平成28年排出ガス規制に適合した新型「ボルボFH」セミトラクター発売
月刊ITV 2019年2月号
発行:令和1年2月1日
発行所:(株)日新(HP)
執筆:大島春行・大西徳・伊藤慎介・井上元・岡雅夫・佐原輝夫・鈴木純子・中田信哉・西襄二・橋爪晃
表紙・レイアウト:望月満
記事&編集:横路美亀雄・於久田幸雄
ボルボ…新型「ボルボFH」セミトラクター発売
平成28年排出ガス規制に適合
ボルボ・トラックは平成28年排出ガス規制に適合した新型「ボルボFH」4×2、6×4セミトラクターを2018年11月より販売を開始した。パワフルで省燃費・クリーンな「D13K」エンジンと、好評のオートマチックトランスミッション「I-シフト」をさらに進化させたほか、新たに導入するデュアルクラッチ機構や、超重量物輸送に貢献するクローラーギヤがオプションで選択できるようになった。 ボルボ・トラックは設立当初から“ドライバーを設計の中心にとらえた考え方”を理念に、ドライバーへ最高の職場環境を提供することで安全な輸送品質に貢献していくことを考えている。新しい「ボルボFH」が唱える「The truck of the future is now even more capable(革新的なテクノロジーを搭載したトラックがより身近に)」は、ボルボ・トラックの長年にわたる安全性能や運転性能の知識や経験の積み重ねが、トラック造りの礎となっていることを意味している。新型「ボルボFH」セミトラクターの特長
◇ボルボ・ダイナミック・ステアリングを商用車としては日本で初めて導入。ステアリング操作が容易になり、積荷量や路面状況に左右されない一貫性のある安定したステアリング感覚を実現。 ◇2種類のEURO6エンジンを導入。平成28年排出ガス規制へ適合。それぞれのエンジンは現行車比20PSの出力を向上。日本市場におけるプレミアムモデルとしての魅力をさらに高めた。 ◇オートマチックトランスミッション「I-シフト」が更に進化。許容トルクが広がり、重量物の牽引性能を向上。また、よりスムーズでパワフルな走行を可能にするデュアルクラッチと、厳しい条件で超重量物を積んだ状態から始動するときに威力を発揮するクローラーギヤがオプションで選択可能。 ◇衝突被害軽減ブレーキ付きアダプティブクルーズコントロール、車線逸脱警報、レーンチェンジサポート、ドライバーアラートサポートなど充実した安全機能を標準装備。 ◇以前より標準装備であったパーキングヒーターに加え、ビルトイン式のパーキングクーラー(I-パーククール)を標準(FH6×4フルリーフ車には設定なし)で装備。 ◇世界トップクラスの革新の技術を備えた「ボルボFH」の車両性能に加え、国内の充実したサービスネットワークと豊富なパーツ在庫がユーザーの稼働率向上に寄与。 ボルボ・トラック・セールスの関原紀男バイスプレジデントは、「今回ご紹介するボルボ・トラックFHは、すでに国内で実証されている居住性、安全性、操作性の優位に加え、世界でもボルボ・トラックだけが提供できる機能の数々を、日本のユーザーに丁寧にご説明し提案させていただきたい」と述べている。 なお、ボルボFHは、全国のボルボ・トラック正規ディーラーとUDトラックスで取り扱っている。 ボルボ・トラックは、中~高負荷業務向けの幅広いトラックを取りそろえ、業務用のユーザーの高度なニーズに応える総合的な輸送ソリューションを提供している。カスタマー・サポート体制については、2,000のディーラーとワークショップにより120以上の国々を網羅する世界的ネットワークを展開している。ボルボ・トラック車両の製造拠点は15ヶ国にあり、年間102,800台あまりを世界各地に届けている(2016年実績)。ボルボ・トラックが属しているボルボ・グループは、トラック、バス、建設機材、海洋および工業用駆動システムを手がける世界一流のメーカーであり、金融およびサービスに関するソリューションも提供している。ボルボの活動は、品質、安全性、環境への配慮という3つの企業理念に基づいて行われている。新型「ボルボFH」の主な概要
