日野自動車がプロフィアハイブリッド車を公開、プロフィアハイブリッドの環境技術説明会と試乗会をテストコースで開催
月刊ITV 2018年8月号
発行:平成30年8月1日
発行所:(株)日新(HP)
執筆:大島春行・大西徳・伊藤慎介・井上元・岡雅夫・佐原輝夫・鈴木純子・中田信哉・西襄二・橋爪晃・宮代陽之
表紙・レイアウト:望月満
記事&編集:横路美亀雄・於久田幸雄
日野自動車がプロフィアハイブリッド車を公開
来年発売のプロフィアハイブリッドの環境技術説明会と試乗会を 羽村工場テストコースで報道関係者を集め開催
2018年7月17日、日野自動車羽村工場テストコースにおいて、来年発売される日野プロフィアのハイブリッド車が報道関係者に公開され、同乗形式の試乗会が行われた。 試乗に先立ち、日野自動車の環境への取り組みについてプレゼンテーションが行われた。 日野自動車のスローガンは「もっと、はたらくトラック・バス」であり、その具体的方向性を示す3つの指針については、車両を中心としたこれまでの領域2点と、ネットワークでお客様と社会をつなぐ新領域である「新たな領域へのチャレンジ」という1点に分けられる。これまでの領域というのは「安全・環境技術を追求した適格商品」と「最高にカスタマイズされたトータルサポート」の2つのポイントとなる。 これまでの取り組みとしてはハイブリッド商用車のパイオニアとして常に業界をリードしてきたが、その歴史は1991年に世界初のハイブリッド路線バスを発売し、2003年にこれまた世界初のハイブリッド小型トラックを発売して以降右肩上がりでハイブリッド車の販売を伸ばし、今年3月時点で累計約16,000台を販売している。ハイブリッドシステムは現在第5世代に入っており、第4世代比30%の燃費改善を達成している。 さらにその技術を生かしたEV・PHVはバスと小型トラックで限定販売され既に10万㎞以上の実績をもっている。昨年からはトヨタブランドのFCVバスも運行を開始している。そうした電動化技術をベースに「日野環境チャレンジ2050」を立ち上げ、政府の目指す温暖化対策、すなわち2013年度比で2030年▲26%、2050年度▲80%という目標の達成を目指すべく電動化の普及を推進していく。具体的には次世代の車づくり及び既存技術の向上により車両全体としてCO2排出を80%削減し、物流全体の効率化で10%削減、合わせて90%削減しようとする試みである。 そして2019年以降、第6世代のハイブリッド技術を実用化した大型トラックを発売し、さらに中型トラックなどバリエーションも拡大する計画である。 そのベースとなるのが「電動化プラットフォーム」の開発であり、バッテリー、インバータ、モーター/ジェネレータ、T/Mという共通構成を作り、そこにEVであれば外部充電器を組み合わせ、PHVであればエンジンと燃料タンクを組み合わせる。さらにFCVであればFCスタックと水素タンクを組み合わせることで開発の効率化を狙うものとなる。 こうした電動化によりイメージとしては2050年には電動車の販売比率を限りなく100%にする計画である。そうした開発の効率化のため、日野自動車はトヨタグループだけでなく、いすゞ自動車と連接ハイブリッドバスの共同開発や、フォルクスワーゲントラック・バスとの戦略的協力関係などを進めていく。 そして来年、世界初の大型ハイブリッドトラックの販売が開始されるわけだが、都市内走行が主の小型トラックに比べ高速走行が多い大型トラックのハイブリッド化は大きなメリットが得られにくいことからこれまで世の中に登場することはなかった。しかし、今後商用車全体で2030年までに年間2210万トン削減しなくてはならないという背景があり、商用車全体の約60%を占める多くの燃料を消費する大型トラックはさらなる低燃費が求められることとなる。 そもそもハイブリッド車は発進停止・加減速が多い都市内走行に向いたシステムである。これを大型トラックに採用するためには、高速道路で効果が発揮できる新たなハイブリッドシステムの開発が必要となる。そして2014年から本格開発に着手し、2015年の東京モーターショーには大型冷凍バンとして試作車を展示した。 大型トラックは小型トラックと比較して発進加速では17倍、減速では10倍の走行エネルギーが発生する。