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【決定版】ウイング車とは?ボディタイプ~サイズ別の寸法・メリット~|大型ウイング車のラインナップ

中古車両購入時に役立つ!ウイング車の車両区分ごと車両や荷室寸法を大紹介!
荷室側面上部が翼を広げた鳥のように大きく持ち上がり、下部のアオリを切れば荷室側面を全面開口できる特殊車両がウイング車です。完全に開口した状態になれば荷室の天井と前部、後部の3面だけが残され、荷室全体が露出します。
ウイングを閉じた荷室は、アルミバン同様の密閉空間となり高い運送品質を実現します。ウイングを開放すれば、フォークリフトとパレットを利用した荷物の積み下ろしが可能となり、高い作業効率で荷物の積み下ろしが可能です。

大型ウイング車とは?大型ウイング車の特徴


大型ウイング車とは、10トン以上の積載能力を持つ大型トラックをベースにした車両で、主に大量の荷物を効率的に運ぶために設計されています。大型ウイング車は、食品や家具、大型資材などを一度に運搬できるため、運送業者や物流業界において非常に重要な役割を果たしています。

大型ウイング車の特徴は、荷台の両側が翼のように開く構造になっており、フォークリフトを使ったスムーズな荷物の積み下ろしが可能な点です。このため、倉庫や配送センターなどでの荷役作業が効率化され、時間と労力の節約につながります。さらに、荷台がアルミで覆われているため、天候の影響を受けにくく、荷物をしっかりと保護します。

大型ウイング車には、積荷の内容や作業環境に応じた3つの開閉タイプがあります。

開閉タイプ 特徴
フレキシブルオープンタイプ ウイングの開き方を自由に調整でき、限られたスペースでの作業に便利
ターンオーバータイプ 片側のウイングを大きく開けるため、クレーンを使った積み下ろしに適している
上昇開閉タイプ 天井が上昇することで荷台の高さを最大限に活用でき、大きな荷物を積むのに最適

大型ウイング車はその大きさゆえに、高度な運転技術が必要であるほか、高さ制限のある道路では通行が制約されることがあります。そのため、用途や使用環境に合わせた車両選びが重要です。

ウイング車のボディタイプ(構造)


ウイング車は架装重量軽減のために幌で荷台を囲った幌製や炭素繊維強化プラスチック製のタイプも存在します。高い密閉性と強度をもちながら比較的軽量な素材であるアルミ製パネルを用いたタイプが一般的です。
また、ウイング車と言っても「天井一体型」と「天井固定型」の2つに大別でき、それぞれ特徴が異なります。

天井一体型ウイングボディ

天井中心部に設置された支点を中心に、天井部分と側面が90度近く持ち上がるのが天井一体型ウイングボディです。全面開口時には側面部が車両の天井上部に持ち上がるため、フォークリフトでの作業が可能となり、現在最も普及しているウイング車のタイプです。
天井クレーンを利用した積み下ろしに対応するオーバーウイングタイプは、天井部分が最大135度まで開口しさらに大きな開口部を出現させます。

天井固定型ウイングボディ

天井固定型ウイングボディは、名称どおり天井が固定されたウイングタイプで、側面のみが開口します。側面のみが稼働するため開口時に高さが生じず、固定された天井と開口した側面が屋根代わりとなり悪天候下でも作業可能です。
稼働部が側面だけのため小型のウイング稼働装置や手動でも開口がおこなえ、最大積載量の減少を最小限に抑えられます。ただし、フォークリフトでの積み下ろしが困難となるため、天井一体型ウイングボディより採用例が少ないといえます。

ウイング車のメリットやデメリットとは?


