コンテナ専用車とは?種類や用途、代表的なトラックも紹介
荷台がコンテナになっているコンテナ専用車。コンテナ専用車の購入を検討している人の中には
「コンテナ専用車の種類が知りたい」
「コンテナ専用車の運転には何の免許が必要?」
「コンテナ専用車の代表的な車種が知りたい」
という人もいるのではないでしょうか。そこで、本記事ではコンテナ専用車の種類や運転に必要な免許について解説していきます。人気のコンテナ専用車についても合わせて紹介していくので、購入を検討している方はぜひ確認してみてください。
コンテナ専用車とは?
まずはコンテナ専用車について解説していきます。コンテナの種類と用途についても紹介していくので、合わせてチェックしておきましょう。
コンテナ専用車とは、荷台がコンテナになっている車両のことを指します。多くはトラックの荷台が着脱可能で、大量の荷物を運搬できる点が特徴です。
コンテナにはさまざまなサイズや積載量などがあるため、コンテナ専用車は非常に幅広いシーンで活躍しています。
またコンテナ専用車は、新明和工業株式会社では「アームロール」、極東開発工業では「フックロール」の名称で呼ばれています。
<コンテナ専用車の操作方法や注意点はこちらの記事でチェック!>
「アームロールとは?操作方法や操作時の注意点を解説!人気車種や中古購入時のポイントも紹介」
コンテナの種類と用途
コンテナ専用車で着脱できる「コンテナ」には、多くの種類があります。コンテナの種類と用途は下記です。
コンテナの種類 | 主な用途 |
ドライコンテナ | 最も普及しているコンテナの1つ。 家具や工業製品、雑貨、日用品などを常温で輸送する際に使用されます。 |
冷凍コンテナ (リーファーコンテナ) |
冷凍機が備え付けられており、コンテナの内部にも断熱材が使用されています。冷凍機の機能により−25℃から+25℃に温度設定が可能です。 冷蔵や冷凍の生鮮食品、温度管理が必要な精密機器、美術品、フィルムなどの輸送に使用されます。 |
オープン・トップ・コンテナ | コンテナの屋根部分が開閉可能、もしくは屋根がないコンテナ。 コンテナ上部からの出し入れが可能になっているため、コンテナより高さがある運搬物、コンテナのドアから出し入れしにくい重量物に使用されます。 |
フラット・ラック・コンテナ | 屋根だけでなく側面の開閉ができる、もしくは取り外し可能なコンテナ。 コンテナよりも高さと幅が大きい建設機器、長さのある木材などに使用されます。 |
フラット・ベッド・コンテナ | 屋根や側面など含め、壁がない床だけのコンテナ。 長さのある貨物や重量貨物、高さがある貨物などに使用されます。 |
タンク・コンテナ | 鋼製フレーム内にタンクを格納したコンテナ。 主にジュースやワイン、化学品、食用油など、液体物を運搬する際に使用されます。 |
バルク・コンテナ (ホッパコンテナ) |
上部から飼料や魚粉などの粉末や液体物を流し込めるよう、開口できる仕組みがあるコンテナ。 ドアの下部に取り出し用のハッチが備え付けられています。 |
コンテナ専用車の種類を紹介
コンテナ専用車は「トレーラータイプ」と「カーゴタイプ」の2つに大別可能です。ここでは、それぞれのコンテナ専用車の特徴について紹介していきます。
トレーラータイプ
トレーラータイプは、海上や鉄道など大きなサイズのコンテナを運搬する際に使用されます。荷台の形状により「セミ・トレーラー」「フル・トレーラー」「ポール・トレーラー」に分けられます。
それぞれの特徴や違いは下記です。
トレーラーの種類 | 特徴 |
セミ・トレーラ | エンジンが搭載されておらず、車輪が後部にしかないため、トラクターと連携しないと輸送が不可能です。しかしトラクターと分割出来る分、日本の狭い道路では利便性が高いメリットがあります。 |
フル・トレーラー | トレーラーとトラクターが一体になっており、自走が可能です。セミ・トレーラーより多くの荷物が運べる反面、全長が長く日本の狭い道路事情では高い運転技術が必要になります。 |
ポール・トレーラー | 分解が難しい車両や鉄骨などの長尺のものを運ぶ際に使用されます。「ステアリングドローバー」という部品で、トラクターとトレーラーを連結しているのが特徴です。 |
カーゴタイプ
カードタイプは、トレーラータイプよりも小さめのコンテナを運ぶトラックです。使用する際はトラックの荷台とコンテナを連結します。
カードタイプには「アームロール」「フックロール」「ロールオン」の3つがあります。
それぞれの特徴は下記です。
カードタイプの種類 | 特徴 |
アームロール | 日本でよく見かけるコンテナ専用車で、L字型アームを回転させて、荷台を脱着します。積載量は2、4、6、8、10トンの5タイプです。新明和工業で製造されるものがアームロールと呼ばれます。 |
フックロール | アームロールと同様ですが、極東開発工業で製造されるものはフックロールと呼ばれます。 |
ロールオン | フックの付いたワイヤーをコンテナに付け、アームではなくウインチで巻き上げます。ワイヤーで引っ張るため、狭い場所でもコンテナの脱着が可能な点が特徴です。 |
コンテナ専用車の運転に必要な免許
コンテナ専用車を運転するには、特殊な免許は不要です。コンテナ専用車の大きさにあった免許を取得していれば問題ありません。
トラックのサイズと必要な免許は下記をご確認ください。
普通免許 | |
車両総重量 | 3.5トン以下 |
最大積載量 | 2.0トン未満 |
乗車定員 | 10人以下 |
取得可能年齢 | 18歳以上 |