▼FH4×2セミトラクター、リアエアサスペンション ・車両寸法…全長5,830㎜×全幅2,490㎜×全高3,720㎜ ・車両重量…7,220㎏ ・最大積載量(第5輪荷重)…11,500㎏ ・総排気量…12.777L ・エンジン型式・シリンダー数…D13(D13K460)-直列6気筒 ・最高出力…338(460)/1,404~1,800kW(PS)/rpm ・最大トルク…2,300(235)/900~1,404N・m(㎏・m)/rpm ・排出ガス浄化装置…尿素SCRシステム ・トランスミッション…I-シフト、前進12段後進4段 ・ホイールベース…3,500㎜ ・安全装備…衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報装置、ふらつき注意喚起装置、車線変更支援 ▼FH6x4セミトラクター、リアエアサスペンション ・車両寸法…全長6,690㎜×全幅2,490㎜×全高3,480㎜ ・車両重量…9,040㎏ ・最大積載量(第5輪荷重)…18,000㎏ ・総排気量…12.777L ・エンジン型式・シリンダー数…D13(D13K540)-直列6気筒 ・最高出力…397(540)/1,458~1,800kW(PS)/rpm ・最大トルク…2,600(265)/1,000~1,458N・m(㎏・m)/rpm ・排出ガス浄化装置…尿素SCRシステム ・トランスミッション…I-シフト・デュアルクラッチ、前進12段後進4段 ・ホイールベース…3,000+1,370㎜ ・安全装備…衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報装置、ふらつき注意喚起装置、車線変更支援ユニック…厚労省の移動式クレーン構造規格改正に対応
安全機能強化…ユニック
大型トラック架装用超大型ユニッククレーンの安全機能を強化
古河ユニック㈱は、大型トラック架装用超大型ユニッククレーンの一部機種の安全機能を強化し、厚生労働省による移動式クレーン構造規格の一部改正に対応した安全強化モデルとして、2019年1月23日より販売を開始した。 移動式クレーンの構造規格の一部改正は、2018年2月26日に厚生労働省告示第33号「クレーン又は移動式クレーンの過負荷防止装置構造規格等の一部を改正する告示」によるもので、つり上げ荷重が3トン未満の移動式クレーンにおいて、荷重計以外の過負荷を防止するための装置が義務付けられた。 これを受け、ユニックでは、2018年10月に安全強化モデルとして販売を開始した『ユニッククレーンG-FORCEシリーズ』に続き、大型トラック(車両総重量20トンクラス以上)架装用2.95トン吊り超大型ユニッククレーン「URU580シリーズ」「URU1000シリーズ」の安全機能を強化し、本規格改正に対応した定格荷重指示装置を備えたモデルとして発売を開始したもの。本規格改正による新装置
・定格荷重指示装置 定格荷重を超えるおそれがある場合に2段階の警報で注意を促し、過負荷作業によるクレーンの破損や転倒事故を未然に防止。また、アウトリガの張出幅や作業領域によって変わる定格荷重にも対応しており、やむを得ず片側のアウトリガを最大に張り出せない現場でも、最大で張り出している側での作業は、最大張出の性能で作業できる。その他のグレードアップ機能
・ブーム・アウトリガ未格納警報装置(「URU580シリーズ」のみ) ブームまたはアウトリガの格納忘れによる走行事故を防止する、「ブーム・アウトリガ未格納警報装置」を新たに標準装備。クレーン作業時だけでなく、走行時の安全も確保した。 ・2種類の連動ラジコン 従来から好評の、思いのままの連動操作を可能とする連動ラジコンを標準装備。ジョイスティック式と選択スイッチ式の2種類が選べる。各シリーズの特長
・URU580シリーズ(つり上げ能力:2.95t×5.0m) 作業終了時のフック格納作業を効率化するユニフック(フックの格納操作にブームの「縮み」と「伏せ」が連動)を標準装備。さらに、重機運搬用のハイアウトリガ仕様や環境性能に優れたエコ(Wポンプ)仕様(エンジン回転数を最大で約44%低減、燃料消費量を最大約45%低減)もラインナップ。 ・URU1000シリーズ(つり上げ能力:2.95t×6.7m) 国内最大級のつり上げ性能を誇り、メインアウトリガ(張出幅5,700㎜)と車両後部取付のリヤアウトリガ(張出幅3,500㎜)には、スイッチによる簡単操作が可能な油圧張出式を採用。標準価格(税別価格/シャーシを除く)
