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基礎知識

活躍するホイールクレーンの特徴や種類、購入時の注意点を解説!

多彩なフィールドで活躍するホイールクレーン!特徴や中古車購入時の注意点とは?天井クレーンやジブクレーン、橋形クレーンなど設置場所から移動できない固定式のクレーンに対し、搭載する自走機能で移動できるクレーンは移動式クレーンと呼ばれ移動式クレーンのなかでも最も活用されているホイールクレーンに注目し特徴や活躍するフィールドや、中古ホイールクレーン購入時の注意点などを紹介します。

機動性の高さで多彩なフィールドに広く活用される移動式クレーンとは?

機動性の高さで多彩なフィールドに広く活用される移動式クレーンとは?
労働安全衛生法によって自走機能を搭載し不特定な場所への移動を行えるクレーンは移動式クレーンと定義付けており、吊り上げ荷重が3トン以上の移動式クレーンは特に危険な作業を行う特定機械に指定されています。

しかし目的地まで自力で移動できる機動性を備えた移動式クレーンは建設現場や解体工事現場、大型機械の据え付け現場など多彩なフィールドで幅広く活用されています。

移動式クレーンは移動方式で多くのタイプに分類される

自走機能を搭載し不特定な場所へ移動できることが移動式クレーン最大の特徴であり、クレーンのなかでも移動式クレーンが多彩なフィールドで活用される理由だと言えますが、搭載する自走機能によって移動式クレーンは次の9タイプに分類することができます。

トラッククレーン

トラッククレーン
参照元:株式会社タダノ
トラックの荷台部分にクレーンを搭載し貨物自動車としての機能を持たない移動式クレーンがトラッククレーンで、走行時はキャビンでトラックの運転を行いクレーン操作は荷台部分のクレーンキャブで行います。

ホイールクレーン

ホイールクレーン
走行時の運転やクレーン操作をクレーンキャブで行える移動式クレーンがホイールクレーンで、2軸~4軸のタイプが存在します。全輪操舵で小回りが利くため現在多彩なフィールドで広く活用されている移動式クレーンだと言えます。

ラフテレーンクレーン

ラフテレーンクレーン
参照元:株式会社タダノ

ホイールクレーンからの派生車種と言える移動式クレーンが一般的にラフタークレーンと呼ばれるラフテレーンクレーンで、クレーンキャブで走行とクレーン操作を行い四輪駆動・四輪操舵が特徴です。

オールテレーンクレーン

オールテレーンクレーン
参照元:株式会社タダノ

トラッククレーンのように独立したキャビンを持ち車軸が4軸以上の大型移動式クレーンはオールテレーンクレーンと呼ばれ、ホイールクレーンやラフタークレーンと区別されます。全輪操舵が行えるものが主流で小回りが利き大型で安定性に優れるため高所への吊り上げ作業に適してきます。

クローラークレーン

クローラークレーン
キャタピラとも呼ばれる鉄やゴム製のクローラー(無限軌道)を用いた自走装置にクレーンを搭載した移動式クレーンがクローラークレーンで、台車上のクレーンキャブで走行運転やクレーン操作を行います。走行速度は低速で公道の走行は行えませんがクローラーの高い走破性で未舗装路や軟弱路面などでも作業可能です。

クレーン機能付き油圧ショベル

クレーン機能付き油圧ショベル
掘削作業用の油圧ショベルにクレーン機能を搭載した移動式クレーンで掘削作業と吊り上げ作業を行えます。クローラー搭載の油圧ショベルはクローラークレーン同様高い走破性を備えており悪路でも作業可能です。

操重車

操重車
参照元:wikipedia

鉄道車両にクレーンを搭載した移動式クレーンが鉄道クレーンとも呼ばれる操重車です。敷設したレール上しか移動できないため不特定な場所への移動は行えませんが移動式クレーンに区分されます。

