気になる1.5トントラックを徹底解説!特徴や用途、2トントラックとの違いとは!?
トラックの大きさは細かく分類されています。1.5トントラックは、乗用車と同じような大きさで小回りも利き、免許を取得した時期によっては普通免許でも運転できるサイズのトラックです。しかし、2トントラックと比較すると、荷台の寸法がどれくらいなのかイメージしにくい方もおられるでしょう。この記事では、1.5トントラックのサイズや2トントラックとの違いを徹底解説いたします。
1.5トントラックは、乗用車とほぼ変わらないサイズ!?
トラックメーカーの種類分けでは、4トントラック以下は小型トラックと分類されています。また道路運送車両法による分類では、長さ4.7m以下、幅1.7m以下、高さ2.0m以下で、エンジンの総排気量が2,000cc以下であれば小型自動車です。これよりも大きい場合は普通自動車となります。
現在の道路交通法による分類では、最大積載量2トン未満、車両総重量3.5トン未満であれば普通自動車免許で運転できます。注意しなければいけないのは、免許を取得した時期により運転できる車両が異なることです。
【平成19年6月1日までに取得した普通免許の運転区分】 | ||
車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 |
8トン未満 | 5トン未満 | 10人以下 |
【平成19年6月2日〜平成29年3月11日に取得した普通免許の運転区分】 | ||
車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 |
8トン未満 | 5トン未満 | 10人以下 |
【平成29年3月12日以降に取得した普通免許の運転区分】 | ||
車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 |
8トン未満 | 5トン未満 | 10人以下 |
1.5トントラックと分類されるトラックは、準中型自動車と分類されるので、平成29年3月11日までに取得した普通免許、もしくは準中型自動車免許が必要です。
国産の三菱ふそうのキャンター、いすゞのエルフ、日野自動車のデュトロはどれも、準中型自動車免許が必要になる1.5トントラックです。
車体のサイズ
1.5トントラックの車体サイズを見ていきます。一般的な1.5トントラックのサイズは、以下のとおりです。
【1.5トントラックの車両サイズ】
全長4,430mm 全幅1,695mm 全高1,970mm
各メーカーにトラックによって、多少の違いはあるものの、おおよそ上記のサイズとなります。荷台部分の高さに関しては架装する箱や積載する荷物によって上下します。そのため、道路交通法第22条で指定されている、原則3.8m以下になるように注意しなければいけません。
荷台のサイズ
1.5トントラックの荷台のサイズは以下のとおりです。
【1.5トントラックの荷台サイズ】
長さ3,120mm、幅1,620mm、高さ380mm
荷台に積載できるサイズは上記ですが、一般的なトラックの高さ制限は、3.8mです。荷物の高さに注意しましょう。
しかし2004年には法改正がおこなわれ、危険防止や構造保全で問題ないと国が指定した道路の『高さ指定道路』に限り4.1mまで規制緩和されています。また認可された場合に限り、4.3mまでの荷物の積載が可能です。
長さに関しては、自動車の全長の10%以内の長さまでと制限されており、幅は自動車+1mまでです。1.5トントラックに積載する、もしくは配送する荷物の大きさに注意しましょう。
主要メーカーの1.5トントラックのサイズ
1.5トントラックは、いずれも幅1,700mm以下なので、普通自動車と同じ感覚で運転できます。また普通自動車の全長4,700mm以下であり、長さでも規格内に収まっています。サイズが小さいことは、2トントラックと比較してもメリットとなります。
どのメーカーのトラックも、車両サイズや荷台サイズの違いはほとんどありませんが、特徴は異なります。1.5トントラックであれば、車両価格も安く抑えられるケースが多いため、小さ目の荷物を運ぶ業務で重宝するでしょう。
ではこれから、主要メーカーの1.5トントラックのサイズをご紹介します。
いずれも標準ボデー、平ボデーの寸法となっています。
メーカー | 車体サイズ | 荷台サイズ | ||||
全長 | 全幅 | 全高 | 長さ | 幅 | 高さ | |