・URU580シリーズ(3段~5段ブーム)…705万円~966万円 ・URU1000シリーズ(3段~4段ブーム)…1221万円~1250万円日野が後続車有人システムの隊列走行公道実証に参加
隊列走行…日野自動車
物流業界の課題解決に向け技術開発を推進
日野自動車㈱は、2018年11月に上信越自動車道、12月に新東名高速道路において経済産業省および国土交通省が実施する後続車有人システムの隊列走行公道実証に参加した。 本実証は、経済産業省と国土交通省が「未来投資戦略2018」に基づき、高速道路でのトラック隊列走行の実現を目指して、2018年1月~2月の公道実証(新東名高速道路と北関東自動車道で実施)に引き続き行ったもの。11月は登降坂区間やトンネル区間の多い上信越自動車道において、1月と同様に「協調型車間距離維持支援システム(CACC:Cooperative Adaptive Cruise Control)」を用いた技術検証を行い、12月の新東名高速道路では、さらに「車線維持支援システム(LKA:Lane Keep Assist)」を追加した新システムによる実証が行われた。この新システムでは、CACCにより通信で先行車の制御情報を受信し車間距離を一定に保つとともに、LKAにより道路の白線をカメラで認識しステアリングを自動制御することで、車線に沿った走行がしやすいように運転を支援する。 日野は、ドライバー不足をはじめとする物流業界の抱える課題解決に貢献すべく、技術開発をはじめさまざまな取り組みを行っている。隊列走行も有効な手段のひとつだと考え、社会インフラの整備状況や社会受容性なども鑑みながら、実現可能なものから段階的に実用化すべく技術開発を進めている。今回のCACCとLKAを活用した後続車有人システムは、国が掲げる2021年の商業化に向け、2020年頃の技術の確立を目指している。これらの前後/左右方向の制御システムに加え、ドライバーモニターなどの先進安全技術とあわせて、安全性の向上とドライバーの疲労軽減に大きく貢献することになる。 隊列走行の商業化には、技術開発のみならず、法制度を含めた社会インフラ整備、社会受容性の醸成、事業者の理解・参画が重要で、日野はそれら関係機関と連携し隊列走行の商業化の実現を目指す。 日野は、物流の効率化をはじめとする様々な社会課題の解決に貢献すべく、「もっと、はたらくトラック・バス」の実現に向けてチャレンジを続けていくとしている。Scaniaがドイツの「eハイウェイ」に
電動トラック…Scania
ハイブリッド型トラックR450を15台提供
Scaniaは、ドイツで2019年から開始される3つの「eハイウェイ」を用いたトライアルに車両を提供する。これは、ドイツ連邦環境・自然保護・原子力安全省(BMU)の依頼により、公開入札を経て決定されたもの。 トライアルは、まずアウトバーンA5号線沿いのヘッセン州で開始される。ここには、パンタグラフ(架空線)から双方向に電力が供給される全長5㎞のeハイウェイインフラが完成している。さらに、リューベック港につながるA1号線のeハイウェイ区間で、港に車両が静止中に充電できる装置を設けることが計画されており、この区間は、2019年の夏に開通する予定となっている。また、2020年初めに、連邦道路462号線の一区間沿いのバーデン・ヴュルテンベルク州に3番目のeハイウェイが建設される予定である。 15台のトライアル・トラックには、走行中の充電用として、Siemensが開発したパンタグラフ式集電装置がキャブの後部フレームに取り付けられている。このトラックを走行させて、運送会社が実際に運送業務を行うことになっている。Scaniaは、ヘッセン州に対し1台目のハイブリッド型トラックR450を2019年5月に納入する予定である。また、Scaniaは、トラックの導入以外にも、車両のメンテナンスとトライアルのデータ収集を担当することになる。 Scaniaはかつて、Volkswagen Group Researchが実施したコンカレント・リサーチ・プロジェクトでパートナーに選ばれた実績がある。納入されるScania-R450ハイブリッドは、現在、ベルリン郊外のSiemensのテストコースで試験中となっている。2台目の電動化試験車両は2019年秋に納入される予定だ。 この研究プログラムでは、パワートレインのコンセプト、エネルギー管理、ハイブリッドトランスミッション、バッテリエージング、次世代冷却システムを分析して最適化することを目指している。三菱ふそう…本社を川崎工場の新社屋「プロダクトセンター」に移転
