全電動Volvoトラック、ユーザーへ引き渡し開始
文と写真…スヴェン-エリク リンドストランド
国際自動車記者
訳・構成…西襄二(ニシジョウジ)
1959年より37年間,トラック販社,メーカーにおいて品質保証,商品企画・開発,提 案型営業支援システム開発,外部物流システム改善支援,等に従事。1997年,物流問題研究所設立。産業界の物流動向研究を通じ,事例・提言等を定期発表。また,各方面で講演を行う等,幅広く活動中。
ボルボ・トラックス社は2019年3月9日、同社の中型FL型全電動(BEV)塵芥車及び同集配車各1台についてユーザーに引き渡しを開始した。ボルボブランドのトラック全電動車の本格的普及の先駆けである。
ボルボのFL 型電動車は、主として都市内で稼働する塵芥車を想定して開発が進められ2 軸配列で車両総重量は16トン。一方、より大きな車として3軸配列のFE 型電動車は車両総重量26トンまでカバーする
ユーザーはいずれもスウエーデン・イエーテボリ市内企業
ボルボ・トラックス社は2019年3月9日、同社の中型FL型全電動(以下、BEV)塵芥車及び同カーゴ集集配車各1台についてユーザーに引き渡しを開始した。1台はスウエーデン・イエーテボリ市(ボルボ・トラック社の本社・工場が所在するスウエーデン西南部の大都市。英式発音ではゴーテンバーグ。)内のレノバ廃棄物処理企業に、もう1台は運送企業のTGM社だった。TGM社は超大手のDBシェンカー社の協力企業として、イエーテボリ市圏内13か所のコープ・スーパーマーケット店への配送を担当している。今回の2台は、今後引き続く納入の開始の位置づけだ。今回の場合はリース方式で運用されるので、所有権はボルボ側にある。
ボルボFL型とこれより一段大型のFE型BEVの量産は本2019年8月以降に本格化する。製造はフランス・ノルマンディ地方のブレンヴィル・ウ・オーネ工場が担当する。この工場では、ルノーブランドのBEVDZE型及びZEワイド型車が生産されている。
(訳者注:ご高承の通り、現在、仏ルノー・トラック社は瑞ボルボ・トラック社の傘下にある。塵芥車の電動化についてはルノー・トラック側で過去10年に亘って地道な実証テストがフランス国内で継続されてきた。今回の全電動トラックの量産工場が上記のフランス国内工場となった背景には、こうした事情が反映したものと考えられる。)
ボルボFL及びFE型電動車は、基本的にルノーのDレンジシリーズ車(従来のミッドラムMidlum車)と共通の技術で組み上げられている。。EZ表示はゼロエミッションであることを示す
(表1)ボルボ・トラックの製品系列
新たなEU要求基準
本2019年1月に着任したボルボ・トラックス社のロジャー・アルム社長兼CEOは今回の引き渡し式に立ち会った。EUが新たな大型商用車に対する燃費要求基準の強化を決定したが、ボルボ・トラックスはトラック及びバス全製品ラインでこれに対応することを明らかにした。新EU基準では、重量級商用車について、二酸化炭素排出量について現行2019-2020年規制値に対して2025年迄に15%、2030年迄に30%それぞれ削減が義務づけられる。これまで、ユーロ6として有害ガスについて排出基準が適用されてきたが、今後の焦点は温室効果ガスとしての二酸化炭素CO2の排出、即ち燃費の大幅な改善についても厳しい基準が適用される。
〝私達運輸産業に属する企業の社会的責任は、気候変動に関わる分野に及ぶことを改めて認識しなければならなりません。BEVの製品拡充と普及はこの方面に対する当社のコミットメントです。BEVはエンジン作動音や排出ガスを出さず、都市内の清掃活動や配送業務をより静かに、よりクリーンに行うことになります〟とロガー・アルム社長兼CEOの発言は続けられた。
ボルボによれば、BEVトラックは新たなEUの排出ガス及び燃費基準を達成することは勿論、一充電航続距離(レンジ)や経済性の観点でも実用性で満足すべき水準にある。試算によれば、FL型塵芥車の年間稼働を通じて、二酸化炭素の排出を115,000㎏削減できる。
