手動開閉式パネルウイングボデー『アシストウイング』を発売
月刊ITV 2018年5月号
発行:平成30年5月1日
発行所:(株)日新(HP)
執筆:大島春行・大西徳・伊藤慎介・井上元・岡雅夫・佐原輝夫・鈴木純子・中田信哉・西襄二・橋爪晃・宮代陽之
表紙・レイアウト:望月満
記事&編集:横路美亀雄・於久田幸雄
手動開閉式パネルウイングボデー『アシストウイング』を発売
昭和40年代、トラックの車体はフラットデッキの両側部と後部に“アオリ”を取り付けた平ボデーが大半を占めていた。荷役作業も手積みが殆どで、積載物を保護するためにシートを被せていた。そのシートも雨で濡れると重さが100㎏近くにもなり、運転者のシート掛けは重労働で、不安定な高所作業のために労働災害も頻繁に発生していた。 このシート掛け作業を解消したのが、アオリに幌骨を取り付け、その上にシートを被せた“幌車”である。この幌車は積載物の保護、シート掛け問題の解消という意味では一定の効果を発揮した。しかし、荷台を密閉にすることで、逆に積載物の積み下ろしは不便を来たすことになった。 昭和40年代後半になると、日本経済も大きく進展して物づくりが盛んになると同時に物流の効率化も大きな課題になった。とくに、自動車や農機具のように部品を組み立てて大量生産する工場では、部品の出荷と搬入が生産台数にも影響することから、荷役時間の短縮が大きな課題となった。 この当時、ダイハツとトヨタ自動車の部品輸送を担っていた名古屋東部陸運㈱では、労災と荷役問題の観点からトラックのあり方を研究していたが、幌車の側部をスプリングを活用することで全開放する『ワンタッチ幌』を考案、㈱メイダイから発売した。当時はトヨタ自動車のカンバン方式に代表される通り、企業は徹底した物流効率化を進めており、一貫パレチゼーションは国の施策としても推進されることになる。 ㈱メイダイが販売するワンタッチ幌は、この時代の要請にもマッチして側面開放車のヒット商品となって全国に普及した。 しかし、一方で躍進してきたのが軽量のアルミ材を使用した油圧駆動のウイングボデーである。当初、ウイングボデーは高価なアルミを使用していることや開閉に油圧機構を使用していることから、シートとスプリンクを使用するシンプルなワンタッチ幌に大きな価格差があったが、ウイングボデーが大手車体メーカーが量産化することでアルミウイングがコストダウン、価格面での格差が徐々に縮まることになる。 そこで㈱メイダイがこのほど開発したのが、スプリング力の活用はそのままに、車体をフラットなサンドイッチパネルにした『アシストウイング』である。 開閉は新たに開発した特殊専用スプリングで楽々。高頻度開閉による故障も油漏れの心配がなく、万一の事故時でも積載物の取り出しが可能と、従来の特徴はそのまま受け継いでいる。 またウイング部をスタイリッシュなサンドイッチパネルにしたことで見栄えのする車体デザインが実現できるのも新たな特徴となっている。 この『アシストウイング』は、操作が簡単なため女性や高齢者でも簡単に操作できるほか、荷台容積も充分確保しているので、輸送効率向上も実現、環境にも優しいウイングボデーとなっている。この大型車に続いて中型、小型車もシリーズ化することにしている。いすゞ…小型トラック「エルフ」を改良し発売
小型トラック改良…いすゞ自動車
新型エンジン搭載などで平成28年排出ガス規制に適合
いすゞ自動車㈱は、小型トラック「エルフ」の一部車型を改良し、2018年3月20日より全国一斉に発売した。 今回、車両総重量7.5トンを超える車型について、新型4JZ1エンジンの搭載と後処理装置の改良により平成28年排出ガス規制に適合させている。主な特長