本社移転…三菱ふそう
川崎工場内に主要機能を集約することで業務効率化を推進
三菱ふそうトラック・バス㈱(MFTBC)は2019年1月7日、本社機能を川崎工場敷地内(川崎市中原区大倉町)に新設した「プロダクトセンター(新社屋)」に移転し業務を開始した。 2005年12月より「新川崎三井ビルディング」(川崎市幸区)を本社とし、経営トップ、国内外営業部門、サービス部門、一部管理部門の機能を有していたが、主力工場である川崎工場第一敷地に機能を集約することで業務効率化を推進する。 2018年末に川崎工場敷地内に完成した5階建ての新社屋には、経営トップ、商品計画、企業渉外部門等、また2017年1月31日付に売却済みの川崎工場第二敷地(川崎市中原区西加瀬)からは開発本部が移った。その他、新川崎にあった部門はリニューアルを進めている同敷地内の建屋に移ることになる。 新社屋の建設を含む川崎工場内にて行なう大規模工事は、“Campus+(キャンパスプラス)”と呼ばれるプロジェクトの一環となる。同プロジェクトは、MFTBCが推進するダイムラー・トラック・アジア(DTA)の成長戦略である「DTA ONE」の活動のひとつで、この戦略はProduct(製品)、Process(プロセス)、People(人材)の3つの柱から成り立ち、“Campus+”はProcess(プロセス)とPeople(人材)に焦点をあてた活動となる。生産部門では、生産効率を向上させ、高品質な製品をユーザーに届けるため、自動化とデジタル化への投資を行なっている。また、加えて従業員の労働環境を改善し業務効率化を図る目的でオフィスや設備のリニューアルも推進している。 本社新住所 ・所在地:神奈川県川崎市中原区大倉町10番地 (〒211-8522) ・電話番号:044-330-7700(代表) ・延床面積:10,792㎡(プロダクトセンターのみ)タダノが創業100周年を迎える
創業100周年…タダノ
役に立つもので世の中の役に立ちたいを思い続ける
㈱タダノは、2019年8月29日に記念すべき「創業100周年」を迎える。 香川県高松市で生まれ育った同社創業者の多田野益雄氏は、溶接業を立ち上げるべく北海道旭川へと旅立った。その旅立ちの日である1919年8月29日を創業の日と定めている。当時は海外において溶接技術が普及・発展し、日本にも導入されはじめた頃だった。創業者の益雄氏は、溶接の火花に魅了され、世の中の役に立つことを確信し、北海道の地で事業を興したことから同社はスタートしている。 その後、1955年に日本初の油圧式クレーンOC-2型を開発している。現在は、LE(Lifting Equipment=移動機能付の抗重力・空間作業機械)を事業領域と定め、LE分野で世界No.1の企業を目指している。 タダノの現社長である多田野宏一氏は、『当社の事業目的は経営理念「創造・奉仕・協力」の実現であり、100年という節目を迎えても「世の中のお役に立つものを提供したい」「事業を通じて世の中に貢献できる企業でありたい」という創業時の思いは変わりません。 世界は、歴史的にみても大きな不安定期を迎えており、複雑・高速・極端に変化しています。これからは「目の前の闘い」と「時代との闘い」の2つの闘いを同時に制していく必要があると考えています。まずは毎期・毎月の計画を達成する「目の前の闘い」を制し続けなければ明日はありません。 しかしその連続だけでは、今を生き延びることはできても、未来はありません。業界にも大きな技術革新の波が到来し、大きな変革期を迎えつつあります。この「時代との闘い」を制していかなければ私たちの未来はありません。 創業100周年を迎える2019年は、当社の未来に向けた新たなスタートの年でもあります。「世界に、そして未来に誇れる企業」を目指して、創業時の志・思いを大切にしながら、これからも世の中のお役に立つものを提供してまいります』と語っている。アイシン&デンソー…駆動モジュール開発・販売の合弁会社を設立
アイシンとデンソーが電動化の普及に向け