ウイング車は、アルミボディのように荷室を密閉できるため、荷室内部は風雨の影響を受けず積み荷を汚さず安全に運べるのがメリットです。また荷室を大きく開放できることからフォークリフトが荷室にアクセスすることが可能で、荷物の積み下ろし作業を効率よくおこなえるのも魅力です。
しかし、一般的なウイング車が天井一体型であるため、ウイング部を開放するためには車両上部に空間が必要です。そのため、天井が低い場所ではウイングを解放できないのがデメリットです。またウイングの架装部分の重量分積載重量が減少するため、ウイング車のデメリットだと捉える方もいるかもしれません。

【サイズ別】ウイング車の寸法


ウイング車は、トラックメーカーが製造するのではなく、架装されるウイングボディを製造するボディメーカーが製造・取り付けをおこなっています。キャブ付き裸シャーシの製造をおこなうトラックメーカーと架装(ボディ)メーカーとのコラボで作られるのが特殊車両であるウイング車です。
しかし、ウイング車の基本構造はベース車両を製造するトラックメーカーの規格が適用されるため、ベース車両のメーカーやモデルによってウイング車の車両サイズや荷台サイズが異なります。

小型ウイング車

小型クラスのトラックをベースに製造される、小型ウイング車の車両寸法の目安は次のとおりです。

小型ウイング車の車両寸法目安
全長 4,685mm前後
全幅 1,600mm前後
全高 1,960mm前後

ベース車両がトラックの中ではコンパクトな小型クラスですから、ウイングを架装しても小型ウイング車はコンパクトだと言えます。
小型クラスのトラックをベースに製造される、小型ウイング車の荷台寸法の目安は次のとおりです。

小型ウイング車の荷台寸法目安
全長 3,150mm前後
全幅 1,695mm前後

比較的荷台サイズが小さな小型クラスではウイングタイプで得られるメリットが少ないことから、ウイング車の設定は珍しいと言えます。

中型ウイング車

中型クラスのトラックをベースに製造される、中型ウイング車の車両寸法の目安は次のとおりです。

中型ウイング車の車両寸法目安
全長 8,500mm前後
全幅 2,445mm前後
全高 2,500mm前後

中型クラスにはロング・ワイド・ワイドロングなどの設定もあるので、メーカーやモデルによっては大型クラスに匹敵するほどの車両サイズのものも存在します。

中型クラスのトラックをベースに製造される、中型ウイング車の荷台寸法の目安は次のとおりです。

中型ウイング車の荷台寸法目安
全長 6,200mm前後
全幅 2,130mm前後

多くのトラックメーカーがさまざまなモデルを投入する中型クラスはウイング機能を架装したウイング車も数多く存在します。

大型ウイング車

大型クラスのトラックをベースに製造される、大型ウイング車の車両寸法の目安は次のとおりです。

大型ウイング車の車両寸法目安
全長 11,900mm前後
全幅 2,400mm前後
全高 3,600mm前後

車両規格の上限に合わせて製造される大型クラスにはロング・ワイドなどのバリエーションが存在しませんので、車両サイズの構成は小型・中型クラスと比べるとシンプルです。

大型クラスのトラックをベースに製造される、大型ウイング車の荷台寸法の目安は次のとおりです。

大型ウイング車の荷台寸法目安
全長 9,000mm前後
全幅 2,400mm前後

大型クラスにも多くのウイング車が投入されており、国内物流の中心となって活用されています。

【代表メーカー別】大型ウイング車

次に「いすゞ」や「日野」など代表的なトラックメーカーの大型ウイング車を紹介していきます。

いすゞ:ギガ(ウイングバン)

いすゞ自動車の大型トラック「ギガ」は、パワフルなエンジンと先進的な安全技術が融合した信頼性の高いモデルです。特にウイング車タイプでは、いすゞオリジナルの「Gカーゴ」でウイングボディを搭載し、幅広い運送ニーズに対応します。搭載されている大型ディーゼルエンジン「D-CORE」により、力強い加速と安定した走行を実現しており、長距離輸送でも高いパフォーマンスを発揮します。

