トラックでよく見かける横のホースは何?その役割や特性を解説
トラックによくついているホースの正体
これは主に箱型のトラックの中でも冷凍車や活魚運搬車によくつけられている部品で、ゴムで出来ています。
活魚運搬車の場合はその性質上荷台に水が溜まりやすい構造となっていたり、冷凍車の場合は箱を清掃する時に水を使用したりします。
このような際に発生した水がきちんと排水されるようにこのホースが取り付けられており、「水抜きホース」や「鮮魚ホース」と呼ばれたりしています。
ただ、車体の外まではみ出しているようなタイプは違法改造になりますので、当然車検を通すことはできません。
冷凍車とこのホースの関係性
冷凍車というと、やっぱり一番多いのは食品を運ぶ仕事が多いですよね。例えば一番最初に挙がってくるのは魚です。それから氷やアイスクリーム、あとは冷凍食品なども積んで走ることが多いです。パーマンショップ
冷凍車の箱をつくっている架装メーカーが同じようなホースを作っているのですが、冷気が逃げないための工夫として、先端が先細りになっています。
どうしても冷たい空気というのは高い所から低い所に流れますので、こういったホースをつけていると箱の中の冷気が逃げ出しにくくなる、というような意図で設計された部品になります。
実はそのホースの根元のところに、浴槽のフタのようなゴムの栓がついているので、それをちゃんと閉じていれば冷気が外に逃げることありません。
この先細りのホースが大量の水を流したり、あるいは箱が特に汚れていたりすると、ゴミなどがこの中に詰まってしまって、排水性が極端に落ちることになります。
そこでそれを嫌って太めのホースに付け替えるというようなことも行われた、実用的な部品だったんです。段々それが冷凍車特有のオプションのような感じになってきて、今ではアートトラックなどでもおなじみになってきましたが、結構外に跳ねて、まるでゾウの牙のような形をしているホースになったんですね。
このホースは危なくないの?必要性は?
このホースが当たったりしたら危なくないのか?という疑問を持たれる方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、材質はゴムですので当たったとしても怪我をするようなものにはなっていません。
このホースの本来の目的は、箱の掃除をする時に水が流れやすくなるように取付られたものです。
特に魚を運ぶトラックなどは毎回清掃しないとどうしても魚の臭いがついてしまいますし、魚だけでなくても食品を運ぶトラックというのは特に匂いにかなり気を使います。
運んだ荷物の臭いが残らないようにその都度きれいに清掃するわけです。
冷凍車は凍らせてしまっているのでそんなに臭いはつかないんですが、主に冷蔵で使っているトラックの場合は、凍らせていないものを運びますので、ニオイのきついようなものを運んだ後は結構頻繁に掃除をしなければならなくなってしまいます。
冷凍車の清掃事情
例えば低床4軸の大型車だと、エアーサスペンションで後ろの部分を上げて後ろからばーっとホースで水を流すことで、前のホースからそのゴミを出して洗い流すというようなことをやります。
総輪エアサスと言って、前輪も後輪もすべてエアーサスペンションで車高の調整が出来るタイプの車ですと、前を上げて後ろを下げるとか、前を下げて後ろを上げるというようなこともできますので、一般的なエアサス車に比べて傾斜をかなりつけることができます。
そういった車ですと、洗い流す作業をするとき非常に楽です。
要は庫内の奥の方から観音扉に向かってバーッと水を流すことで、かなり傾斜がついていますので、面白いようにゴミがばーっと流れてくるわけですね。
純正の先細りのホースというのはどうしてもそういった小石とか枯葉などが詰まってしまって、水の排水性が悪くなるというようなことは珍しくありません。
最悪詰まって流れなくなってしまってという事態になると、一回外して中を清掃してから、というようなことになってしまいます。なのであまり象牙のように外に跳ねるのは危ないとは思いますが、ストレートタイプの太いホースだったら使ってみた方が多分効率はいいのではないでしょうか。
ちゃんと蓋をしていれば冷気が逃げる心配もありませんし、外側にドレンコックのように手動でしめられるような手動式のコックがついているものもありますので、今はあまり冷気が逃げるというような心配はしなくても大丈夫なようになってきています。
まとめ
今回は、箱型のトラックについている象牙のような形の物体について、この正体は一体何なのかというテーマで解説をさせていただきました。
トラックに関する基礎知識として、ぜひ頭の中にインプットしておいてくださいね。