アイシン精機㈱(本社:愛知県刈谷市、伊勢清貴社長)と、㈱デンソー(本社:愛知県刈谷市、有馬浩二社長)は、2018年8月27日に発表した、電動化のための駆動モジュールの開発および販売を行う合弁会社設立に向けての検討を進めてきたが、このたび、合弁会社を設立することに両社で正式合意した。新会社の社名は「BluENexus(ブルーイーネクサス)」で、2019年4月に設立する予定となった。 自動車の電動化の実現には、電動車両の駆動に不可欠な、トランスアクスル、モータージェネレーター、インバーターというキーコンポーネントがひとつのパッケージになった、駆動モジュールが必要になる。今回の合弁会社では、電動化におけるアイシンとデンソーの強みを結集し、国内外の自動車メーカー向けに駆動モジュールを開発、ラインナップしていくことになる。 さらに、ハイブリッド(HV)、プラグインハイブリッド(PHV)、電気自動車(EV)など、求められる性能、地域事情等に合わせた適合までを含めて対応できる体制を構築することで、世界各地域への幅広い普及を目指し、持続可能な社会の実現に貢献するとしている。 合弁会社の概要 ・社名:株式会社BluE Nexus(ブルーイーネクサス) ・設立年月:2019年4月(予定) ・所在地:愛知県安城市 ・資本金:5,000万円・社長:山口幸蔵(現アイシン・エィ・ダブリュ㈱副社長) ・出資比率:アイシン50%、デンソー50% ・従業員数:約200名(2019年4月) ・事業内容:電動化のための駆動モジュールの開発、適合、販売トヨタ&パナソニック…車載用角形電池事業の合弁会社を設立
自動車メーカーに電池を安定供給できる体制を構築
トヨタ自動車㈱とパナソニック㈱は2019年1月22日、車載用角形電池事業に関する新会社(合弁会社)設立に向けた事業統合契約、および合弁契約を締結した。 現在の自動車業界では、車両のコネクティッド化、自動運転化、シェアリングサービス化などのユーザーがクルマに求めるニーズの変化に加え、地球温暖化や資源・エネルギー問題などの社会から解決を求められている課題もある。特に、この環境問題の解決に向けて加速している車両の電動化においては、電池が最も重要な要素である。一方で、電池にはコスト・エネルギー密度・充電時間・安全性などの高い技術力に加え、安定供給能力の確保やリサイクルなど、多岐にわたる対応が求められており、電池メーカーや自動車メーカーが単独の努力だけでは解決できない事業環境にある。 このような事業環境の下、トヨタとパナソニックは、2017年12月13日に、車載用角形電池事業についての協業の可能性を検討することに合意し、以降、両社は性能およびコスト面において業界ナンバーワンの高容量・高出力に対応した車載用角形電池を実現し、トヨタのみならず広く自動車メーカーの電動車の普及に貢献すべく、具体的な協業内容についての協議を真摯に積み重ねてきた。今回の契約締結は、両社の競争力のある電池の実現に向けた取り組みを、さらに強化・加速させるものである。 合弁会社は、両社の経営資源・リソースを結集し、トヨタの強みである「電動車のノウハウと市場データ、全固体電池等の先行技術およびトヨタ流のモノづくり」とパナソニックの電池メーカーとしての強みである「高品質・高い安全性の高容量・高出力電池の技術、量産技術、国内外の顧客基盤」を融合することで、No.1開発力とNo.1製造力を実現させる目的がある。 具体的に、No.1開発力では、車両の企画・構想段階から連携し、高容量・高出力電池の「開発の加速化」を進める。また、No.1製造力では、両社の生産技術リソースとモノづくりノウハウを共有し、高品質・低コストでの「安定供給体制を確立」することに加え、スケールメリットを活かした調達・製造コスト削減なども実現していくことになる。 トヨタの寺師副社長は「パナソニックとともに電動車のコア技術の一つである電池の競争力を磨き、トヨタのみならず広く自動車メーカーの電動車普及に貢献していくことで、地球温暖化や環境・エネルギー問題の解決に寄与していきたい。また、さらに多くのお客様により良い電動車をお届けすることを目指して一昨年公表した『電動車普及に向けたチャレンジ』(2030年に、グローバル年間販売台数における電動車を550万台以上等)の達成に向けても、この新会社への期待は大きい」と語った。 また、パナソニックの柴田専務執行役員は「トヨタの電池技術・生産技術と一緒になることで、性能と安全性で実績のある当社の車載用角形電池を、今まで以上のスピードで進化させていくことができる絶好の機会が得られる。クルマの電動化を通じた環境にやさしいモビリティ社会実現への貢献を加速していきたい」と語っている。主な合意内容