(訳者注:EUの排出ガス規制は、現在、ユーロ6でRM、NOx等の有害物質の排出大枠を規制し、付則として燃費基準を定めている。上記の説明は付則に関わる燃費規制を意識した表現である。)
FL型電動車の前で充電するのはボルボ・トラックス社のロガー・アルム部長とボルボ・グループのマーチン・ルンデシュテッツCEO(右)
静かな運行
BEVトラックの走行中の車外での騒音は69dbで、ディーゼルエンジン車の79dbと較べて格段に静かだ。ノイズレベルで10dbの差とは如何程に形容できるか。数字では僅かなように思えるが、人間の耳に聞こえる音圧でいえばほぼ半減していると言ってよい。車室内の効果はもっとてきめんです、と電動車の製品管理部長のアンナ・トールデンは言う。
電動バスのドライバーの場合は、終日運転に従事した後に車から降りた時に、心地よささえ感じるそうですと続ける。
ボルボ・トラックス社で電動車の用途開発を担当するアンナ・トールデンによれば、運転操作の善し悪しで一充電走行距離は大きく影響を受ける
電動モーターについて
電動トラックの場合、運行時の車両総重量によって電動モーターは同じ仕様のものを1台か2台を使い分ける。ざっくり、2軸車ではモーター1台、3軸社では2台と考えて頂ければ良いだろう。最大出力はモーター1基当たり200kW(270hp)である。2基搭載なら合計で540hp相当の最大出力となる。
シャシの中央部に搭載される駆動系は、2速ギヤボックスが採用されている。(訳者注:後退時はモーターを逆転させる。)総じて、駆動系のコンポーネントは85%が在来品と共通である。モーター及びギヤボックス類は梯子形フレームの内側に搭載され、バッテリーはフレームの外側に搭載される。
キャブの下には・・
通常はディーゼルエンジンが搭載されているキャブの下部には、〝モジュラー・パワーボックス〟が搭載され、制御系の電源となる24Vバッテリーとその充電器、冷却システム、それにキャブ内のエアコンに加えエアサスやパワーブレーキ系への圧力空気供給用電動コンプレッサーなどが搭載されている。こうした車種を問わず電動車に共通の部品類は、モジュラー化されて組立行程での作業性が容易なように配慮されている。
電動モーターは、通電された瞬間から最大トルクを発揮する。これで小気味よい加速を発揮する。車速が50㎞/hに達すると2速ギヤボックスは高速ギヤへアップシフトする。用途と架装によってはパワーテークオフ(PTO)が必要になるが、これは別置きのモーターが担当する。用途によって2種類の部品が用意されている。こうした説明はFL及びFE型車の製品管理部長のヨーナス・オーデルマームが行っている。
バッテリーは高額
バッテリーは目下最大のコスト要因である。パッケージとして50kwhが一つのパックになっているが、車種と用途によるが最大6パックのバッテリーが搭載される。合計最大出力が300kwhになる計算だ。目下のところ、業界を横断した標準のバッテリーパックは定まっておらず、将来を見通すと各車ブランド毎に仕様の違う製品が夫々に搭載されてゆく可能性が否定出来ない。
バッテリーは容量が漸次下がってゆくが、80%まで低下したら車両用としては寿命に達したと見做される。但し、残存容量は未だ充分に残っているわけだから、用途を変えて太陽電池出力の受け皿バッテリーとしてとか、病院や商業ビルの非常用電源等に転用して第二の用途で活用することが可能だ。最後には、内部の銅やアルミの金属材料を再生して再利用することも出来よう。ヨーナス・オーデルマームが続けて解説する内容だ。
BEV塵芥車の引き渡しに立ち会った(左から)レノヴァ社のハンス・ザックリッソン製品開発部長と運転担当のヤザール・アイディン、ペーター・ピューデ、ヨナス・グスタフソンの3名
ボルボの中型電動車の引き渡しに立ち会ったボルボ・トラックス社のヨナス・オーダーマルム中型車製品担当部長と架装メーカーレノヴァ社の3人のオレンジ色のツナギ着用の技術者、TGM社の運転者達(右側)=筆者撮影=
