コダイラが時代を先取りした最新型ダンプを発表
月刊ITV 2020年6月号
コダイラが時代を先取りした最新型ダンプを発表
経済性と安全性を大幅に向上させ市場投入した
「フラッツモール型アルミダンプトレーラ」
強度を落さず積載量アップを目標に開発された
「パ・ダンプ(PaDunp)コンセプトモデル」
特装車メーカーの小平産業㈱(本社:栃木県小山市、小平武史社長)は、2020年1月に発売を開始した「フラッツモール型アルミダンプトレーラ」と、コンセプトモデルとして開発した「パ・ダンプ(PaDunp)」をこのたび発表した。今回発表した2モデルは、2020年5月28日~29日にパシフィコ横浜で開催が予定されていた“ジャパントラックショー2020”に出展される予定となっていた。しかし今回、新型コロナウイルス感染防止対策による自粛対応によりジャパントラックショーが開催中止となったため、今回リリースによる発表となったもの。
フラッツモール型アルミダンプトレーラ
フラッツモール型アルミダンプトレーラは、コダイラが独自開発したフラッツモール型シャシーに、エアサスペンション、ツインリフトアクスルを搭載したほか、ROC(横転抑制装置)内蔵のEBS(電子制御ブレーキ)を標準装備したことにより、経済性と安全性の大幅向上を実現させたダンプトレーラである。
海外のパーツを多用した車両のカスタマイズを手がける“SENOプロデュース”とのコラボレーションによる最先端デザインも魅力のひとつとなっている。
ボディに軽量アルミベッセルを採用したことで、スチール製に比べ約1,200㎏の軽量化を実現。これにより、積載量を大幅アップさせている。また、床面には耐摩耗ゴムを張り付けることで、耐久性をさらに向上させるなど、GVW36トンの国産ダンプトレーラでは、日本初となるコダイラの技術を結集させたアルミダンプトレーラとなっている。
パ・ダンプ(Pa Dunp)コンセプトモデル
近年のコンプライスが求められる市場においては、トラック架装メーカーも新たなコンセプトでの車両開発が求められる時代となっている。
そのような時代背景を受け、強度と耐久性を落とすことなく積載量を増やすことを目標に開発されたのがコンセプトモデルの「パ・ダンプ」である。従来のダンプで欠かせなかったサブフレームを無くし、テレスコピックシリンダーの採用により、大幅な軽量化を実現させている。これらの新しいボディ構造の採用により、従来型に比べ約520㎏の大幅な軽量化を可能にしている。また、サブフレームレスによる低床化により、ダンプアップ時の安定性に優れ、テレスコピックシリンダーの採用で、ダンプアップ能力も従来型と同等以上のレベルを発揮させている。
また、ボディー仕様や、サイドガード、ホイール、フェンダーなど各種オプションとの組み合わせにより、さらなる軽量化と強度・耐久性の向上も実現可能となっている。
パ・ダンプは、GVW20トン車から22トン車まで対応可能な将来を見据えた最先端のダンプである。
新型コロナ感染拡大と世界のモビリティ動向②
新型コロナウィルスによる感染は多くの先進国においてピークを越えて収束フェーズに入っています。5月6日までとされていた緊急事態宣言は、ゴールデンウィーク最中の5月4日に延長が発表され5月31日を期限としていましたが、多くの府県で感染者の減少や収束が進んだことから5月14日には39県で解除が行われました。本誌がお手元に届く6月時点では政府による緊急事態宣言は全面解除されていることと思います。
日本よりも先行してロックダウンなどを進めた海外では、経済活動の再開の圧力が高まっていることもありロックダウン解除や自粛緩和などが行われ始めています。コロナ前の日常生活を取り戻すべく最も先行して動いているのが近隣の中国、韓国、台湾ですが、感染が始まったタイミングが近いにも関わらずこれらの国々が日本よりも先行して経済活動を再開できているのは、PCR検査体制の拡充だけでなく、ITやビッグデータなどを駆使して感染者や濃厚接触者の追跡を行ったことが大きいと考えています。ほぼ“自粛”だけで乗り切りつつある我が国ですが、今後のパンデミック対策を考えると、先月号でご紹介した中国の「健康コード」のような追跡システムの構築を検討せざるを得ないのではないかと思う日々です。 さて、今回の「胎動する次世代ビークルの世界」では前回に引き続き、新型コロナウィルスとモビリティの関係について解説したいと思います。外出自粛やロックダウンの影響でモビリティ関連業界は大打撃を受けていますが、解除や緩和が進むにつれて徐々に回復フェーズに入っていくものと思われます。しかし、中国や韓国などでも再感染が発生しているように、新型コロナウィルスの感染リスクや不安は完全に払しょくできているわけではないことから、モビリティを取り巻く状況はコロナ前と同様というわけにはいかなそうです。コロナ後のモビリティはどう変わるのか、モビリティ分野を揺り動かしてきたCASE、MaaS、スマートシティなどはどうなっていくのかを海外報道を参考にしながら解説したいと思います。トロントでの街づくりを断念したグーグル系 Sidewalk Labs