そして下り勾配走行では大容量の回生エネルギーを得られることが判明し、国内の高速道路の最大勾配比率を見るとほぼフラットな新東名高速では約2%だが、その他の高速道路では5~6%という勾配比率となっていた。そこで下り勾配ではエネルギー回生を行い、フラットな場所での再加速にはモーター走行を使う。上り坂など高負荷時にはエンジンをモーターでアシストするという基本的な考え方で、走行用途により自動切替する制御を開発した。エンジンは380psと大型車では標準的な出力の仕様で、モーターとジェネレータは90KWとしている。バッテリーは冷却機能を施したリチウムイオンバッテリーを搭載している。トランスミッションは従来型同様の12速AMTだが、モーターアシストを追加しているために新たにシンクロ機構を廃止して軽量化と耐久性向上を図っている。そしてドライバーの運転の仕方、癖や道路の状況、渋滞などを判定するハイブリッド制御ECUにA(I人工知能)を組み込み、燃費低減に最適な出力制御を行う。従ってドライバーが落ち着いた運転をしている状態ではAIが積極制御を行い、急いで走行するなどと判断すれば積極介入を行わないように考えられている。 勾配の検知は100㎞先までの道路標高情報をもとにバッテリー使用の概略シナリオを作成し、10㎞ごとの勾配情報により細かいトルク配分シナリオを作成する。ロケーター活用のハイブリッド制御は世界初で、GPS、ジャイロセンサ、車速センサから自車位置を特定し、内臓地図情報から標高、勾配、位置を出力する。ブレーキを踏んでもエネルギー回生が優先され、さらに必要な場合ブレーキ力を高める。 バッテリーは完全密封で安全性の高いチタン酸リチウムイオンバッテリーを採用し、シャシフレーム後方に配置される。バッテリーの重さは大型トラックで最も重要な積載量の減少に影響するため機能を満足させながら極力コンパクトにまとめられている。最も軽量な架装状態で14.5tの積載量が確保されるとしているが、一般的なウイング架装をすると13tを切る場合が多いと考えられる。 燃費について日野社内の実測評価では、年間12万㎞走行した場合、4700リットル燃費削減でき、従来車と比べ15%向上している。 外観上はブルーをあしらったフロントグリルと、フロント及びドアに配されたハイブリッドのエンブレム位しか変わらず控えめな変化にとどめられている。テールランプが変っているがこれは架装メーカー仕様の可能性もあるためハイブリッド専用とは言い切れない。車内もメーターパネルはハイブリッド用モニターが配されるが基本は変更していない。 商品説明の後、テストコースに用意された4台の試乗車により1周2㎞のコースを3周同乗試乗した。コースではエンジン走行、EV走行、アシスト走行、回生走行の4種類を体感したが、発売までまだ1年あることが信じられないほど完成度が高く、気になるショックなどは全く感じられなかった。アクセルの踏み加減により自動的にEV走行に移行するが、EV走行になってもエンジンはアイドリング状態で回っているので特に静かになるということはない。アイドリング状態であるならエンジンを停止させてもよさそうなものだが、回っていてもリッター当たり40㎞程度の燃料しか消費しないことや、エアコン、パワステ、ブレーキ圧などの確保にも必要だということであえて停めないということだ。この辺りはハイブリッド乗用車と違うところだが、気筒休止なども採り入れているエンジンがある中で今後の課題になるのかもしれない。ゆったりと加速していくと2速から3、4、5速と順番にシフトアップしていき飛びシフトは行われなかった。70㎞でEV走行している時はミッションは11速を示していた。回生走行時に排気ブレーキを作動してもらったが、回生とは別に働くので通常の排気ブレーキとして作動し、積極的な減速ができる機能としては変更はない。ハイブリッドだからと言ってドライバーが意識することなく自動的にAIが最適なエコドライブ制御をしてくれる新しい走行感覚を発売前に一足早く体験することができ、その完成度の高さ故、来年の夏と言わずもっと早く発売してほしいと切に感じた瞬間であった。あとは価格がどうなるかだが、現時点では明確な回答は得られなかった。より普及を促進するための戦略的な価格設定がされるかどうかが焦点となるであろう。 国内大型競合社が一気に電動化としてEVを進めようとする動きがある中で、日野自動車はダウンサイジングや低フリクション高効率のディーゼルをメインとして、ハイブリッドのパイオニアとしてはここしばらくはハイブリッドの時代が続くと考え、その後にEV、PHV、FCVの時代に移行していくとの戦略を明らかにして、業界をリードしていく姿勢を表している。いすゞ…大型トラック「ギガトラクタ」を改良して発売
