物流業界の立役者!安全に運送できるアルミバンの特徴を大分析
荷台を箱形の荷室に架装したバンタイプは人気が高く、中でも重さが鉄の約1/3で非常に軽量である特徴を持つアルミ製の荷室を搭載したアルミバンは、中古トラック販売店でも数多く取り扱われる人気が高いボディタイプだと言えます。運送業・引越し業・宅配便の集配送業などの物流業界で広く活用されているアルミバンの特徴を紐解きながら紹介します。
積荷を汚さず安全に運搬しやすいアルミバンとは?
アルミバンはトラックメーカーではなく、架装メーカーと呼ばれる業者によって荷台に架装を施したタイプのトラックで、密閉性の高いアルミ製の荷室を搭載するアルミバンは、積み荷を汚さず、荷崩れの心配も少なく、扉を施錠することで防犯性能を持つことから広く普及しているトラックです。
作業効率向上のため「できるだけ多くの荷物を積み込みたい!」というニーズに応えるために軽量なアルミ素材で作られ、強度を確保するためにコルゲートと呼ばれる凹凸加工を施すなどの工夫がされています。
使用用途によって荷室内部の使用は異なるもののベニヤ板を貼り付けたものが一般的で、積み荷の固定用のフックやラッシングベルトをかけるラッシングレールが装備されているものも少なくありません。
アルミバンの特徴や車両区分別の一般的な荷台や荷室のサイズは?
ひと口にアルミバンといっても荷台のサイズは車両区分や標準・ロング・ワイドなどのボディタイプによって異なるので、中古トラック販売店で取り扱われるアルミバンの荷室のサイズは様々です。車両区分による荷台サイズの目安は次の通りです
車両区分 | 荷室長 | 荷室高 |
大型アルミバン | 9,000mm前後 | 2,500mm前後 |
中型アルミバン | 6,200mm前後 | 2,300mm前後 |
小型アルミバン | 3,150mm前後 | 2,100mm前後 |
小型アルミバンの特徴や規格
小型アルミバンは宅配便の集配業や商品配達業など、街中や近距離の物流業務に多く用いられています。積載量が少ないものの小回りが利く点や住所・氏名・電話番号などの個人情報が記載された荷物を取り扱うことから、荷室を施錠できるため高い防犯性を持つ小型アルミバンの特徴が近距離の物流業務のニーズにマッチしていることが普及の理由だと考えられます。
様々なボディタイプが存在する小型トラックはボディタイプによって次のように異なります。
ボディタイプ | 荷室長 | 荷室高 |
ショートボディ | 〜2,999mm | 2,100mm前後 |
セミロングボディ | 3,300mm〜3,999mm | 2,100mm前後 |
標準ロングボディ | 4,000mm〜4,899mm | 2,100mm前後 |
小型のボディタイプに標準幅とワイド幅があります。それぞれの幅は下記になります。
・標準幅:~1899mm
・ワイド幅:1900mm~
※ショートボディは標準幅のみになります。
中型アルミバンの特徴や規格
小型アルミバンよりも多くの荷物を積み込むことができる中型アルミバンは、中・長距離の物流業務にも対応でき、積み荷を汚さず安全に運送できる特徴から、運送業・宅配便の集配送業・引っ越し業・コンビニの配送業など幅広い物流業務に用いられています。
様々なボディタイプが存在する中型トラックはボディタイプによって次のように異なります。
ボディタイプ | 荷室長 | 荷室高 |
標準ボディ | 6,200mm前後 | 2,300mm前後 |
ショートボディ | 4,350mm前後 | 2,300mm前後 |
ロングボディ | 7,200mm前後 | 2,300mm前後 |
スーパーロングボディ | 8,200mm前後 | 2,300mm前後 |
中型のボディタイプに標準幅とワイド幅があります。それぞれの幅は下記になります。
・標準幅:~2299mm
・ワイド幅:2300mm~
大型アルミバンの特徴や規格
大型アルミバンは一度に大量の荷物を運送できるものの、車両が大型となるため他の車両区分よりも小回りが苦手なため主に長距離間の運送業務に活用されています。日本国内の物流業務を支えるトラック運送業界の頂点に君臨する花形トラックと言っても過言ではないでしょう。
国内主要4メーカーの大型アルミバンの荷室のサイズは以下の通りです。
メーカー | 車種 | 荷室長 | 荷室幅 | 荷室高 |
日野 | プロフィア | 9,670mm | 2,490mm | 2,500mm前後 |
三菱ふそう | スーパーグレート(ショートキャブ) | 10,030mm | 2,340mm | 2,500mm前後 |
スーパーグレート(フルキャブ) | 9,550mm | 2,340mm | 2,500mm前後 | |
スーパーグレート(スーパーフルキャブ) | 9,600mm | 2,340mm | 2,500mm前後 | |
UDトラックス | クオン | 9,500mm | 2,490mm | 2,500mm前後 |
いすゞ | ギガ | 5,100mm | 2,490mm | 2,500mm前後 |
アルミバンの作業性は開口部のタイプで異なる