新型コロナウィルスはグーグルのような大企業にも大きな影響を与えています。5月7日、SidewalkLabsのDoctoroffCEOは2017年10月より取り組んできたカナダ・トロント市のスマートシティプロジェクトから撤退すると表明しました。CEOは撤退発表のステートメントにおいて“世界全体において高まった経済不確実性とトロントの不動産市場の変動”が原因としていますが、グーグル系企業が街づくりに関わることによって個人情報の扱いなどについて不安を訴えていた地元との間で折り合いがつかない中、撤退の機会を探っていたのかもしれません。なお、再開発公社であるWaterfrontTorontoも同日にステートメントを発表し、“SidewalkLabsの撤退は残念な結果だがこれまでの同社の貢献に感謝する、一方でこれによって再開発が終わるのではなくむしろ新しい未来への初日である”といった内容のコメントを述べています。
SidewalkLabsによる壮大な街づくり構想については第23回、第24回で詳しく解説させていただきましたが、これだけのインパクトのあるプロジェクトが無くなってしまうことは残念でなりません。ただ、SidewalkLabsによると、トロントからの撤退後は街づくり構想の全てを断念するのではなく、壮大な構想を個別のテーマごとに切り分けて展開していくとしています。街の全てをゼロから作るグリーンフィールド型のスマートシティプロジェクトはトロントからの撤退によってなくなりますが、既存の街に一部の構想を入れていくブラウンフィールド型のスマートシティには引き続き取り組んでいくことになりそうです。
大打撃を受けたライドシェアやe-scooter sharing
CASE/MaaSなどで取り上げてきたモビリティサービスの中で新型コロナウィルスの打撃を最も受けているのがライドシェア業界とe-scootersharing(電動キックボードシェアリング)業界の2つです。(図2)はアメリカにおける交通需要の変化を2020年4月と2019年4月の間で比較したチャートですが、e-scooter、タクシー、公共交通、ライドシェアについては限りなくゼロに近い需要の落ち込みとなっていることが分かります。
実際、ライドシェアサービスにおいてUberの4月の売上は8割の落ち込みとなり、ライバルのLyftも75%の落ち込みとなっています。その結果、Uberは従業員全体の14%に当たる3700人、Lyftは982人を解雇する決定をしました。
e-scootersharing会社の代表格であるLimeとBirdは企業価値の大幅な下落によって資金調達に苦戦し、両社とも従業員を大量解雇しています。また、Limeは5月上旬に株式価値を大きく下げる形でUberから追加出資を受け、その際にUber傘下であったe-scootersharing/バイクシェアのJumpと統合し、事実上のUber傘下企業となる道を選びました。
外出規制や外出自粛によって発生している宅配需要の急増によって、宅配サービスのUberEatsの売上は大きく伸ばしていますが、Uberの会社全体では、本業であるライドシェアの落ち込みが大きすぎてUberEatsでは穴埋めできていません。
このように解説するとライドシェアとe-scootersharingがコロナショックで急に息の根を止められたように思いますが、実はこれらの2つのサービスはコロナ前から成長路線について数々の課題を抱えていました。
ライドシェアについては都市部を中心に渋滞増加の原因になっていることが明らかとなりつつあり、ニューヨーク市などを中心に課金や規制の議論が出ていました。また、カリフォルニア州においてライドシェアのドライバーを個人事業主ではなく労働者として扱う法律が施行されたことも逆風となっていました。
e-scootersharingについても歩道などに放置されるe-scooterが問題となり、市内でのサービス提供に対して厳しい規制や課金を行う自治体が増加し、これによってe-scooterの回収や再配置のためのコストが増え、採算の合う事業とは言いづらい状況になっていました。
コロナ前から構造的に課題を抱えていたこれらの事業が、コロナショックによっていよいよ追い込まれたというのが正しい見方です。
アフターコロナの交通事情:中国では?