さらに、「プリクラッシュブレーキ」や「全車速ミリ波車間クルーズ」など、最先端の運転支援システムを装備しており、安全性が大幅に向上。事故や疲労を未然に防ぎ、ドライバーにとって安心して運転できる環境を提供します。大型トラック特有のリスクを抑えることで、長時間の運転でも効率的かつ安全な輸送が可能です。

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日野:プロフィア(ウイングバン)

日野自動車の「プロフィア」ウイングバンは、優れたエンジン性能と安全技術を備えた大型トラックです。9Lエンジンに2段過給ターボと2基のインタークーラーを搭載しており、大量の荷物を積載しても安定した走行が可能です。さらに、燃費向上と積載量アップを両立しており、長距離輸送にも適しています。

安全面では、国内大型トラックとして初めて「プリクラッシュセーフティーシステム」や「可変配光型LEDランプ」を標準装備し、事故防止に貢献しています。また、「プロシフト」という12段自動変速システムにより、低燃費で効率的な走行が可能です。

プロフィアのウイングバンは、基本モデル「VQ WING」に加え、特別装備を備えた「VQ プラスシリーズ」も展開しており、積載量や用途に応じた選択ができます。

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UDトラックス:クオン(ウイングバン)

UDトラックスの「クオン」ウイングバンは、高いエンジン性能と安全性が特徴の大型トラックです。8Lと11Lのエンジンは、軽量ながらも力強いトルクを発揮し、低燃費で安定した走行を実現します。特に「ESCOT-Ⅵ」ギアチェンジシステムは、燃費を抑えつつスムーズな運転を可能にする点で評価が高いです。

さらに、全輪ディスクブレーキを標準装備しており、長い下り坂での制動力が高く、ドライバーの疲労を軽減します。「パーフェクト クオン」と呼ばれるウイングバンは、積載性と荷役性に優れ、アルミウイングのスタンダードモデルを中心に豊富なバリエーションが用意されています。オプションの組み合わせによって、ユーザーのニーズに合わせたカスタマイズも可能です。

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三菱ふそう:スーパーグレート(ウイング)

三菱ふそうの「スーパーグレート(ウイング)」は、省エネとパワフルな走行を両立するエンジン性能が特徴の大型トラックです。エンジンは10.7Lの6R20と7.7Lの6S10から選べ、それぞれ高出力と低燃費を実現しています。軽量化によって積載量が向上し、ウイング車では+800kgの高積載が可能です。

また、「プロキシミティ・コントロール・アシスト」や「アクティブ・ドライブ・アシスト2」などの先進安全技術を搭載し、高速道路での追突防止やドライバーの疲労軽減にも貢献します。さらに、ステアリングコラムに設置された「ShiftPilot」により、スムーズなシフト操作が可能で、操作性と快適性も向上しています。

荷室はサンドイッチパネルを採用しており、広い積載スペースを確保しています。実用性と快適性を兼ね備えた「スーパーグレート」は、さまざまな輸送ニーズに対応しています。

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ウイング車の運転資格は?


ウイング車は、小型クラスから大型クラスまで、全ての車両区分の中に用意されている人気のボディタイプです。単車トラックですのでトレーラーのように運転資格に牽引免許が求められることもないため、一般的な自動車運転免許で運転可能ですが、車両区分ごとに必要な免許区分が異なるので注意が必要です。

運転免許区分で運転できるウイング車が異なる

2019年現在、国内の自動車運転免許には普通免許・準中型免許・中型免許・大型免許の4つの免許区分が存在し、免許区分によって運転資格は次のように定められています。

免許区分 車両総重量 最大積載量 乗車定員
普通免許 3.5トン未満 2トン未満 10人以下
準中型免許 7.5トン未満 4.5トン未満 10人以下
中型免許 11トン未満 6.5トン未満 29人以下
大型免許 11トン以上 6.5トン以上 30人以上