◇2020年末までに合弁会社を設立(各国・地域の競争法当局の承認取得が前提) ◇合弁会社の出資比率は、トヨタ51%、パナソニック49% ◇合弁会社の事業範囲としては、車載用角形リチウムイオン電池、全固体電池、および次世代電池に関する研究・開発・生産技術・製造・調達・受注・管理 ◇トヨタは電池セルの開発・生産技術領域の設備および人員を、パナソニックは車載用角形電池事業の開発・生産技術・製造(工場は日本、および中国大連市)・調達・受注および管理機能に関わる設備・その他資産・負債および人員等を、それぞれ合弁会社に移管 ◇合弁会社に移管する対象事業に関わる両社の従業員数は約3,500人(2018年12月末日現在) ◇製品は、原則としてパナソニックを通じて広く自動車メーカーへ販売ドローン物流の検証実験を埼玉県秩父市で実施
検証実験…国土交通省
CO2排出量削減効果と費用対効果等を検討
国土交通省は、ドローンによる荷物配送モデルの早期実用化に向け、送電設備上空を空の道として利用した「ドローンハイウェイ」を活用したドローン配送の検証実験を2019年1月15日から31日まで埼玉県秩父市で実施した。 山間部等の過疎地域等において積載率の低い非効率な配送が行われている等といった物流の課題解決に向け、ドローン物流(無人航空機を活用した荷物配送)のCO2排出量削減効果及び費用対効果等を検討するため、全国5箇所(福島県南相馬市、埼玉県秩父市、長野県白馬村、岡山県和気町、福岡県福岡市)で検証実験を順次実施している。 今回の検証実験の実施主体は秩父市ドローン配送協議会(代表事業者:楽天㈱)で、検証実験内容は、送電設備上空を空の道として利用した「ドローンハイウェイ」を活用し、浦山ダムから約3㎞(飛行時間約10分)の距離にあるネイチャーランド浦山まで、バーベキュー用品等の配送をドローンで実施した。 この実証事業は「2018年度CO2排出量削減に資する過疎地域等における無人航空機を使用した配送実用化推進調査」(環境省連携事業)として実施されている。 なお、国交省では、検証実験地域について、2018年6月28日から7月31日までの間に公募を行い、全国14地域から応募があり、5か所を選定している。このうち、2018年11月5、6日に福島県南相馬市で郵便事業配送効率化協議会によるドローン物流の検証実験を行っている。今回の検証実験は5か所のうちの2件目となる。ドローン物流を活用した荷物配送の概要
・日時:2019年1月15日~31日 ・場所:埼玉県秩父市(浦山ダム~ネイチャーランド浦山) ・実施主体:秩父市ドローン配送協議会(代表事業者:楽天) ・使用機体:天空2《機体仕様》機体重量:9.6㎏/最大積載重量:2㎏/最高速度:72㎞/h/最大飛行距離:7㎞/最大飛行時間:15分極東開発…IoT基盤利用のサービス支援システム「K-DaSS」を開発
支援システム…極東開発
特装車の稼働状況を記録・蓄積
極東開発工業㈱は、特装車の稼働状況を記録・蓄積するIoT基盤を利用したサービス支援システム「K-DaSS(Kyokuto Data Sharing Service)」を開発し、このたび「K-DaSS」の構成要素のひとである「サービスツールシステム」を正式リリースした。 「サービスツールシステム」では、同社および契約サービスステーションのサービスマンが、新開発の専用スマートフォン用アプリにより近距離無線通信機能を搭載した車両と通信することで、車両メンテナンスやデータ収集を行う。これにより、車両の状態をより正確に把握し、ユーザーに適切なメンテナンスを提案することが可能となる。 「K-DaSS」は、「サービスツールシステム」のほか、「リアルタイムデータ収集」・「WEBサービス」の要素から構成されるシステムである。 今後は、今回リリースを行う「サービスツールシステム」の本格的な稼働に加え、現在実証試験を進めている「リアルタイムデータ収集」・「WEBサービス」に関しても実用化を目指し、システム全体の構築を進めるほか、順次各製品への展開とシステムのアップデートも行うことにより、ユーザーへより一層の利便性の提供とフレキシブルなサービス体制の強化を図るとしている。 極東開発グループでは、「K-DaSS」の構築と展開を通じて、「つながる特装車(コネクティッドSPV(Special Purpose Vehicle))」に向けた取り組みを加速して行くことになる。「サービスツールシステム」の特長