取得条件 | 指定自動車教習所を卒業し、学科試験と適性試験に合格する |
準中型免許 | |
車両総重量 | 7.5トン以下 |
最大積載量 | 4.5トン未満 |
乗車定員 | 10人以下 |
取得可能年齢 | 18歳以上 |
取得条件 | 指定自動車教習所を卒業後に学科試験と適性試験に合格する ※1:普通免許を持っている場合 指定自動車教習所を卒業後に適性試験に合格する ※2:2017年3月11日以前に普通免許を取得済みの場合 指定自動車教習所を卒業する、または限定解除審査に合格する |
中型免許 | |
車両総重量 | 11トン以下 |
最大積載量 | 6.5トン未満 |
乗車定員 | 29人以下 |
取得可能年齢 | 20歳以上 |
取得条件 | ・普通免許以上を取得してから、2年以上経過している ・指定自動車教習所を卒業し、学科試験と適性試験に合格する |
大型免許 | |
車両総重量 | 11トン以上 |
最大積載量 | 6.5トン以上 |
乗車定員 | 30人以上 |
取得可能年齢 | 21歳以上 |
取得条件 | ・普通免許以上を取得してから、3年以上経過している ・指定自動車教習所を卒業し、学科試験と適性試験に合格する |
運転するだけであれば、上記の免許があれば可能ですが、運ぶものによって資格が必要な場合があります。
次に必要な資格と運搬物についても紹介していきます。
危険物取扱者免状
ガソリンスタンドにガソリンや軽油、灯油などを運搬するには「危険物取扱者免状」が必要です。
運転手が資格を持っている必要はなく、同乗者が資格を有していれば問題ありません。
危険物取扱者免状は甲種・乙種(1類〜6類)・丙種に分類されており、消防試験研究センターが実施する試験に合格すると交付されます。
免許取得後、原則として3年ごとに保安講習を受講する必要があるので、覚えておきましょう。
高圧ガス移動監視者
可燃性ガスや毒性ガス、液化石油ガス、特殊高圧ガスなどを運搬する際は、「高圧ガス移動監視者」の資格が必要です。
高圧ガス移動監視者は、高圧ガス保安協会が行う講習を受け、試験に合格すると交付されます。
資格には、高圧ガスすべてが扱えるものと、液化石油ガスに限定するものがあるので、事前に運搬するガスを把握しておくと良いでしょう。
毒物劇物業務上取扱者
資格とは少し意味合いが異なりますが、毒物・劇物を一定数量以上取り扱う場合は、事業所がある都道府県知事に「毒物劇物業務上取扱者届」の届け出が必要です。
取扱開始後30日以内に届け出が必要になるので、忘れずに届け出を提出しましょう。
運搬証明書
こちらも資格ではありませんが、火薬類を輸送する場合、火薬類を載せた場所を管轄している都道府県公安委員会に「運搬証明書」を交付してもらう必要があります。
なお18歳未満のドライバーは、火薬の取り扱いができないので注意してください。
また交付してもらった「運搬証明書」は運搬時にトラックに常備しておく必要があるので、忘れないようにしましょう。
コンテナ専用車の代表的なメーカーと車種を紹介
最後にコンテナ専用車の代表的なメーカーと車種を紹介していきます。購入を検討している人はぜひチェックしてみてください。
三菱ふそう・ファイター
(引用元:Fighter | 三菱ふそうトラック・バス株式会社)
三菱ふそうのファイターは1984年に登場以来、常に日本市場に流通しているトラックです。1992年にフルモデルチェンジを行い、その後32年間も続いている長寿モデルになります。
4気筒車と6気筒車の2タイプが用意されており、安全性能も年々向上しているのが特徴です。
日野自動車・レンジャー
(引用元:日野レンジャー(中型トラック) | 日野自動車)
日野自動車のレンジャーは車両重量が約8トンから20トンまで幅広いバリエーションがある中型トラックです。1964年に登場し、現在では6代目となっています。
日野自動車の中でもトップクラスのシェア率を誇るレンジャーは、マイナーチェンジを繰り返し運転席のシートなどの快適性能も運転手から高評価を得ています。
いすゞ自動車・フォワード
(引用元:ISUZU:フォワード(中型トラック))
いすゞ自動車のフォワードは2020年から2023年まで、車両総重量8〜11トンクラスの中で販売台数日本一を獲得したトラックです。人気の理由はエンジン性能が長けている点で、積載量が多くてもストレスなく走れます。同クラス内でも燃費がよく、環境にも優しい点も評価されています。
いすゞ自動車・エルフ
(引用元:ISUZU:エルフ(小型トラック))
いすゞ自動車のエルフは1959年に登場した、小型・中型トラックです。特に小型トラックにおいては、日本の中では代表的な位置付けにあたります。
急ブレーキをかけた時などにタイヤがロックするのを防ぐ「ABS」や車両が発進や加速をした際にタイヤが空転してしまうのを防ぐ「ASR」、坂道発進補助装置の「HSA」などの安全装備も標準でついているのが特徴です。
まとめ
今回はコンテナ専用車の種類や運転に必要な資格について解説しました。着脱するコンテナの種類と用途も理解しておくことで、スムーズな運搬も可能です。
中古車販売のトラック流通センターではコンテナ専用車も扱っているので、ぜひ本記事を参考にして探してみてください。
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- コンテナ専用車は荷台がコンテナになっているトラックのこと
- コンテナ専用車には「トレーラータイプ」と「カードタイプ」の2つがある
- コンテナ専用車を運転するには、特殊な免許は不要
- 運ぶものによっては資格が必要な場合がある