トラクタ…いすゞ
平成28年排出ガス規制と平成27年度燃費基準に対応
いすゞ自動車株㈱は、大型トラック「ギガトラクタ」を改良し、2018年6月22日より全国一斉に発売した。 今回の改良では、本年9月より施行される平成28年排出ガス規制に対応しつつ、省燃費性能を実現。また、車型ラインアップをさらに充実させ、運行中の利便性も向上させている。「ギガトラクタ」主な特長
【排出ガス規制への対応と燃費を両立】 ・エンジンについて冷却系を中心に性能を向上させることにより、平成28年排出ガス規制への対応と主力馬力帯でそれぞれ平成27年度燃費基準+5%達成。さらに、スム―サーGxについては地図情報を活用したオートクルーズ機能「Smart グライド+g」を新たに採用。道路状況から最適なギヤ段を自動選択し、さらなる省燃費に貢献。 なお、車両総重量20トン以下で、460PS車はecostop付、420PS車はスムーサーGx車(ecostop付)が平成27年度燃費基準+5%達成の条件となる。400PS車は全車で平成27年度燃費基準+5%を達成している。 【車型ラインアップの充実】 ・スムーサーGx専用に、クラス最大のトルク値となる420PS/トルク230㎏・mエンジンを新たに展開。低回転域で最大トルクに到達し、460PS同等のトルクカーブを有することで高GCWニーズにも対応した性能を実現。 ・積載重量と容積を最大限にした新規格トレーラ(トレーラ前回り2m級)に対応するため、4×2エアサスセミトラクタ(EXD)にホイールベースG(3830㎜)の第5輪荷重11.5トン車を新規設定。 ・第5輪荷重11.5トン車には、カプラオフセットの変更が可能なスライドカプラを展開。これにより1台のトラクタでキングピン荷重や前回り/すそ回り半径が違う複数のトレーラに対応が可能となる。 【運行中の利便性向上】 ・ETC2.0を全車に標準設定し、運行中の利便性向上に貢献。また、ヘッドランプおよび室内灯のLED化とメーター照明の常時点灯化を実施することにより視認性を向上している。東京地区希望小売価格(消費税込み)
ギガトラクタ(2PG-EXD52CD)のフルキャブ・エアサスペンション、エンジン6WG1-TCN309kW(420PS)、12速AMTで19,492,000円。 年間販売目標台数は、10,000台(ギガシリーズ全体)としている。UDトラックス…日本品質の新興国向け大型トラック「クエスター」
世界累計販売台数1万台を突破
UDトラックス㈱が新興国で販売する大型トラック「クエスター」の世界累計販売台数が1万台を突破した。 「クエスター」は、UDトラックスが初めて新興国向けに特化して開発した大型トラックで、UDトラックスの長年にわたり培ってきた大型トラックの技術と経験を活かし、各国の市場ニーズに合った大型トラックを提供するというコンセプトで開発されている。また、耐久性の高いシャシー、高出力と燃費性能を両立したエンジン、そして操縦性に優れるトランスミッションが採用されている。長距離輸送のみならず都市間輸送、建設現場、鉱山開発など、幅広い分野に対応できる豊富な車型が用意されており、様々なユーザーニーズにきめ細かく応えるトラックとなっている。 2013年8月のタイでの世界発表・発売を皮切りにインドネシアやマレーシアといった東南アジア市場、2015年には中東とアフリカ、そして2017年には中南米市場に導入し、現在では日本を除く世界24ヵ国で販売されている。 新興国向け商品戦略担当の小田原俊彦バイスプレジデントは記録達成について、「『クエスター』は、UDトラックスにとって初の新興国専用モデルということもあり、数多くの試行錯誤がありましたが、ASEAN市場を中心に大きな成功を収める事ができました。