コロナショックによって大打撃を受けているモビリティ関連ビジネスですが、アフターコロナはどうなっていくのでしょうか。日本や欧米よりも先行して平常化しつつある中国では公共交通機関を利用することに対する恐怖からか、新車販売が昨年比で1割増加しているとの報道が出ています。また、広州市ではかつて公共交通機関を使っていた利用者の34%のみが現在も利用している一方で、40%は公共交通機関からマイカーに切り替えたとの調査結果が出ています。タクシーについてはコロナ前の5~6割まで回復しているとのことですが、完全復活の見通しは立っていません。
中国全土において、不特定多数との三密状態になりやすい公共交通機関を使うことに対する懸念はかなり強いようで、北京や深センではバス乗車時に現金ではなくWeChatPayなどのQRコード決済やICカードなどの電子決済を使うように奨励することで、感染者が発生した際に濃厚接触者を追跡できるようにしています。また、上海のバスでは乗車時にQRコードをかざすことで乗客が連絡先を提供することを奨励しています。
北京ではエッセンシャルワーカーが安全に通勤できるようにするために定期バス路線に加えてオンデマンドバスの運行を始めています。定期バスの座席が全て埋まってしまうと、その後は出発地と行先のリクエストを出すことでオンデマンドバスが運行されるようになるようです。感染防止のため、オンデマンドバスでは全乗客が着席できる人数しか乗車できない仕組みになっています。企業や市民のニーズを大規模調査した結果として既に173のオンデマンドバス路線が開設されています。
その一方、モバイクやofoなどの代表的企業の破産、撤退により姿を消しつつあったバイクシェア(自転車シェア)ですが、ここに来て復活の兆しが出ているようです。モバイクやofoといえば利用時の入会金を目当てに次々と会員を増やすことで資金を調達し、街中にあふれんばかりの自転車を増やしていった企業であり、その結果として(図3)にあるような自転車のゴミの山を築くことになりました。
ところがモバイクの引き受け企業である美国単車が提供するバイクシェアは、ロックダウン中の武漢市において230万回の利用があったとのことです。また、北京におけるバイクシェア利用はコロナ前と比較して120~187%増加しており、加えて1回の利用でコロナ前と比較して69%増となる平均2.4㎞移動しているとのことです。このことは、バイクシェアがラストワンマイルだけでなく主要な交通手段として使われていることを示しています。
利用者が安心して自転車を利用できるようにするため、事業者同士も連携しています。美国単車が自社だけでなく他社のシェア自転車も消毒する取り組みを始めたところ、他社も追随するようになったようです。こういう事態だからこそ競合が協調して利用者を増やす取り組みをしていることは素晴らしいと思います。
アフターコロナの交通:アメリカ人はどう思っているか?
アメリカでは既にアフターコロナの交通事情やモビリティサービスがどうなるのかについての調査や記事が数多く出始めています。
興味深いのはIBMが25,000人のアメリカ人を対象に行った調査です。調査結果の主な内容は以下の通りですが、①公共交通機関の回避、②ライドシェアの利用減、③マイカーシフト、④新車購入の先送り、⑤テレワーク定着という傾向が強まりそうであることが分かります。
・これまで公共交通機関を利用していた人のうち、20%以上は今後利用しないと述べ、28%は利用頻度を減らすと回答
・回答者の50%以上がライドシェアの利用回数を減らすか、一切利用しないと回答
・回答者の25%がマイカーのみで移動すると回答し、17%以上がマイカーの利用頻度を増やすと回答
・回答者の1/3はクルマを購入する際に景気動向を勘案すると回答し、25%は新車を購入するのは半年以降にすると回答
・回答者の4割が、通常勤務に戻る場合でも会社はテレワークできる権利を残しておくべきと回答
・回答者の75%以上が時々はテレワークしたいと回答し、54%がテレワークを基本としたいと回答
この調査結果を裏付けるものとして、シアトルでは1月時点と比較し自動車交通は△37%、徒歩は△48%と回復傾向にあるのに対して、公共交通機関は△84%と利用が低迷したままとの統計データが出ています(図4)。同様の傾向はロサンゼルス、ニューヨーク、ボストン、フィラデルフィアなどの全米主要都市でも見られるそうです。
アフターコロナのモビリティサービスはどうなるか?
