アームロールとは?操作方法や操作時の注意点を解説!人気車種や中古購入時のポイントも紹介
(引用元:トラック流通センター)
コンテナの着脱や積載コンテナの積み下ろしが可能で作業の効率化に役立つアームロール車。アームロールの導入をしたいけど、「操作が難しそう」「操作時のコツや注意点を知っておきたい」などの不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、アームロールの操作方法や操作時のポイント、注意点を解説します。アームロール車の人気車種や購入時のチェックポイントも紹介しますので、購入時の参考にしてみてください。
アームロールとは
アームロールは、コンテナを着脱して荷台の形状を変更できる特殊車両です。また、車載アームで積載コンテナの積み下ろしもできます。
ここでは、アームロールの役割とフックロールの違い、操作に必要な免許など基本事項を確認していきます。
役割
アームロールは、荷台を変えることで、以下のとおりさまざまなものを運べるのが特徴です。
物流業界ではもちろん、建築現場や農業・家畜など幅広い業界で使用されています。
・ゴミ ・産業廃棄物 ・砂利や土砂 ・液体物 ・農産物農機具 ・家畜の飼料や糞尿 |
車載アームを操作して荷台コンテナの積み下ろしをおこなうのが一般的です。コンテナの脱着ができるので、建築現場では1台のアームロール車で効率的に作業がなされています。荷台が傾けられるため、スムーズに作業が可能な点も魅力です。
また、テールゲートコンテナを使えば、砂利や土砂を地面に撒くこともできます。
アームロール車のコンテナの種類はこちらの記事でチェック!
アームロール車のベース車両の人気メーカーやモデルと共に中古車両購入時のチェックポイントなどを紹介!
フックロールとは違う?
アームロールとフックロールは名称が異なるだけで同じものを指します。アームロールの正式名称は「脱着ボディーシステム車」です。新明和工業株式会社が商品名を「アームロール」として販売し、「アームロール」が通称となりました。
一方「フックロール」は、極東開発株式会社製造の「脱着ボディーシステム車」のことです。他にも、ヒアブ製造のものを「マルチリフト」、イワフジ工業製造のものを「ロールオン」と呼びます。どれも呼び方は異なりますが、車体の基本構造や機能に大きな違いはありません。
特別な免許は不要
アームロール車を操作する際、専用の免許は必要ありません。車載アームを操作するため、クレーン車操作用の免許が必要だと思われがちですが、アームロールは一般的な運転免許で操作可能です。
ただし、操作には練習が必要です。経験者と練習をおこない、慣れるまでは十分注意して操作しましょう。
アームロールの免許についてはこちらの記事でもチェック!
荷台を自在に変更!アームロール車の運転操作に必要な免許や資格、活用フィールドは?
アームロールの操作方法
アームロールの操作手順は以下のとおりです。
①PTOのスイッチを入れる
②ジャッキがある場合はジャッキを出す
③リモコン操作でチルトを傾ける
③アームのフックをコンテナに引っ掛ける
④コンテナを引き上げる
⑤ジャッキを格納する
それぞれ詳しく解説していきます。
PTOのスイッチを入れる
まずは、クラッチを切ってPTO(パワーテイクオフ)スイッチを入れます。ちなみに、PTOスイッチとは、エンジンの回転を油圧に変えるシステムです。
スイッチを入れたら、クラッチから足をゆっくりと離します。クラッチからはゆっくり足を離すのがコツです。
ジャッキがある場合はジャッキを出す
ジャッキを使用する場合は、リモコン操作でジャッキを出し、車体を安定させます。車体が浮いていないかしっかり確認しましょう。
リモコン操作でチルトを傾ける
ここまできたら一度、車の外に出ます。リモコン操作をし、車の周囲を確認しながらチルトを目一杯傾けましょう。
アームのフックをコンテナに引っ掛ける
続いてはまた、車両を操作します。アームを降ろして車体をバックし、フックをコンテナに引っ掛けます。
このとき、フックがしっかり引っ掛かっているか、コンテナのレールがローラーにのっているかなど、細かい部分を確認しましょう。
コンテナを引き上げる
スイッチでアームを操作し、コンテナをゆっくりと引き上げます。このとき、エンジンの回転数は1,500〜2,000rpmまで上げるのがポイントです。
シャシの上にコンテナが載り、車体に収まったら完了です。
ジャッキを格納する
最後にジャッキを格納して一連の操作は終了です。
アームロールの操作時のコツ
ここでは、アームロール操作時のコツを3つ確認していきます。
事前練習する
アームロールは操作するのに特別な免許を必要としませんが、安全に操作するためには練習が必要です。特に、フックを引っ掛ける作業は細かい作業となり、最初からうまくできない可能性もあります。