各国のニーズを迅速に商品に反映させていく改善活動に加え、各国の販売パートナーのサポートと努力、そして様々なイベント等を通じてお客様とのコミュニケーション活動を積極的に行ってきたことが原動力となり、徐々にお客様に認めて頂けるようになりました」と述べた。 UDトラックスは、「クエスター」のさらなる販売拡大をめざし、ユーザーの幅広いニーズに応えるために商品力の強化を継続的に行っている。加えて、全車に標準装備しているテレマティクスを活用し、運行管理を円滑にすることで、稼働率の向上にも取り組んでいる。これについて小田原バイスプレジデントは、「近年、物流業界、建設業界の競争は益々厳しくなっています。また、ドライバー不足や燃料費の高騰といった課題も深刻です。お客様の成功を目標として掲げるUDトラックスは、各国のニーズやトレンドを商品・サービスに反映することで、お客様をサポートしてまいります」と語っている。三菱ふそう…量産電気小型トラック「eCanter」をリスボン市に納入
電気小型トラック…三菱ふそう
ポルトガルのトラマガル工場で生産
三菱ふそうトラック・バス㈱(MFTBC)は、2018年7月6日にポルトガル政府代表者と海外高官が出席した譲渡式において、リスボン市当局に10台の電気小型トラック「eCanter」を納入した。 譲渡式でMFTBCの松永和夫取締役会長は、「eCanterは、地域の行政府にとって、都市部の騒音と排ガス汚染を緩和する、従来型トラックに代わる持続可能な製品です。eCanterの開発と実用供試に際しては、ポルトガル政府から素晴らしいご支援をいただきました。私たちは本日、リスボン市に最初のeCanterを納入できることを大変うれしく思うと同時に、とても誇らしく感じます」と語った。 リスボン市は「eCanter」を導入することで、都市部における従来型車両に起因する騒音や排ガス汚染問題の緩和を目指す。納入車両は、リスボン市役所が選出した10の行政区において、主に行政による造園や廃棄物処理作業で使用される。選出された10の行政区は、アロイオス、アベニダス・ノバス、ベレン、エストレラ、ミセリ・コルディア、パルケ・ダス・ナソンイス、ペーニャ・デ・フランカ、サンタ・マリア・マイオール、サンタ・アントニオ、サン・ヴィセンテとなる。 2014年から2017年まで、ポルトガルとドイツで広範囲に行われた「eCanter」試験車両の実用供試では、リスボン、シントラ、ポルトの各都市で日常の輸送業務で車両を活用している。三菱ふそうは、ダイムラー・トラック・アジアの傘下の組織であり、商用車の電動化におけるパイオニアとして広く知られている。2005年以降、ハイブリッド車である「キャンターエコハイブリッド」を含む代替ドライブトレインの開発に定評があり、2010年にはドイツで開催された国際モーターショー(IAA)に電気車両の「Canter E-CELL」を出展するなど、世界中の顧客に持続可能なソリューションを届けるトップランナーとなっている。量産電気小型トラックの「eCanter」は、2017年に世界規模でユーザーへの展開をはじめ、現在、世界の6つの大都市(東京、ニューヨーク、ベルリン、ロンドン、アムステルダム、リスボン)で稼働中となっている。 欧州市場および米国市場向けの「eCanter」は、ポルトガルのトラマガル工場で生産されている。同工場では、「eCanter」の製造を、ダイムラーの商用車ラインナップで最も販売実績のあるトラックのひとつである従来型のディーゼル車の小型トラック「キャンター」と同一の製造ラインに完全統合している。1980年以来、20万台以上の「キャンター」を製造し、50年以上の実績があるトラマガル工場は、ポルトガル経済にとって重要な存在であるとともに、日本の川崎にある姉妹工場とも密接な協力を図るなど、ダイムラー・トラックの世界戦略における優れたモデルにもなっている。UDトラックス…パキスタンで大型トラック「クエスター」の導入開始
海外投入…UDトラックス
活性化するパキスタンの輸送需要に対応
