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車検切れトラックで公道走行できる!臨時運行許可「仮ナンバー」の取得方法とは?

車検切れトラックで公道走行できる!臨時運行許可「仮ナンバー」の取得方法とは?
国内の公道を走行するすべてのトラックにはナンバープレートが割り当てられており、ナンバープレートを取得していないトラックで公道を走行することは違法行為として処罰されます。
しかしナンバープレートには有効期限が存在し、ナンバーを取得していても有効期限が切れ失効したナンバープレートでは無登録車両と同様に取り扱われ処罰対象となります。しかし仮ナンバーを取得すればナンバープレートが失効したトラックで公道を走行することが可能ですので仮ナンバー取得について紹介します。

国内公道を走行する全てのトラックは国土交通省への登録義務がある

国内公道を走行する全てのトラックは国土交通省への登録義務がある
国内の公道を走行するトラックを含むすべての車両は、道路運送車両法で定める自動車検査登録制度の規制によって国土交通省への登録と定期的に車検を受け、国が定める保安基準をクリアしていることを証明する必要があります。

国土交通省に登録を行い、車検で保安基準をクリアしていることを証明したトラックにはナンバープレートが交付されますが、交付されたナンバープレートは車検の有効期限のみ効果を持つもので、車検の有効期限に達すると共に失効します。

ナンバープレートは登録を行ったトラックに対して発給される

ナンバープレートは新車登録時の登録車検をクリアすれば取得でき、継続車検を受け続けることで効力を維持できます。トラック売却や中古トラック購入の際など名義変更手続きが必要となるケースも、車検の有効期間内であれば陸運支局で手続きを行うだけで新たなナンバープレートが取得できます。

しかし車検期限が切れているトラックや一時抹消登録されたトラックなどを購入した場合は、車検を受け再登録を行う必要があります。

発給されたナンバープレートが無効となるケースとは?

既にふれたとおりナンバープレートの効力は車検有効期限とリンクしていますので、車検有効期限を超過したトラックはナンバープレートが付いていてもナンバーが無効となりますし、自動車税対策で一時抹消登録されているトラックにはナンバープレートがありません。

車検切れのトラックで公道を走行すると道路交通法違反で処罰される!

車検切れのトラックで公道を走行すると道路交通法違反で処罰される!
ナンバープレートが付いていても、車検の有効期限を超過しナンバーが無効になっているトラックで公道を走行すると無車検車運行の道路交通法違反として処罰されます。無車検車運行に対しては違反点数6点・6カ月以下の懲役または30万以下の罰金刑が科されます。

一時抹消登録でナンバープレートがないトラックの場合も無車検車運行が適用されるので、車検切れや一時抹消登録が行われているトラックでの公道の走行は絶対に行わないで下さい。

車検切れトラックは自賠責保険も切れている可能性も高い

また車検時に加入が義務付けられている自動車損害賠償責任保険(通称:自賠責保険)は車検の有効期限に合わせて加入するのが一般的ですので、車検期限を超過している場合や一時抹消登録のトラックは自賠責保険に加入していないと捉えるべきでしょう。

自賠責保険に未加入のトラックで公道を走行すると、無保険車運行の道路交通法違反が適用されます。無車検車運行と無保険車運行は1セットで発生する道路交通法違反ですが、違反ごとに処罰され無保険車運行には違反点数6点、12カ月以下の懲役または50万円以下の罰金刑が科されます

無車検車運行と無保険車運行で摘発されると違反点数が12点、最大80万円の罰金か12ヶ月以下の懲役刑が科される可能性があります。

車検切れ・無保険トラックでの公道走行は絶対にNG!

無車検車運行や無保険車運行に対する処罰が厳しいのは、車検で保安基準をクリアしていることを証明していないトラックが非常に危険な状態である可能性があることや、無保険では被害者救済を行えない可能性があることに起因すると考えられます。

無車検車・無保険車で交通事故の当事者になってしまうと加害者・被害者双方にとって最悪の展開が予想されますので、車検切れや無保険のトラックで公道を走行するのは絶対にしてはいけない犯罪行為だと考えてください。

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車両運搬車や回送車の使用が現実的でないトラックの運搬方法は?

車両運搬車や回送車の使用が現実的でないトラックの運搬方法は?
車検切れや一時抹消登録済みで公道を走行できないトラックのナンバープレートを取得するためには、陸運支局で車検を受け有効なナンバーを取得する必要があります。

軽自動車や普通車などであれば車両運搬車・回送車と呼ばれるキャリアカーやローダー車などで陸運支局まで搬送することも可能ですが、車両サイズが大きなトラックでは現実的でないと考えられます。

そこで、車検切れや一時抹消登録を行っているトラックで有効なナンバーを取得するために必要なのが、陸運支局までの走行を合法化する自動車臨時走行許可です。

車検切れトラックで合法的に公道走行を行える自動車臨時走行許可とは?