胎動する次世代ビークルの世界において何度も取り上げてきたように、ここ数年はCASEやMaaSなどによってモビリティ分野で新しい技術や新しいサービスが次々と普及拡大してきました。しかし、コロナショックの発生によって多くの移動ビジネスが大打撃を受け、ロックダウンや緊急事態宣言の解除後もソーシャルディスタンス確保や一定程度のテレワークが前提となる“新しい日常=NewNormal”の徹底を求められています。
それでは、アフターコロナにおいて新しいモビリティサービス、自動車産業、公共交通などはどうなっていくのでしょうか。
ライドシェアやタクシーについては狭い車内にドライバーと乗客が居合わせる“三密状態”になることから、感染不安が残る間は完全に元通りの需要へと回復することが難しいと思われます。
ではe-scootersharingはどうでしょうか。様々な記事を見ていると見解が二つに分かれます。一つの見解はコロナ前からビジネスモデルとして成立が厳しかったことから民間企業が営む事業としては限界を迎えるのではないかというものです。ただし、ラストワンマイルの移動手段として、またマイカーよりも環境負荷の低い移動手段として、社会に必要なモビリティサービスという市民権を得つつあることから、民間の努力でサービスを維持できない場合は行政が支援すべきという意見も出ています。
もう一つの見解はロックダウンによって自動車道を臨時の自転車道へと転換する動きが加速していることに鑑み、e-scooterにもう一度光が当たるのではないかというものです。イタリアのミラノでは35㎞の距離に相当する自動車道を歩行者や自転車に開放する取り組みが始まっていますし、西欧において唯一e-scooterの導入に否定的だったイギリスが自転車道の整備と併せてe-scootersharingの試験的導入を始める予定にしています。こういったことから渋滞や環境負荷を減らしたい強い意向を持つ欧州の主要都市ではe-scooterの普及が後押しされていくという主張です。
アフターコロナで大打撃を受けそうな公共交通
あらゆるモビリティサービスの中で最も打撃を受けそうなのが公共交通です。アメリカでは 2014 年より 6 年連続で公共交通の利用が減少しており、そこにコロナショックが重なったことで主要都市のバスや鉄道は 7 ~ 9割の利用者減となっています。サンフランシスコでは鉄道はサービスが休止され、バス路線も 7 割が休止となっています。ワシントンDC では幹線である 26 のバス路線だけが維持され、地下鉄は土曜ダイヤで運行しています。ニューヨーク市営地下鉄は 115 年の歴史の中で初めて 24 時間運行を取りやめ、当面の間は深夜 1 ~ 5 時を運行休止とする予定です。(図6)
ちなみにアメリカにおいて公共交通の利用が減少し続けている理由としては次のような原因が挙げられています。
・ガソリン価格の低下と自動車ローンが組みやすくなったことによりマイカー利用へのシフトが起きたこと
・UberやLyftなどのライドシェアが台頭したことに加えて不動産価格が上昇したことによって公共交通機関の整備されていない郊外への移転が進んだこと
・これまで公共交通に依存していた低所得層
・移民層がマイカー所有を増やしたことで公共交通への依存度を減らしたこと
一方で前回の記事でも解説したように、エッセンシャルワーカーにとって公共交通機関は通勤のために欠かせないものとなっています。乗り換えアプリを提供する“Transit”によると、これからも公共交通を使い続けると述べているユーザーのうち68%は女性であり、更にその大半は黒人またはヒスパニックであるとの調査結果が出ています。
このようにアメリカでは、三密を避けるために公共交通の利用を控える傾向が続く一方で、社会の機能を維持するエッセンシャルワーカーなどの移動手段としては最低限の維持が求められることから、公共交通は利用減少と最低限のサービス維持というジレンマを抱え続けながら運営されることになりそうです。
公共交通の位置づけが世界の他の地域でどうなっていくのかは今後注視していく必要があります。中でも気になるのが欧州の動向です。コロナ前の段階ではMaaSの浸透、渋滞緩和、環境負荷低減などによって公共交通の利用を見直す動きが加速してきた欧州でしたが、アフターコロナにMaaSや公共交通がどのように位置づけられていくのかはしっかりと見ていきたいと思います。
アフターコロナの絶対的勝者は自転車か?
