【必見】トラック荷台の種類と寸法|はみ出し対策、ロープの種類や結び方まで徹底解説!
私たちの生活を支えてくれているトラックですが、時代の流れとともに、使い方や形が進化しています。
そして、トラックにとって欠かせない荷台は物を運搬するための重要箇所であり、トラックの種類や大きさによってさまざまなタイプや寸法があります。常に輸送品質の向上が求められ、荷台が果たす役割はさらに重要となっています。この記事では、トラックの荷台についてサイズや寸法だけでなく、荷台のルールや豆知識を解説していきます。
代表的な荷台5種類とその特徴
トラックの荷台にはさまざまな種類があります。ここでは、荷台5つとその特徴をみていきましょう。
平ボディ
平ボディとは、運転席の後ろにまっすぐ平らな荷台がついたタイプのトラックのこと。平ボディの両サイドについている囲いを「アオリ」、シャシの後ろについている部分を「鳥居部」、平ボディの下に這わせた鉄の部分を「根太部」といいます。
囲いが低くどのような荷物でも運搬できるので、トラックのなかでもっとも需要があるのが平ボディです。
冷凍・冷蔵車
冷凍品や冷蔵品を運搬するために使われるのが、冷凍・冷蔵庫になっている箱型の荷台がついたトラックです。主に食品を運搬するために使われますが、トラックのサイズにより品目は変わります。
クレーン
クレーンとは、重たいものや巨大なものを吊り上げて運ぶトラックです。吊り上げて運搬するだけでなく、荷物を移動させることもできます。鉄骨や建築材料などを運搬するために使われることが多いです。
バン
バンとは、荷台に小型の荷室が取り付けられているタイプのトラックです。部屋のように囲われているので雨風から荷物を守ってくれます。
ダンプ
ダンプは、平ボディのように平らですが荷台を傾けることができます。この特性を活かし、ゴミや土砂などを運搬し、放出することが可能です。
上記のような荷台を車両本体(シャシ)に取り付けることで運搬するものが変わってきます。
【サイズ別】荷台寸法と積載量
トラックの荷台寸法や積載量は、車のサイズで大きく違ってきます。また、同じ大きさであっても、車種やメーカーによって寸法が異なるため購入する際には必ず確認しておきましょう。
ここでは、一般的な平ボディの荷台寸法を大きさとタイプ別に見ていきます。
2トントラックと4トントラック
2トントラックと4トントラックのボディサイズ、荷台寸法は下記のとおりです。
ボディサイズ | 長さ | 幅 | 荷台高さ |
ショート | 2トン 2,500mm前後 4トン 4,350mm前後 |
2トン 1,600mm前後 4トン 2,040mm前後 |
2トン 380mm前後 4トン 400mm前後 |
標準 | 2トン 3,100mm前後 4トン 6,200mm前後 |
2トン 1,600mm前後 4トン 2.130mm前後 |
2トン 380mm前後 4トン 400mm前後 |
ロング | 2トン 4,300mm前後 4トン 7,200mm前後 |
2トン 1,700mm前後 4トン 2.130mm前後 |
2トン 380mm前後 4トン 400mm前後 |
ワイドロングボディ | 2トン 4.300mm前後 4トン ー |
2トン 2.000mm前後 4トン ー |
2トン 380mm前後 4トン ー |
スーパーロングボディ | 2トン ー 4トン 8.200mm前後 |
2トン ー 4トン 2.130mm前後 |
2トン ー 4トン 400mm前後 |
ワイドボディ | 2トン ー 4トン 6.200mm前後 |
2トン ー 4トン 2.340mm前後 |
2トン ー 4トン 400mm前後 |
10トントラック
大型トラックは、小型や中型のような分類はしません。メーカーによって荷台寸法が異なります。
メーカー | 長さ | 幅 | 荷台高さ |
日野 | 9.670mm | 2.490mm | 267mm |
三菱ふそう | 10.030mm | 2.340mm | 450mm |
UDトラックス | 9.500mm | 2.490mm | 450mm |
いすゞ | 5.100mm | 2.490mm | 500mm |
トラック荷台のはみだしルールとは?