UDトラックス㈱は、パキスタンで新興国市場向けの大型トラック「クエスター(Quester)」の販売を開始した。さらなる輸送需要の拡大が見込まれると共に、近代的な輸送方式への転換期を迎えているパキスタン市場に高い品質と性能を備えた「クエスター」を導入することで、販売の拡大を目指すことになる。 2億人以上の人口と豊富な若年層を有し、経済的な潜在性が高いとされるパキスタンは、中国が一帯一路政策の要として推進している中国・パキスタン経済回廊(CPEC)プロジェクトに伴う内需拡大とインフラ整備により、さらなる輸送需要の拡大が見込まれている。また、インフラ整備や外資系企業の参入により、輸送方式は低速度で大量の貨物を運搬する従来の方式から、高速かつ効率的に、そして安全に輸送する近代的な方式へと転換が進んでいる。それに伴いトラックに対する市場のニーズも変化しており、耐久性能や積載性能に加え、燃費性能や動力性能そして安全性能が求められている。 パキスタンの商用車市場は日本車のブランドが大きな占有率を占めており、UDトラックスも50年以上にわたり、同国のユーザーにトラックを届けている。高品質で耐久性に優れると共に、ユーザーの細かなニーズに合わせてカスタマイズできる点が評価され、建設業や物流業を中心としたユーザーから高い評価を得ている。 今回、UDトラックスがパキスタンに導入する「クエスター」は、高馬力車の需要が見込まれる石油製品輸送を手掛ける顧客をターゲットに、6×4トラクター(後輪2軸駆動)、6×2トラクター(後輪1軸駆動)、6×4リジット(単車)の3モデルを投入。優れた安全性能に加え、GH11エンジンの搭載により370馬力という高出力を実現。パキスタンのユーザーニーズに応えると共に、同国におけるエネルギー輸送需要の獲得を目指すものである。 「クエスター」のパキスタン導入に際し、UDトラックス中東・北東部アフリカ地域担当の横藤田宏セールスダイレクターは、「パキスタンでは、低出力車で多くの荷物を積み込み、長時間かけて運搬する従来の輸送方式から、燃費の良い高出力の大型車による効率性・生産性を重視した輸送方式へと移行してきています。今回、導入される『クエスター』はまさに新しい輸送方式にフィットするトラックです。エネルギー輸送に限らず近代的な輸送を目指すお客様のニーズに幅広く対応したいと考えており、同国の旺盛な建設需要を見据え、今後6×4、8×4ダンプを導入する予定です」と述べている。 「クエスター」は、タイ・バンコクにあるUDトラックスの工場で生産され、新たに契約を結んだVPL社(VPL Limited)が輸入・卸売りを担い、同社が有するカラチ、イスラマバード、ラホールの3つの販売・サービス拠点などを通じて販売し、今後、順次販売・サービス網を拡大していく予定となっている。 なお、「クエスター」の発表イベントは2018年6月29日にカラチでVPL社(VPL Limited)が開催し、約300人の顧客や、現地パートナー、報道関係者が集まった。日野&いすゞ…世界初のドライバー異常時対応システムを搭載し発売
大型観光バス「日野セレガ」と「いすゞガーラ」
日野自動車の大型観光バス「セレガ」といすゞ自動車の大型観光バス「ガーラ」が、ドライバー異常時対応システム(EDSS)を採用するなど安全性を向上させ、相次いで改良し発売した。 ドライバー異常時対応システム(EDSS)は、急病等でドライバーが運転操作の継続が困難となった場合に、ドライバー自身や添乗員が運転席の非常ブレーキスイッチを押すか、もしくは乗客が客席上部に設置されたスイッチを押すことで、制動を開始し、徐々に速度を落とし停止させ、車内では非常ブザーが鳴るとともに赤色フラッシャーの点滅により緊急停止することを乗客に伝達し、周囲に対してはホーンを鳴らし、ストップランプとハザードランプを点滅させ異常を知らせるシステムである。日野自動車・大型観光バス「日野セレガ」を改良