1.極東開発が専用に開発したスマートフォン用アプリ「サービスツールアプリ」で近距離無線通信 ・機能を搭載した車両と通信することで、車両メンテナンスやデータの収集が可能。(アプリは、同社サービス員、契約サービスステーション等で使用) 2.サービスツールシステム対応機種 ・テールゲートリフタ「パワーゲートRG型(後部格納式)/CG型(床下格納式)」 ・脱着ボデー車「ハイパースイング・フックロール」 ・ごみ収集車プレス式「プレスパック」/回転板式「パックマン」 3.アプリのリリース時期:2019年2月予定創立50周年記念式と2019年新年会
新年会…日本展示会協会
10年連続参加者増加で盛大に開催される
本誌も加盟している一般社団法人日本展示会協会の新年会が、平成31年1月9日(水)、ANAインターコンチネンタルホテル東京で開催された。 今年は日本展示会協会(日展協)の創立50周年にあたり、新年会に先立ち記念式典が行われた。記念式典は、越野慈夫副会長(日本包装技術協会専務理事)の開会の辞に始まり50周年記念映像が紹介された。その後、25年以上の会員履歴がある永年会員社・団体の代表者が壇上に上がり紹介された。なお永年会員は現在49社・団体となっている。 日展協の会員は2019年1月8日現在339社・団体と、特に一般社団法人化して以降増加しており、主催者だけでも56社に上る。役員は会長1名、副会長5名、理事11名、監事2名の合計19名で構成されている。 日展協は、1967年に展示会主催者が中心となり「晴海協議会」として発足以降、主催者、展示会場、支援企業の三者で構成される日本最大の展示会業界団体となっている。 協会設立50周年という節目にあたり、「展示会の開催を通して日本経済の発展に貢献する」という高い志を持ち、互いの叡智と努力を結集し、各界のご支援のもと、豊かな社会の創造と持続的に成長する日本経済の実現を目指して、次の目標達成に邁進することを宣言する」との50周年宣言が紹介された。その具体的内容は次のとおりである。 1.出展社と来場者に大きなビジネスメリットをもたらす展示会を創造する 2.国や展示会開催都市に多大な経済効果をもたらす展示会の創造を推進する。 3.展示会関係者の叡智を集め、国内外出展者・来場者・メディアが多い、諸外国が注目する国際展示会を創造する。 4.展示会ノウハウとテクノロジーの開発並びに人材育成に取り組み、展示会の職業・産業としての地位向上を推進する。 5.政財界・行政関係者の理解・支援を求め、展示会場の増設をはじめ展示インフラの整備など、業界の課題解決に幅広く取り組み推進する。 50周年記念式典終了後、引き続き来賓を交えて恒例の新年会が行われた。今回の参加者数は1,108名と前回の933名をさらに上回り、会場内は賀詞交換や意見交換の場として活発な雰囲気に溢れていた。 新年会は、石積忠夫日展協会長の挨拶に続き、来賓の自民党展示会産業議連幹事長である薗浦健太郎氏、経済産業省商務情報政策局審議官の藤木俊光氏、国土交通省観光庁長官の田端浩氏、河村たかし名古屋市長、新たな会場建設予定である愛知国際会議展示場代表取締役のモルガン・ショドゥレール氏が祝辞を述べたほか、出席が叶わなかった沖縄県の玉城デニー知事がビデオメッセージで登場した。玉城デニー知事のMICEを重視する発言は、今後の指針となるものとなった。なお今回の来賓数は合計172名にのぼった。 東京オリンピック・パラリンピックを控えた2019年から2020年にかけて特に首都圏では展示会業界にとって課題の多い年が続くが、日展協会員はその団結力と展示会開催に向けての強力なパワーでそれらの試練を乗り越えていくものと思われる。長時間労働の改善に向けたセミナーを開催
セミナー… 国土交通省