トラックに積載できる荷物の重さや長さ、幅には基準があり、道路交通法57条で定められています。この基準を超えると、罰則の対象になるため必ず積載物の寸法を確認しなければなりません。
道路交通法における積載物の規定は下記のとおりです。
・幅:自動車の幅にその幅の10分の2の幅を加えたもの
・長さ:自動車の全長に、その長さの10分の1の長さを加えたもの
・高さ:3.8mからその自動車の積載をする場所の高さを減じたもの
荷台からはみ出す場合
荷台からはみ出したものは運搬できないのでしょうか。結論からいうと、運搬することは可能です。
ただし、規定を超える荷物を積載する場合は、管轄の警察署や交番へ「制限外積載許可」の申請が必要になります。申請場所によってはみ出し可能なサイズが異なるため、申請場所を間違えないようにしましょう。
申請場所によるはみ出し寸法の一覧は下記のとおりです。
交番に申請する場合 | 警察署に申請する場合 | |
幅 | 自動車の幅以下 | 全幅3.5m以下
(自動車の幅+1mまでで、積載物は左右ともに0.5m以上はみ出してはならない) |
長さ | 自動車の長さの1.1倍 | 全長20m以下(自動車の長さの1.5倍まで) |
高さ | 貨物積載時に3.8mを超える場合 (高さ指定道路は4.1m) |
全高4.3m以下 |
荷台からのはみ出し寸法が大きい場合、警察署へ申請しなければなりません。必ず運搬するものの寸法と荷台の寸法を把握しておきましょう。
はみ出したときの注意点
交番や警察署へ申請を出し許可を貰えば、あとは運搬するだけです。しかし、一点注意することがあります。はみ出した荷物を運搬する際、必ず赤い布をはみ出し部分(後方)につけなければならないということです。赤い布を付けると、後方の運転者に荷物がはみ出しているということを認識してもらえます。そうすることで事故を防止する効果があります。
【動画解説】ロープの種類と結び方
荷物の落下防止や商品に傷をつけずに運搬するために重要となるのがロープの結び方です。一般的に、ロープを結ぶことを「ロープワーク」と呼び、荷物の運搬以外にもキャンプや登山などのアウトドアでも用いられています。
平ボディのような荷物が剥き出しの状態で運搬するトラックは、ロープでしっかり固定しておかなければ荷物の落下を招く恐れがあります。
「ロープの結び方なんて自己流でよいのでは?」
と思っている方もいるでしょう。しかし、しっかりと荷物を固定しておかなければ、重大な事故を引き起こす可能性もあるのです。
ロープの種類
ロープといってもさまざまな素材があり、運搬する荷物によって使い分けられます。強度のあるロープや解きやすいロープなど素早くロープワークがおこなえる素材を知っておけば、仕事の効率化にもつながります。
それでは、トラックの運搬に主に使われるロープの種類を挙げていきます。
ビニロンロープ
(参照元:ロープ屋本舗)
強度、耐久性、使い易さに優れたロープです。さまざまな用途で使用できる万能なロープですが、水に濡れて乾いたあと、硬くなる性質があります。
滑りにくいビニロンテープは、荷台に家具やオートバイなどの固い荷物を載せるときの締め付けに便利です。
マニラロープ
(参照元:ロープ屋本舗)
マニラロープは、マニラ麻のアバカという硬質天然繊維で構成されたロープです。素材の特徴を生かして作られているので、熱や摩擦、紫外線に強く静電気を抑えます。伸度が少なく吸水性があることに加えて、環境に優しく、水中や土中で腐食し土に還すことが可能です。
天然素材のロープなので、木や観葉植物などの園芸品を運搬するときに使われています。
リキロンロープ
(参照元:endo-shokai.com)
ポリエチレンとポリエステルを混ぜて作られた薄いオレンジ色のロープが、リキロンロープです。他のロープに比べて軽量で女性でも使いやすい素材となっています。
軽量で強度があることから、近距離で積み下ろしの頻度が多いトラックでの運搬に用いられています。
ポリプロピレン(PP)ロープ
(参照元:NARUKAWA)
合成繊維のロープのなかで強度が強い素材がポリプロピレンです。それを使ったものをポリプロピレンロープといいます。吸水性が少なく水濡れの心配がないため、漁業現場でもよく使われているロープです。
濡れたものや雨の日の運搬に重宝されます。
ロープの結び方
