤはゴムを原料に製造されるため熱や紫外線など外部の影響を受けて劣化が進むという側面も持っています。たとえ未使用でも製造から時間が経過したタイヤは経年劣化で機能が低下します。

摩耗によるトラックタイヤの機能低下とは

走行距離と共に進行するタイヤの代表的な経年劣化が摩耗ですが、摩耗したタイヤは文字どおりタイヤがすり減った状態ですのでタイヤメーカーが謳うタイヤの機能が失われます。

摩耗したトラックのタイヤの代表的な機能損失として、排水機能の低下が挙げられ、雨天の走行中にタイヤにまとわりつく路面の水が排水できなくなりハイドロプレーニングが発生しやすくなります。またグリップ力の低下も生じるため駆動・制動性能の低下も生じますので摩耗が進んだタイヤは交換時期だと捉えるべきです。

経年劣化によるトラックタイヤの機能劣化とは

ゴム製品であるタイヤは既述のとおり外的影響でも経年劣化が生じます。最も身近なゴム製品として輪ゴムが挙げられますが、製造直後の輪ゴムは弾力性と伸縮性に富んでいるものの古くなった輪ゴムは弾力性と伸縮性が失われすぐに切れてしまいます。

もちろんタイヤに用いられるゴムは輪ゴムよりも耐久性が求められるため、製造工程で劣化防止剤が投入されていますが、外的影響を受けての経年劣化は免れません。経年劣化が進んだトラックのタイヤは、本来の強度を保つことができなくなりひび割れが発生します。

走行中のトラックのタイヤには非常に大きな負担がかかるため、強度の低下したタイヤは交換時期だと捉えるべきです。

交換時期を迎え消耗したトラックのタイヤに潜むリスクとは?

交換時期を迎え消耗したトラックのタイヤに潜むリスクとは?
タイヤの機能低下は摩耗や経年劣化と共に徐々に進行していくため毎日運転するトラックのタイヤ交換時期は掴み難い側面があるのも事実ですが、タイヤ交換時期はタイヤの使用限度ともいえるものですからトラックのタイヤは定期的に交換する必要があります。

機能低下したタイヤで走行するのは危険

摩耗して排水性能や駆動・制動力の低下したタイヤではトラックを安全に運行させることが困難であることはイメージしやすいものですが、経年劣化で強度が低下していても溝が深く残っているタイヤの場合「問題なく使えるのでは?」と考えがちです。

しかし、経年劣化で強度が低下しひび割れが生じているタイヤには、いきなりタイヤが破裂するバーストのリスクが潜んでいます。タイヤがバーストしたトラックはコントロールを失い衝突・追突事故に繋がりかねない非常に危険な状態であると考えるべきで、摩耗や経年劣化で機能低下したタイヤでトラックを運行させるのは危険な行為であると言えます。

摩耗したタイヤは道路交通法違反の整備不良として処罰対象となる

国内で運行するトラックは 道路運送車両法や道路交通法などさまざまな法律の規制を受けますが、タイヤの溝の深さも国土交通省の定める保安基準の規制を受けるためタイヤ交換時期を過ぎたトラックは車検を通過することができません。

道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(国土交通省告示第 619 号)
第 2章 自動車の保安基準の細目
第 3節 使用の過程にある自動車の保安基準の細目

第 167条(2)タイヤの接地部の全幅(ラグ型タイヤにあっては、タイヤの
接地部の中心線にそれぞれ全幅の4分の1)にわたり滑り止めのために施さ
れている凹部(サイピング、プラットフォーム及びウエア・インジケータ
の部分を除く。)のいずれの部分においても1.6mm(二輪自動車及び側車付
二輪自動車に備えるものにあっては、0.8mm)以上の深さを有すること。

またタイヤ交換時期を過ぎた状態でトラックを運行させた場合は整備不良の道路交通法として違反点数2点、罰金9,000円(普通車)・12,000円(大型車)の処分を受ける可能性がありまます。

トラックのタイヤ交換時期はどのようにして察知するべきか?