運転習熟でレンジは拡大できる
今回引き渡しが行われた2台のEVトラックの担当運転者には、事前にメーカー側から運転要領の訓練が行われた。しかし、その内容は多分に概念的な内容で、実際には稼働地域と稼働環境・交通事情等による臨機応変な対応が重要だとする。完全に習熟すると、レンジを20%程度長くすることも可能であるとボルボ・メーカーは強調する。
減速時にブレーキペダルの操作を行うが、踏み込み量の最初の部分では回生エネルギーによる補充電が行われるから、この特性を活かすことに習熟するとレンジの拡大が享受できる。もこれは該当する。(訳者注:わが国の電動乗用車の売れ筋車(日産リーフ車)の場合、アクセルペダルの操作で走行エネルギーの回生・補充電が〝ワンペダル操作でできる〟ことが特色となっているが、ボルボBEVはこれとはどうやら一線を画しているもようだ。車体架装面でも工夫の効果は期待出来る。温度管理機を搭載する場合にもこれは該当する。)
メーカー側は、運転者は〝あとどれ位走行出来るバッテリー残量があるか〟と気になるものだが、正確な情報を提供するソフトウエアの改良は今後も継続するとしている。
計器盤にはバッテリーの消耗状態、残存電力、再充電の必要時期などの表示が行われる(筆者撮影)
満充電後の走行可能距離
3軸構造のボルボFL型車の場合、満積載での走行可能距離は1充電あたり最長で300㎞であるという。
ボルボ車の場合、電動車では、これまでのディーゼルエンジン、Iアイシフト変速機、廃棄後処理用アドブルーシステム、などが不要となる。これらの合計重量はバッテリーパック2個分に相当するだろう。一般的な2軸車の場合、塵芥車架装では1日当りの走行距離は100㎞程度である。配送用なら200㎞程度だろう。広域配送用途で3軸車を想定すると1日の走行距離は300㎞程度だろう。
以上は、従来の市場実績を平均化した机上の想定である。従って、実車での実証試験が必要になる。レノバ廃棄物処理企業の場合、ボルボの技術者が終日電動塵芥車にはりついて実態を記録した結果をモデル化し、コンピューターで模擬実験も行って検証を行った。レノバでは稼働中の充電は避けたい、TGM/シェンカーでは昼休み中の短時間に貨物の積み込みを行いたい、などの要望が示された。こうした稼働時の要望を考慮して、塵芥車にも配送用カーゴ車にもFL型車を利用し、どちらにも合計150kWhのバッテリーパックを搭載することとしたのである。
販売面では・・
ボルボの電動トラックの販売は、一般の販社を経由して行う方針で従来の販売戦力をそのまま活用する。但し、用途と稼働条件を十分に調査した上で顧客共々納得できる仕様と限界をわきまえた判断が必要となる。
サービス面では
ボルボの販社サービス工場では、既に先行販売が行われている電動バスのメンテナンスを実施しており、電動車の知識を蓄積している。従って、今後の電動トラックでの販売増加に伴って実車で実際に生ずる様々な事象を通じて専門知識の一層の蓄積が進む筈だ。電動トラックの場合、従来の内燃エンジン車よりメンテ面では単純化の方向へ向かう筈だが、夜間にメンテ作業が集中することは避けられないだろう。在来の工場は、内燃エンジン車を前提とした設備とスキル面での人員配置である。現在の保有エンジン搭載車輌が当分の間、メンテの為に工場に入庫し続ける見通しに対しては十分な態勢といえよう。
ボルボEVを試乗する筆者・スヴェン- エリク リンドストランド
ボルボ・トラックス社の全電動連接バスの例。2018年夏に開催のボルボ・オーシャンレースの観客送迎にイエーテボリ市内で運行された
試乗の印象
筆者の試乗の印象の第一は、なんといっても運行中のキャブ内の静かさだった。従来の内燃エンジンの作動音が無いということは、これまで耳に入らなかった足回りやボディの立て付けなどに起因する音が代わりに聞こえるということでもある。
モーターのトルクは立ち上がりから100%を発揮するから加速性能には強い印象を受ける。筆者:ヨーロッパ通信員スヴェン-エリク リンドストランドの報告である。
主要諸元