三菱ふそう | 4,680mm | 1,695mm | 1,975mm | 3,120mm | 1,615mm | 380mm |
いすゞ | 4,685mm | 1,695mm | 1,965mm | 3,132mm | 1,629mm | 380mm |
日野自動車 | 4,685mm | 1,695mm | 1,980mm | 3,100mm | 1,600mm | 380mm |
三菱ふそう キャンター
車両価格が抑えられていて、安全に運転できる先進機能が搭載されているキャンター。死角になる範囲に障害物を検知すると、ブザーや表示で注意を促してくれます。
プランによっては長い保証プランが設定されているなど、車両価格が安いながらも耐久性が高いのも魅力的です。エンジンのバランスに優れており、車両価格も抑えられているのが三菱ふそうのキャンターの特徴です。
いすゞ エルフ
いすゞのトラックの特徴は、ディーゼルエンジンを長く製造してきたいすゞの技術の高さにより、エンジンの騒音が抑えられていること。街中や住宅街での走行音も気になりにくいでしょう。
コネクト化されているので、故障した箇所もすぐにわかります。エンジンの騒音が抑えられており、車両価格とのバランスが取れているのがエルフの特徴です。
日野自動車 デュトロ
座り心地のよいシートが装備され、乗り手に寄り添ったシートが魅力的なデュトロ。日野はダカール・ラリーに参加するなど、トラックの技術を高めているのが特徴です。レースに参加した経験から、耐久性の高いエンジンとなっています。
また安全施術の搭載によって、安全に運行できるようにサポートしています。安全装備が充実しており、故障の少なさが魅力のデュトロです。
1.5トントラックのメリット
2トントラックよりもサイズが小さい1.5トントラックのメリットをみていきます。
①車両価格が安い
②小回りが利く
③維持費を抑えられる
④運転者の幅が広い
それぞれの項目を詳しくご紹介します。
①車両価格が安い
1.5トントラックのメリットは、車両価格が安い点です。トラックは、サイズが大きくなると、どうしても価格も高くなります。
小さいボディのトラックであれば、その分車両価格も安くなります。近場での配送が多い、もしくは小物を配送するのであれば、あえて大きな2トントラックや4トントラックを導入しなくてもよいので、車両価格を抑えることができます。
②小回りが利く
トラックと聞くと、大きなボディで狭い道の運転が難しいイメージを持つかもしれません。
1.5トントラックは普通自動車とほぼ同じ大きさですので、普段運転している車と同じように小回りが利きます。
普通自動車と同じ感覚で運転できるなら、安心でしょう。1.5トントラックなら免許を取得した時期によっては普通免許での運転もでき、トラックのなかでも手軽に運転できるサイズです。
③維持費を抑えられる
トラックが大きいとどうしても維持費も高くなります。しかし1.5トントラックなら維持費を抑えながら運用できます。もちろん維持費がかかるのは、どのサイズでも同じです。しかしタイヤやオイル交換など、定期的に必要なメンテナンスの費用がかさみます。
サイズが小さい1.5トントラックなら、税金やメンテナンス費用などの維持費を抑えられるので、大きなメリットといえるでしょう。
④運転者の幅が広い
運転できる人の幅が広いことも1.5トントラックのメリットです。免許を取得した時期によりますが、4トントラックなどと比較すると、運転できる人の幅が広がります。例えば、平成29年3月11日までに取得した、普通免許の運転区分は車両総重量5トン未満、最大積載量3トン未満なので1.5トントラックの大多数が運転できます。
また平成29年3月12日以降に取得した普通免許が運転できる条件は、車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満。最大積載量では条件に合致しますが、ほとんどのトラックは車両総重量が3.5トンを超える車種が多いです。
これらの場合には、準中型免許が必要となります。制限があるとはいえ、他のサイズと比較すると多くの人が運転できるサイズのトラックです。
1.5トントラックの活躍の場
1トントラックでは積載しきれず、2トントラックでは大きすぎる・・・!そのようなシーンで活躍するのが、1.5トントラックです。
2トントラックと比較しても、小回りが利くことから、街中での取り回しを重視する配送で活躍します。
それほど大きな荷物がない配送にぴったりのサイズです。