トラックのタイヤ交換時期はどのようにして察知するべきか?
トラックに装着するタイヤの機能を十分に引き出し安全な運行を行うためには、タイヤ交換時期を逃さないことが非常に重要となりますが、既にふれたとおりタイヤの機能低下は徐々に進行するためタイヤ交換時期を掴むのが難しいのも事実です。

経年劣化でトラックタイヤの機能低下が生じる期限

耐久性が求められるタイヤは劣化防止剤を使用して製造されているものの、製造から3~4年が経過すると経年劣化でタイヤ機能低下が生じると言われています。トラックを安全に運行させるために3~4年がタイヤ交換時期だと捉えるべきでしょう。

また、タイヤは熱の影響でも経年劣化が進むため高速道路走行が多い場合は、3~4年よりも早くタイヤ交換時期が訪れる傾向にあります。

摩耗によってスリップサインが出たトラックはタイヤ交換時期

摩耗によってスリップサインが出たトラックはタイヤ交換時期
タイヤの溝の深さが1.6mm以上必要であることは国土交通省の安全基準で定められていますが、実際に摩耗の進行具合を確認するのは困難であると言えます。タイヤメーカーは摩耗によるタイヤ交換時期をドライバーに知られるためにタイヤ側面に△マークを付け△マークのある部分の接地面の溝を盛り上げています。

この盛り上がった部分はスリップサインと呼ばれ溝が深ければ目立ちませんが、摩耗が進みタイヤ交換時期が近付いたタイヤははっきりと盛り上がりを目視することができます。スリップサインが目立つタイヤはタイヤ交換時期であることを意味しています。

トラックのタイヤ交換時期を伸ばす方法は?

トラックのタイヤ交換時期を伸ばす方法は?
トラックのタイヤ交換は装着タイヤが多いだけに経済的負担も大きくなってしまうため、タイヤ交換時期を少しでも伸ばしたいと考える方は少なくないと言えます。走行距離を縮めることは非現実的ですが、運転方法やメンテナンスでトラックのタイヤ交換時期を伸ばすことができるので紹介します。

トラックのタイヤ交換時期は運転方法やメンテナンスで延ばせる!

通常運行でタイヤの摩耗を抑えるためにはトラックの積み荷の積載量を減らすことが効果的ですが、これでは貨物自動車としてのトラックの機能を果たせなくなるため現実的ではありません。

しかしトラックの運転中に急加速・急ブレーキ・急ハンドルなどの急の付く操作を控えることでタイヤへの負担が軽減されますし、スピードを抑えた運行を行えば熱によるタイヤの劣化速度を抑えることができますので、余裕のある運転を心がけることが重要です。

またタイヤの空気圧を適正圧に保つことや定期的なタイヤローテーションを行うことはタイヤ交換時期を伸ばすのに高い効果が期待できますし、駐車の際に直射日光の当たらない場所を選ぶことで紫外線によるタイヤの劣化を予防できます。

さらにタイヤ交換の際に装着するタイヤは製造後、時間が経過していない新鮮なものを選ぶのも効果が高いと言えます。

中古トラック購入時にはタイヤコンディションの確認が重要

効率的なトラック導入手段として中古トラック販売店中古トラックを購入する方が増加していますが、中古トラック購入時のチェックポイントとしてタイヤコンディションのチェックも挙げられます。

中古トラックを利用して効果的なトラック導入を行うのですから、消耗部品であるタイヤのコンディションを事前に確認し摩耗や経年劣化が認められる場合は中古トラック販売店に相談してタイヤの交換も依頼することでより費用対効果の高いトラック導入が行えます

まとめ

トラックにとって駆動・制動・操舵性能に影響を及ぼすタイヤは非常に重要なパーツだと言えますが、残念ながらタイヤは摩耗や経年劣化で機能低下が生じる消耗部品であるのも事実です。

機能低下したタイヤではトラックの安全な運行が危ぶまれますし、場合によっては車検に通らず道路交通法違反の処罰対象となる可能性もあるのでタイヤ交換時期はしっかりと管理するべきだと言えるでしょう。

トラックのタイヤ交換時期を少しでも伸ばすためにはつぎの3つのポイントを守った運転や管理が効果的ですので、是非実践してみてください。

  • 急の付く運転や酵素速走行を控え余裕のある運転を行う
  • タイヤローテーションや空気圧管理を徹底する
  • 駐車時は直射日光を避けタイヤ交換時には製造直後のタイヤを選ぶ

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