ここまでアフターコロナのモビリティサービスについて解説してきましたが、タクシー、ライドシェア、e-scootersharing、公共交通(鉄道・バス)などが軒並み需要減少の打撃を受けつつあるのに対して、コロナ前と比較して確実に需要を伸ばしているのが“自転車”です。
武漢や北京の利用増については既に述べましたが、ニューヨークで67%増、フィラデルフィアで151%増となるなど全米の主要都市でも自転車利用が急増しています。また、臨時の自転車レーンの創設はベルリン、ブダペスト(ハンガリー)、メキシコシティ、ダブリン(アイルランド)、ボゴタ(コロンビア)などで行われ、ベルギーのブリュッセルでは5月から当面の間は市の中心部全体が自転車及び歩行者優先となるようです。
CASEやMaaSなどの進展によってこれまではマイカー離れが起きていましたが、三密の防止、ソーシャルディスタンスの確保から逆にマイカーへの回帰がある程度起きると見ています。中国については前述の通りですが、国内でも中古車の需要増、東北地方などクルマが必要な地域における新車販売の前年比増などが起きていると耳にしますので、世界全体でマイカーへの回帰が起きることはほぼ間違いないと思われます。ただ、国や都市が環境対応の手綱を緩めるとは考えにくいことから、マイカーへの回帰はエコカーへのシフトと同時に進んでいく可能性が高いと見ています。
(図7)の表は代表的なモビリティサービスや交通手段の位置付けが、コロナ前とアフターコロナでどう変化しうるのかを私見を交えて取りまとめてみたものです。感染への不安からマイカーや自転車などの“パーソナルな”移動へのシフトは確実に起きると考えています。ただし、これは様々な情報から5月中旬時点で予測したものですので、今後の状況次第では予測が大きく外れる可能性もあります。いずれにせよ、人の移動がどう変化するか、モビリティサービスがどうなっていくのかについて引き続き注視していきたいと考えています。
今回は外出自粛やロックダウンが解除へと進む中でのモビリティのニーズの変化を中心に解説させていただきました。新型コロナウィルスの感染拡大とモビリティ動向について注視すべき状況が続くと考えていますので、来月もこのテーマに関する内容とする予定です。今回は取り上げられなかった自動運転や自動配送ロボットについて触れたいと考えています。大型トラック「ギガ トラクタ」を改良
大型トラック「ギガ トラクタ」を改良-ぶつからない、つかれない、こわれない機能が進化
いすゞ自動車㈱は、大型トラック「ギガ トラクタ」を改良し、2020年4月28日より全国一斉に発売した。
物流効率の向上化の切り札としてトラクタ・トレーラ輸送による大量輸送は、トラックドライバー不足と相まって、昨今市場でのニーズの高まりをみせている。
今回の「ギガ トラクタ」の改良では、連結車特有の車両挙動に対応した、トラクタ向けに最適なチューニングを行った安全装備の設定や、厳しいドライバーの労働環境改善を目指した快適な運転環境を提供する事で、交通事故の抑制やドライバーの疲労低減に貢献する事を主眼に開発されている。
さらに、車両のみならず、車両運行支援のソフト対応として、従来から好評の車両遠隔モニタリング機能の拡充を実現、安全運転支援や車両稼働状態の管理などをさらに充実させた。
「ギガ トラクタ」の主な特長
【最適な先進安全装備】
・ブラインドスポットモニター(BSM)…車両の四方に設置したセンサーが自動車や人を検知し、衝突の恐れが高まるとドライバーに注意喚起。連結されたトレーラの側方まで検知が可能で、巻き込みや車線変更による事故抑制に貢献。
・歩行者検知機能付プリクラッシュブレーキ(衝突被害軽減/衝突回避支援)…従来から標準装備しているプリクラッシュブレーキの検知性能を向上させ、先行車に加えて横断中の歩行者や自転車まで検知対象を拡大。
・全車速ミリ波車間クルーズ…車両総重量が大きいトラクタにおいても、停止・発進を含めた全車速域での制御が可能となり、渋滞時の疲労軽減や安全運行に貢献。同機能はスムーサーGx車のみの展開で、停止後3秒以上経過した場合はドライバーの発進操作が必要となる。
・軸重モニター…車両の後軸重をマルチインフォメーションディスプレイ内に表示する軸重モニターを一部車型に標準設定。設定した軸重を超過時には警報を発しドライバーに注意喚起する。
