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ハイルーフの高さはどのくらい?標準ルーフと比較・メリット・デメリットをわかりやすく解説!

ハイルーフとは、天井が高い車両のことです。トラックのキャビン、ハイエース、マイクロバスなどにハイルーフ車が存在します。
運転、休息時の快適性の向上が、大きなメリットです。ただし、ハイルーフ不可のカーポートも多く、駐車場が限られるといったデメリットもあります。本記事では、ハイルーフの車について紹介します。標準ルーフとの高さの違いからメリットやデメリットなどをまとめました。購入を検討する際の参考にしてください。

ハイルーフとは?


ハイルーフとは、名前が意味するとおり、車両の天井が高い車のことです。
トラックは、車両の全長が定められています。そこで、多くのトラックでは、荷台の長さを確保するために「ショートキャビン」(※)が使用されています。

運転手は狭いキャビンの中で、長時間運転したり休息を取ったりします。事務作業を車内でおこなうケースもあり、1日の大半をキャビンで過ごす運転手も少なくありません。

そこで、キャビンの快適性と利便性が向上した、ハイルーフの車が誕生しました。
天井が高くなることで、空間に余裕が生まれます。体を伸ばせるようになり、収納スペースも増えるため、利便性が向上します。

運転席が高い位置に設計されているのもハイルーフ車の特徴です。これにより、運転時の疲労を軽減できます。

ただし、車高が高くなる分、使用できる駐車場が限られます。購入時は、メリットやデメリットをよく把握したうえで検討しなくてはなりません。

また、ハイルーフ車は、以下の車両で作られるケースが多いです。

  1. トラック
  2. ハイエース
  3. マイクロバス

(※)ショートキャビンとは、運転席と助手席の背後に壁があり、最も居住空間の小さい運転席のことです。

ハイルーフの高さ


ハイルーフの高さは、明確な基準はありませんが、車高が2.2メートル以上になるとハイルーフ車と呼ばれるケースが多いです。

ただ、トラックやハイエースなどの車両の種類によって、ハイルーフの高さに違いがあります。
ほかにも、ルーフの種類も車両によって異なります。例えばトラックでは、横になれるスペースを設けた「スーパーハイルーフ」という種類もあります。

トラック、ハイエース、マイクロバスごとに、ハイルーフの高さと特徴を紹介します。標準ルーフの高さもあわせて掲載するので、参考にしてください。

トラックのハイルーフ


(引用元:いすゞ)

例として、いすゞ「GIGA」のハイルーフと標準ルーフの高さを掲載します。

ハイルーフ 標準ルーフ
7.24メートル 2.37メートル

キャビン内部のフロアから天井までの高さは、いすゞGIGAの場合1.87メートルです。成人男性が屈むことなく立てるほどの余裕があります。

他にも、トラックのルーフには、標準ルーフとハイルーフ以外に、次の種類があります。それぞれの特徴を下表にまとめました。

ルーフの種類 特徴
標準ルーフ ・一般的なトラックに使われている、天井が平らなルーフ
ハイルーフ ・標準ルーフの天井を少し高くしたもの
・上部に余裕が生まれる
スーパーハイルーフ ・ハイルーフをさらに高くして、ルーフに横になれるスペースを設けたもの
・運転席と就寝スペースは分離されている
エアデフレクター ・標準ルーフの上に取り付けられた空気抵抗を減らすためのもの
・中は空洞で入ることができない
・外観がスーパーハイルーフと似ている

スーパーハイルーフとエアデフレクターは、見分けがつかないほど似ています。中古トラックを購入する際は、注意しましょう。

ハイエースのハイルーフ


(引用元:トヨタ)

トヨタ「ハイエース」のハイルーフと標準ルーフの高さは、次のとおりです。

ハイルーフ 標準ルーフ
2.24メートル 1.98メートル

ハイエースのハイルーフ車は、運転席だけでなく後部座席の天井も高いです。社用車としても人気があり、次の業種などで使用されます。

業種 ハイルーフであるメリット
配送 ・より多くの荷物を積める
介護福祉 ・頭上に余裕が出て、送迎時の快適さが向上
建設、メンテナンス ・高さのある機材を運べる
・車内に工具や部品を仕分けする棚を作れる