現在納入が行われたFL型電動車は車両総重量が16トンだ。モーター出力は最大200kWで、電池パックはリチウムイオンバッテリー(LIB)が3パックで最大容量が150kWh、一充電走行距離(レンジ)は最大で200㎞だ。
駆動系統は、前記のモーターの最大出力が200kW、発生トルクは425Nmに対し、連続定格出力は約130kWである。ギヤボックスは2速型が採用されている。
充電方式は2方式が用意されている。急速充電方式では150kWDCの直流大電流が使われる。一方、普通充電方式では22kWACの交流電源が使われる。
(表2)ボルボFL 型全電動トラック(EV)主要諸元
大型トラック「日野プロフィア」を改良
改良…日野自動車
あらゆるシーンの予防安全対策で安全運転をサポート
日野自動車㈱は、大型トラック「日野プロフィア」を改良し、「サイトアラウンドモニター(右左折時警報システム)」や「可変配光型LEDヘッドランプ」の全車標準装備をはじめ、安全装備を大幅に拡充して2019年4月1日に発売した。
日野は、商用車メーカーの社会的責務として安全技術の開発・普及に取り組んでおり、大型トラックにおいては被害が大きくなりやすい高速道路走行時の安全対策から装備を拡充してきた。このたび、さらなる安全性を追求し、一般道における出会い頭事故等の対策として、「サイトアラウンドモニター」を新たに搭載。車両左右前端に設置したセンサーが接近する車両や歩行者を検知し、警告音でドライバーに注意喚起する。
また、国内大型トラック初となる「可変配光型LEDヘッドランプ」の全車標準装備や、「オートヘッドランプ」の標準化によって夜間の安全運転をサポートしている。
進化した「ドライバーモニターⅡ」は、従来から検知していたわき見、瞼の開閉状態に加えて、ドライバーの運転姿勢崩れも認識し、前方不注意を検知すると警報で知らせる。モニターカメラの性能向上に加え、カメラ取付位置を変更することで、サングラスやマスク着用時でも検知する能力を向上させている。
さらに、ハンズフリー機能付Bluetooth搭載オーディオを標準装備し、ステアリングを握ったまま操作できる等、快適性も向上させている。
今回発売する「日野プロフィア」は、PCS(プリクラッシュセーフティシステム)、VSC(Vehicle Stability Control、車両安定制御装置)、車線逸脱警報を標準装備しており、一部車型がASV減税の対象となる。また、J-OBDⅡ(Japan On-board diagnosisⅡ)に対応したモデルとなっている。
安全装備を大幅に拡充して発売された「日野プロフィア」
東京地区希望小売価格(代表者型)
高度純正整備「PREISM」に対応
改良…いすゞ自動車
「フォワード」全車をコネクテッド化
いすゞ自動車㈱は、中型トラック「フォワード」を改良し、2019年3月29日より全国一斉に発売した。
今回の改良では通信端末を標準搭載することによりコネクテッド化し、車両コンディションの遠隔把握と同データを活用した高度純正整備「PREISM(プレイズム)」の実施が可能となる。また、安全性向上アイテムの追加、高度OBD対応等、総合的な商品力強化を実施する。
今回のフォワード改良により、いすゞの全トラックシリーズがコネクテッド化した
「フォワード」改良の概要
(1)遠隔データを活用した高度純正整備「PREISM(プレイズム)」で稼働を最大化
これまでオプションとして展開していた通信端末をフォワード全車に標準搭載。車両心臓部のコンディションを、インターネットを介してユーザー自身で把握可能となる。ユーザーと同時に、いすゞも車両の詳細データを把握。これにより、2015年より大型トラック「ギガ」で展開を始め、2018年には小型トラック「エルフ」にも展開した「PREISM」がフォワード全車で実施可能となった。
