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ニーズに合わせたモデルチェンジを行う三菱キャンターの特徴や人気の秘密を大紹介!

ニーズに合わせたモデルチェンジを行う三菱キャンターの特徴や人気の秘密を大紹介!1963年の初代モデルのリリースから現在まで7度のフルモデルチェンジを行いながら市場のニーズに応え続けているのが三菱キャンターです。
新車販売台数も非常に多いことから中古トラック市場への車両流入も活発で、多くの三菱キャンターが中古トラック販売店で取り扱われている人気の中古トラックだと言えるでしょう。新車・中古車市場を問わず高く評価される三菱キャンターの特徴や人気の秘密に迫ります。

人気の高いトラックシリーズ「三菱キャンター」を知ろう!

三菱ふそうの人気車種キャンターの歴史は、1963年に三菱重工業からリリースされた初代モデルから始まり、その後三菱自動車工業に引き継がれ5回のモデルチェンジの後に,
現在の三菱ふそうでのモデルチェンジで生まれた現行モデル8代目キャンターに続いています。

3つの会社で製造販売され合計7度のモデルチェンジが行われたにもかかわらず、一貫してキャンターの名称が引き継がれているのはキャンターの高い知名度とブランドイメージがあったからだと考えられます。

臨機応変にモデルチェンジを行う「三菱キャンター」の歴史

臨機応変にモデルチェンジを行う「三菱キャンター」の歴史

初代キャンター(1963年~1968年)

直列4気筒1986ccの4DQ1型ディーゼルエンジンを搭載した初代キャンターは1963年に三菱重工業からリリースされ、翌年にはマル目2灯からマル目4灯へのマイナーチェンジが行われました。

2代目キャンター(1968年~1973年)

デビュー5年目の1968年には初のフルモデルチェンジが行われ、2代目キャンターがリリースされガソリンエンジン搭載車も追加されます。1970年に三菱重工から独立した三自動車に生産が受け継がれ新開発のディーゼルエンジン4DR5 2.7L がキャンターに搭載されます。

3代目キャンター(1973/年~1978年)

Vキャンターと呼ばれ大ヒットとなったのが3代目キャンターで、ガソリン車には三菱自動車の人気車種ギャランと同じ4G52型が採用され昭和50年排ガス規制に適合、1976年に後輪に小型ダブルタイヤを装着した超低床車が2トンディーゼル車に設定されました。

4代目キャンター(1978年~1985年)

イメージカラーが黄土色だったため「黄金キャンター」と呼ばれ親しまれたのが4代目キャンターです。3トン車とワイドキャブが設定され1980年のマイナーチェンジではワイドキャブ車にパワーステアリングがオプション設定されました。また1980年のマイナーチェンジでは1.5トン・3.5トンの車両が追加され、1982年にはディーゼルターボエンジンが投入されました。

5代目キャンター(1985年~1993年)

伝統のマル目4灯から異形角形2灯ライトに変更され大きく変貌したのが5代目キャンターです。外観だけではなく一部車両にフロントディスクブレーキを採用し、コラムシフトからフロアシフトへの変更が行われました。1989年のマイナーチェンジで平成元年排出ガス規制適合、1991年にはパワーウインドーを全車に標準装備しABSがオプション設定されました。

6代目キャンター(1993年~2002年)

三菱自動車が特許を持つツインキャリパー式ディスクブレーキを応用した「ベンチレーテッドディスクブレーキ」がフロントブレーキに採用され、大きな制動力を実現したのが6代目キャンターです。1995年には4トンワイドキャブ・3.5トン標準キャブ車、1996年にはLPG車、1997年には CNG(天然ガス)車が相次いで投入され、平成6年・平成10年の排ガス規制にも適合しています。

7代目キャンター(2002年~2011年)

大型のつり目状ヘッドライトの採用や世界で初めてインパネシフトを小型・中型・大型のキャブオーバートラックに搭載するなどイメージを一新したのが7代目キャンターです。2003年に三菱自動車から分社した三菱ふそうに生産が移ったため、三菱自動車で製造された最終モデルのキャンターとなります。2005年。2009年にマイナーチェンジを行い環境に配慮した車両作りに力が入れられ始めました。

8代目キャンター(2010年~現在)

三菱ふそうに生産が移り最初のフルモデルチェンジとして、世界で初めて小型トラックに6速デュアルクラッチトランスミッションのDUONIC(デュオニック)を搭載し、ブレンボ社製総輪ディスクブレーキを採用したのが現行モデルの8代目キャンターです。搭載エンジン4P10系は1.5トン・2トン・2~4トン・3.5トン以上の車両区分で最高出力・最大トルクが異なるチューニングが施されています。

現行モデル8代目キャンターの特徴

現行モデル8代目キャンターの特徴
キャンターは三菱重工から三菱自動車、現在の三菱ふそうと生産が引き継がれ現行モデルの8代目キャンターは三菱ふそうで最初に行われたフルモデルチェンジで誕生しました。環境に配慮しながら力強いエンジンと排ガス処理装置の搭載や高い安全性能が評価され、2012年に日産自動車と相互OEM供給、2014年にはUDトラックスに対するOEM供給が開始されています。

燃費や走行性能

8代目キャンターに搭載される4P10系エンジンは2,998cc直列4気筒・DOHC16バルブ・直噴コモンレールインタークーラーディーゼルターボで車両区分によって異なるチューニングが施された4つのエンジンの基本スペックは次の通りです。