クレーン船

クレーン船
船舶や艀(はしけ)にクレーンを搭載し水上を移動できる移動式クレーンがクレーン船で浮きクレーンとも呼ばれます。本来は推進機能を持つ自航式がクレーン船ですが、実際は推進機能を持たない非自航式の水上重機もクレーン船と呼ばれています。

車両積載形トラッククレーン

車両積載形トラッククレーン
平ボディのトラックに車載クレーンを搭載し貨物自動車と起重機の機能を併せ持つ移動式クレーンが一般的にクレーン付トラックと呼ばれる車両積載形トラッククレーンです。走行時はキャビン内でトラックの運転を行いクレーン操作は本体の操作盤やリモコン・ラジコン式のコントローラーで行います。

ユニック車に必要な免許や資格とは?取得の流れと費用についても解説!

最もニーズが高いと言われる移動式クレーン!ホイールクレーンとは?

最もニーズが高いと言われる移動式クレーン!ホイールクレーンとは?
ホイールクレーンはトラッククレーンに次ぐ高い自走機能や全輪操舵によって実現される非常に小さな最小回転半径の実現など、クレーンに対する現場ニーズにバランスよく応えている移動式クレーンだと言えます。

現在国内ではトラッククレーンからホイールクレーンへの乗り換えが進んでおり、建設現場などでのクレーン作業にはホイールクレーンが用いられるケースが圧倒的に多い傾向にあります。

ホイールクレーンとラフテレーンクレーンの搭載機能は同じ?

前項での移動式クレーン区分のなかではホイールクレーンとラフテレーンクレーンを別のタイプとして紹介しました。ラフテレーンクレーンは国内クレーンメーカー加藤製作所の製造するホイールクレーンの商標でホイールクレーンとラフテレーンクレーンに同様の機能や特徴を備えた移動式クレーンだと言えます。

ラフテレーンクレーンはホイールクレーンにカテゴライズされる

ラフテレーンクレーンはホイールクレーン同様の機能や特徴を備えた移動式クレーンですが、ラフタークレーンの呼称が普及したためにホイールクレーンがラフタークレーンと呼ばれるケースは珍しくありません。

またラフテレーンクレーンがホイールクレーンとして扱われることも多く、ホイールクレーンとラフテレーンクレーンの境界は非常に曖昧であるのが実情です。

ホイールクレーンのオペレーターに必要な免許や資格とは?

ホイールクレーンのオペレーターに必要な免許や資格とは?
ベース車両のトラックにクレーンを搭載したトラッククレーンやクレーン付トラックは、ベース車両区分の運転資格を満たす免許区分を保有していれば公道を走行することができますが、クレーン操作はクレーン操作資格が必要となります。

走行時の運転やクレーン操作をクレーンキャブで行うホイールクレーンは特殊車両となり、普通免許や大型免許を保有していても公道を走行させることができません。クレーン操作にはクレーン操作資格が必要となるため、ホイールクレーンのオペレーターは走行用の免許とクレーン操作資格を取得する必要があります。

公道でホイールクレーンを走行させるために必要な免許は?

既述のとおり走行時の運転やクレーン操作をクレーンキャブで行うホイールクレーンは特殊車両となるため、国内の公道でホイールクレーンを走行させるためには特殊車両運転免許が必要となります。

ホイールクレーンのオペレーター業務に従事するためには「大型特殊免許」の取得が必要であると言えるでしょう。

ホイールクレーンの操作資格は吊り上げ荷重で3つに区分される

移動式クレーンであるホイールクレーンの操作資格は、操作するホイールクレーンの吊り上げ荷重によって次に挙げるように異なります。

・吊り上げ荷重1トン未満:移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育修了証
・吊り上げ荷重1トン以上5トン未満:小型移動式クレーン運転技能講習修了証
・吊り上げ荷重5トン以上:移動式クレーン運転士免許

