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トラックのアウトリガーとは?役割・使い方・種類などユニック車の基礎知識を解説

トラックのアウトリガー 24061401アウトリガーは、クレーンの搭載されたトラックに設置されている装置です。クレーン使用時に、車体の転倒や、タイヤの破裂を防ぐために使用されています。アウトリガーの役割から種類、使い方まで、ユニック車の活用に必要な知識を解説します。
ユニック車の導入を検討されているときや、アウトリガーの役割や使い方を知りたいときの参考にしてください。

トラックのアウトリガーとは?役割を詳しく解説

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トラックのアウトリガーとは、クレーンが搭載されたトラック(ユニック車)の左右に必ず設置されている装置のことです。クレーンで重たい荷物を吊り上げるとき、地面にアウトリガーを固定して、車体を安定させます。事故防止のため利用は必須です。

アウトリガーの役割や構造について解説します。

アウトリガーの役割

アウトリガーの役割は、クレーンで重たい荷物を吊り上げるときに、車体の転倒を防ぐことです。

トラックのクレーンは、荷台の外に大きくはみ出す形で、重たい荷物を吊り上げます。荷物の重さによっては、トラックの重さだけでは支えきれず、転倒してしまいます。他にも重さに耐えられず、タイヤがパンクすることもあるでしょう。

そこで、アウトリガーを左右に張り出し地面に接地・固定することで、車体が安定し転倒やタイヤのパンクを防ぎます。

ちなみに、クレーン作業時にはアウトリガーを使用することが労働安全衛生法で義務付けられています。

アウトリガーの構造

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アウトリガーは、2つのシリンダーで構成されています。

張り出しシリンダー 横に伸縮できる
油圧シリンダー 縦に伸ばして地面に固定できる

張り出しシリンダーを最大限横に張り出したうえで、油圧シリンダーを地面に接地させると、車体の安定を確保できます。

アウトリガーが搭載されている位置は、アウトリガーの種類によって異なりますが、主に以下2パターンです。

●クレーン横に搭載されているタイプ
●クレーン横と後方の荷台にも搭載されているタイプ

トラックのアウトリガーの種類を紹介

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トラックのアウトリガーには、次の3種類があります。

リアアウトリガー アウトリガーが荷台の前方と後方に搭載されたタイプ
差し違いアウトリガー 張り出しシリンダーが長く、横方向に大きく張り出せるタイプ
ハイアウトリガー 縦方向に大きく伸ばせるタイプ

各種類の特徴を解説します。

リアアウトリガー

リアアウトリガー
(引用元:古河ユニック株式会社)

荷台の前後にアウトリガーが搭載されたタイプは、リアアウトリガーと呼ばれます。他の種類のアウトリガーは、荷台の前方のみに搭載されていて、地面に固定できるのは2箇所のみです。一方、リアアウトリガーは、4箇所を地面に固定できるのが特徴です。

他タイプよりも安定感が高いため、高所作業の現場で使用されています。

差し違いアウトリガー

差し違いアウトリガー
差し違いアウトリガーとは、左右のアウトリガーが前後にずれる形で格納されているタイプを指します。これにより、張り出しシリンダーが長くなることが特徴です。

左右に長く張り出せるため、車体をより安定させられるのがメリットとなります。

ハイアウトリガー

ハイアウトリガー
(引用元:古河ユニック株式会社)
ハイアウトリガーは、縦方向に長く伸びるタイプのものです。荷台に車を積んで運搬する際に活用されます。

車体が大きく傾くことで、荷台が地面と隣接します。重たい車や重機などを、簡単に荷台へ載せられるのが特徴です。

アウトリガーがあるユニック車を紹介

アウトリガーがあるユニック車
(引用元:株式会社タダノ)

クレーンとアウトリガーが搭載されたトラックは、総称して「ユニック車」と呼ばれています。ユニック車の特徴や種類、操作に必要な免許を確認しましょう。

ユニック車とは

ユニック車とは、平ボディのトラックに小型のクレーンとアウトリガーが搭載された車を指します。正式名称は「搭載型トラッククレーン」です。「ユニック車」以外にも、「トラッククレーン」や「カーゴクレーン」と呼ばれる場合もあります。

ちなみに「ユニック」という名称は、「古河ユニック株式会社」の登録商標です。いつの間にかクレーンの搭載されたトラックは、「ユニック車」という呼び名が浸透しました。

ユニック車の種類

ユニック車は、主に次の3種類があります。それぞれの画像や特徴を下記にまとめました。

キャブバック型

キャブバック型
(引用元:古河ユニック株式会社)

▼特徴

●一般的なユニック車

●ギャブ(運転席)と荷台の間にクレーンが搭載されている

ハイアウトリガー型

ハイアウトリガー型
(引用元:古河ユニック株式会社)

▼特徴
●ハイアウトリガーが搭載されている
●ユンボなど小型の建設機械を積載したい時に活用される

荷台内架装型

荷台内架装型
(引用元:古河ユニック株式会社)

▼特徴
●荷台の上にクレーンが搭載されている
●車両総重量5~8トンの小型トラック
●小回りが利くため、住宅が見周した市街地等の狭小地現場で活用される

ユニック車の操作に必要な免許

ユニック車を操作するとき、事前に講習を受けたり、免許を取得したりする必要があります。必要な講習や免許は、吊り上げる荷物の重量によって異なります。

重量ごとに、操作に必要な条件をまとめました。参考にしてください。

荷物の重量 講習 免許
0.5t~1t未満 小型移動式クレーンの特別教育
1t以上5t未満 小型移動式クレーン運転技能講習
玉掛け技能講習
5t以上 移動式クレーン運転士免許

