1ナンバーのトラックとは?4ナンバーとの取得条件や維持費用の違いを解説
1ナンバーとは、ナンバープレートに表示される分類番号の種類の1つで、普通貨物自動車に割り当てられるものです。
車両の分類番号には、0〜9までの10種類あり、貨物自動車であるトラックのナンバープレートは、1ナンバーと4ナンバーの主に2種類が存在します。
1ナンバーと4ナンバーは、トラックの維持費用が異なります。新しくトラックの導入を検討している方の中には、1ナンバーと4ナンバーの違いが分からない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、1ナンバーと4ナンバーの違いを、取得条件や維持費用に焦点をあて解説します。
1ナンバーとは
1ナンバーは、普通貨物自動車に与えられる分類番号です。中型から大型のトラックをイメージすると分かりやすいでしょう。
ここでは、1ナンバーの特徴を解説します。
ナンバープレートの区分
車両が国内の公道を走行するには、ナンバープレートが必要です。車両登録情報が参照できるようそれぞれのナンバープレートには、4桁の車両番号が表示されています。これらの番号は、盗難車両や交通違反車両の取り締まり時に、車両特定をおこなうために使用される重要な番号です。
4桁で表示される車両番号の他にも、ナンバープレートには、2〜3桁の「分類番号」が表示されています。分類番号には0〜9までの10の数字が用いられ、以下の通り、それぞれ該当車両が異なります。
1ナンバー車は、1で始まる2〜3桁の分類番号がついている普通貨物車のことです。
分類番号 | ナンバーの様式 | 該当車両 |
0ナンバー | 大型特殊自動車における建機 | |
1ナンバー | 普通貨物車 | |
2ナンバー | 普通乗用車 (定員11人以上)) | |
3ナンバー | 普通乗用車 (定員10人以下) | |
4ナンバー | 小型貨物車・軽貨物車 | |
5ナンバー | 小型乗用車・軽乗用車 | |
6ナンバー | 4ナンバーの予備番号 | |
7ナンバー | 5ナンバーの予備番号 | |
8ナンバー | 特殊用途自動車 | |
9ナンバー | 大型特殊自動車 |
1ナンバーに分類される車両条件
1ナンバーに登録するためには、以下のような条件をクリアする必要があります。
・車両サイズが長さ4.7m、幅1.7m、高さ2mを超えている
・排気量は2,000cc以上
・荷物を載せるスペースの面積が1㎡以上(座席部分より荷物を載せるスペースが広くなっている)
・乗車定員の重量は、荷物の積載可能重量よりも軽い
・荷物を載せるスペースと人が乗る席の間に壁や保護仕切りがある(さらにスペース間の移動は不可)
1ナンバー・4ナンバーの違い
トラックの分類番号は、1ナンバーと4ナンバーの主に2種類です。4ナンバーは、車両サイズが小さいトラックに割り当てられます。
ここでは、1ナンバーと比較されることの多い4ナンバーとの違いを詳しく見ていきましょう。
車両サイズ
1ナンバー車が普通貨物自動車に分類されるのに対し、4ナンバー車は小型貨物車や軽貨物車に適用されます。
最大積載量の制限はないため、積載量が3tのトラックなども4ナンバーでの登録が可能です。
1ナンバーと4ナンバーは、登録車両サイズに条件があるので以下の表で確認しておきましょう。
車両の長さ | 車両の幅 | 車両の高さ | |
1ナンバー | 12m以下 | 2.5m以下 | 3.8m以下 |
4ナンバー | 4.7m以下 | 1.7m以下 | 2.0m以下 |
車検に関する違い
トラックの維持費用を考える際、車検の有効期間や自賠責保険、税金などの費用は重要なポイントです。
車検の有効期間は、ナンバープレートの区分ではなく、トラックの重量によって異なります。
軽自動車に含まれない1ナンバー車の車検有効期間は、初回をのぞいて1年間です。ただし、1ナンバーでも車両総重量が8t以上の場合には、初回から有効期間が1年間となります。
初回車検時の有効期間 | 初回以降の車検有効期間 | |
車両総重量8t以上 | 1年 | 1年 |
車両総重量8t未満 | 2年 | 1年 |
軽自動車 | 2年 | 2年 |
また、車検時に支払う自賠責保険料も、1ナンバーと4ナンバーでは異なります。
小型貨物自動車に分類される4ナンバー車は、普通貨物車である1ナンバーと比べると安くなります。
保険期間24ヵ月の料金 | |
普通貨物車(営業用2トン超) | 42,610円 |
普通貨物車(営業用2トン以下) | 30,110 円 |
小型貨物自動車(営業用) | 26,240円 |
自動車税
トラックにかかる自動車税も、ナンバーによる分類ではなく、最大積載量によって料金が決まります。
1ナンバーに区分されるトラックのほうが、最大積載量は多いため、自動車税もその分高くなる傾向です。
高速料金
高速料金は、車両サイズによって異なります。主に中型車や大型車に分類される1ナンバー車は、4ナンバー車よりも料金が高くなります。
荷物の量があまり多くなく、かつ高速道路の利用が多い場合は、4ナンバー車の利用が向いています。
以下の表では、東名高速道路の東京IC〜阪神高速の梅田ICまでの料金を比較してみました。
高速道路車種区分 | ナンバー区分 | 料金 |
軽自動車 | 4ナンバー | 10,080円 |
普通車 | 4ナンバー | 12,460円 |
中型車 | 1ナンバー | 14,860円 |
大型車 | 1ナンバー | 20,300円 |
特大車 | 1ナンバー | 33,760円 |
※2024年8月現在の平日日中の割引適用なしの通常料金の比較
1ナンバーに関するQ&A
最後に、1ナンバーに関してよくある質問と回答をまとめました。
1ナンバーのメリットは?
1ナンバーは、4ナンバーよりもトラックの長さ、高さ、幅が大きいトラックに対応するナンバー区分です。
費用面のメリットはありませんが、1ナンバーは大型車向けのナンバー区分となっているため、車検有効期間なども大型トラックを安全に走行するために必要なものに設定されています。
1ナンバーのデメリットはある?
1ナンバーは中型から大型のトラック、4ナンバーは小型トラックに適した区分であるため、1ナンバー車両のほうが自賠責保険、税金などの維持費用が高額となる点がデメリットです。
一方で、1ナンバー車は積載量が大きいため、4ナンバー車よりも作業効率の高さが期待できます。
1ナンバーの維持費用は高い?
1ナンバーは、車両サイズが大きい分、4ナンバーと比べると自賠責保険や自動車税などの税金、高速の費用が高くなります。
まとめ
今回は、4ナンバーと比較しながら1ナンバーについて詳しく解説してきました。1ナンバー車は車両サイズが大きく、4ナンバー車と比べると維持費用が高くなる傾向があるため次の点も押さえておきましょう。
-
- 1ナンバーは、普通貨物自動車、4ナンバーは小型貨物車、軽貨物車にそれぞれ与えられる分類番号
- 1ナンバーと4ナンバーの分類は、車両の長さや高さ、幅などによって明確な基準があるが、最大積載量の制限はない
- 1ナンバー車は車両サイズが大きいため、4ナンバー車と比べると、車検の有効期限が短く、保険料や税金などの維持費が高くなる傾向にある