「PREISM」は、車両コンディションデータの活用により“未然に防ぐ・すぐ直す”をコンセプトとした高度純正整備で、休車時間の短縮に貢献するサービスである。また、いすゞのキャプティブファイナンス会社であるいすゞリーシングサービスとのメンテナンス契約により、いすゞが責任を持って「PREISM」を実施する「PREISMコントラクト」の提供も開始。車両の稼働最大化に貢献する安心のサービスとなる。
(2)安全性能の向上と法規対応で更なる商品力強化を実施
アクセルとフットブレーキを同時に作動させた場合にブレーキを優先させる、ブレーキ・オーバーライド・システムを全車に標準装備。また、車両総重量8トン未満の車型にサイドアンダービューミラーを標準装備した。これにより、フォワードのすべての車型にサイドアンダービューミラーが標準装備された。また、エンジンと排出ガス後処理装置に各種センサーを追加・変更し、排出ガス性能にかかわる装置の故障診断の要件強化(高度OBD規制)に対応させている。
希望価格と販売目標
◇車型:2RG-FRR90T2
◇主な仕様:平成28年度排出ガス規制適合/平成27年度重量車燃費基準+10%達成/GVW8トン車/ショートキャブ/エアサスペンション/キャブ付きシャシ
◇エンジン:4HK1-TCS、154kw(210PS)
◇トランスミッション:6速Smoother-Fx◇東京地区希望小売価格:8,046,000円(消費税抜)
◇目標販売台数:16,500台/年(フォワード全体)
通信端末を標準搭載することによりコネクテッド化した「いすゞフォワード」
安全性と利便性を向上させ運転をサポート
改良…日野自動車
中型トラック「日野レンジャー」を改良
日野自動車㈱は、中型トラック「日野レンジャー」を改良し、2019年5月6日に発売する。今回の改良では、進化した「ドライバーモニターⅡ」や「オートマチックハイビーム」を標準装備するとともに、ハンズフリー機能付Bluetooth搭載オーディオを全車標準搭載し、安全性と利便性を向上させている。なお、「ドライバーモニターⅡ」はカーゴ系車型に標準装備(建設系車型はオプション)、「オートマチックハイビーム」「オートヘッドランプ」はLEDランプ装着車に標準装備(一部車型[消防・高所作業車など]は除く)となる。
日野は、商用車メーカーの社会的責務として安全装備の開発と普及に取り組んでおり、中型トラックにおいては業界をリードする高い水準の安全性能を実現している。このたび機能を向上させた「ドライバーモニターⅡ」は、モニターカメラの精度を向上させるとともに、カメラの設置位置をインパネ内からより顔を認識しやすいピラーに変更している。これにより、ドライバーの顔向き・眼の開閉状態に加えて、運転姿勢崩れも認識することが可能となる。また、サングラスやマスク装着時の検知能力も向上し、前方不注意を検知すると警報で知らせることになる。
夜間の運転視界支援として、ヘッドランプのハイビーム・ロービームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム」および「オートヘッドランプ」を標準搭載し、「可変配光型LEDヘッドランプ」もエアサス車にオプション設定している。さらに、ハンズフリー機能付Bluetooth搭載オーディオを標準装備し、ステアリングを握ったまま操作できる等、利便性も向上させている。
今回発売する「日野レンジャー」は、「PCS(プリクラッシュセーフティシステム)」「VSC(車両安定制御装置)」「車線逸脱警報」を標準装備しており、全車ASV減税の対象となる。また、J-OBDⅡ(Japan On-board diagnosis Ⅱ)に対応したモデルとなる。
安全性と利便性を向上させて登場の「日野レンジャー」
東京地区希望小売価格(代表者型)
サブエンジン式輸送用冷凍機シリーズを発売
冷凍機…菱重コールドチェーン
コンパクトで高い冷凍性能と環境性能を実現した
菱重コールドチェーン㈱(本社:東京都千代田区/安藤憲生社長)は、低環境負荷、高い架装適合性、優れた操作性・視認性を実現したサブエンジン式輸送用冷凍機「TU100SC/TU100SB」シリーズを発売した。