・その他…ドライバーステータスモニター、可変配光型LEDヘッドランプ、タイヤ空気圧モニタリングシステム(オプション)を設定。
【快適性・居住性のさらなる向上】
・新ハイルーフ&専用大型ヘッダーコンソール…居住性の向上、空力と空間を両立させた、全高3.8m級の新ハイルーフをトラクタに標準装備。ハイルーフ内の前面には専用の大容量大型ヘッダーコンソールを配備し、クラストップの室内高と収納容量を実現。
・高機能シート(運転席)…欧州で高い実績を誇るイスリングハウゼン社の高機能シートを標準装備。ショルダー調整機能やサイドサポート機能等、ドライバー個々の体形に合わせた細かい調整が可能となり、長距離・長時間運行での快適な乗り心地を実現。
【自己診断機能およびセーフティドライブ報告機能を拡充】
・自己診断機能…尿素水残量やエンジンオイル交換までの残走行距離、バッテリー電圧やタイヤ空気圧の状況を車両自身が診断。遠隔地の運行管理者にパソコン画面を通じて知らせすることで、より確実な運行の実現に貢献。
・セーフティドライブ報告機能…安全装置の作動状況や使用状況を、遠隔地の運行管理者にパソコン画面を通じて車両が知らせ、運転に潜むリスクを見える化することで、さらなる安全運行に向けた運転指導が可能となる。また、プリクラッシュブレーキ作動等の緊急度の高い状況が発生した場合には、パソコン画面へ即時に知らせ、迅速な状況把握を可能とする。
価格と販売目標
東京地区希望小売価格は、平成28年排出ガス規制適合、平成27年度燃費基準+5%達成、ハイルーフキャブ・エアサスペンション仕様で、6WG1-TCN309kW(420PS)エンジン搭載、12速AMTの2PG-EXD52CD型で20,988,000円(消費税込)。目標販売台数は10,000台/年(ギガシリーズ全体)となっている。
軽量化により最大積載量28トン以上可能なGVW36トン車級ダンプセミトレーラ新モデル発売
新明和工業㈱(本社:兵庫県宝塚市、五十川龍之社長)は、土砂等の運搬用のGVW36トン車級ダンプセミトレーラの新モデルを2020年4月24日に発売した。 新モデルは、テレスコピックシリンダを採用したダンプ機構とハーフパイプ形状ボデーを採用することで、架装物の軽量化と低床化を実現。さらにグループ会社の東邦車輛㈱が、スーパーシングルタイヤ、エアサスペンション、車軸自動昇降装置(リフトアクスル)付として新規に開発したトレーラシャシを採用することで、市場のニーズにマッチした高い走行性能と最大積載量28トン以上での登録を可能としている。
リヤダンプトラックの国内トップメーカーである同社は、今後も市場のニーズに応える製品を投入することで、ラインアップを拡充し、ユーザーにとってより価値のある製品の提供に努めていくとしている。
■製品の特長
1.登録最大積載量28トン以上を実現
テレスコピックシリンダを採用したダンプ機構と耐摩耗鋼板の採用により、荷落ち・強度・デザイン性をマッチさせたハーフパイプ形状ボデーとすることで、架装物の軽量化を実現。床板6㎜、その他煽りパネル4㎜の板厚でも、従来モデルでは困難だった最大積載量28トン以上の確保を可能にした。
2.低床化構造による走行安定性向上
新形状のハーフパイプボデーは、低床化も同時に実現。従来モデルと比べ、135㎜の低床化を実現させ、走行安定性を向上。
3.エアサス・車軸自動昇降装置(リフトアクスル)付き仕様シャシの新設
リフトアクスルにより、空車時の高速道路料金負担やタイヤ摩耗の軽減と燃費の向上を実現。
4.安全・安心装備の充実
安全棒やダンプレバーロック、さらに同社オリジナルのデジタル自重計を標準設定。
■主要諸元
・適用シャシ…GVW36トン車級
・架装型式…TSD280-1T
・荷台内法寸法…長さ7,600~8,000㎜×幅2,200㎜×高さ約1,130㎜
・荷台容積…約18.8㎥
・最大積載量…約28,500㎏(シャシ型式および仕様により異なる)
エネルギーミックスと EV 向け電源 脱炭素へ官民挙げて重層的取り組み
世界のeトラックの最新動向について、本誌直近の3号に亘ってリポートしてきた。これら新開発電動車の目に見える普及には数年、或いは10年単位の期間がかかるだろう。一方で、充電用の最適電源をどうするかという大きな課題がある。
道路の周りで起こっていること その3 交通の「新常態」って何?