・平成28年排出ガス規制への適合と燃費性能の向上主要コンポーネントを一新した新開発の小排気量高過給エンジン4JZ1(排気量2,999㏄)と、後処理装置にDPD+尿素SCRを採用したことにで平成28年排出ガス規制に適合しながら燃費性能を向上させている。平成27年度燃費基準+10%を達成し、エコカー減税の対象となる。 ちなみに、4JZ1-TCS搭載ecostop装着車は平成27年度燃費基準+10%を達成、取得税と重量税が75%に減税される。また、GVW7.5トンを超えるその他の車型も+5%を達成し、取得税と重量税が50%に減税される。(2018年3月20日現在)東京地区希望小売価格
・車型:2RG-NPR88YN ・主な仕様:平成28年排出ガス規制適合、平成27年度燃費基準+10%達成、ワイドキャブロングホイールベース、高床4.6トン積木製平ボディ、SGグレード ・エンジン:4JZ1-TCS 110kw(150PS) ・トランスミッション:6速MT ・東京地区希望小売価格(消費税込):5,582,520円 ・目標販売台数:44,000台/年(エルフ全体)モリタエコノス…プレス式塵芥収集車プレスマスターPA7小型ワイド車
塵芥車…モリタエコノス
安全性改善と負担軽減などフルモデルチェンジ
㈱モリタホールディングスの連結子会社である㈱モリタエコノス(本社:兵庫、白井幸喜社長)は、「より安全に使いやすく!」をコンセプトにフルモデルチェンジした「プレス式塵芥収集車:Press Master(プレスマスター)PA7型小型ワイド車」を2018年4月から販売を開始した。 プレスマスターPA7型は、ごみ収集の効率化と、安全性の改善・負担軽減を目指したプレス式塵芥収集車で、今回フルモデルチェンジした小型ワイド車は、同社独自のハイマウントリアパネルに表示器類を集約し、後方からの視認性を高め安全性を向上させている。 また、ボディは、剛性などの基本性能を高め、デザイン性を大幅に向上させたことで、実用性と美しく力強いデザインを兼ね備えた製品となっている。モリタエコノスは、今後もユーザーの声を大切に、より安全で実用性の高い製品を追求するとしている。 プレス式塵芥収集車「プレスマスターPA7型・小型ワイド車」の適用車種は3.5~4トン車で、販売台数は70台/年。販売価格(税別)は、PA760E:10,800,000円~PA773E:11,100,000円となっている。プレスマスターPA7型・小型ワイド車の負担軽減と安全性
◇負担軽減 ・アシスト扉&ワンタッチバーハンドル…ゴミ収集車は、収集箇所での作業の度に投入口の扉を作業員が開閉する必要がある。従来の扉は重く、開閉時にはロック解除の必要があった。新開発のアシスト機構を搭載したことで軽い力でスムーズに稼働し、バー形状のハンドルは、どこを持ってもワンアクションでロック解除ができる。これにより片手で簡単に扉を開閉することを可能にした。 ◇安全性 ・注意喚起機能…ゴミ収集車は、収集場所に面した路上に停車することが多く、狭い道路上では通行する自動車や自転車、歩行者と接触する危険がある。従来の一般的なゴミ収集車は灯火器の取付位置が低く、作業中に作業員によって隠れてしまうこともある。プレスマスターPA7型は灯火器類や表示器を高所に集中配置することで、従来よりも広範囲に注意喚起を行い、市民と作業員の安全性を向上を実現させている。 ・巻き込まれ防止…積込プレートの接近時に、上部に設けられたLEDシグナルライトと、音声でプレートで作業者に伝える。これにより、積み込み作業中の巻き込まれ事故を未然に防ぐ。また、足元にはバー形状の緊急停止スイッチを搭載しており、足等で押すことで積込動作を停止することができるなど、総合的な対策により作業員の安全性を改善している。 ・後部視認性…リアカメラとキャビン内モニターをオプションで用意。運転手はキャビンから容易に後方を確認でき、狭い住宅街の中での作業や走行の際に安全性を確保しながら操作できる。また、後端部のガードプロテクタを従来よりも車両左右方向に延長し、視認性の高いカラーリングを施すことで、ミラーで容易に後端や角部を確認できる。マツダ…次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」が金賞を受賞
次世代エンジン…マツダ