車検切れや一時抹消登録済みのトラックを陸運支局などへ搬送するために必要なのが自動車臨時走行許可で、一般的には仮ナンバーと呼ばれ仮ナンバーを取得すれば臨時的に合法に公道を走行することが可能となります。

仮ナンバーは、トラックの所有者が居住する区市町村役所で自動車臨時走行許可申請を行えば即日取得できますので、車検切れや一時抹消登録済みのトラックに新たなナンバーを取得する場合は仮ナンバーを先に取得する必要があります。

仮ナンバーには使用用途で2つのタイプが存在する

ひと口に仮ナンバーと言っても、実は仮ナンバーには臨時運行ナンバーと回送運行ナンバーの2つのタイプが存在し、2つの仮ナンバーの違いは次のとおりです。

仮ナンバーの種類 デザイン 仮ナンバーの特徴
臨時運行ナンバー 臨時運行ナンバー 赤い斜線が描かれた仮ナンバーで個人でも取得できます。
回送運行ナンバー 回送運行ナンバー 赤く縁どられた仮ナンバーで整備・販売業者のみ取得できます。

一時抹消登録済みの中古トラックを自力運搬する際は仮ナンバー取得が必要!

車検の有効期限が切れている中古トラックや一時抹消登録済みの中古トラックを中古トラック販売店で購入し整備工場までの陸送を中古トラック販売店に依頼すれば自力で仮ナンバー取得を行う必要はありません。

しかし整備工場までの陸送を自力で行う場合は、居住地の区市町村役所で自動車臨時走行許可申請を行い、仮ナンバーを取得する必要があります。

臨時運行許可を受け仮ナンバーを取得する方法や取得費用とは?

臨時運行許可を受け仮ナンバーを取得する方法や取得費用とは?
既述のとおり車検切れや一時抹消登録済みの中古トラックを中古トラック販売店で購入し、自力で車検手続きを行う場合は居住地の区市町村役所で自動車臨時走行許可申請を行い仮ナンバーを取得する必要がありますので仮ナンバー取得方法や取得費用を紹介します。

臨時運行許可申請の必要書類は?

仮ナンバーは担当窓口に用意されている自動車臨時運行許可申請書に必要事項を記入したものと共に次に挙げる書類を提出することで取得できます。

・仮ナンバー取得車両の運転者の運転免許証
・自賠責保険証(原本)
・仮ナンバー取得車両の車検証や抹消登録証明書
・自動車臨時運行許可申請者の印鑑

仮ナンバー取得費用は高額ではない!

車検切れや一時抹消登録済みのトラックで公道を合法に走行できる仮ナンバーですが、取得費用は750円程度ですので大きな費用はかかりません。仮ナンバーを発行する区市町村によって費用が若干異なるケースもありますが、無車検車運行や無保険車運行で摘発された場合の罰金と比べると遥かにリーズナブルだと言えます。

臨時運行許可で発行される仮ナンバーにはさまざまな制約が存在する

臨時運行許可で発行される仮ナンバーにはさまざまな制約が存在する

仮ナンバーを取得すれば車検切れや一時抹消登録済みのトラックで公道を合法的に走行ずることができますが、仮ナンバーはあくまで自動車臨時運行許可申請によって発行される臨時措置ですので仮ナンバー使用には次に挙げるような制約が存在します。

・取得した仮ナンバーはしっかり取付ける!ダッシュボードへの仮置きは禁止
・リアナンバーの封印は取り外し禁止!仮ナンバーを重ねてボルトで固定する
・仮ナンバーも有効期限が存在し期限内に返納義務が存在する

取得した仮ナンバーは前後のナンバープレート取付け位置にしっかり固定する必要がありますが、リアナンバーを固定する封印は取り外しが禁止されています。また仮ナンバーの有効期限は通常3~5日に限定されおり、返納を怠ると道路輸送車両法違反として6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます>。

仮ナンバーのトラックにも自賠責保険への加入義務は存在する

仮ナンバーを取得すれば車検切れや一時抹消登録済みの中古トラックでの公道走行が行えますが、無車検車運行には該当しなくても無保険車運行には該当しますので自賠責保険の加入は必要です。

仮ナンバー取得手続きの必要書類にも自賠責保険証(原本)の提出が求められますので、仮ナンバー取得手続きの前に自賠責保険には加入する必要があります。

車検切れトラックは仮ナンバー取得後に陸運支局で車検を受けよう!

中古トラック販売店で購入した中古トラックや所有するトラックが車検切れや一時抹消登録済みの場合でも、自賠責保険に加入し仮ナンバーを取得すれば公道を走行することができます。

中古トラック販売店で購入する中古トラックの導入コストを少しでも抑えたい場合は、自力で車検手続きを行うのも効果的です。中古トラック販売店の担当者と協議しながら自力で仮ナンバーを取得して車検手続きを行ってみるのも良いのではないでしょうか?

まとめ

車検切れや自賠責保険が切れたトラックで公道を走行すると無車検車運行や無保険車運行で処罰され、免許停止処分や高額な罰金が科せられますが、仮ナンバーを取得することで合法的に公道走行を行えます。
仮ナンバー取得時のポイントや注意点は次に挙げる3つですので、無車検車運行や無保険車運行は絶対に行わないで下さいね。

  • 仮ナンバーは居住地の区市町村役所で即日取得できる
  • 仮ナンバー取得には自賠責保険加入が絶対条件となる
  • 仮ナンバー返納義務違反は6ヶ月以下の懲役か30万円以下の罰金

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