コンテナをまっすぐ上に引き上げたり、バック運転をしたりするのにもコツが入ります。また、コンテナを載せた走行の感覚も、事前に体感しておけると安心です。
スペースを確保する
アームロールを使用して作業する際は、できる限り広いスペースの確保が必要です。トラックの大きさにもよりますが、トラックの全長の2倍以上のスペースが必要となる場合もあります。
コンテナが落下してしまった場合も考え、なるべく周囲のスペースが十分ある場所で作業をおこないましょう。
安全確認の徹底
アームロール車に限った話ではありませんが、重量のあるものを運ぶうえで、安全確認の徹底は欠かせません。
周囲に人がいないかを確認し、操作する際は、ミスのないよう、指差し確認が推奨されています。些細なミスであっても大きな事故につながる可能性があるため、アームロール車の操作をする際は、緊張感を持って安全確認をしっかりしましょう。
アームロール操作時の注意点
アームロール車は、重いものを取り扱うため、操作には十分注意が必要です。
ここでは、アームロール操作時に注意したいポイントを2つ解説します。
コンテナや扉には要注意
アームロールの特徴的なこととして、コンテナの脱着が挙げられます。コンテナがしっかりと装着できていないと、走行中に落下し、大きな事故につながる危険性があります。コンテナがしっかりと固定されているか車を出発させる前にも再度確認しましょう。
また、コンテナにはさまざまな種類があり、扉が付いているものもあります。その場合には、扉が閉まっていることをしっかりと確認しましょう。
過積載に注意
トラックは、最大積載量が決まっており、それを超えた積荷を載せて走行することは禁止されています。
過積載は交通違反のため、超過割合によっては、刑事罰となる可能性もあります。アームロール車を使用する際も、積載物の量をあらかじめ確認してから作業するようにし、過積載を予防しましょう。
中古アームロール購入時に確認したいポイント
アームロール車の購入を検討している方には、中古アームロール車の購入がおすすめです。
ここでは、中古アームロール車購入時に確認したいポイントを紹介します。
ベース車両
ベース車両のなかでも、PTOの動作確認は念入りにおこないましょう。PTOが動かなくなってしまうと、アーム操作に影響がでて、大きな事故につながってしまいます。
他にも、通常の中古車購入と同じように年式やメンテナンス履歴、最大積載量などは確認しておきましょう。
アーム部分
アームロール車は、アーム操作が特徴的なため、アームの確認が欠かせません。購入時には、キャビン内とリモコン操作の両方の動作をチェックしましょう。また、アームの緊急停止ボタンが機能するかも確認が必要です。
あわせてコンテナのレールやローラー部分も見ておきましょう。
アームロールの人気車種
最後に、アームロールの人気車種を紹介します。
トラック流通センターでは、人気車種の中古アームロール車を多数取り扱っていますので、購入を検討されている方は、ぜひチェックしてみてください。
いすゞ・フォワード
(引用元:トラック流通センター)
いすゞ自動車のフォワードは、2020年から2022年の3年間、車両総重量8〜11トンクラスのなかで販売台数日本一を獲得した人気車種です。ディーゼル機能に定評があり、燃費の良さを兼ね備えたフォワードは、アームロールのベース車両に最適です。
いすゞ・フォワードの中古車ここからチェック
三菱ふそう・ファイター
(引用元:トラック流通センター)
ファイターは、三菱ふそうの中型車の代表車種です。
2003年以降のモデルであれば、エンジン性能の評判が高く、アームロール車のベース車両としても安心です。
三菱ふそう・ファイターの中古車ここからチェック
日野・レンジャー
(引用元:トラック流通センター)
商用車両に特化した日野自動車で、1964年から製造されているのが中型トラックのレンジャーシリーズです。アームロール車以外にも、ダンプなどの他の特殊車両にも採用されています。
日野・レンジャーの中古車ここからチェック
まとめ
今回は、アームロール車の操作方法や操作時のコツ、注意点などを解説しました。アームロール車は、作業の効率化に大きく貢献する便利な特殊車両ですが、操作には十分注意が必要です。この記事を参考に、アームロール車を安全に活用していきましょう!
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- アームロール車は、コンテナの着脱や積載コンテナの積み下ろしが可能で作業の効率化に役立つ特殊車両
- 操作時に特別な免許は不要だが、安全な使用のためには練習が必要
- 使用時には、周囲のスペース確保、安全確認の徹底をする
- 走行前には、コンテナや扉のチェック、過積載の確認をする
- 中古アームロール車購入時には、ベース車両に加え、アーム部分やコンテナの操作性も要チェック