トラックを使って荷物を運搬すれば、必ず振動が起こります。家具や背の高い荷物などは振動によって傾き、最悪の場合、トラックから転落してしまう恐れもあるのです。もし、走行中に荷物を落下させてしまって事故が起こると、トラックドライバーの責任を問われます。
違反内容は「転落積載物等防止措置義務違反」に該当し、違反点数の追加と反則金が科されます。悲惨な事故を招かないようにするためにもロープの結び方を学び、実践することが運搬する者に課せられた義務です。
それでは、ロープの結び方を挙げていきます。
南京結び
(引用元:モノタロウ)
南京結びは、トラックの荷物を固定させる結び方としてもっともオーソドックスな結び方です。大きくて重い荷物を荷台に固定する際には大変便利なので、覚えておくことをおすすめします。
南京結びの手順は下記のとおりです。
1.右手にロープの先端が来るように両手でロープを持ちます。この際、右手は、ロープの先端から2m程度内側部分を持つようにしましょう。
2.右手に持ったロープで円型15センチ程度の輪っかを作ります。
3.右手に出来た輪っかを左手に持っているロープの上に置きます。
4.左手に持っているロープを2番で作った輪っかの下部分に2周巻きます。2周目のロープは、一周目で巻いたロープよりも右手側に来るように巻きましょう。
5.4番でできた下側の輪っかを2回ねじります。
6.1番で余らせておいたロープを5番の輪っかに通して新たな輪っかを作ります。その輪っかをトラックの下部分にあるフックにかけます。
7.6番で出来た余ったロープを引っ張ります。
8.余ったロープをくくりつけます。
これで南京結びの完成です。慣れると1人でも結ぶことができるのでトラックの荷台と荷物を結ぶ際には、もっとも使われている結び方です。注意点として、結んでいる途中でロープが緩まないように常に入念なチェックをしましょう。
輸送結び
(引用元:モノタロウ)
ロープの結び方には南京結び以外にもあります。
輸送結びは、文字どおり輸送する際に使われるロープワークのひとつです。1本のロープでしっかりと荷物を固定できるので転落する心配がありません。しかし、南京結びに比べると張りが強すぎるため、ロープに力を入れて引っ張りすぎると箱などを変形させてしまう恐れがあります。
輸送結びの手順は下記のとおりです。
1.南京結びの1〜5まで同じように作ります。南京結びと違う点は、最初に右手側の輪を作るときロープを交差させないようにしましょう。
2. 八の字ができたら、上部のロープと輪を握って結び、しっかりと締め付けます。
3.上側のロープと輪で結び目を作ります。次に下側のロープを下の輪へ潜らせ新しく大きな輪を作ります。
4.最後に作った輪をトラックのフックに引っかけ、垂れているロープを下に引き締め付けて完成です。
やわらかい段ボールや形の崩れるものを固定させるときは、箱に角当てやクッションとなるものを添えて型崩れを防ぎましょう。
もやい結び
(引用元:POLALOP)
もやい結びは、もともと船舶に使われているロープワークです。荷物を固定するだけでなく、すでに締結されているものを固定する増し締めにも用いられます。南京結びや輸送結びに比べて簡単で、救助や避難の際のロープワークとしても使われています。
もやい結びの手順は下記のとおりです。
1.荷物にロープをかけて結び目を作りたい場所に輪っかを作ります。
2.輪っかの下から一方のロープの先をくぐらせます。くぐらせたロープは反対側のロープの後ろに通しましょう。
3.通したロープの先を最初に作った輪へ通し、ロープを引っ張って結べば完了です。
もやい結びはしっかり結ばれていれば、大きな荷物でも固定できます。しかし、南京結びや輸送結びより簡単な結び目となっているため、荷物が均等に積まれていないときや荷台の左右で違う荷物を乗せているときなどはもやい結びを使うのは控えましょう。
まとめ
今回は、 トラック荷台の種類やサイズ・荷台寸法、荷台のはみ出しルール、ロープの結び方について解説しました。
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- トラックの荷台には、平ボディ、冷凍・冷凍車、バン、ダンプがある
- 一般的に使われるのは平ボディとバン
- トラックのサイズによって荷台寸法や運搬するものが違う
- 荷物が荷台からはみ出すとき、荷物のサイズによっては申請が必要
- ロープの種類によって用途が違う
- ロープの結び方には、南京結び、輸送結び、もやい結びがある