新型コロナウィルス(COVID-19)の感染ペースが5月中盤に入り、徐々に下がってきました。あとひと頑張りで緊急事態宣言解除に繋がる、との期待も高まっています。他方で、解除後の生活はすんなりと元に戻るわけではなく、相当程度の「自粛」を前提とした生活が続きそうです。この、今までとは異なる生活様式を「新常態(NewNormal)」と呼ぶようですが、モビリティにおける「新常態」とはどんなものでしょうか。今号では、欧米などで徐々に盛んになっている議論からその大枠の観方を探ってみたいと思います。
【提案】接地する拡幅コンテナの活用 新しいスワップ輸送システム
今年は新型コロナウイルスの強襲で、2020オリンピック・パラリンピックが一年延期、政府は全国に「緊急事態宣言」を発出して不要不急の外出を強く国民に要請しました。企業は一斉にテレワークに切り替え、休校になった学校も教師と生徒がオンラインで教習、学習の遅れを最小限に抑える活動を展開しました。また濃厚接触の可能性がある遊技場や飲食店、ナイトクラブ、ライブハウスなども休業を呼びかけたので多くの店がシャッターを下ろしました。独自に営業を続けたお店も、市民は外出を抑制されて街に出て来ないので客足は疎ら、商売にはならなかったようです。ただ、いち早くテイクアウト(出前)に切り替えたお店やお弁当屋さんは繁盛し、宅配業者も大忙しとなりました。銀座に事務所を置く本誌にも4月以降誰も訪ねて来なくなりました。中央通りを歩く人も疎らでデパートも高級ブランド店も休業しているので閑散としていました。正に世の中が急転直下“凍結”された状態でこの先の見通しが立ちません。人類はこれまでに何度もウイルスに襲われていて、1918年から1920にかけて猛威を振るったスペイン風邪は、世界で約5億人が感染し5000万人が死亡したと伝えられています。世界中が新型コロナウイルスに見舞われて経済がストップしている時に、日本だけが影響を受けないという事はあり得ません。企業も個人も同じで渦中にあってはもがいてもどうにもなりません。ただ、このような時期をどのように過ごすかによって、終息後が大きく異なるのではないかと思います。私の場合は囲碁や音楽など独りで学習できる趣味がありますので、かなりの時間をそれに充当しましたが、仕事の関係では「あったら良いな」という物を考えてみました。それが、以下に提案する『拡幅コンテナの活用法』です。
The TRUCK News Now 話題のニュートラック新製品情報・新情報
話題のニュートラック新製品情報・新情報。トラックの新モデルやモデルマイナーチェンジ情報、最新装備、物流情報など多岐にわたり最新情報をご紹介しています。
トラックユーザーNews / 出典:運輸新聞
新型コロナウイルスの感染抑制に向けた「新しい生活様式」の一つ、出前・デリバリーの配達員が、自転車で高速道路を走るなどの交通違反を犯したり、歩行者をはねる、車と衝突をして配達員が亡くなる人身事故まで発生している。自転車を使った出前代行だが、対価を得てモノを運ぶ行為は、れっきとした運送事業であり、働く人の保障確立のためにも法整備が必要なのではないだろうか。