トラックのアウトリガーの操作方法

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トラックのアウトリガーを利用するとき、以下の手順を踏んで操作しなくてはなりません。

①PTOを入れる
②アウトリガーを横方向に引っ張り出す
③アウトリガーベースの設置
④アウトリガーを縦方向に伸ばす

各手順の詳細を解説します。

PTOを入れる

クラッチペダルを踏みながら、PTOスイッチを押して、PTO(※1)を入れます。PTOが入ると、エンジン横のシャフト(※2)が回転し、作動油ポンプが動き始めます。

(※1)PTOとは・・・「Power Take Off」の略です。エンジンの動力を各装置に分岐させるための機構のことを指します。ユニック車だけでなく、ダンプなどの荷台に動力を必要とするトラックに搭載されています。

(※2)シャフトとは・・・機械などの動力伝達用の回転軸のことを指します。

アウトリガーを横方向に引っ張り出す

アウトリガーのスイッチを操作して、横方向に引っ張り出しましょう。この時、横方向の最大限まで引っ張り出すのが理想です。張り出しが長ければ長いほど車体が安定します。

横方向に伸ばす際は、周囲に人がいないか確認してから行いましょう。

アウトリガーベースの設置

アウトリガーが接する地面に、アウトリガーベースを設置します。アウトリガーベースの役割は主に3つです。

●地面に傷がつかないよう保護する
●車両の高さを調整する
●滑りにくくなってより安定する

設置の際は、アウトリガーベースからアウトリガーがはみ出さないよう調整しましょう。

アウトリガーを縦方向に伸ば

アウトリガーを縦方向に伸ばしましょう。アウトリガーベースからはみ出さないことを確認したら、車体が持ち上がるまで、さらに伸ばしていきます。

この時、タイヤの前輪が大きく持ち上がらない程度に留めてください。前輪が持ち上がってしまうと、アウトリガーを支点に車体全体が持ち上がった状態となり、安定しません。

反対に、伸ばし方が甘いと、荷台の荷物を降ろした後、アウトリガーが浮いてしまいます。

アウトリガー設置時の注意点

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アウトリガーは、事故防止を防ぐ重要な装置だからこそ、設置の際に注意すべきことがあります。アウトリガーの操作において気を付けることをまとめました。

周囲の安全確認を行う

アウトリガーは、3m以上横に張り出すことがほとんどです。この時、付近に人がいると、大きな怪我につながりかねません。

アウトリガーは、周囲に操作者以外の人がいないことを確認してから、張り出しましょう。

左右最大まで引っ張り出す

アウトリガーを横に張り出すとき、最大限伸ばすことが理想です。張り出しが短いと車体を安定させられません。荷物を吊り上げた時にトラックが横転するリスクにつながります。

狭い道路で活用する際は、できるだけ道路の側面から離して、張り出せる距離を確保しましょう。

舗装されていない地面のときは敷板で補強する

舗装されていない道路の場合には、角材や鉄板を用いて地面を補強しましょう。舗装されていない地面に使用すると、アウトリガーが食い込んでしまいます。

車体が傾く原因となり、大きな事故につながるおそれもあります。角材や鉄板など、強度の高い敷板で補強してから、アウトリガーベースを敷きましょう。

アウトリガーの後付けはできる?

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アウトリガーは、クレーンと一緒に後付けしたり、交換したりすることができます。後付け時に知っておくべき知識を紹介します。

PTOを増設すればアウトリガーは後付けできる

トラックにアウトリガーやクレーンを増設するときは、PTOが必要です。PTOがないトラックの場合、自動車メーカーへ依頼してPTOを増設します。

そのうえで、クレーンメーカーへ依頼し、クレーンとアウトリガーを後付けします。

アウトリガーの関連部品も後付けできる

アウトリガーには、アウトリガーベースやアウトリガーの格納ボックスなどさまざまな関連商品があります。関連商品も後付けしたり、交換したりが可能です。

これらの後付けや交換は、メーカーへ依頼しなくとも、ご自身で実施できます。

トラックのアウトリガーに関するよくある質問

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アウトリガーに関する、よくある質問と回答をまとめました。

アウトリガーがあるトラックの代表例は?

ユニック車と呼ばれる、アウトリガーのあるトラックの代表例は、次の2つです。
タダノ:カーゴクレーン
(引用元:株式会社タダノ(製品名:カーゴクレーン))
古河ユニック:ユニッククレーン
(引用元:古河ユニック株式会社(ユニッククレーン))

ユニック車がアウトリガーを出すときにタイヤを浮かすのはなぜ?

車体が不安定になったり、タイヤが破裂したりするのを防ぐためです。タイヤは柔らかいため、荷重がかかるとへこんで不安定になります。また、最悪の場合破裂してしまいます。

タイヤを軽く浮かせることで、アウトリガーに荷重が分散され車体の安定を保てます。

まとめ アウトリガーを正しく活用して事故を防止しよう

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アウトリガーは、ユニック車を安全に操作するうえで欠かせない装置です。正しい操作方法や、操作時の注意点を確認して、事故防止に努めましょう。

  • トラックのアウトリガーは、クレーンの搭載されたトラックに設置されている装置
  • クレーン使用時の転倒を防ぐために使用される
  • クレーンの搭載されたトラックはユニック車と呼ばれている
  • 操作の手順や、注意点を確認し、安全に操作する

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