自家用車としての人気も高く、最近では、居住性の高さが注目され、キャンピングカーとしても使用されています。
改造を加えずに、キャンピングカーとして利用できることから、キャンプ愛好家たちの間で人気が高まっています。また、ポップアップルーフ(※)を取り付けているケースも多いです。

(※)ポップアップルーフとは
ポップアップルーフは、車の屋根を上に持ち上げて、車内空間を広くする架装のことです。ポップアップルーフには次の2種類があります。

  1. 前方か後方どちらか斜めに上がるタイプ
  2. 屋根全体がそのまま水平に上がるタイプ

マイクロバスのハイルーフ


(引用元:日産)

日産「キャラバンマイクロバス」の標準ルーフとハイルーフでは、高さに次の違いがあります。

ハイルーフ 標準ルーフ
2.95メートル 1.85メートル

トヨタ「ハイエース」や日産「キャラバン」では、ハイルーフ車がマイクロバスとして活用されています。その理由は、次のとおりです。

  1. 普通免許、中型免許で運転できる(※)
  2. もともと所有している駐車場に停められる
  3. 走行性能が良い
  4. 普段使いもできる

マイクロバスを導入する時は、「中型免許」や「広い駐車場」を新たに確保しなくてはなりません。ハイルーフ車のキャラバン、ハイエースで代用できれば、新たに用意する手間を省けます。
他にも、マイクロバスと比較すると、小回りが効き走行しやすいです。また、業務だけでなく、普段使いができるのもメリットです。

※14人乗りのキャラバンでは、中型免許が必要です。

ハイルーフと標準ルーフを比較


主にトラックにおいて、ハイルーフと標準ルーフでは、高さ以外にも違いがあります。違いを比較しながら紹介します。

外観や形状の違い

標準ルーフの天井は、平らな形をしています。一方ハイルーフは、平らな天井の上に箱型のルーフが取り付けられた形状です。

例えば、アルミバントラックの場合、ハイルーフは荷台のアルミバンと同等の高さとなります。高さが出ることで、標準ルーフよりも見た目に重厚感があります。

運転席の高さによる違い

ハイルーフの車は、座席が高く設計されています。これにより、運転時の視界も良くなります。
標準ルーフより運転しやすい点も、ハイルーフならではのメリットです。

運転席の広さの違い

標準ルーフの運転席は、非常にコンパクトです。必要最低限の広さであり、寝そべって仮眠を取れるスペースがありません。

一方ハイルーフは、頭上の空間が広く、開放的です。スーパーハイルーフならば、仮眠を取れるスペースまで搭載されています。

この開放感の違いは、長時間キャビンで過ごす運転手の疲労を大きく軽減します。疲労が軽減されれば、集中力が高まり、事故の予防と業務効率化につながります。

用途の違い

標準ルーフとハイルーフでは、使用される用途も大きく異なります。違いを下表にまとめました。

ハイルーフ 標準ルーフ
サイズ 中型、大型トラック 小型、中型トラック
用途 ・運転時間が長時間となるため、ハイルーフ仕様にすることで運転手の疲労を軽減している ・住宅街への配送業に使用される
・長距離運転とならないため、キャビン内に休息するスペースは不要
・狭い住宅街を走る必要があり、キャビンも荷台もコンパクトで小回りの効くものが求められる

ハイルーフ不可の駐車場は大きく分けて2種類


建物内に駐車する立体駐車場では、高さ制限を設けています。

「ハイルーフ不可」と記載された立体駐車場のとき、何メートルならば使用できるのか疑問に思うものです。ここでは、2種類の駐車場とそれぞれの駐車場で駐車可能な車高を紹介します。

駐車場・カーポートの種類 高さ制限
自走式駐車場 1.79〜2.5メートル
機械式駐車場 1.55メートル前後

自走式駐車場

高さ制限 1.79〜2.5メートル

自走式駐車場は、各階が傾斜によってつながっている駐車場です。自走して各階の駐車スペースまで移動します。ショッピングモールなどの駐車場によく見られるタイプです。
この自走式駐車場では、建物の高さによって制限が異なります。多くの場合、1.79〜2.5メートルの高さ制限を設けています。