上位資格を保有していれ操作可能なホイールクレーンが増えるため、ホイールクレーンのオペレーターは移動式クレーン運転士免許を取得するのが現実的だと言えます。

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高額なホイールクレーンは中古車両の購入がおすすめ

高額なホイールクレーンは中古車両の購入がおすすめ
特殊車両であるホイールクレーンの新車車両価格はメーカーや吊り上げ荷重によって異なりますが、メーカー希望2,500万円~1億円近くと非常に高額な傾向にあるため新車購入のハードルは決して低くないのが実情です。

しかしホイールクレーンに対する現場ニーズは年々高まっているため、効率的なホイールクレーン導入を行う必要があるのも事実で、中古トラック販売店を活用した中古ホイールクレーン購入がおすすめです。

中古ホイールクレーン購入時には取り付け義務がある安全装置確認が重要

特殊車両であるホイールクレーンは中古車両であっても車両価格が高額な傾向にあるため、中古車両購入時は車両コンディションをしっかり確認したうえで良質な中古車両を購入したいものです。

中古ホイールクレーン購入時には自走機能の確認など共に次に挙げる取り付けが義務付けられている安全装置の動作確認が重要なポイントとなります。

巻過防止装置

フックを取付けたワイヤーを巻き過ぎないようにフックが上限位置に達すると警報と共に巻き上げを自動停止させる装置

過負荷防止装置

定格以上の荷重がかからないように定格荷重を超える前に警報を発しクレーンを停止させる装置

安全弁等

ホイールクレーンを制御する油圧系統の流量・圧力を許容範囲内に制御する装置

回転部分の防護

歯車や軸など稼働時に回転する部分の保護装置

警報装置

安全装置と連動し警告音などで警報を発する装置

傾斜角指示装置

ジブの起伏角度を確認するための表示装置

外れ止め装置

フックを取り付けたワイヤーの外れ止め

前照燈等

公道走行時に必要となる前照灯・尾燈・方向指示器をはじめとする保安部品などの装置

操作回路

操作回路が漏電による地絡事故を防止する方法で結線されているかの確認

中古トラック販売店でホイールクレーン購入は可能?

中古トラック販売店でホイールクレーン購入は可能?
車両価格が非常に高額なホイールクレーンの効率的な導入のためには中古車両の活用が効果的ですが、特殊車両であるホイールクレーンの中古車両はどこで購入できるのかが気になります。

中古トラック販売店でもホイールクレーンの取扱いは行われている

中古トラック販売店でもホイールクレーンなどの特殊車両の常時在庫をもっていないため「ホイールクレーンの中古車両をどこに手配すれば良いのか?」と頭を抱える方もいるかもしれません。

確かに中古トラック販売店の店頭でホイールクレーンを目にする機会は非常に稀だと言えますが、中古トラック市場にはホイールクレーンの流入も存在するため中古トラック販売店でホイールクレーンを購入することは可能です。

お得な中古ホイールクレーン導入は中古トラック販売店で実現可能

通常取扱いが行われていない特殊車両のホイールクレーンですが中古トラック販売店に「どのようなホイールクレーンの導入を予定しているのか」を伝えれば、中古トラック市場から理想的な1台を探し出すことが可能です。

車両価格が非常に高額なホイールクレーン導入時には中古トラック販売店の情報網を有効活用し、理想的な中古車両を効率的に購入することを強くおすすめします。

まとめ

移動式クレーンのなかでも最も現場ニーズが高く、多彩なフィールドで幅広く活用されているのがホイールクレーンです。ホイールクレーンの運転・操作には特別な運転資格やクレーン操作資格などが必要ですし、新車の車両価格も驚くほど高額であることからホイールクレーンは正真正銘の特殊車両だと言えるでしょう。

ホイールクレーンの特徴や運転・操縦資格、効果的な導入方法は次に挙げる3つですので、現場ニーズの高いホイールクレーン導入の参考にしてください。

  • ホイールクレーンの運転やクレーン操作はクレーンキャブで行う
  • 運転は大特免許・クレーン操作は移動式クレーン運転士免許が必要
  • ホイールクレーン購入は中古トラック販売店の利用が効果的

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