車両区分 基本スペック
1.5トン(T1)型 81kW (110PS)/2,970~3,500rpm 260N.m(26.5kgf.m)/1,200-2,970rpm
2トン(T2)型 96kW (130PS)/3,050-3,500rpm 300N.m(30.6kgf.m)/1,300-3,050rpm
2~4トン(T4)型 110kW (150PS)/2,840-3,500rpm 370N.m(37.7kgf.m)/1,350-2,840rpm
3.5トン以上(T6)型 129kW(175PS)/2,860-3,500rpm 430N.m(43.8kgf.m)/1,600-2,860rpm

再生制御式DPFと尿素SCRシステムBlueTec(ブルーテック)システムが採用され、ポスト新長期排出ガス規制・低排出ガス認定車(NOx、PM10%低減レベル)・九都県市指定低公害車で平成21年「超」も取得しています。全車で平成27年度重量車燃費基準を20%以上オーバー達成しクラストップの低燃費を実現、エコカー減税で自動車重量税と取得税の免税対象となっています。

またトルコン式ATのイージードライブとMTの省燃費性を兼ね備えたデュアルクラッチ式AMT「DUONIC 2.0」を採用し、キビキビとした走りと高い経済性を実現しています。

安全性能

8代目キャンターは制動時の安定性を確保するABS機能に最適なブレーキ力を前後輪に配分し、安定した制動力を確保するEBDを加えることで急制動時の車両の挙動を抑えることに成功しています。

またアクセルとブレーキペダルを同時に踏んだ状態では、ブレーキを優先させる制御システム「ブレーキオーバーライドシステム」を採用しフェールセーフ(誤操作回避)対策を行っています。

さらに時速60km以上での走行時にウィンカーを操作せずに車線を外れた場合にブザーとメータークラスター内のIvis(マルチ情報システム)で警告を行う車線逸脱警報(LDWS)、車両姿勢を常にセンサーで感知しカーブでの横滑りや横転等の危険性が生じた場合、駆動力や4輪のブレーキ力をコントロールし車両姿勢を適正な状態に保つ車両安定性制御装置ESP®を搭載することで走行時の安全性能を高めています。

フロントバンパーに搭載した高精度ミリ波レーダーで前方の車両や歩行者などを検知し、衝突の危険を察知すると、車間距離や走行状況に応じて警報や自動ブレーキ(AEBS)を作動させ衝突回避や衝突被害軽減の支援を行いますので、運転時の高い安全性能が確保されていると言えるでしょう。

グレードとラインナップ

8代目三菱キャンターは平ボディ(カーゴ・ダブルキャブ・ハイブリッド)・ダンプ・トライバン(保冷・冷凍バン)・キャリアカー・EXの5つのボディバリエーションをラインナップしています。

平ボディシングルキャブは荷台幅が1,790mmの標準キャブと1,900~2,080mmのワイドキャブが用意され、荷台長は標準・セミロング・ロング・超ロング・超超ロングの5つの中から選べます。

各ボディタイプ(シングルキャブ)の荷台の長さは次の通りです。

ボディタイプ 標準キャブ ワイドキャブ
標準 3,120mm 設定なし
セミロング 3,500mm 3,500mm
ロング 4,350mm 4,350mm
超ロング 設定なし 5,000mm
超超ロング 設定なし 6,000mm

また荷台地上高も855~900mm(2トン)・900~970mm(3トン)の全低床と945~970mm(2トン)、970~1,045mm(3トン)の高床の2タイプが用意され使用用途に適したタイプを選択でき、グレードは上級グレード「カスタム」と標準グレード「スタンダード」から選べます。

三菱キャンターが中古トラック市場で人気を集める訳とは?

三菱キャンターが中古トラック市場で人気を集める訳
三菱キャンターはモデルサイクルが長いと言われているトラックの中では珍しく頻繁にマイナーチェンジやフルモデルチェンジを行い、市場のニーズに応え続けているトラックだと言えるでしょう。

現在キャンターブランドで販売されている三菱のトラックは最大積載量1.5~4.6トンまで幅広く、既に紹介した5つのボディバリエーションと5つのボディタイプの中から、使用用途にあった1台を見付けることができるのが人気の理由だと考えられます。

また環境に配慮したテクノロジーが実現するエコカー減税の対象であることから、新車購入時の自動車所得税・車検時の自動車重量税の優遇措置を受けられることも三菱キャンターの人気を後押ししていると言えるでしょう。

国内の中古トラック市場で流通する三菱キャンター

トラックの中ではモデルサイクルが短い三菱キャンターは、5代目キャンターから中古トラック販売店での取り扱い台数が増えてきます。しかし排ガス規制が厳しい現在、5代目・6代目キャンターの数は決して多いと言えるものではなく、7代目と現行モデルの8代目キャンターが目につきます。

ボリュームゾーンは2002年~2011年の間に製造された7代目キャンターですが、8代目キャンターの取り扱い台数も7代目と拮抗しているのは、8代目キャンターのリリースから9年が経過しようとしていることも影響しているのではないかと考えられます。

中古車トラック市場でも高い支持を得る三菱キャンターのまとめ

1963年の初代キャンター発売から55年以上が経過し、製造販売元が三菱重工業から三菱自動車、そして三菱ふそうへと移り変わってもキャンターのブランドが受け継がれるのはキャンターに対する市場のニーズが高いことが原因だと考えられます。

三菱キャンターの特徴や中古トラック販売店で三菱キャンターの人気が高いのは次の3つのポイントが理由だと言えるでしょう。

  • 定期的なモデルチェンジを行い最新技術を市場に提供してい
  • 市場のニーズに応える豊富なラインナップが用意されてい
  • 中古の三菱キャンターなら7代目がおすすめ

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