機械式駐車場

高さ制限 1.55メートル前後

機械式駐車は、多くの自動車を、最低限の面積と容積で駐車できるよう設計されています。マンションの駐車場によく見られるタイプです。
自走式駐車場よりも、高さ制限が厳しく、1.55メートル前後です。
機械式駐車場には、次のタイプがあります。

  1. 多段式
  2. 2段式
  3. 垂直循環式
  4. エレベーター式 など

ハイルーフ車のメリットとデメリット


ハイルーフの車は、天井に高さがあり運転席の空間が広くなります。これにより、長時間の運転と休息をより快適に過ごせるのが大きな魅力です。
ただし、メリットだけでなく、デメリットも存在します。
ハイルーフ車のメリットとデメリットをまとめたので、参考にしてください。

ハイルーフ車のメリット

ハイルーフ車のメリットは、次のとおりです。

①視界が広くなり安全に運転できる
②多くの荷物を積める
③運転手の疲労軽減につながる

視界が広くなり安全に運転できる

1つ目は、視界が広くなり、安全に運転できることです。特にハイルーフのトラックは、設計上運転席が高くなっているため、運転時の視界が広くなり、事故防止につながるのがメリットです。

多くの荷物を積める

2つ目は、標準ルーフよりも多くの荷物を積載できる点です。これは、ハイエースやマイクロバスといった自動車に当てはまります。
ハイエースやマイクロバスの場合、運転席だけでなく、後部座席の天井も高くなります。
荷物を積載できる部分に高さが出るため、標準ルーフよりも多くの荷物を積みあげられるのはメリットです。

運転手の疲労軽減につながる

最後は、運転手の疲労軽減につながることです。必要最低限のスペースしかないキャビンのとき、長時間同じ姿勢で運転することになります。また、仮眠を取るときも、座った姿勢となるため、体の疲れが取れないかもしれません。

一方ハイルーフのトラックであれば、頭上にスペースがあるため、腕を伸ばしたり、ストレッチをしたりできます。さらに、仮眠スペースが設けられたタイプであれば、横になって身体を休められます。運転手の疲労が軽減され、より安全な運転が叶うのがメリットです。

ハイルーフ車のデメリット

ハイルーフ車のデメリットは、次のとおりです。

①駐車場が限られる
②空調、燃費、洗車の効率が落ちる
③標準ルーフよりも高額

駐車場が限られる

1つ目は、使用できる駐車場が限られることです。立体駐車場では、ほとんどの場合2.5メートル以上の車は利用できません。
利用できる駐車場を探すのに手間がかかります。その他、企業で借りていた駐車場に高さ制限がある場合、新しい駐車場を契約しなくてはなりません。

空調、燃費、洗車の効率が落ちる

2つ目は、空調効率や燃費効率が落ちてしまうことです。天井に余裕が生まれ、車内が広くなる分、空調の効きがどうしても悪くなります。
車体の重量も増えるため、その分燃費効率も落ちます。また、車体が大きく高くなる分、洗車や清掃時の手間も増えるのはデメリットです。

標準ルーフよりも高額

3つ目は、標準ルーフよりも価格が高額になることです。新車の大型トラックにおける標準ルーフとハイルーフの価格相場を下表にまとめました。

標準ルーフ ハイルーフ
2,000万円前後 2,500万円前後

500万円も高くなることは、デメリットになるかもしれません。

ただし、ハイルーフの車は中古でも購入できます。

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まとめ

ハイルーフ車は、運転、休息時の快適さが向上することが大きなメリットです。ただ、駐車場が限られることや、購入に大きな資金がかかることはデメリットかもしれません。同じハイルーフでも、車両の種類、メーカー、車種ごとに高さが異なるため注意しましょう。

  • ハイルーフ車は、トラック、ハイエース、マイクロバスに多い
  • ハイルーフ車の高さは、トラックで7.24メートル、ハイエースで2.24メートル、マイクロバスで2.95メートル
  • 運転、休息時の快適さが向上する一方、利用不可の駐車場が多く、購入にかかる費用が高額

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