アルミバンの特徴である密閉された荷室は荷物を汚さず安全に運ぶことができますが、荷室の密閉性を高めることで積み下ろしの作業性が犠牲になっているとも考えられます。アルミバンの開口部の位置や数は荷物の積み下ろしの作業性に大きく影響を及ぼすので、中古トラック販売店でアルミバン購入の際には開口部の位置や数に注目するのも上手な中古トラックの選び方だと言えます。
アルミバンの開口には3つのタイプがある
積み下ろしの作業性に大きく影響するアルミバンの開口は次の3つのタイプに分類できます。
後部のみが開口するタイプ
アルミバンの荷室後部のみが開口するタイプで観音開きのドアタイプが最も一般的だと言えますが、パワーゲート搭載車の場合格納されたパワーゲートが後部開口部のドアの替わりとなるタイプも存在します。荷室全体を活用できる特徴があるため積み込みや荷降ろしの回数が少ない運送業務に適していると言えるでしょう。
後部と左右どちらかのサイドドア2ヶ所が開口するタイプ
アルミバンの荷室後部と側面1ヶ所のサイドドアが開口するタイプで、広い開口が作業効率を上げる荷物の積み込み時には後部開口部、小さな積み荷を下ろすことが多い宅配便の配送や商品配達時などは側面開口部を使い分けられるのが特徴で作業効率が向上します。
後部と左右のサイドドア3ヶ所が開口するタイプ
アルミバンの荷室後部と左右2ヶ所のサイドドアが開口するタイプで、合計3ヶ所の開口部を活用すれば上記の2ヶ所の開口部をもつアルミバンよりも細かな荷降ろし計画がたてられるのが特徴です。
アルミバンの作業性を向上させる架装
開口部の位置や数が制限されるアルミバンですが、アルミバンを用いた際の作業効率を大きく向上させる架装も存在します。
荷積み荷降ろしを効率化させるパワーゲート
既にアルミバンの開口部の項でふれましたが、アルミバンの後部開口部に搭載し荷物の積み下ろしの作業効率を大きく向上させる架装がパワーゲートです。最も負担の掛かるアルミバンの荷室への荷物の上げ下げをパワーゲートで行うことでドライバーの負担が大きく軽減されますし、ハンドリフトを使用した積み下ろしにも対応できることで作業効率を向上させます。
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アルミバンの運転にはどのような免許区分が必要となるのか?
2017年に道路交通法が改正され現在国内には6つの免許区分が存在し、各免許区分で運転できる車両総重量や最大積載量が細かく細分化されました。アルミバンは最大積載量に対して車両総重量が重くなる傾向にあることから、保有免許で運転できるアルミバンの車両総重量をしっかりと掴んでおく必要があると言えます。
各免許区分で運転できるアルミバンの車両総重量や最大積載量は以下の表で確認してください。
免許区分 | 車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 |
普通免許 | 3.5トン未満 | 2.0トン未満 | 10人以下 |
準中型免許(5トン限定) | 5.0トン未満 | 3.0トン未満 | 10人以下 |
準中型免許 | 7.5トン未満 | 4.5トン未満 | 10人以下 |
中型免許(8トン限定) | 8.0トン未満 | 5.0トン未満 | 10人以下 |
中型免許 | 11.0トン未満 | 6.5トン未満 | 29人以下 |
大型免許 | 11.0トン以上 | 6.5トン以上 | 30人以上 |
小型アルミバンの運転に必要な免許
最大積載量2.0トン未満の小型アルミバンであれば普通免許で運転することが可能ですが、注意するべき点は普通免許で運転できるアルミバンは車両総重量が3.5トン未満である必要がることです。仮に、最大積載量が2.0トンのアルミバンでも車両総重量が3.5トン以上であれば準中型免許以上の免許区分が必要となります。
中型アルミバンの運転に必要な免許
最大積載量4.5トン未満・車両総重量7.5トン未満の中型アルミバンであれば準中型免許で運転することが可能です。しかし中型アルミバンでも車両総重量7.5トン以上の場合は中型免許・大型免許の保有が運転条件となります。
大型アルミバンの運転に必要な免許
大型アルミバンの運転には大型免許が必要となります。長距離の運送業務に従事するためには大型免許の取得を行っておくと仕事の選択肢が大きく広がると言えるでしょう。
まとめ
荷室が密閉されている特徴を持つアルミバンは、積み荷を汚さず安全に運べることから広く普及しているボディタイプのトラックだと言えます。中古車市場への流入台数も非常に多く中古トラック販売店での選択肢も豊富ですが、アルミバンの中古トラックを選ぶ際には次の点に注意するべきだと言えるでしょう。
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- アルミバンの荷室のサイズは車両区分やボディタイプで異なる。
- 開口部の位置や数でアルミバン使用時の作業効率が異なる。
- アルミバンの運転の際には最大積載量よりも車両総重量に注目。