保有する免許区分で定められる車両総重量や最大積載量以上のトラックを運転した場合、たとえ、免許を保有していても無免許運転として道路交通法違反で処罰されるため注意しましょう。

普通免許で運転できるウイング車

普通免許の運転資格は車両総重量(3.5トン未満)・最大積載量(2トン未満)・乗車定員(10人以下)となっているため、積載量1.5トンクラスの小型クラストラックを運転できますが、このクラスではウイング車が存在しません。

準中型免許で運転できるウイング車

準中型免許の運転資格は車両総重量(7.5トン未満)・最大積載量(4.5トン未満)・乗車定員(10人以下)となっているため、小型クラスや中型クラスのトラックを運転できます。しかし中型クラスのウイング車は車両総重量が7.5トン以上のものもあります。

中型免許で運転できるウイング車

中型免許の運転資格は車両総重量(11トン未満)・最大積載量(6.5トン未満)・乗車定員(29人以下)となっているため、小型クラスや中型クラスのトラックを運転できます。中型クラスのウイング車には増トンで車両総重量と最大積載量を増加しているものもあります。

大型免許で運転できるウイング車

大型免許の運転資格は車両総重量(11トン以上)・最大積載量(6.5トン以上)・乗車定員(30人以上)となっており上限が設定されていないため、国内で運行する全ての単車トラックのウイング車を運転できます。

中古ウイング車の選び方


中古ウイング車を選ぶ際のポイントは、以下の4つです。

1. 車両の年式と走行距離
2. 試乗してエンジンや走行状態を確認
3. ウイングと付帯機器の動作確認
4. 最大積載量の確認

それぞれ解説していきます。

1. 車両の年式と走行距離

まず確認すべき点は、車両の年式と走行距離です。高年式のものや走行距離が少ない車両は、故障のリスクが低く、コンディションが良好な可能性が高いです。ただし、年式が新しくてもメンテナンスが行き届いていないと劣化が進んでいることもあります。走行距離が少ないからといって安心せず、他のポイントもチェックし総合的に判断しましょう。

2. 試乗してエンジンや走行状態を確認

試乗は、中古車を選ぶ上で非常に大切です。特にエンジンの始動性や運転中の音をチェックしましょう。不快な音やエンジンの不具合があれば、後々トラブルにつながる可能性が高いため、注意が必要です。また、走行時のハンドリングやブレーキの効き具合も確認します。

3. ウイングと付帯機器の動作確認

ウイング車において、ウイング自体の動作確認は欠かせません。パワーゲートやその他の付帯機器も含めて、しっかりと作動するかチェックしましょう。ウイングがスムーズに動作しない場合、修理にコストがかかる可能性があるため、購入前に厳しく確認しておくことが重要です。動作確認を怠ると、購入後にすぐメンテナンスが必要になることもあります。

4. 最大積載量の確認

中古ウイング車を選ぶ際には、最大積載量の確認も忘れずにおこないます。車検証に記載された積載量が自分の輸送ニーズに合っているか確認しましょう。積載量が不足すると、業務に支障が出る可能性があるため、事前確認が重要です。

これらのポイントをしっかり確認することで、コンディションの良い中古ウイング車を選び、長期間安心して使用できる一台を見つけられます。

まとめ

ウイング車は、特に中型クラスや大型クラスのトラックに多く存在するボディタイプだと言えます。中古トラック市場でも中型・大型のウイング車が数多く取り扱われているので、ウイング車導入の際には中古ウイング車の購入をおすすめします。
中古車両購入の際には次に挙げる3つの点に注意して車両選択を行って下さい。

  • 大型ウイング車は、10トン以上の積載能力を持つ大型トラックをベースにした車両で、主に大量の荷物を効率的に運ぶために設計されている
  • ウイング車の荷室素材は軽量で強度の高いアルミ製が一般的
  • 天井一体型ウイングボディは側面と天井部が大きく開口する
  • ウイング重量で積載量が小さくなるので運転時は車両総重量に注意

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