引越し
引越しでは、大きな4トントラックなどが入れない場合、普通自動車と同じサイズで取り回しできるので、狭い道でも配送がしやすく、1DKサイズ分の荷物を積載できます。
荷物を積み込むところが狭い場合や荷物がそれほど多くない引越しで、活躍します。
配送
街中では大きな車体が通行の邪魔になってしまったり、駐車スペースに困ることもあるでしょう。1.5トントラックであれば、貨物用の車両でも、普通車のスペースに駐車や狭い道に一時停車ができます。
長距離の配送であれば、走行安定性や一度に積載できる量が多い10トントラックのような大型トラックが適していますが、近場での配送は小回りが利く1.5トントラックが活躍します。
人気サイズ(2トントラックなど)トラックとの比較
1.5トントラックと人気のサイズのトラックを比較してみましょう。
4トントラック
車両寸法 | |||||
ショートボディ | ロングボディ | スーパーロングボディ | 標準ボディ | ワイドボディ | |
全長 | 4,350mm | 7,200mm | 8,200mm | 6,200mm | 6,200mm |
全幅 | 2,040mm | 2,130mm | 2,130mm | 2,130mm | 2,340mm |
全高 | 2,200mm | 2,200mm | 2,200mm | 2,200mm | 2,200mm |
4トントラックと比較すると、一回りも二回りも大きくなることがわかります。ショートボディであれば全長はそれほど変わりませんが、スーパーロングボディになると、大型トラックと変わらないサイズになるため、1.5トントラックの倍ほどの長さになります。
4トントラックはボディ形状が複数あるため、車種やタイプによる違いが大きいです。
積載できる荷物の量だけでなく、見た目や荷台までの高さなどの積載性も異なります。
2トントラック
2トントラックのサイズは以下のとおりです。
車両寸法 | |||
ショートボディ | ロングボディ | ワイドボディ | |
全長 | 4,700mm | 6,300mm | 6,300mm |
全幅 | 1,700mm | 1,900mm | 2,200mm |
全高 | 2,200mm | 2,200mm | 2,200mm |
1.5トントラックと比較すると、ショートボディであれば1.5トントラックと変わらないサイズになります。積載できる量も500㎏違いなので、ほとんど差がないといっても過言ではありません。
しかしロングボディやワイドボディになると、全長が約6,300mmと長くなるため、小回りや積載できる荷物の大きさに違いが出るでしょう。
重くない荷物でかさばるものであれば、2トントラックのロングボディやワイドボディのほうが適している場合もあります。ショートボディでは差が生じにくいため、積載したいものに合わせて選択するとよいでしょう。
1トントラック
1トントラックのサイズは以下のとおりです。
車両寸法 | |
全長 | 4,335mm |
全幅 | 1,690mm |
全高 | 1,800mm |
1.5トントラックと比較して、ワンサイズ小さなボディとなるので、気軽に運転しやすいサイズです。すべての車体寸法が普通自動車と変わらないため車を運転している感覚に近いです。
1トンクラスであれば平成29年3月12日以降免許を取得した場合でも運転できるので、免許を取得した時期を問わず、誰でも運転できます。
車体サイズは小さくなるため、積載する荷物に十分な荷台内寸法か確認しておくとよいでしょう。
まとめ
1.5トントラックは、一般的な2トントラックと同じサイズ、ワイドボディやロングボディなら一回り小さなサイズのトラックです。サイズが小さいため、部品代やガソリン代などの維持費の削減、そして車両価格を抑えることができます。、配送や引越しにちょうどよいサイズなので、さまざまな事業者に利用されている1.5トントラック。積載する荷物や利用シーンに適していれば使い勝手のいいサイズのトラックでしょう。
また架装によっても荷台内寸法が異なるため、用途や荷物の大きさに合わせてトラックの大きさを選択しましょう。
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- 1.5トントラックは普通自動車と同じほどの大きさ
- 車両価格を抑えられる
- 維持費も中型トラックより安くコストを抑えられる
- 免許を取得した時期により普通免許でも運転できる