日野自動車㈱は、大型観光バス「日野セレガ」を改良し、商用車で世界初となる「ドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)」を標準装備するなどの安全性を向上させるとともに、ロングボデー車にAMT(機械式自動変速機)搭載車型を設定して2018年7月2日に発売した。 ▼「日野セレガ」の主な改良点 ・ドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)を標準装備…ドライバーに急病などの異常が発生した際、乗客や乗務員が非常ブレーキスイッチを押すことで、減速して停止。またシステム作動時には、ユーザー向けICTサービス「HINOCONNECT」を通じて、ユーザーが設定した登録メールアドレスに対象車両・作動時刻・位置情報が通知される。万一の際の迅速な対応をサポートすることで、より安心・安全な運行に貢献。 ・可変式スピードリミッターを標準搭載…35~110㎞/hの範囲で、最高速度を設定することが可能。エコで安全な運行をサポートする。 ・全客席に点式シートベルトとシートベルト警告灯を新採用…新たに全客席ELR付3点式シートベルトをオプション設定。また、客席シートベルト警告灯を前席のシートバックに設置。メータークラスターに設けた運転席スイッチを押すと警告灯が起動し、シートベルト未着用の場合には、確実な着用を促す。 ・ロングボデー車にAMT搭載車型を追加設定…ロングボデー車は、変速機にAMT(機械式自動変速機)「ProShift」(プロシフト)を追加。ダイヤル式シフトレバーをインパネに、変速モードの変更やマニュアルシフト操作ができるシーケンシャルレバーをステアリングコラムに設置して変速時の負担軽減を図っている。 ▼代表車型の東京地区希望小売価格(消費税込み) ・日野セレガスーパーハイデッカ一般観光/11列(2RGRU1ESDA)、331kW(450PS)E13C-AEエンジン、6速AMT(ProShift6)…49,048,200円 ・日野セレガハイデッカ一般観光/12列(2TG-RU1ASDA)、265kW(360PS)A09C-UVエンジン、7速AMT(ProShift7)…42,432,120円 ・日野セレガハイデッカショート2列サロン観光/7列(2KGRU2AHDA)、191kW(260PS)A05C-TCエンジン、7速AMT(ProShift7)…34,705,800円 なお、年間販売目標台数は日野セレガシリーズ全体で1,000台としている。いすゞ・大型観光バス「ガーラ」を改良
いすゞ自動車㈱は、大型観光バス「ガーラ」を改良し、2018年7月6日に全国一斉に発売した。大型観光バス「ガーラ」は、今回の改良でドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)を全車標準装備するとともに、全長12m車にAMT搭載車型を追加した。 ▼大型観光バス「ガーラ」の主な特長 ・ドライバー異常時対応システム(EDSS)を全車標準装備…ドライバーに急病などの異常が発生した際、ドライバー自身や乗客が非常ブレーキスイッチを押すことにより減速・停止する。作動時、車内では非常ブザーが鳴るとともにスイッチ内蔵ランプが点灯し、赤色フラッシャーが点滅。また周囲(車外)にはホーンを鳴らし、ストップランプとハザードランプを点滅させることにより、異常を知らせる。 ・可変式スピードリミッターを全車標準搭載…35~110㎞/hの範囲内で、任意の制限速度設定が可能。不要な速度超過を抑制し、安全でエコな運行をアシストする。 ・3点式シートベルトを全客席に設定…ELR3点式シートベルトを全客席にオプション設定。また、客席向けシートベルトリマインダー(警告灯)もあわせてオプション設定し、乗客にシートベルトの確実な装着を促す。 ・AMTを全長12m車に新規展開…クラッチ操作が不要なAMT(機械式自動変速機)を全車型で選択できる。ギヤ段を自動的に選択するオートマチックモードと、走行状況に応じて手もとのギヤセレクターで自在に変速を切り替えられるマニュアルモードを選択可能。運転負担の軽減に貢献し、燃費効率の良い走行を実現する。 ▼代表車型の東京地区希望小売価格(消費税込み) ・大型観光バスガーラHD貸切11列(2TG-RU1ASDJ)12m、エンジンA09-UV〈AT-VⅢ〉265KW(360PS)、7速AMT…42,393,240円 ・大型観光バスガーラ9HD貸切7列サロン1列(2KGRU2AHDJ)9m、エンジンA05C〈A5-Ⅲ〉191KW(260PS)、7速AMT…34,779,240円 なお、年間販売目標台数はガーラシリーズ全体で800台としている。極東開発…さらなる“ものづくり”に関するシナジーを創出
子会社化…極東開発工業