開発・製造は三菱重工サーマルシステムズ㈱で、新冷媒を採用した標準1室モデルのTU100SCに加え、荷室を2~3室に分割し異なる温度に調節可能なTU100SCmulti及び中温輸送に適したTU85SCをシリーズとしてラインアップし、シリーズそれぞれに、現行冷媒(R404A)を踏襲したTU100SBも同時にラインアップした。
「TU100SC/TU100SB」シリーズは室外ユニットの風路の最適化及び熱交換器の大型化により、冷凍能力はクラス最大の10,700W(TU100SBの場合)を発揮する。
地球環境負荷低減のために、現行冷媒対比GWPが約1/2の新冷媒(R452A)を採用するとともに、スタンバイ駆動用モーターにはIE3(プレミアム効率)モーターを搭載した。なお、GWPはGlobal Warming Potentialの略で、CO2を1とした係数で、値が小さいほど環境性に優れることになる。
キャビンでのコントローラ操作性視認性向上のために、フルドット液晶キャビンコントローラを採用し、大型文字の日本語表示で庫内温度、設定温度を標準1室モデルはもちろん2~3室の温度を同時に表示するmultiモデルにおいても、瞬時に確認でき、プリセット機能やファンクションスイッチを搭載することでドライバーの負担を低減している。
近年トラックの厳しい排出ガス規制適合のために架装スペースが狭小化・複雑化している状況でも容易に取付可能とすべく、コンデンシングユニット外形寸法は1,589(左側取り付け用は1,689)×609×695㎜とし、重量も435㎏と軽量コンパクト性を実現している。 菱重コールドチェーンと三菱重工サーマルシステムズは、今後も高い冷凍性能を発揮しながら、地球環境とドライバーにやさしい輸送用冷凍機をお客様に提供することにより、豊かで持続可能な社会の発展に貢献して行くとしている。
高い冷凍性能と環境性能を実現したサブエンジン式輸送用冷凍機「TU100SC/TU100SB」シリーズ
定積載での運行を実現する「スケールダンプ」を開発
ダンプ…大煌工業・極東開発・大林道路
計量装置を搭載し積載重量を表示
大煌工業㈱(山下将弘社長)、極東開発工業㈱(髙橋和也社長)、大林道路㈱(福本勝司社長)は、このたびダンプトラックのボデーに計量装置の搭載で積載重量表示が可能な「スケールダンプ」を開発し、トライアル運行を行うことになった。
近年、安全指向やコンプライアンス重視の観点から過積載防止の活動や取締りがより一層強化される傾向にある。今回の新製品は、ダンプトラックのボデー前後に三点(前側に一点、後側に二点)のロードセル(計量装置)を搭載し積載物の重量表示を可能とするもので、過積載の防止を図り、車両の定積載での安全運行をサポートする。
今後はトライアル運行を通じて製品のブラッシュアップを行い、2019年夏頃の市場投入を目指している。なお、販売目標台数は年間300台を予定している。
大煌工業・極東開発・大林道路の各社グループでは、社会インフラを支えるべく、今後も安全と信頼をキーワードとした事業活動と製品開発を積極的に進めていくとしている。
「スケールダンプ」の主な特長
(1)三点のロードセルで積載物の重量を計測
ボデー下の前側に一点、後側に二点の計三点に搭載したロードセル(計量装置)で積載物の重量を計測することが可能。(前側のロードセルは専用シリンダ部に搭載され、計測時にはシリンダを伸ばして測定を行う)
(2)積載物の重量が一目でわかり、確実な作業をサポート
ロードセルで計測された積載物の重量はボデー上の外部表示計とキャブ内表示計(1DIN)にデジタル表示される。ドライバーにも積込作業者にも一目でわかりやすく、確実な定積載作業をサポートする。
(3)低速走行時でも計測が可能
ロードカッターによる積み込み作業等の低速走行時(5~8㎞/h)でも計測が可能。(ただし、高精度での計測は停車状態による測定が必要)
(4)既存車両にも装着可能
「スケールダンプ」は、新車のほか、既存の車両にも後付けが可能。(仕様や年式、また車両の状態によっては装着ができない場合もある。また、装着可能でも、減トンとなり構造変更等が必要になる場合もある)
