インドネシア向けテールゲートリフターを市場投入、新たな製品ラインナップとして現地で生産
月刊ITV 2017年7月号
発行:平成29年7月1日
発行所:(株)日新(HP)
執筆:大島春行・大西徳・伊藤慎介・井上元・岡雅夫・佐原輝夫・鈴木純子・中田信哉・西襄二・橋爪晃・宮代陽之
表紙・レイアウト:望月満
記事&編集:横路美亀雄・於久田幸雄
極東開発…インドネシア向けテールゲートリフターを市場投入
リフター…極東開発
新たな製品ラインナップとして現地で生産
極東開発工業㈱は、インドネシア工場(PT.Kyokuto IndomobilManufacturing Indonesia:プルワカルタ市)において、テールゲートリフターを生産し、新たな製品ラインナップとして現地市場に投入した。 インドネシアでは、物流網の拡大に伴う取扱集荷量の大幅な増加により、効率的な荷役作業が求められており、作業負担を軽減することが可能なテールゲートリフターの需要が高まっている。 同社は日本国内におけるテールゲートリフターの先駆者としての技術をベースに、現地で求められるスペックを最適化したインドネシア仕様の後部格納式テールゲートリフター(最大許容リフト荷重800㎏)を開発。すでに、2017年5月より受注と生産を行っており、当面は約50台/月の生産を目標としている。また、今後は本機種の拡販と、現地のニーズに合わせたバリエーション展開を検討して行くことになっている。 極東開発グループでは、同新製品の投入によりインドネシア事業の強化を図り、引き続き海外事業の拡大に努めていくとしている。三菱ふそう…新型トラックと観光バスを日本国内で同時発表
トラック・観光バス…三菱ふそう
日本市場でのシェア獲得を目指す
三菱ふそうトラック・バス㈱(MFTBC)は、21年ぶりにフルモデルチェンジした大型トラック「スーパーグレート」、および安全性能を強化した大型観光バス「エアロクィーン・エアロエース」を2017年5月15日に同時発表した。いずれも日本で初めて機械式自動変速トランスミッション(AMT)が全車に標準装備されている。 MFTBCの新型モデルは、世界における商用車のリーダーである、ダイムラーグループで培った技術により、最先端の「安全性」、優れた燃費性能を含めた「経済性」、ドライバーをサポートする「快適性/操作性」を実現させている。 MFTBCのマーク・リストセーヤ代表取締役社長・CEOは、「今回の2車種の発表は、私たち三菱ふそうが、日本市場において再びリーダーシップを担うための試金石になります。先進技術を採用した、これらフラッグシップ車両が、クラス最高の燃費性能と、安全性能、そして快適性を実現し、事業者の皆様・そして運転手の皆様に新たな価値を提供します。また当時に、国内のディーラーの設備、営業・サービススタッフへの教育に投資するとともに、お客様がビジネスを成功させるための最上のサービスを提供してまいります。この変革により、必ずやマーケットシェアを得られると確信しております」と述べている。大型トラック「スーパーグレート」
1996年以来21年ぶりのフルモデルチェンジで内外装のデザインを一新。新開発の2種類の小排気量エンジン(6R20型:10.7L、6S10型:7.7L)を採用し、従来車両と比較し、大幅な軽量化を実現。また、新開発の12段機械式自動変速トランスミッション(AMT)「ShiftPilot(シフトパイロット)」を全車に搭載し、スムーズなシフト操作により、快適性を実現している。 また、歩行者検知も可能にした衝突被害軽減ブレーキ「ABA4(アクティブ・ブレーキ・アシスト4)」、MDAS-Ⅲ(エムダススリー)の技術を進化させた運転注意力モニター「アクティブ・アテンション・アシスト」、国内初の左死角に隠れた危険を警告する「アクティブ・サイドガード・アシスト」など各種安全装備を採用し、大型トラックによる事故を低減し、安全性を高めている。 車間距離保持機能付オートクルーズに、自動停止、自動発進機能を追加した「プロキシミティー・コントロール・アシスト」を新たに採用するとともに、オートクルーズを使用中にGPSと3D地図情報によって道路勾配を予測し、省燃費走行を図る「パワートレイン3D予測制御」(オプション設定)により、経済性と快適性を実現させている。 今回新たに、テレマティクス機能として「Truckonnect(トラックコネクト)」を標準採用。稼働中のリアルタイムなトラックの情報をユーザーのPC端末でチェックできるサービスとして、新たに導入した。車両の現在位置・稼働経路、そして万が一の車両の故障時や事故などのトラブルを確認できるとともに、ドライバーの安全運転の状況もリアルタイムで把握することが可能となる。また、デジタルタコグラフの基本項目も、確認することができ、燃費状況も含めた業務効率化が図れる。なお、初期導入費用、サービス通信費用、デジタルタコグラフ本体費用を無料としているのは、日本の商用車メーカーとしては初となる。 三菱ふそうセールスジャパンの丹野誠販売統括部長は、「新型スーパーグレートは、お客様のニーズである経済性、安全性、快適性に適合した、ベンチマークになる製品であると確信しております。すべてにインターネットがつながる時代がやってきました。当社は新たなテレマティクスである”トラックコネクト“サービスを導入し、お客様と常につながるとともに、お客様のビジネスに利益をもたらすべく、さらなるシステムの開発を進めてまいります」と語っている。大型観光バス「エアロクィーン/エアロエース」
日本市場での観光バスのリーダーである「エアロクィーン・エアロエース」が、従来から好評だったエレガントな外観を引き継ぎつつ、安全面を大幅に進化させ、この度約10年ぶりに新たに生まれ変わった。日本で初めて、大型観光バス全車に8段機械式自動変速トランスミッション(AMT)「ShiftPilot」を標準装備。安全性・快適性・効率性を高い次元で実現している。 安全性能では、衝突被害軽減ブレーキAMBを進化したABA3(アクティブ・ブレーキ・アシスト3)を採用するとともに、MDAS-Ⅲの技術を進化させた運転注意力モニター「アクティブ・アテンション・アシスト」、渋滞時の疲労軽減にもつながる、車間距離保持機能付オートクルーズに、自動停止、自動発進機能を追加した「プロキシミティー・コントロール・アシスト」をバスでは初めて採用した。 新型小排気量エンジン(6S10型:7.7L)を採用し、軽量化による定員増を実現。また、エアロエースでは、トランクルームを拡大し、高まるインバウンド輸送需要に応える車両としている。 MFTBCの菅野秀一バス事業本部長で三菱ふそうバス製造㈱取締役社長は、「新型エアロクィーン・エアロエースは、日本で最もご愛顧頂いている観光バスです。今回の新型車は、これまで評価いただいている外観は継承しつつも、安全面を大幅に強化し、お客様に安心してご乗車いただくバスとなりました。また、今回、車両の制御システムおよびパワートレインを世界基準となるダイムラー・バス部門と共用化することにより、将来の自動運転化も視野に入れた車両に仕上がっています。三菱ふそうとして、安全性・品質においてのベンチマークになったと確信しております」と語った。日野セレガを改良して新発売
大型観光バス…日野自動車
対人検知が可能な衝突被害軽減ブレーキを標準装備
日野自動車㈱は、大型観光バス「日野セレガ」を改良し、PCS(衝突被害軽減ブレーキ)の機能を向上させるとともに、新たにAMT(機械式自動変速機)搭載車型を設定して2017年7月3日に発売する。 今回の改良では、標準装備であるPCSの機能を向上させ、新たに停止車両や歩行者に対しても衝突回避(停止車両に対しては自車速50㎞/h以下、歩行者に対しては30㎞/h以下で衝突回避を支援)することが可能になった。車線逸脱警報、ドライバーモニター、VSCも標準装備し、高い安全性を実現させている。 ショートボデー車(9m)は変速機を7速AMT(機械式自動変速機)「ProShift(プロシフト)7」とし、ダイヤル式ギヤセレクタ―をインパネに、変速モードの変更やマニュアルシフト操作ができるシーケンシャルレバーをステアリングコラムに設置して変速操作の負担軽減を図るとともに、エンジンを従来のJ08C型(7.684L)からダウンサイズしてA05C型(5.123L)を搭載、燃費を向上させて燃費基準を達成(GVW12トン以下の車型)させている。 また、すべての車型をエンジン制御や排出ガス後処理装置の改良により平成28年排出ガス規制に適合させた。 今回の改良では、中央に7インチの液晶を配した大型の新型メーターを採用、新たに4本スポーク化したステアリングホイールにはクルーズコントロールの操作等ができるステアリングスイッチを備えるなど、視認性、操作性を向上させている。 また、高音質で省電力のデジタルスピーカーや、ドライバーも操作しやすいタッチパネル式AVモニターの採用などAV機器のグレードアップ、室内灯、車幅灯など灯具類のLED化等、商品性の向上も図っている。 「日野セレガ」には通信により車両情報を日野に送るICTサービス機能が備えられている。万が一の車両トラブルの際にも位置情報を把握し、適切な初動対応につなげるほか、車両データに基づき運転状況のレポート提出や、適切な予防整備の提案も可能になっている。 「日野セレガ」のロングボデー車(12m)のA09C型エンジン(8.866L)搭載車は燃費基準+15%、E13Cエンジン(12.913L)搭載車は+10%、新たにA05C型エンジンを搭載したショートボデー車(9m)はGVW12トン以下の車型が燃費基準を達成しておりエコカー減税の対象となる。ちなみにエコカー減税は、取得税・重量税について、+15%達成車は100%減税、+10%達成車は75%減税、達成車は25%減税となる。 代表車型の東京地区希望小売価格は次の通り。 ・「日野セレガスーパーハイデッカ」一般観光/11列(2RG-RU1ESDA)、エンジンE13C-AE〈ET-ⅩⅥ〉331kW(450PS)、トランスミッション6速FFシフト…48,400,200円 ・「日野セレガハイデッカ」一般観光/12列(2TGRU1ASDA)、エンジンA09C-UV〈AT-Ⅷ〉265kW(360PS)、トランスミッション7速FFシフト…41,784,120円・「日野セレガハイデッカショート」2列サロン観光/7列(2KG-RU2AHDA)、エンジンA05C-TC〈A5-Ⅲ〉191kW(260PS)、トランスミッション7速AMT(ProShift7)…34,468,200円 なお、年間販売目標台数は1,000台(日野セレガシリーズ全体)としている。いすゞ…大型観光バス「ガーラ」を改良し発売
大型観光バス…いすゞ