(5)環境負荷の低減にも寄与
積載量を目視することで、定積載を守りながらも車両の積載能力を最大限有効に活用でき、安全かつ効率的なオペレーションを実現。そのため、車両毎の稼働率を向上させ余剰な運行台数を削減できるほか、過積載に起因する道路の損傷が少なくなり、通常外の車両劣化も防げるため、環境負荷の低減に大きく寄与する。
計量装置を搭載した「スケールダンプ」(プロトタイプ)
「スケールダンプ」(プロトタイプ)仕様
プレスマスター中型車をフルモデルチェンジ
塵芥車…モリタエコノス
安全性改善とゴミ収集の効率化・負担軽減を目指す
㈱モリタホールディングスの連結子会社である㈱モリタエコノス(本社:兵庫/白井幸喜社長)は、「より安全に使いやすく!」をコンセプトにフルモデルチェンジした「プレス式塵芥収集車Press Master(プレスマスター)PB7型中型車」の販売を2019年3月22日より開始した。
プレスマスターPB7型は、安全性の改善、ゴミ収集の効率化と負担軽減を目指したプレス式塵芥収集車である。今回フルモデルチェンジした中型車は、同社独自のハイマウントリアパネルに表示器類を集約し、後方からの視認性を高め安全性を向上させている。
また、従来製品と比べ投入口を低く設計しているため、ゴミを投入口の高さまで持ち上げる際の負担を軽減するとともに、作業時間も短縮でき、作業員の労働環境改善に貢献させている。ボディとテールゲートは、剛性などの基本性能を高め、デザイン性を大幅に向上させたことで、実用性と美しく力強いデザインを兼ね備えた製品となっている。
プレス式塵芥収集車プレスマスターPB7型の適用車種は4~8トン車(中型車クラス)となる。目標販売台数は、Press Masterシリーズで400台/年間で、販売価格(税別)は、PB782Eが14,023,000円~、PB787Eが14,143,000
フルモデルチェンジされたプレス式塵芥収集車「Press Master(プレスマスター)PB7型・中型車」
ハイマウントリアパネルとボディ・テールゲート形状
主要諸元
電動車普及への貢献のためトヨタ自動車がハイブリッド車開発で培った車両電動化技術の特許実施権を無償で提供
対象は約23,740件で車両電動化システム活用の技術サポートも実施、トヨタ自動車㈱は、電動車の普及に向けた取り組みの一環として、モーター・PCU(パワー・コントロール・ユニット)・システム制御等の車両電動化関連の技術について、トヨタが保有している特許実施権(審査継続中を含む)を無償で提供するとともに、電動車を開発・製造するために、トヨタが保有するパワートレーンシステムを活用する際の技術サポートを実施することを決定した。
リース車の会計基準、変更による影響は?
国際化の動きは多岐にわたる。大きな影響力があるのはアメリカとEUだが、今回は、アメリカの会計基準に影響を受ける事例だ。運送事業者の多くが導入している、リース車に関わる話題を採り上げる。
荷主との良好な関係構築に明るさ
平成に入って、元年にベルリンの壁が崩壊し、2年に東西ドイツが統一、3年にはソ連が崩壊、5年にはEUが発足。いきなり海外との垣根がなくなった。物流も例外ではなかった。一方、国内は不況に見舞われ、苦しい時代ではあったが、ここにきて企業業績は上方修正が相次いでいる。平成から令和へ。物流産業が持続的発展を遂げるため、荷主企業とのパートナーシップ確立がカギを握る。
地方版ライドシェアサービスで移動弱者解消を目指すフィンランドの画期的なMaaS事業者Kyyti
平成から令和の時代へと突入し、The TruckもITVへと誌名変更が行われました。新誌名を記念して「胎動する次世代ビークルの世界」でも特別に海外企業のインタビュー記事を掲載することとしました。ITV第一号の記念すべきインタビュー先はフィンランドで急成長している画期的なMaaS事業者であるKyytiのCEOを務めるPekka Motto氏です。